マイナス一誠とシトリーさん   作:超人類DX

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暫くほのぼのかな。
いや、だって関わる訳が無い。


一人焼肉からの携帯電話

 色々あって無事に誤魔化せた。

 が、その過程でどうやら俺が奴に対してと同様、奴も俺が嫌いらしいということがハッキリ解った。

 まあ、逆に好きだとか言われたらその場でのたうち回ってたと思うし、それを考えたら嫌われてる方が全然良い。慣れてるしね。

 その後は特に何も無い日々で、唯一変わった所と言えば紅髪の人と白髪の子と学校ですれ違う時があれば軽く会釈する程度って関係になったかな。

 黒髪の人と金髪の人とあの男からは滅茶苦茶気持ち悪がられているケド。

 俺を色々助けてくれたセンパイとは相変わらずって関係で、センパイの御供の人達とも……まあロクに会話はしてないけど認識し合ってる関係だ。匙君によく怒られるケド。

 

 そうそう、黒髪の人と金髪の人同様に、センパイの御供の人達も俺を見て気持ち悪がるのかとか過負荷に目覚めた時ふと思ってたりしてたが、実際彼等と対面しても何も言われ無いし気味悪がる事もしなかった。

 あれ、何故に? とか思っても質問はしなかったが、どうも彼等は、俺がセンパイとツルんでるのと、センパイ経由で俺を1年の頃から知っていたから……らしい。

 だから気味悪がる事が無いとか言われても何となく納得出来なかったが、まあ彼等がそう言うのだからそうなんだろう。俺は悪くない。

 で……俺自身は――

 

 

「いらっしゃいませ、何名様ですか?」

 

「一人です」

 

「ぇ……。あ……此方どうぞ……」

 

 

 俺のクラスにのみ発生した謎の集団食中毒のせいで、学級閉鎖となってしまったので、普段秘密でやっとるバイト先のおっちゃんからの臨時収入(ボーナス)を獲たので、格安の焼き肉屋にまたやって来た。

 

 

「ファミリーセット2人前で」

 

「はい、ファミリーセット2人前……。(学生? 一人なのにファミリーセットて……)」

 

「あとクリームソーダ。以上です」

 

「はい、暫くお待ちくださいまし……。(不幸そうな顔してるわね……。というか、何だろうこの不愉快な気分……)」

 

 

 前回よりも3ランク下げた焼肉屋だが、俺は別にグルメでは無いので喰えれば正直何でも良い。

 終始俺を可哀想なものを見る目を向けてくる店員さんに気分が良かったので微笑んだら顔を真っ青にされた挙げ句逃げられちゃったというアクシデントがあったものの、無事に注文の品がやって来たので気にせずにお食事のお時間を楽しむ事にする。

 

 

「……ぬふふ」

 

 

 注文の品置いて逃げる様にして去っていった店員さん横目に、先ずは基本からと小さいトングでカルビを1枚掴み、熱した網の上に乗せる。

 ジューというあの音と共にお肉様の香りが鼻を通過し、俺の腹は早く食わせろい! と喧しく鳴り始めるが、フライングは駄目だ。

 表裏共に程よい焼き加減を目指して食べる……それが美味いんだからね。

 

 

「ぬふ……クククッ……」

 

 

 

「あの学生さん一人で笑ってるわよ……」

 

「こ、怖い……焼いてるお肉を一点見しながらだから余計に……」

 

 

 2……1……よし、良いか。

 表裏共に繊細に焼いたカルビを手元に置いておいた割り箸で掴み、辛口タイプのタレが乗ってる小皿に乗せて絡めて…………

 

「んぐ……」

 

 

 喰らう。噛む。飲み込む! そして美味すぎる!!

 

 

「グス……美味いなぁ……」

 

 

 おっちゃん、あんまりシフト入ってない俺なんかにも臨時収入をありがとう!

 お陰で俺は今限定で超幸せです!

 

 

「な、泣いてる……あの学生くん……」

 

「あの制服って確か去年共学になった駒王学園よ……。友達居ないのかしらあの子……というか今お昼なのに授業はどうしたのかしら……」

 

 

「美味い、美味い……クリームソーダもおいちー」

 

 

 やっぱり焼き肉は一人が良い。

 ていうか一人じゃないとこの気分は多分味わえないし、聖域モードにもなれない。

 誰にも文句言われず自分のペースで焼いて喰らう……この時間が俺は本当に大好きだ。ふふふ。

 

 

「うーん……むふふ……」

 

 

 あぁ、もう全部ひっくるめてサイコー

 

 

 

 

 

 兵藤誠八は後悔していた。

 弟である一誠があそこまで腐り堕ちていた事を完全に見抜けなかった事を。

 それは、弟と自分のクラスの生徒の過半数強が謎の不登校になってしまったのを見てしまえば余計にだった。

 対面しただけで心が押し潰されそうになる感覚を何も知らないクラスメートが受けたら折れてしまうのは容易に予想が出来る。

 だからこそ、誠八は後悔したのだ。

 

 

 ―アイツを両親の世間体の為に高校卒業はせめてさせなければ―

 

 

 という考えを持った事。

 そして同じ高校に入ったのだからもっと一誠を監視すべきだったと。

 その穴があったから、今の一誠が出来てしまった事。

 そして……よりにもよってあのソーナ・シトリーと相当なまでの深い関係になっていた事を……。

 

 

「リアス部長は“ソーナと一誠君の問題に例え友でも血の繋がった兄だろうと干渉すべきじゃない”って言ってたけど……。

くっ、部長はアイツのあのドロドロした雰囲気を感じて何も思わなかったのかよ……!」

 

 

 ソーナと一誠の二人を部室に招いたあの日感じた、一誠の雰囲気は、殺気とはまるで違うものだった。

 負……真正面から受け続ければ塗り潰されそうな程の凶悪な負のオーラ。

 見るだけで心が折れそうになる程の禍々しいナニか。

 既に深い関係まで堕ちたソーナはともかくとして、ほぼ初対面だったリアスと小猫は何故かそのオーラを受けても何も思わず、寧ろ好意的に接していた訳だが残りの者達は全く一誠に好意的にはなれそうに無かった。

 

 

 兵藤誠八・木場祐人・姫島朱乃。

 この三人だけは一誠の持つ正体不明の不愉快さを敏感に感じ取り、そして危惧していた。

 あのままにしておくと、その内とんでもない事になると。

 だけどリアスと小猫は言うのだ……。

 

 

『ふーん、三人は彼をそう思ったのね。

うーん、私はそうは思わなかったけど……小猫もそうよね?』

 

『そうですね。ちょっとイラッとする事を真顔で言う人ですが、先輩たちの言うような危険な感じはしませんでした』

 

 

 全く問題になる相手じゃない。

 誠八・朱乃・祐人の三人が感じた不愉快さに気付いた様子も無く、ただただ普通に。

 だから余計に一誠に不気味さを感じてしまう。

 自分達三人にはわかったのに何故二人には…。

 果たしてそれはわざとなのか。

 だとすれば何の為に……。

 

 

「生徒会の人達はアイツの不気味を認知してる……けどその上で何も思わずシトリー先輩と一緒に居る事を容認している……それが解らない」

 

 

 同じ立場である筈の生徒会の面々に至っては認識した上で一誠を容認しているという理解不能な状況。

 まあその事に関しては、一誠と一緒に居始めてから徐々に変わったソーナを近くで見ていたが為にある種の『耐性』が出来ていたというのが大きいが、誠八に知る由は無かった。

 

 

「まさかシトリー先輩見みたいな人まで変えるとは……クソ」

 

 

 『私は元々駄目な女ですから』

 『好きで一誠くんと一緒に居ます。これまでも……そしてこれからも……』

 

 

 全く淀みの無い目を向けて皆に言い切ったあの時ソーナの姿が鮮明に誠八の頭の中に浮かぶ。

 あの二人が何時知り合い、どんな経緯があってあそこまで堕ちきった関係になったのかは知らないし、ああまで言ってるという時点で既に手遅れの領域になっている事も分かる。

 故にリアスが言った通りにソッとしとくべきなんだろう。

 二人の好きにさせるべきなんだろう……。

 だけど……だけど。

 

 

「……。どうしても許せない。

人をあそこまで堕落させるなんて……それが例え悪魔だろうが何だろうが……」

 

 何故か誠八の中では現状の一誠が許せなかった。

 

 

「そもそも、好きで居るって言ってる相手は只の人間だぞ……寿命も種族も違う。

先輩……貴女は遠からず不幸になる。

別に俺はアナタとは仲が良いわけでは無い……でも一誠とだけは止めるべきなんだよ」

 

 

 一誠が、なのか。

 それともソーナが、なのか。

 二人が楽しそうにしている姿を見てると酷くイライラする。

 それが何故なのかは解らないが、誠八の中では穏便に終わらせる為には『二人を引き剥がさなければ』という考えに至ってしまっていた……。

 その理由は……誠八の中でも解らないままに。

 

 

「ハァ……木場と姫島先輩に相談してみるかなぁ……」

 

 

 

 そして――

 

 

「きゃっ!?」

 

「っと……あ、ごめんなさい。大丈夫ですか?」

 

「は、はい……こちらこそ申し訳ございません……」

 

「…………。え、シスター?」

 

 

 一人のシスターとの出会いが、誠八の運命を加速させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー……」

 

「こちらこそー」

 

 

 んっんー♪

 食った食ったぁ。

 思う存分聖域での食事を堪能し、満足のままシケた顔で見送る店員さんに挨拶してから店を出た俺は、膨らんだ腹をポンポンと叩きながら宛も無くフラフラと歩き出す。

 時計の針が5を刺しており、既に学園は放課後になってるっぽいが……さてどうしましょうかね。

 家にはまだ帰りたくないし、だからといって金の掛かる事はしたくない。

 となれば、食後の軽い運動を兼ねてのウォーキングで決まりだと、俺は一人テクテクと歩いていた。

 夕方の街は中々に人で溢れており、ガッコー帰りの学生さんやらこれから居酒屋で一杯引っ掛ける気満々のリーマン軍団やナンパしとるチャラ男……等々が俺の目に飛び込んで来る。

 見てる分だと皆幸せそうだねぇ……なーんて意味もなく思いながら郊外目指して歩いている俺だったが、その足は突然止まる。

 それは通り魔に刺されたとか、後ろからいきなし鉄パイプで殴られたとかそういうちょっとしたアクシデントでは無く、ただただ普通に最近頻繁に起こる出来事……。

 

 

「また焼肉ですか? 制服からそんな匂いがします」

 

「あ、センパイ……ども」

 

 

 支取蒼那さん改め、ソーナ・シトリーさんになっても俺の中では変わらずのセンパイが現れたからだ。

 基本的に下向いて歩いているので、直前まで全く気が付かなかったのは何時もの事だし、脈絡無く俺の目の前に現れるのももう慣れたので、こうして会ってもリアクションはこんなもんだ。

 

 

「学級閉鎖でしたか? 兵藤君と一誠くん以外は皆お休みらしいですね?」

 

「ん……俺と奴以外が何か変なもんでも食って集団食中毒になっちまったってのが予想なんすけど、センパイはどう思います?」

 

「さぁ……でもまあ、一誠くんの話も有り得なくもなさそうですね」

 

「でしょう?」

 

 

 そして自然に二人並んで宛も無い散歩を開始する。

 最初は嫌だったけど、慣れというのは俺みたいな存在でもあるらしく、今はどうも思わない……いや寧ろ話し相手が居てくれるだけ楽しいとさえ思える。

 ……まあ、相手が素で話せるセンパイだからというのが大きいけどね。

 初めて会った時も殴ってこず、いつの間にかこうして肩並べて歩き、他愛の無い話をする。

 昔、トモダチだったあの女の子以来無かったこの関係……悪くねぇな。

 

 

「そういえば一誠くんは携帯電話を所持してませんよね?」

 

「え?」

 

 そんな中、突如思い出したかの如くそんな事を口にしたセンパイ。

 

 

「携帯電話ぁ? あぁ、持ってないっすよ」

 

 

 携帯電話……何時でも何処でも連絡可能な、現代社会に復旧した便利アイテム。

 最近の携帯電話は電話やらメールは当たり前にしても、色々と『それって携帯電話に必要なのか?』と思うような機能も取り付けられている。

 例えばボタンで操作では無く、直接画面に触れて操作する……とか。

 だがしかし、センパイが言った通り俺はその携帯電話を持っていない。

 理由は勿論ある。

 

 

「うん、だって電話する相手もされる相手も居ないですもん。

そんな奴が持ってたって単に使用料を無駄に吸い取られるだけっすよ……ははは」

 

 

 そういう事である。

 使う用途が無いのだ。

 俺に対しての緊急の電話なんて殆ど無いのだ。

 ほら、必要がないだろ?

 

 

「でも、学校が無い日に、一誠くんがお暇かどうか直ぐに聞けないのは結構不便だったり……」

 

「おいおい、休みの日にまでわざわざ俺なんぞに暇かどうか聞くんすか?

やっぱりアンタって変な人だよ」

 

「変で結構です。良いじゃないですか、最近は休日だって会いたいって思ってしまうんですよ」

 

 

 だから俺に携帯を持てというのがセンパイの弁らしい。

 だけどなぁ……。

 

 

「操作とか全然解らないしなぁ。

ほら、此処最近復旧してるアレ……ス、ス、スマートなんちゃらって奴? この前本屋で偶然マニュアル本があったから立ち読みしましたけど、かなり難しくて俺には手に余るっつーか……」

 

 

 会いたいから会う。

 その為に今暇なのか、そして何処に居るのかを聞くには確かに携帯は便利だ。

 しかしながら、俺は生まれてこの方携帯を持った事が無い処か触れた事もない。

 最近はやっとパソコンのローマ字入力を人差し指使って入力出来る様になれたレベルの俺じゃあ、パソコンを小さくした携帯を使いこなせる気がしない。

 大体、数千万の便利アプリってなんだし、メールと電話だけに機能絞れよ。

 何だよ無料通話って? 普通の電話と何が違うんだよ……っと話が逸れたが、要するに俺は掛ける相手も掛けられる相手も居ないのだ……多分センパイ以外はね。

 

 

「それにほら、アレって二十歳前は単独で契約できないじょう? 散々テメーから避けてきた両親に今更ゴマ擦るのもアホっていうか、厚顔無恥通り越してるっつーか……」

 

 

 あの男が何の脈絡無しに現れ、当然の様に受け入れてしまった両親が一切信じれず、自分から関わりを切ったんだ。

 それを今更現実逃避(なかったこと)にするなんて、流石に馬鹿な俺でも嫌だ。

 今も信じられない相手だし……。

 

 

「そうですか……」

 

「わかってくれました? まあ、将来に向けて一度は触っとくべきなんでしょう――

 

「それならこれを一誠くんにプレゼントします」

 

 

 が…………え?

 

 

「ちょうど実家から開発サンプルとして貰ったものなのですが……」

 

 

 だから持たないと、解って貰えたのも束の間、センパイはそれならと俺にどうしても携帯を持たせたいのか知らないが、懐から例のスマート何とかを取り出して俺に差し出しやがった。

 ……案外諦めが悪いのは今に始まった事では無いが、これには俺もビックリだ。

 

 

「道楽好きな姉が気まぐれで作らせた人間界の携帯と見た目は変わらない携帯電話です。

使用料は掛かりません……どうぞ」

 

「え、えっ?」

 

 殆ど無理矢理に近い形で俺の手を取って黒色のスマート何とかを握らせるセンパイは変に良い笑顔で、俺は断る暇もなく受け取る事になってしまった。

 

 

「センパイってホントに強引ですよね……」

 

「あはは。どうも一誠くん相手だとそうなっちゃうみたいで……」

 

「……。まあ、良いですけど……」

 

 

 クソ、やっぱり無駄に良い笑顔だな。

 普段から世話になりっぱなしだし、断れねぇよ……。

 まあ、どんなカラクリで使用料がタダなのかはこの際置いておいて、くれるってんなら貰うさ…………ん、あれ?

 

 

「センパイあの……画面がずっと黒いんですけど、これってどうやってつけるんですか? これ? ん、ん??」

 

「あぁ、これは電源が切れてますので、横に電源ボタンがありますよね? それを2秒ほど押しっぱなしにすれば……」

 

「あ、ついた……おお、何か感動……」

 

 

 電源の付け方すら解らない俺に果たしてこの携帯を使いこなせるのか……は、後で考える事にして取り敢えずクラスの皆が休み時間に触ってるのと同じものを俺も遂に動かす時が来た妙な感動を暫く――――

 

 

《ヤッホー♪ 皆大好きレヴィアタンだよー!!》

 

「…………ぁ?」

 

 

 え? なに? 電源入れて画面にロゴが出た瞬間、妙にスカートの短い女の人が棒をクルクル回し――

 

 

 

 グシャッ!!!

 

 

「………は?」

 

「………………………………………………」

 

 

 結論から言わせて貰うと、俺は貰った筈の携帯が手から消え、気付けば隣居たセンパイが無表情で握り潰していた。

 スリもビックリなセンパイの早業も去ることながら、さっきの訳の解らない女の人を目にした瞬間、センパイから変な殺気が見え隠れしているのが俺には分かるが……もしかして知り合いかな?

 

 

「あの、センパイ?」

 

「ちょっと、家に来て貰って良いですか? まだ予備がありますのでそっちを渡します」

 

「え、ちょ……な、なに?」

 

 

 ヒクヒクと口の端を歪めながら俺の腕を掴んで歩くセンパイに連行される形になるが、訳がわからな過ぎて思考が追い付かない。

 取り敢えずあの変な人が画面に登場した辺りからセンパイの様子が変わったから、原因がそこにあるのは分かる……。

 

「あの、今の画面に出たの誰すか? 知り合い?」

 

 

 だから地雷覚悟で俺は聞いてみた。

 いやだって気になるんだもん、あの女の人じゃなくてセンパイの様子が変貌した事に。

 するセンパイは、一瞬……ほんの一瞬だけ立ち止まり混乱する俺を見ずに前を向いたまま言うのだ。

 

 

「私の姉です……誤解が無いように言っておくと、別に嫌ってる訳でも仲が悪いわけでもありません。

ただ…………あんなあざとい格好をした姿を、よりにもよって一誠くんに見て欲しくなかっただけです」

 

「…………はぁ」

 

 

 おねーちゃんらしい……センパイの。

 そういや思い返してみれば確かにセンパイが眼鏡外したら似てなくもないかもしれない……いや、顔より格好の方にに目が行っちゃったからよく見てなかったけど――――ん、ちょっと待てよ? てことは……。

 

 

「あの、まさかと思いますけどセンパイもさっきのお姉さんみたいな格好を――――」

 

「しません。一誠くんがしろというのなら別に吝かではありませんが、私は少なくとも進んであんな格好はしません。ええ、絶対にね」

 

「…………………あ、はい」

 

 

 しないのね。

 それだけは解った。割りと切羽詰まったセンパイ声でよーくね……。

 そんなこんなでちょっとのアクシデントを経てセンパイの家に連行される形で連れてこられた俺は、さっきの言った通り予備の携帯を貰い、そこから朝までずーっと操作を教わる事になったのは……まあ、別にどうでも良い話だな。

 

 

 




補足

魔王少女を見た感想は?

「さぁ? あんな格好で表をフツーに歩いてるんなら、俺はある意味尊敬しますよ。友達にはなりたくないけど」

 ソーナセンパイがその格好をした場合は?

「……………。さぁ? 全然想像できないから何とも……」


 金髪のシスターさんについて一言。

「は? ちょっと待って、何ソレ? 誰?」

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