四葉のハーレム貴公子   作:ハルキ(邪悪)

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2話目です。


登校中 妹の機嫌取り

「お兄様……深雪は悲しいです、お兄様に反省の意志が全く見られないなんて。」

 

「深雪、これは言葉にしても仕方のないことなんだ。」

 

 

今朝の出来事の後にあれは流石に不味かった。

機嫌を直すためにも会話の中で糸口を見つけるしかないので、とりあえず言い訳をする。

 

 

「……そうですね。叔母様に『行ってらっしゃいのハグ』をされて鼻の下を伸ばしていらしたお兄様には言っても仕方ありませんね。」

 

「ん?そうだったのか?」

 

 

くっ!全く隙がない、というか容赦がない。

我が妹ながら流石だ。

このままだらだらと言い訳を続けても恐らく逆効果だろう。

一か八か、とぼけてみせて様子を見よう。

 

 

「ええ。全くひどいです、私が抱きついてもお兄様は眉一つ動かさないのに……。」

 

いや、妹に性的興奮を覚える兄など情けないにも程がある。

そもそも、それは何も悪いことではないだろう?

そう返事をしようと口を開いたのだが……。

 

 

「ふっ、叔母様のような綺麗な方に抱きつかれたんだ、男なら当然の反応というものだろう。」

 

「まぁ、お兄様ったら!藤林さんや穂波さんといい、余程年上の女性がお好きなんですね!」

 

 

おっと、つい本音が……。

火に油を注いでしまったようだ。

熟女好きとかそういう訳ではないが自分の周りに魅力的な年上の女性が多いのは事実だし、皆、年がいもなくくっついてくるのだからその程度仕方あるまい。

決して妹に女性的魅力がないわけではない。

 

 

「落ち着け深雪。お前は俺にとってたった一人の妹だ。そんなお前を大切に思っていないわけないだろう……。」

 

 

ここで優しい眼差しで微笑みながら深雪の頭を撫でる。

真夜と深夜にせがまれ、二人が満足するまで続けさせられることで精錬された"撫で"はタイミングさえ良ければ絶大な威力を発揮する。

二人曰く、女性を虜にするには必要不可欠なスキルらしい。

深雪ですら例外ではない。

この場合は単に深雪を宥めるためにしただけだが。

 

 

「お兄様……!私がたった一人の大切な人だなんて。」

 

 

ん?

何か根本的にニュアンスが違っていたような気がしたが、無事に場が収まったので気にしないでおこう。

深雪がくねくねしながら上目遣いでこっちを見ているように感じるのもきっと気のせいだ。

それにしても今朝の叔母上といったら……。

 

 

『達也さん、こっちにいらっしゃい。』

 

『何でしょ……んっ!』

 

『ふふっ、顔を赤くしちゃってかわいいわ。それにしても口にキスなんて久しぶりだわ!姉さんも悔しがること間違いなしだわ!』

 

『……一体どういうことでしょうか。』

 

『あなた今日入学式でしょう?モブな女子なら達也さんに一目惚れしちゃうでしょうから、達也さんは私のだっていう印をつけようと思って。』

 

『マーキングで口にキスなど聞いたことはありませんが……。』

 

 

……この後『行ってらっしゃいのハグ』をされた訳だが、深雪が数分早く現れていたら大変なことになっていただろう。

全く、叔母上も母さんも最近は計画とか抜きにして単に楽しんでいるようにしか見えないな……。

困った人たちだ。




お分かりかもしれませんが真夜は結構お気に入りです(笑)
四葉の親類は頻繁に絡ませるつもりです。

今回は早めでしたが次の更新はしばらく後かもしれません……。

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