Kranteerl y io dyin   作:witoitaa

52 / 73
同じ部屋で寝た仲

「まったく、連邦軍の次はXelken.valtoal?」

ため息を漏らしながら、リーダは手作業で敵を処理する。

「メスレネを討ち取るのよ!」

「少佐!アルシーの方は!」

「私は同志を助けに行く、あなたはアルシー=ケンソディスナルを!無事を確認したら合流するわ」

「了解です♪」

フェリーサは小隊を引き連れて基地を目指した。

「逃がさないよ、うちの標的は」

リーダが砂埃の中から姿を実体化させ、急速で走り始めた。

「通さない!」

横を駆け抜けようとするリーダを、左手を振りかぶって止めようとする。リーダに当たったと思ったら、ひどく腕が痛んだ。リーダは突然止まり、冷静にフィッサの腕を握りつぶしていた。

「痛ッ!!」

メキメキと骨が砕けるような音がする。ケートニアーなので、すぐに戻るとはいえ、痛覚は健在である。

リーダが腕を離した。フィッサは地面に崩れ落ちて、倒れた。それを確認する暇もなく、リーダは走りだし、フェリーサの討伐に向かう。

 

しかし、リーダが今から走り出したところで、アルシーの奪還を食い止めるのは難しかっただろう。

間もなく基地に到着するころ、Xelken.valtoalの兵士がアルシーを発見した。

「隊長!アルシー=ケンソディスナルです!」

護衛兵もついていないアルシーがそのあたりをほっつき歩いていた。

「どういうことかしら、何も衛兵を付けないでそのあたりを歩き回らせているなんて。ひっとらえて!」

フェリーサが指示を出した。それに今更気が付いたようで、アルシーは構えの体勢に入った。

「あの子は・・・女子寮の・・・!」

アルシーは武装した兵士たちに取り囲まれ、その銃口を再び突きつけられた。

「動かないで、アルシー=ケンソディスナル!私のところにおいで。そうすれば殺したりはしないわ」

再び、似たような言葉を持ちかけられた。このままx.aにいれば、連邦兵に危害が及ばないことは明らかだ。断るべきか。

「・・・無理だ。君の所には行けない」

フェリーサの反応は、アルシーの思ったよりもずいぶんと明るい表情だった。

「あらそう、ざーんねーん♪」

気味の悪い笑顔にアルシーは若干ひいた。

「まあまあ、そう険しい顔しないでよ。同じ部屋で寝た仲でしょ?」

「あれは、成り行きだったから、仕方ないだろう」

「つれないわねー、もしかしてリーダちゃんの方が好み?」

アルシーは煙たがった。

「いや、そういうわけでは」

「ああ、アルシー君はエレーナちゃんだったね!」

そう言った途端、爆発音が聞こえた。リーダがここにまで到達したのだ。

「あら・・・よく少佐を振り切って」

リーダは何も話さずフェリーサを殴りつけた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。