今回は、ルウィーへ向かいます。
その言葉にようやくノワールも気付いたようで
「え、あ、その、プルルート……」
俺はネプテューヌを呼び、イストワールと共に家の外へと非難した。
悪いが今回ばかりはノワールが悪い。
愚痴をいいたくなる気持ちは分かるが、聞かされるほうも大変なのだ。
…時間が経ち、ノワールの悲鳴が聞こえた……気がした。南無。
………あれから1時間ほど経過した
「ルウィーニイキマス…ルウィーニイキマス…ルウィーニイキマス…ルウィーニイキマス…」
ノワールさんは目が虚ろになりただ上記の言葉をうつらうつらと機械のように繰り返していた。
そしてプルルートのほうは、何故だか幸せに満ちていた。
「…ノワールがおかしくなっちゃったね」
「…仕方ない、今回ばかりは自行自得だ」
なんて言っているとイストワールが聞いてきた。
「それで…どうしてルウィーに行きますなんてことをさっきから…」
「ああ、それは…」
説明してないことがあった。
先ほど捕らえた下っ端から貴重な情報が得られなかったが、ルウィーのホワイトハートから命令を受けたというのは聞き出せたのだ。
前々からルウィーは七賢人と深い繋がりを持つと噂されていたから別段驚かない。
何があったかは知らないが、ルウィーに行ってどうやら今回の件について深く追求しなければならない。
という訳で4人でルウィーに赴くことになった。
恐らく戦闘は避けられない、しっかりと準備をして。
=ルドアームズ地下道・南口=
「着いたわ」
ここはルドアームズ地下道の南口、この中間地点にある大橋がラステイションとルウィーの国境と定められていて
そこにはルウィーの見張りがいる。
「ここの大橋には見張りがいるんだけど、どうやって通るんだ?」
ノワールに確認を取る。
向こうにはこちらの素性を知られてしまっている以上、すんなり通してはくれない。
それどころか戦闘になる可能性だってある。
そうなったら向こうは確実にこっちに攻撃を仕掛けてくるだろう。
「そうね、地下道だから女神化して空中を通るなんていかないだろうし…」
「じゃあ、じゃあ!!やっぱりここはコソコソ行くしかないよね!!ネプスネークが活躍しちゃうよ!!」
残念、ダンボールが無いから、それはできない。
「さて、どうするか………」
4人で考え込んでいると、プルルートが
「やっぱりぃ~強行突破しかないんじゃないかな~?」
…俺的にはそれでもいいけど、それじゃ攻めてきたなんて勘違いされて戦争の責任を押し付けられても文句は言えない。
それだけはどうしても、さけたかった。
「まあ、とりあえず大橋に行ってみるか、考えるのはそれからでも遅くないだろうし」
「それもそうね、早く行きましょう。」
ノワールは言うと、一人で進んでいってしまった。
なんか元気が無いように見える。
「…きっと、さっきのアレが響いたんじゃないの?」
ネプテューヌが俺の考えている事を見透かしたように言ってきた。
「…まあ、仕方ないな」
俺たちはとりあえずノワールに着いて行った。
…あれから、しばらく歩いて大橋に来た。
モンスターに何度か遭遇したが、特に問題も無く退けた。
そして、大橋に来たのだが……
「あれ?」
大橋に来たのだが、何故か国境の見張り兵がいない。
理由は分からないが、こっちとしては好都合だ。
「……もしかして、誘われてんのかね」
俺は正直な意見を口に出した。別に不思議な話じゃない。
あの時のブランの「戦争する気がない」という発言は真意では嘘ということは分かっている。
ルウィーと七賢人が繋がっているってことは、向こうからこっちを誘いこんでいるのだろう。
嫌がらせまでしてこっちから攻め込ませたいみたいだな。
「…つまり私達がルウィーに行くと、向こうの罠に嵌ったってことになるのよね」
「まあ、そういうことだ」
間違ってはいない。罠に自ら飛び込んでいるからな
「…正直、そういうのは嫌いなんだけど、行くしかないのよね」
「…今、何とかしないと嫌がらせがエスカレートしたらそろそろ抑えるのも大変だしな」
「どっちにしろいいじゃ~ん!!早く行こうよ~!!」
気がつくとネプテューヌが走っていってしまっている。
「ねぷちゃん、待って~」
プルルートも走っておいかける。
「行くしかないか……」
俺も大橋を走りぬけ、ネプテューヌの後を追った。ノワールも、何だかんだ言って追いかけてきてた
=ルウィー=
あの狭苦しい地下道から抜け、俺たちは羽を伸ばしていた。
町の所々に咲きほこる紅葉、所々に聳え立つ城や塔など。まるで一昔前の日本みたいな風景だ。
「ここがルウィーか、なんか綺麗だな」
「……そうね、たしかに綺麗ね」
ノワールも今のは正直な感想だろう、若干悔しさが出ているような気がしたが
ちなみに他二人は…
「疲れたー、ちょっと走りすぎたよ~」
「わたしももうだめぇ~足がパンパンだよぉ~」
と走りすぎてダウンしている。
といっても俺も疲れていないわけじゃない訳で、正直少し休みたいのだが一応ここは敵地なので長居はできない
「プルルート、おんぶしてやるから早く行こうぜ」
「え~、本当にいいのぉ~」
といいつつ「いい」という前に背中に乗っかってきたのだが
「はあぁ~、当麻君の背中あったか~い…」
はいはい、と適当に返す。
そういえばいつの間にかノワールがこっちに痛い視線を向けている。
「…えーと、何?」
「…別に」
そういって一人で先に行ってしまった。
「…本当に当麻って鈍感だよねー」
ネプテューヌにもなんか言われた。
「何が?」
「何でもないよ~」
…一体なんなんだ?
俺たちは一番大きなあの大きな城を目指した。
=ルウィー・城=
「やっと来たのね」
少女は城の最上階からある人影を見下ろしていた。
「あいつらを倒さないと、私は……」
少女は手に大きな鎚を持ち、その少女は光に包まれて姿を変えた。
手には巨大な戦斧を持ち白い女神へと変貌した。
「あいつらを倒して、俺は…国を守らなければいけねえんだ……」
白い少女の決意が女神を倒す戦意として剥き出しにされていた。