「き・・・貴様は!!」
「久しぶりだな、ロータス」
「ノワール・ライガー・・・生きていたのか?」
「酷い奴だな。俺が死ぬわけないだろう」
それは、まだ見た事のないバーストリンカーだった。シルバー・クロウと同じスピード型の体型。両腕から剣が伸びている。頭は、エヴァMark.6に似ていて、目だけがバイザーで覆われている。そして、ブラック・ロータスやブラック・バイスより少し薄めの黒色。鋼鉄の空の色と重なり美しいシルエットになっている。
ちなみに、エヴァとは「エヴァンゲリオン」の略。フルネーム「人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン」。過去にテレビ放送されていた。
知ってる人には分かると思うけど、最近映画でもやってる。
エヴァにはいくつか種類があり、エヴァMark.6は6号機のエヴァ。登場は新劇場版・破のラストとQで登場。
クロウは、意識をしっかりさせてロータスに質問した。
「先輩、この人知っているのですか?」
「もちろんだ。過去にネガ・ネビュラスを手助けしてくれたバーストリンカーだ。詳しくは、このミッションが終了してから説明するが・・・何故、貴様がこんな所にいるのだ?」
「たまたまさ。最近、無制限中立フィールドで妙な噂があってよ。気になったからダイブしてみたら・・・」
やれやれと両手を挙げてさらに言った。
「この状態だ。戦ったけど数が多すぎて困ったさ。建物の高い所に避難したら、丁度お前ら来てよ。たっぷり御手並拝見させてもらったぜ。何気に、ヤバい状況だったから来たって事だ。」
「なるほどな」
立つのがやっとのロータスを見て、ライガーは溜め息まじりで話した。
「そこで、休んでいろよ」
「な!!私は、まだ戦える・・・」
「どう見て戦えるんだよ。ボロボロじゃねぇか。安心しろ。俺が、お前らネガ・ネビュラスを守ってやるからよ」
「「!!」」
クロウとロータスは息を呑んだ。
何故、そこまでしてネガ・ネビュラスを助けるのかクロウには理解出来なかった。
「ど・・・どうして、そこまでして僕達を助けるんですか?まったく知らない僕達を助けるなんて・・・」
「確かに俺は、絶対に全員を助けない」
「え?」
クロウには、完全に理解出来なくなった。
「だが、俺はな、誰も助けれないのが嫌いなんだよ。例え、知らないバーストリンカーでも困ってるなら助ける。それが俺のやり方だ。それに、ネガ・ネビュラスにはちょっとした借りがあるからな」
「借り・・・」
すると、突然ライガーは笑いながら話した。
「言ってる事、矛盾してるだろう?」
(何なんだ、この人・・・)
呆れながら聞いていると、ライガーの後ろからクロム・ディザスター・モドキが襲いかかってきた。
「グルッ!!」
「危ない!!」
斧が、ライガーに下ろされた。だが、いとも簡単に防いだ。
「人が、話してる最中に攻撃するとは良い度胸だ・・・」
ライガーは、斧を押し返した。
「な!!」
そのまま右腕を振り、クロム・ディザスター・モドキの首を斬り落とした。
「だがネガ・ネビュラスだけは助ける。これは事実だ。だから安心して休んどきな」
そう言って、クロム・ディザスター・モドキのほうに歩み寄った。
「さぁ、さっきの続きしようぜ」
「ルオオオオオオォォォォォ!!!!!!!!」
雄叫びと共に、ライガーに襲いかかった。
斧と剣を振り下ろすが、全て止められた。
「らぁ!!」
次々、クロム・ディザスター・モドキ蹴散らした。同時攻撃もしかけたが、ライガーには一切通用しなかった。
「どうした?本気で来いよ!!ザコ共!!」
怒声の咆哮と共に、先ほどの穏やかなオーラが打ち消された。
「な・・・何が起きたのですか?」
「彼は、戦いになるとあんな獰猛になってしまうんだ。そもそもクロウ、『ライガー』とは、何か分かるかい?」
聞き慣れない単語だったから、クロウはキョトンとしてしまった。
「すみません。分かりません。」
「ライガーとは、ライオンと虎の雑種だ。つまり、『ノワール・ライガー』とは『黒き獅子王』という事だ。ちなみに、ライガーという動物の性格は、温和と獰猛二つにあると言われている。まさに、彼にピッタリだ。」
「まぁ、確かに・・・」
ライガーは、まだ暴れていた。
「かかって来いよ!!」
自分で誘いながらクロム・ディザスター・モドキを次々倒していった。
「グルッ!!」
右手に剣を持ち、左手には何も持っていないクロム・ディザスター・モドキが攻撃してきた。
「軽いねぇ」
だが、次の瞬間、クロム・ディザスター・モドキは、左手を構え、あの技を発声した。
『ダーク・・・』
「やっとか」
『ブロウ』
至近距離で受け、空気が揺れた。
「ヤバい!!ダーク・ブロウを至近距離で受けたら・・・」
慌てるクロウに対し、ロータスは冷静に話した。
「あれぐらい大丈夫さ」
「大丈夫ってでも・・・」
「よく見ろ」
クロウは、言われるままにライガーを見た。なんと、ダーク・ブロウを防いでいた。しかも、よく見ると心意技で防いでいた。
腕の剣から真っ直ぐ伸ばされ、薄緑の剣が現れていた。
「何だよ、その程度か」
クロム・ディザスター・モドキを蹴飛ばし、再び、腕を構えた。
首を斬り落とした。
「ルオオオオオオオォォォォォ!!!!!!!!!」
雄叫びと同時に、突っ込んで来た。
「たく・・・自殺行為だぞ」
呆れながらも、二刀流のレンクスン・ソードを出し応戦し、華麗な動きで、倒していった。
「ふ~・・・ん?」
動きが止まった所で、辺りを見回すと囲まれていた。
「あちゃ~・・・参ったな」
頭をかいてると一斉攻撃を仕掛けた。そして、クロウ達の所まで耳障りの金属音が聞こえた。
「ライガーさん!!」
返事が来なかった。
「嘘だろ・・・」
クロウは、うな垂れてしまった。
だが、突如、クロム・ディザスター・モドキの群れの中から、雄叫びと共に何かが飛び出した。
「邪魔だー!!!!」
「ライガーさん!!」
クロウは、脱出したライガーの足を見た。見た事のない謎の足が、ライガーの足を覆っていた。
「何だ、あの足は?」
足から膝まで覆われており、半透明で、形が定まっていなかった。足から鉤爪が生えており、膝は尖がっている。
ライガーは、高々と飛んだ。
「もしかして、あれは心意技?」
「うむ、おそらくそうだろう」
横からロータスが、座り込んで話してきた。
「きっとあれは、移動能力拡張だ」
「ですが、あの心意技は、まだ見た事ありません」
突如、レイカーが話してきた。しかも、さっき大ダメージを受けたはずなのに、普通に立っていた。
「し・・・師匠!!大丈夫なのですか!?」
「ええ、大丈夫ですよ。まだ、戦えるくらいピンピンしてます♡」
「そ・・・そうですか。戦えるなら、協力すればいいんじゃないのですか?」
「彼が、現れたので実力を見せてもらってます」
(ちょっとは、協力しましょう)
そんな事言った矢先には、ミッション終了後どうなってる事やら・・・。
ライガーは、空中で180度回転し、両手を剣に添えた。そして、薄緑の
「心意技!?」
両腕の剣を抜き、手に持って構えた。さらに、空中で空気を蹴り、クロム・ディザスター・モドキの群れに突っ込んで行った。
「速い!!それに、何もない所で蹴って移動するなんて」
「自分で、編み出すなんて成長しましたね。次の特訓が楽しみです」
「た・・・確かに・・・」
「うりゃあ!!」
「ルオオオオォォォ!!!!」
ライガーは、着地と同時に斬り裂いた。
「退けぇ!!」
次々倒していって群れを抜けた。
『ダーク・ショット』
ライガーは、ダーク・ショットを防いだが、徐々に押されていった。
「ぐっ・・・この・・・」
そのまま弾いて、クロム・ディザスター・モドキの群れに飛ばした。
すると、後ろから巨大な影が、ライガーを覆った。
「ルルル・・・」
「へ?」
先ほど打ち倒した、ボス型のクロム・ディザスター・モドキが怒りを満ちた状態で立っており、ライガーに向けて、斧を振り下ろした。
「おわぁ!!」
急いで、正面を向いて防いだが、あまりの威力でクレータが出来てしまった。
「お・・・重い・・・」
右手は、剣に持ち替えられており、ライガーに振りかざした。
「ぐわぁ~・・・」
そのまま吹き飛ばされて、背中からスライディングした。
ライガーは、寝転がったまま呟いた。
「参ったな、こりゃ。あれを使うか」
立ち上がって、2つの剣を1つにまとめた。まるで、1本の剣の様な形になった。そして、再び薄緑の
『デュエルム・ソード』
その形は、五代目クロム・ディザスターが使用している剣の形にそっくりだった。
剣が巨大化になっただけだから、クロウは驚きを隠せなかった。
「二段階心意技!?」
「そうだろうな」
「でも、同じ剣って事は・・・」
「攻撃威力拡張+攻撃威力拡張の心意技ですよ」
「同じ拡張を組み合わせる事が出来るんですか?」
「うむ、それは可能だが、めったにいないな」
すると、空気が激しく揺れ出した。さっきは、ライガーが押されてたが、今度は、ほぼ互角な戦いだった。
「どうした?さっきの馬鹿力どこに行った?」
むしろ、ボス型のクロム・ディザスター・モドキが押されていた。横から通常のクロム・ディザスター・モドキが攻撃を仕掛けたが、ライガーには手も足も出せず、倒されていった。
「うらぁ~!!」
「グルッ!!」
ボス型のクロム・ディザスター・モドキは、斬られて仰け反ってしまった。攻撃は止む事はなく、斬られ続けた。
『ダーク・ショット』
「軽いは!!」
ダーク・ショットを軽々しく打ち返し、そのまま、左腕を斬り落とした。
「グラッ!!」
「まだまだぁ!!」
続いて、右腕を斬り落とした。ボス型のクロム・ディザスター・モドキは、片足を着いた。
「終わりだ」
ライガーは、剣を引いて左腕を突き出し、まるでロータスの『デス・バイ・ピアーシング』に似た姿になった。
だが、ボス型のクロム・ディザスター・モドキは、諦めていなかった。
『ダーク・ショット』
「しつこい奴だ」
剣の中央が開いて2つに別れた。そして、薄緑の
『デストロイ・ビームソード!!』
紫色のビームが撃たれ、ダーク・ショットとボス型のクロム・ディザスター・モドキは飲み込まれた。
「ルオオオオォォォォ!!!!!!!」
雄叫びと共に消滅した。
「ルオオオオォォォォ!!!!!!!」
すると、通常のクロム・ディザスター・モドキが雄叫びをしたかと思うと、次々消滅していった。
「や・・・やったー!!」
クロウ達から歓声の声が聞こえた。
「ふぅ、やっと終わった」
ロータスは、ライガーに近づいてきた。
「ナイスファイトだったぞ、ライガー」
「俺は、大した事してないよ」
ロータスは、呆れながら話した。
「相変わらず、昔と変わらないな」
「そうか?」
「そうとも。その面倒くさそうな喋り方や行動が変わってないさ。もちろん、戦い方もな」
「まぁ、お前ら元気で良かったよ。それより、あの青い奴を起こさなくいいのか?」
「大丈夫だ」
「ほっとく気か」
「問題ない。すぐ目を覚ますさ」
すると、ベルがパイルを必死に揺すり起こしていた。
「パイル!!起きてよ!!」
なかなか起きないから、クワイアー・チャイムで往復ビンタした。
「ベル、やりすぎだぞ・・・」
クロウは、必死にベルを止めようとしたが、ビンタは止まらなかった。数十回ビンタした所で、パイルはようやく目を覚ました。
「僕は・・・何が起きたんだ?それに、何だか顔が痛い」
「ISSキットを見た瞬間暴走したんだよ。顔の痛みは、クロム・ディザスター・モドキにやられたんだよ」
「そうなんだ」
(あくまでも、自分がやったって事は言わないんだ)
クロウは、呆れながらベルを見た。
「そういえば、メイさん無事なのですか?」
心配して、辺りを見渡すと、後ろから華奢な声が聞こえた。
「私は、無事なのです」
メイデンは、レイカーに抱えられていた。
「皆、無事で良かった」
クロウは、安心して胸を撫で下ろすと急に、涙が溢れ出してきた。
「皆・・・ごめん」
「急にどうしたんだ、クロウ」
「僕、皆に諦めるなって言いながら、自分が諦めてしまったから・・・本当にごめん!!」
「クロウ・・・」
全員、心配そうにクロウを見た。すると、メイデンは華奢な手でクロウの頬を添えた。
「クーさん、謝る必要はないのです。よく頑張ったのです」
「でも・・・でも・・・」
それでも、自分が許せなかった。仲間を守れなかった事。諦めようとした事などが、クロウには許せなかった。
「シルバー・クロウ、俺らバーストリンカーには誰もが一度は、体験する事だ」
「ライガーさん・・・」
「俺は、お前以上に苦しい想いしてきた。俺は、守る以前の問題を起こしてしまった」
「守る以前の問題?」
「ああ」
すると、パイルは不思議そうな顔でロータスに質問した。
「マスター、この人は一体何者ですか?」
「ん?そういえば」
「忘れてた」
一瞬にして空気が変わったからクロウは、呆気にとられた。
ライガーは、ネガ・ネビュラスのメンバーの前に立って、自己紹介をした。
「俺の名前は、ノワール・ライガー。レベル8のバーストリンカーだ」
「結構、レベル高いんですね」
「まぁな。レギオンは、元クワイエット・グランド・コメットのレギオンマスターだ」
「直訳すると、『静かで盛大な彗星』ですね」
「お見事」
「どういう意味ですか?」
「俺らのレギオンは、移動型レギオンだ。普段は特に何もしないが、領土戦になると大暴れ。『普段は静かだが、彗星のごとく現れ、その実力も半端ない』という訳でそんな名前が付けられたんだ」
「え?初めから付いてなかったのですか?」
「最初は、名前なしのレギオンだったさ。気付いたら、そんな名前で呼ばれてたな」
「「「そんなんだ~」」」
納得するかのようにクロウ、ベル、パイルの3人は頷いた。
「ちなみに、自分で言うのもあれだが、複数の2つ名を持ってる」
「一体何ですか?」
「『高速の獣人』と
「何だかよく分からないような・・・」
すると、ロータスが少し補足した。
「ちなみに、彼は『加速世界で、地上で最も速いバーストリンカー』と呼ばれていた」
「そんなに、速いのですか?パドさんとどっちのほうが、速いですか?」
「さぁ、分からんな。まぁ、また今度教えてやるよ。自己紹介はこんなもんか」
すると、クロウが手を挙げてライガーに質問した。
「あのネガ・ネビュラスとは、どういう関係ですか?」
「クワイエット・グランド・コメットを作る前、少しだけネガ・ネビュラスに入ってたんだよ」
「そうなんですか!?」
「うむ、彼には抜けてほしくなかったな」
「つなみに、リアルでも知り合いですよ」
「「「へぇ~」」」
「こんなもんでいいだろ?」
「うむ、ではそろそろ帰るとするか」
「そうですね」
「あたし、何だか凄く疲れた」
「フフフ、ベルは、頑張ったからね」
すると、ライガーは、クロウとロータスを呼び止めた。
「クロウ、ロータス、ちょっといいか?」
「は、はい」
「まぁ、少しぐらいならいいぞ。すまない、皆先に行ってくれるか?」
「分かりました」
ライガー、クロウ、ロータスを残し、他のメンバーは帰って行った。
「で、何だ」
「突然で悪いんだが、明日リアルで会ってくれないか?」
「な!!」
「どういう事ですか?」
「安心しろ。別にポイントを奪うつもりはない。ただ、大事な話しがあってよ」
「ここじゃ言えないのですか?」
「ああ。言って、他のバーストリンカーにばれたら大変だからな」
「分かった。そこまで言うならリアルで会おう」
「悪いな」
「気にするな。で、場所と時間は?」
「13時に杉並区の喫茶店だ。3階にある奴で一番大きな所だ」
「あそこですね」
「よくわかったな」
「なんとなくイメージがつきました」
「なるほど。それだけだ。時間削って悪かったな」
「いえ、僕らは平気です」
「うむ、では、我々はこれで」
「おう。じゃあな」
そして、クロウ達は、ポータルで帰還した。
翌日、約束の場所の交差点の前でハルユキは、信号待ちしていた。そこには、黒雪姫の姿がなかった。実は、今朝メールが届いていた。
『すまない、ハルユキ君。今日、用事が入ってしまったから少し遅れて行く。さっきに行っておいてくれ。この事は、ライガーにも伝えておく』
という訳で、ハルユキが今現在1人だった。
(何か、1人って気まずいな・・・)
そう思いながらも、信号が変わって1歩歩んだ途端・・・
バシィィィィッ!!
聞き慣れた音が耳に響き、全体が青くなった。
次回、まさかの相手がハルユキに挑戦してきます。
ここで1つ募集します。今回、ライガーが使用した移動能力拡張の心意技の名前を募集します。日本語名と読み方を書いて下さい。メッセージで送って下さい。名前が決まらない限り、次に進めないのでご協力お願いします><
感想もお願いします><
説明が下手でごめんなさい・・・