妖精と白き夜叉   作:さとモン

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2話 万事屋なんかに頼むとろくな事がない 後編かもしれない

 

 

 

ドガァァアン!となにかが壊れる音がする

 

 

見ると、ギルドの壁が壊されていた

 

 

「よぉ……元気そうじゃねぇか。銀時さんよぉ」

 

 

「おっ、お前は……!?」

 

 

知っているのだろうか

 

 

銀時は驚いた目で目の前にいる男を見た。

 

 

「誰だっけ」

 

 

ズコォォォォオ!

 

 

「知らないの!?」

 

 

ルーシィは新八のようにツッコミをする

 

 

「なにその例え!」

 

 

「それが作者ですから」

 

 

「作者ってなに!?」

 

 

「てめぇっ!忘れやがって!だいたい無…「うるせぇ!」

 

 

男は無視されて痺れをきらしたのか、それとも忘れられたからなのか、大声をだした。

 

 

しかし、その声はすべて言い切ることなく、銀時に遮られる

 

 

「ゆるさねぇ!お前を殺っ…「はーい、逮捕~」

 

 

ひょこっと、苛立つ男の後ろから、クリーム色の髪をした顔の整っている、所謂イケメンだろう、黒服を纏った少年が現れた。

 

 

そう、この少年はイケメンである。

 

 

性格はとても優しくて、姉思いの良い弟だ。ものすごく姉に似ている。

 

 

「よくやった作者」

 

 

いえいえ沖田様

 

 

きっちり男の腕に手錠をして、沖田は現れた

 

 

「てめぇ誰だ!?この餓鬼!」

 

 

男は当然のことながら暴れだす。

 

 

「はーい公務執行妨害並びに警官侮辱罪並びに器物損壊で逮捕~」

 

 

「はぁ!?なに言ってやがる!」

 

 

男はやはり暴れて逃げ出そうとするが、思ったよりも少年の力が強く、なかなか逃げ出せない

 

 

「旦那、厄介ごとをつくるのはやめてくだせェ」

 

 

独特なそのしゃべり方は、あまりこのマグノリアでは聞かない。いや、聞いたことがないはずだ

 

 

「総一郎くん、俺はつくってねぇよ。だいたい、喧嘩を吹っ掛けてきたのはコイツだろうがァ!」

 

 

「旦那、総悟です。アンタが厄介事に巻き込まれたりするからいけないんでしょうが。」

 

 

「沖田さん!?どうしてここに…」

 

 

沖田は、はぁ…とため息をつく

 

 

そして、そのあと少しニヤッと笑った。

 

 

「桂や高杉たち、攘夷志士や攘夷浪士達がこの国に来たらしくて追っかけてきやした。」

 

 

「ヅラと高杉が!?」

 

 

沖田は男を引き摺りながら銀時に近づく。

 

 

「それから、評議院に呼ばれやしてね。テロリストを捕獲するついでに、闇ギルドとかの捕縛及び壊滅を頼まれやした。」

 

 

「ちょっ、ちょっと待って!」

 

 

ルーシィはギルドから出てきた。

 

 

「なんで評議院がそんなことを…!?」

 

 

「うむ、評議院がそんなことを頼むはずがないのだが…」

 

 

沖田はチッ、と舌打ちをした。

 

 

「桂たちを追いかけるためにここに来たんでィ。ちょっと評議院に申請することがいろいろあったらしくてねィ。何かの交換条件として、評議院の手伝いをしなくちゃなんねぇんでさァ」

 

 

「総悟ォォォ!!なに勝手に話してんだァァァ!!」

 

 

沖田の後方から、大きな叫び声が聞こえてきた。

 

 

遠目に銀時と同じ歳ぐらいの男が走ってくるのが見えた。

 

 

「あっ、多串くん」

 

 

「誰が多串だァァァ!!万事屋ァァァ!!」

 

 

「うるさいネ、マヨラー」

 

 

いきなり土方は前のめりになって顔から転けた。

 

 

「大丈夫なの、あの人……?」

 

 

ルーシィは苦笑いをした。

 

 

「大丈夫でさァ、土方さんなんで。ところでお嬢さん、ちょいと俺に付き合ってくれやせんか?」

 

 

「えっ……えぇ!?」

 

 

沖田はにたァ、と何か恐ろしいことを考えているかのように笑う。

土方はこれを、悪魔の笑みと呼んでいた。

 

 

「おい、ルーシィになにする気だ!」

 

 

ナツがすかさず止めにはいる。

 

 

「……ふーん、アンタも遣り甲斐がありそうですねィ」

 

 

「アンタ一体なにを考えてるの!?腹黒でしょ!!」

 

 

それを聞くと、沖田は否定しようともせず、こう言い放った。

 

 

「俺ァ、サディスティック星から来たサド王子なんでねィ」

 

 

「この人ものすごく怖いんですけどー!?」

 

 

「なんかヤベェ臭いがするぞルーシィ!」

 

 

「この人の性格が腹黒だからよ!」

 

 

銀時はそれを無視して沖田を殴った。

 

 

「いてっ…………何すんですかィ、旦那」

 

 

頭を押さえながら、沖田は銀時を

見上げた。

 

 

「はやくソイツ連れて帰りやがれコノヤロー」

 

 

「へいへい」

 

 

沖田は男を引き摺って、歩き出した。

 

 

土方を置いて――――

 

 

 

「待ちやがれ総悟ォォォ!!」

 

 

土方のその声が聞こえた途端、沖田はもうダッシュで走り出した。

 

 

それを視点は追っていく

 

 

「……おっ、ザキィ」

 

 

物凄いスピードで走っていると、沖田の視界の先に山崎がいた。

 

 

「隊長!?」

 

 

「そうだ、お前土方を止めとけよ」

 

 

「え?」

 

 

沖田が去った数秒後、山崎の視界はブラックアウトした。

 

 

「チッ、使えねぇ野郎だ。」

 

 

沖田は走っていく。

 

 

「ちょっ、ちょちょちょ!引き摺ってる!引き摺ってるから!」

 

 

「ん?」

 

 

沖田は上半身裸の男を見つけた。

 

 

グレイ・フルバスターだ。

 

 

沖田は面白いものを見つけたと、ニヤリと笑う。

 

 

今日は随分と運が良い。

 

 

「ちょっとそこのお兄さん」

 

 

「んぁ?」

 

 

沖田はグレイに声をかけた。

 

 

変態だが、そこそこ顔は整っている。

 

 

「瞳孔が開いたおっかねぇ男に追いかけられてるんでィ」

 

 

「はぁ?」

 

 

「だから―――」

 

 

沖田はグレイの肩をがっしりと掴む

 

 

「え?」

 

 

沖田の耳に、確かに聞こえてくる声がある

 

 

「総悟ォォォ!!」

 

 

その声は、今ではもう聞きなれた声

 

 

「身代わりになってくだせィ」

 

 

「っオイ!」

 

 

土方はそのままグレイへと真っ直ぐ走ってくる。

 

 

気づくと、グレイはクリーム色のかつらを被っていた。

 

 

「仕方ねぇ!アイスメイク……」

 

 

グレイは構えた

 

 

「大槌兵(ハンマー)!」

 

 

土方の頭上に、氷でできたハンマーが出現した。

 

 

グレイはこのまま氷でできたハンマーが土方に当たり、今までの敵のように倒れるものだと思っていた。

 

 

「土方さん、上」

 

 

「うぁ?………!」

 

 

その予想に反して、土方は己の腰にあった刀を鞘から抜くと、頭上の氷の

ハンマーを絶ち斬った。

 

 

「は!?」

 

 

「ヤベっ」

 

 

沖田はグレイを押して、その場から逃げようとする

 

 

「あっ、オイ!」

 

 

沖田を止めようとするグレイに悲劇が襲う

 

 

「待ちやがれ総悟ォォォ!!」

 

 

土方がグレイに突っ込んでいき、そのままグレイは勢いに飛ばされた。

 

 

「……くそっ」

 

 

キキッィ――!!

 

 

沖田は勢いを殺して止まる。

 

 

そして迫ってくる土方を見た。

 

 

勿論、捕まるようなことはしない

 

 

沖田はバズーカを取り出した。

 

 

これはどこにあったんだとかそういうのは無視しなくてはならない

 

 

「死ね土方ァァァ!!」

 

 

沖田はバズーカを放った。

 

 

ドガァァァァン!!

 

 

辺りは煙に包まれた。

 

 

 

 

一方、飛ばされたグレイは

 

 

「ん?」

 

 

~~~~~~

 

 

あれから落ち着いて、エルザはケーキを食べようとしていた。

 

 

大好きなショートケーキ

 

 

目の前にいる銀時という男も、甘いものが大好きらしく、気があった。

 

 

ようやく一口目を食べれると思った

 

 

その時だった

 

 

グシャ

 

 

「………」

 

 

グレイが上から降ってきた。

 

 

「ったく、散々な目にあった………ん?」

 

 

グレイはなにやら気配を感じ、したを見る

 

 

「これ、誰の……」

 

 

ゴゴゴコゴゴ……

 

 

エルザは怒りに満ちていた

 

 

「エっ、エエ…エルザ?」

 

 

「グーレーイー!!」

 

 

「はいっ!」

 

 

「よくも私のショートケーキをぉぉ!!」

 

 

グレイは身の危険を感じて逃げ出そうとするが、エルザに捕まえられ、それはかなわなかった。

 

 

「ギャァァァァアア!!」

 

 

グレイの断末魔が響いた。

 

 

 

 




さようならグレイ

君のことは忘れない


きっと……

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