Kranteerl y io dyin 作:witoitaa
「ところで、私は何をしていれば良いんでしょう。」
ティーアが言う。割と寝起きの良い人間だとフィスルクーフェーは思った。まあ、自分みたいに四六時中深夜まで色々なことをやっている奴と普通の人間を比べてはいけないとは思ったが。
「ティーア=クントイタクテイ、お前はここで待機していろ。お前の同胞は俺がちゃんと国に帰す。」
ティーアはその言葉を聞いて少し考えていた様子であったが、すぐにフィスルクーフェーのほうを向いて言った。
「ダメです、やっぱり私はついていきます。」
「バカか、情報もx.v.の後ろ盾もない上お前はネートニアーだろ。これは多分人助けやらボランティアやらのレベルじゃない。闘争だ。そんなところにネートニアーが入り込んできたらどうなる?完全に蜂の巣だ。お願いだから自分の命を大切にしろ。」
フィスルクーフェーはティーアの肩を持って言うが、ティーアは着替えで着ていたxelken制服のポケットから何かを取り出す。注射器とアンプルだ。きっとウェールフープ可能化剤だろう。
「別に丸腰で付いていくわけじゃないです、それに私にはスカルムレイ陛下との約束がありますから。」
「は?スカルムレイ!?」
フェリーサがいつものオーバーリアクションで言う。
「スカルムレイ陛下に接見していたって、なんで。」
アルシーも非常に驚いていた。
「なんでもなにも、スカルムレイ陛下の号令で各地域のイルキスがトイター教徒の信仰のサポートのためにシャスティを派遣したわけで。」
「なるほど。と言う事はこのスキ・カラムディアには他にも派遣されたシャスティが?」
「ええ、私が居たトロムセル・カラム・レナから西に数キロ進んだアラクム地域に知り合いが居ます。名前は確か、フィーウ=テリーン。」
フィスルクーフェーはまた聞き返す。
「そのフィーウとはどんな関係なんだ?」
「関係と言われても、昔から近くに住んでいた幼馴染のパンシャスティで」
フィスルクーフェーの顔が歪む。
「しょうがない、ティーアが居ればそのフィーウとやらも他の虐げられているユーゲ人の情報を出してくれそうだ。ただ、無理はするなよ。」
「私は子供じゃないんですからね。」
頬っぺたを膨らませてフィスルクーフェーに反駁する姿にフェリーサは「あちゃー」と声を上げながらたまらないと行った様子でリアクションしていた。
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「これより、我々はこのxelken事務所より西方4kmの位置に存在するアラクム地域に進みフィーウ=テリーンの確保に向う。何があるか分からん、現地の状況やコンガーによる襲撃やテロに巻き込まれる可能性もある。十分準備を揃えて出撃すること。」
フィスルクーフェーはそういうと集まっていた三人を解散させた。