更新遅くなってすみません><
最近、温度差が激しいですけど体には気を付けて下さいww
では、本編へ^^
「コオオォォォ・・・」
奇妙な息を吸う音と共にライガーの周りの空気が痺れ出した。
徐々にライガーの腕の剣から手まで、そして膝から脚までが紫色の光に包まれ、アーマーのようになった。足から鉤爪が生えて、膝は尖がった。腕と同じようにアーマーに包まれる。昨日使っていた移動能力拡張心意技『スペース・ジャンプ』と同じ形だった。
「くわぁ!!」
ライガーの口が開いたと思うと、ギザギザな歯が現れた。さらに、尻尾が現れまるで黒い獣ようだ。しかし、その姿は獣というよりも人に近い姿だった。
「ふぅ・・・」
「それが、ライガーさんのアビリティ・・・」
「そうだ。名は“獣アビリティ”。本来ならここまで時間はかけないが、お前には今回だけ特別に見せてやるさ。だが・・・」
ライガーはゆっくり立ち上がり両手を広げた。
「あまり獣には見えないだろう?」
「え・・・まぁ・・・獣というかなんていうか・・・」
あまりにも突然だったからクロウは言葉が出なかった。
「“獣人”みたいだろう」
「そうですね。まるで“獣人”みたい・・・」
クロウは、ふと疑問に思った。
(ちょっと待て。じゃぁ何で
「どうやら気付いたらしいな」
「!!」
突如、ライガーに心を読まれ、動揺を隠し切れなかった。
「そうだ。“獣アビリティ”とか言いながら完全な獣じゃない。パドみたいに完全な獣になれなかった。人と獣の間。いわば、“獣人”だ。悲しいねぇ。パドが羨ましいよ」
「ライガーさん・・・」
「ま、別にそこまで悔いてないけどよ」
「え?」
「だって、この通り名で有名になってるから別によくね?気にする事ないじゃん」
クロウは、唖然とした。
「あの、ライガーさん・・・何かギャップ激しくありません?」
「ん?まぁ~よくレギオンメンバーにも言われたな」
「・・・」
クロウは、呆れて何も言えなかった。
「さぁさぁ、お喋りはこれぐらいにして・・・」
ライガーは、右手を地面に着き、腰を低く落とした。
「早く対戦の続きしようぜ」
「では、最後に教えて下さい。何故、『高速の獣人』と呼ばれているのですか?」
「それは、今見せてやるよ。それよりも、しっかり防げよ。じゃないと、即死するぞ」
クロウは、いつでも防げるように構えた。そして、翼も羽ばたけるように準備した。
お互い動かなかった。ただただ時間が減るだけだった。
ライガーの顔が、先ほどより近くなり・・・
(さっきより近いような・・・)
と思った瞬間、ライガーがクロウの顔に向けてラリアットした。
「ぐわぁ!!」
そのまま吹き飛ばされたクロウに対し、ライガーはさらに距離を詰めた。
クロウは、翼を震わせ体勢を整えたが既に、ライガーの姿はなかった。いや、クロウの真下にいたのだ。
「らぁっ!!」
「ぐっ!!」
腹を殴り、真上に飛ばした。
(く・・・速い!!)
「これが『高速の獣人』と呼ばれた理由だ!!」
ようやく理解出来た。先ほどのライガーの顔が瞬時に自分の目の前に現れた事、そして、自分の真下にいた事。黒雪姫が言っていた『加速世界で、地上で最も速いバーストリンカー』の意味。つまり、全てライガーの“獣アビリティ”だったのだ。ライガーのアビリティは脚力が上がり瞬時に移動出来るのだ。
クロウは、再び防御体勢に入ったが目の前にライガーがいた。
「遅い!!」
「くっ!!」
どうにか防御出来たが、パンチの反動で後ろに吹き飛ばされた。
体勢を保とうとしても・・・
「まだまだ!!」
既に背後におり、再び蹴られて飛ばされた。そしてその繰り返しに。
ライガーはビル壁を利用して飛ぶ向きを変え、クロウに突っ込んでいたのだ。
(まずい、このままじゃ・・・)
ライガーの攻撃止まず、HPは徐々に減りだした。
「らぁ!!」
顔面を殴られ、地面に叩き付けられた。
「どうした?諦めたか?」
クロウはゆっくり起き上がり呟いた。
「いえ、ライガーさんの攻撃が速すぎてなかなかチャンスがつかめなかったんです」
「だろうな。こんなんで諦められたらこっちが困るさ」
そう言いつつ、後方に飛び、ビルに張り付いた。
鉤爪を食い込ませ、尻尾を刺し、見事に張り付いている。
「俺の最大の必殺技を見せてやるよ」
ライガーの必殺技バーを見ると既に満タンだった。
「かわすなら今のうちだぞ」
「!!」
ライガーは右腕をゆっくりひいた。
装甲が開き、紫色の光を発した。そして、体を後ろに引き、クロウに勢いよく突っ込んで行った。
クロウは、翼を全力で震わせ、後ろに下がった。
「らああああぁぁぁぁ!!!!!!」
ライガーの必殺技が地面に着弾し、巨大なクレーターが出来た。
「ぐわぁ!!」
その勢いでクロウは吹き飛ばされた。
「なんて威力だ。あんなの食らったらこっぱみじんだ」
「大した物だ。綺麗にかわすとはな」
(これ以上地上にいたらヤバいな。そろそろ飛んで攻撃を仕掛けないと・・・!!)
腹部に痛みがあると思い、見ると黒い針状な物が刺さっていた。後ろを向くと、その針状は地面から出ている。そして、それを追うとライガーから始まっていた。刺さっていたのはライガーの尻尾だったのだ。
「く・・・」
尻尾を抜くと、クロウは地面に跪いた。
「ふん、油断したな。尻尾ってのは、こういう風に活用出来るんだよ」
クロウは、自分のHPバー見た。残り1割を切っていた。
あと一撃でも強力な攻撃を受けたらおしまいだ。
「いつまで跪くつもりだ?」
慌てて顔を上げると、ライガーが突っ込んできた。そして、クロウの首に噛み付いた。
「ぐわあぁぁ!!」
悲痛の叫び声が響いた。
ライガーは、徐々に顎の力を入れた。HPはじわじわ減っていった。
振り払おうとしても、ライガーがクロウをしっかりホールドしている。
(ぐ・・・負けてたまるか!!)
クロウは翼を震わせ、ライガーにホールドされたまま高く飛んだ。
そのまま逆さまになり急降下した。
ライガーがバタついたのを見逃さず、クロウは膝蹴りを食らわした。
クロウから離れたライガーは、そのまま落下。
「のわあああぁぁぁぁ!!!!!!」
地面に着弾。HPが減り、こちらも残り1割を切った。
クロウは、体勢を戻し、ゆっくり下降した。
「ぐ・・・この、ガキが!!」
そのまま、勢いよくクロウに突っ込んで行った。
(落ち着くんだ。ライガーさんの動きをよく見るんだ)
すると、あんなに速かったライガーの動きがゆっくりになった。
そのまま、左にスライドした。
「何!?」
ライガーは、ビルに突っ込み、ビルは崩壊した。
「ほう、俺の攻撃をかわすか。舐めるな!!」
さらに突っ込んできたが、クロウはひたすらかわし続けた。
クロウは、再び空高く飛んだ。
「逃げる気か?」
クロウは、ライガーに向きを変えて。
「くらえ!!『ダイブ・アタック!!』」
「決着付けるつもりか?上等だ!!」
ライガーの必殺技も8割強溜まっていた。そして、あの必殺技を出した。
そして、お互いの必殺技がぶつかり、巨大なクレーターが出来た。
「うおおおおぉぉぉぉ!!!!!!」
「てああああぁぁぁぁ!!!!!!」
すると、クロウの腕にヒビが入った。
「くっ!!」
「悪いが、この対戦は俺の勝ちだ!!」
クロウは、どんどん押されていった。
「負けてたまるかぁ!!」
クロウも押し返した。
ライガーの腕にもヒビが入った。
「うおおおおおおおぉぉぉ!!!!!」
「でりゃあああああぁぁぁ!!!!!」
ライガーの腕は砕けた。
「何!?」
そのまま、腹に蹴りが入り押されていった。
「ぐわああああぁぁぁ!!!!!!」
腹を貫通し、ライガーのHPは尽きた。
「はぁ、はぁ」
「まさか、負けるとはな・・・」
後ろを振り向くと、ライガーは立つ竦んでいた。
「勝てたのも奇跡ですよ」
「フフ」
ライガーも振り返った。
「一番隅っこで窓の付近に座ってる」
「え?」
クロウは、すっかり忘れていた。
「すみません、対戦に夢中になってて・・・」
「別に謝る必要ねぇよ。じゃ、待ってるぜ」
「はい!!」
「じゃあな」
あいさつ共のライガーは爆散した。
【YOU WIN!!】という文字と共に現実世界に戻った。
現実世界に戻ったハルユキは横断歩道で立ち止まった。
加速世界は現実世界の1000倍なのだ。つまり、加速世界での1800秒は
ハルユキは、ライガーがいる建物に向けて走り出した。
「いらっしゃいませ、お客様何名でしょうか?」
受付のお姉さんに話しかけられ、慌てて腕を振り話した。
「あ、いえ!!待ち合わせしてました」
「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ」
ライガーに言われた席に向かうと、そこに1人の少年・・・いや、青年が外の景色を見ながら座っていた。
ハルユキは、深呼吸し歩き出した。
「君が、シルバー・クロウだね」
次回、ついにライガーのリアルと対面します
字が間違ってたらすみません><
感想、質問お待ちしております(^O^)