妖精と白き夜叉   作:さとモン

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バトル・オブ・フェアリーテイル始動

夜叉は妖精に手を差し伸べるのか……?


二章 妖精同士の争い
3話 妖精さん、戦いを始めるのね


とある酒場でフードの男が酒を飲んでいた。

 

 

「………」

 

 

「どうしたんだよ兄ちゃん」

 

 

そのフードの男に、酒を浸かるように飲んでヘロヘロに酔っていた男が声をかける。

 

 

「……白夜叉って知ってるか?」

 

 

「知ってるに決まってるだろ!あの、白夜叉だろ?最近よく聞くよな」

 

 

「……白夜叉について、なにか知ってることはないか?」

 

 

「いや……わかんねぇな」

 

 

「そうか……」

 

 

「それよりもよ!ファンタジア楽しみだな!」

 

 

「ファンタジア?」

 

 

「ファンタジアを知らねぇのか?」

 

 

「ファンタジアはな、マグノリアの収穫祭で、魔導士がするパレードみたいなもんだ」

 

 

「ふーん」

 

 

フードの男。

 

 

銀時は酒を飲みながら、とうぶん酒を飲むのはやめよう、と思った。

脳裏に、大事な少年と少女を浮かべて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホントアルか!?」

 

 

「良かったね神楽ちゃん」

 

 

神楽はテンションが上がり、たまたま手に持っていたぬいぐるみをビリビリにする。

それを見た銀時が、顔を青くしていたのは置いていく。

 

 

「うおぉぉおお!!」

 

 

「っても、金はちょっとだけだからな」

 

 

「一人当たりどれくらいなんですか?」

 

 

新八は、一人に使えるお金が気になるようだ。

 

 

「1500Jだ。」

 

 

「結構多いんですね。」

 

 

「(そりゃあ、頑張って貯めたからな)」

 

 

銀時は結構考えている。

 

 

祭り代で4500J

どうせ何かを壊すだろうから、弁償に100000Jぐらいは用意。

で、ジャンプ代は残しておかなくちゃいけねぇし、明日からの生活費に手を出すわけにはいかねぇ

となると、一人に1500Jで十分だ。

 

 

「服はいつものでいいアルか!?」

 

 

「じゅうぶんだ。」

 

 

「楽しみアルな、新八!」

 

 

「そうだね、神楽ちゃん」

 

 

銀時は、ここに何かある。と踏んでいた。

 

 

この町なら…いや、この国なら……

 

 

 

白夜叉が今になって噂になり出した謎がわかるかもしれない

 

 

銀時の口は弧をえがいた

 

 

だれも、その事には気づかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~収穫祭当日~

 

 

「うぉぉぉぉぉお!!」

 

 

「凄い人の数ですね」

 

 

祭りはそこまで嫌いじゃない。

 

 

だが、銀時はこの人の量が苦手だった。

 

 

なれているかぶき町や、江戸の人々ならまだ幾分かマシだったが、全く知らない土地であるマグノリアは、銀時には不安要素でしかなかった。

 

 

しかし、子供達が喜んでいるのなら、少しぐらいは我慢しよう。

己も大人なのだ。と、銀時ははしゃぐ二人を見ていた。

 

 

3人は、ミス・フェアリーテイルコンテストというものを見ていた。

 

 

金髪の少女、ルーシィの出番がきた。

 

 

しかし、突如現れた茶色の髪をした女性にそれを妨害される。

 

 

「優勝はこのエバーグリーンで決定~!ハ~イ、くだらないコンテストは終了で~す」

 

 

「銀ちゃん……あの女、変なこと考えてるアル」

 

 

「……内容を教えろ。内容を」

 

 

銀時は、あぁ…また使ったのか。と、驚かずに神楽を見た。

 

 

神楽はよく、無意識に魔法を使う。

 

 

神楽の魔法は、人の思考がわかることだ。

 

 

しかし、それを他人に言いふらそうとすることがない。

 

それどころか、それを話そうとしない。

 

銀時にすら、物凄く大雑把に答えるぐらいだ。

 

 

銀時と初めて出会ったとき、神楽の第一声は銀時にとって苦しいものだった。

 

 

『……お前、鬼アルカ?』

 

 

『……え』

 

 

まさか銀時も神楽も、こんな関係になるなど、あの頃は全く思っていなかっただろう。

 

 

「こたえは自分で捜すのが楽しいアル。だから、銀ちゃんには言わないネ」

 

 

「オイオイ、お前なぁ…」

 

 

なにやら二人が話している時だった。

 

 

エバーグリーンが眼鏡を瞳が見えるまであげる。

 

 

ルーシィと目が合う。

 

 

すると、ルーシィの体はみるみるうちに固まっていき、石になった。

 

 

「マズいぞ!町民の皆は早く逃げて!」

 

 

司会の男が、声をあげる。

 

 

「ねぇ銀ちゃん。私たち町民じゃないアル。逃げなくていいアルカ?」

 

 

神楽が曇り一つない目で、銀時を見つめる。

 

 

この目は本気だ。

 

 

だが、この場での町民というのは、会場にいる観客全てを指す。

 

 

「馬鹿野郎。俺たちも一応逃げるぞ。新八、逃走経路を教えろ」

 

 

「あっ、はい」

 

 

 

人物紹介では、新八の魔法は眼鏡を出すことと、ツッコミといったが、あれは実のところ正確ではない。

 

眼鏡をだすのは、ただ単にストックがあるだけだ。

 

新八の魔法の本質は、千里眼……いや、【視る目】とでも言おうか。

 

彼は、洞察力に優れていた。

 

それを極めに極め、辺りの状況を分析し、更に半径1000mまでならハッキリと見渡すことができる。

 

千里眼に酷似しているが、千里眼は見るだけだ。

 

ここで『見る』と『視る』の違いが出る。

 

『見る』は、状態を知ることができる。

 

だが、『視る』はハッキリとみて取ることができる。

 

だが、一般的には【見る】と総合的にいう。

 

これはやはり、まぁ色々と使い分けるのが面倒だからだ。

 

 

 

「ステージの後ろ…いや、ギルドの裏を通ります。」

 

 

「行くぞ、神楽……神楽?」

 

 

しかし、神楽はステージをずっと見ていた。

 

 

「銀ちゃん、アイツ……」

 

 

神楽は石になったルーシィを見ていた。

 

 

「そんなの後だ。後」

 

 

「でもっ」

 

 

「神楽」

 

 

神楽はこの声に弱い

 

 

この声は真剣だから

 

 

逆らえなくなってしまうのだ。

 

 

銀時は、なにかの気配に気づく。

 

 

気になる

 

 

少し、覗いてみることにした

 

 

「……てめぇら、隠れるぞ」

 

 

「え……あっ、それならあそこが良いと思います。」

 

 

新八の指差す方へ走る3人

 

 

隠れて、FAIRY TAILの者たちの様子を伺う

 

 

いきなり、垂れ幕が燃えだした

 

 

控え室が露わになる

 

 

そこには、石となった7人の姿があった。

 

 

「……あのとき、いた」

 

 

そこにいた石になっていない者たちは、叫ぶ。

 

 

そのとき、ドゴォォンと雷が大きな音をたてて落ちた。

 

 

銀時の隣で、二人はビクッと怯える

 

 

「よぉ、妖精の尻尾のヤロウども。祭りはこれからだぜ」

 

 

「雷神衆!!ラクサス親衛隊だ!!」

 

 

「遊ぼうぜ、ジジィ」

 

 

それを聞いていた銀時。

 

 

少し嫌な顔をした。

 

 

「親衛隊って、新八かよ」

 

 

「あれと僕を一緒にしないでください」

 

 

「へーへー」

 

 

そして、また稲妻が走った。

 

 

神楽はやはりビクッと体を奮わせる。

 

 

「……冗談で済む遊びと、そうはいかぬものがあるぞ、ラクサス」

 

 

「もちろんオレは本気だよ」

 

 

それは、わかっていた。

 

 

だが、神楽の様子はただ怯えているのとは少し違う。

 

 

動揺している。

 

 

「アイ、ツ…銀ちゃんに、ちょ…とだけ、似…てるアル」

 

 

びくびくしながら、確かに紡ぐ。

 

 

「何処が似てるんだよ」

 

 

それなら、土方と似ている方がマシだ。と、銀時はラクサスを見ながら思った。

 

 

「ここらで妖精の尻尾最強は誰なのかをハッキリさせようじゃないか」

 

 

「つう遊びだヨ」

 

 

「ルールは簡単。最後に勝ち残った者が勝者。それが、バトル・オブ・フェアリーテイル!!」

 

 

潰しあい

 

 

仲間同士で…?

 

 

あぁ、物凄く苛つく。

 

 

こういうのは仲間を信じているのかと疑う。

 

 

いや、許せない

 

 

「アイツら馬鹿じゃねぇの?」

 

 

「ちょっと銀さん」

 

 

青筋を額に浮かべて木刀を抜き、今すぐにでも出ていこうとする銀時を羽交い締めにする新八。

 

 

それを見た神楽も止めにはいる。

 

 

大きな音と、3人の視界に火が見えた

 

 

「いいんじゃねえの?わかりやすくて。燃えてきたぞ」

 

 

3人は冷や汗をかく

 

 

世界は広い

 

 

ただ、恐怖は感じていない

 

 

あんなものは、お妙や屁怒絽と比べれば、微塵たりとも怖れる要素がない。

 

 

「銀ちゃん、やるアルカ?」

 

 

「馬鹿か、あれはアイツらの問題だろ。俺たちが首を突っ込んだらいけねぇんだよ」

 

 

「そうだよ神楽ちゃん」

 

 

神楽はすべてを知っているからなのか、ただラクサスを見続けていた。

 

 

悲しそうに

 

 

やはり、銀時に似ていると思いながら

 

 

 


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