Kranteerl y io dyin 作:witoitaa
「まったく、連邦軍の次はXelken.valtoal?」
ため息を漏らしながら、リーダは手作業で敵を処理する。
「メスレネを討ち取るのよ!」
「少佐!アルシーの方は!」
「私は同志を助けに行く、あなたはアルシー=ケンソディスナルを!無事を確認したら合流するわ」
「了解です♪」
フェリーサは小隊を引き連れて基地を目指した。
「逃がさないよ、うちの標的は」
リーダが砂埃の中から姿を実体化させ、急速で走り始めた。
「通さない!」
横を駆け抜けようとするリーダを、左手を振りかぶって止めようとする。リーダに当たったと思ったら、ひどく腕が痛んだ。リーダは突然止まり、冷静にフィッサの腕を握りつぶしていた。
「痛ッ!!」
メキメキと骨が砕けるような音がする。ケートニアーなので、すぐに戻るとはいえ、痛覚は健在である。
リーダが腕を離した。フィッサは地面に崩れ落ちて、倒れた。それを確認する暇もなく、リーダは走りだし、フェリーサの討伐に向かう。
しかし、リーダが今から走り出したところで、アルシーの奪還を食い止めるのは難しかっただろう。
間もなく基地に到着するころ、Xelken.valtoalの兵士がアルシーを発見した。
「隊長!アルシー=ケンソディスナルです!」
護衛兵もついていないアルシーがそのあたりをほっつき歩いていた。
「どういうことかしら、何も衛兵を付けないでそのあたりを歩き回らせているなんて。ひっとらえて!」
フェリーサが指示を出した。それに今更気が付いたようで、アルシーは構えの体勢に入った。
「あの子は・・・女子寮の・・・!」
アルシーは武装した兵士たちに取り囲まれ、その銃口を再び突きつけられた。
「動かないで、アルシー=ケンソディスナル!私のところにおいで。そうすれば殺したりはしないわ」
再び、似たような言葉を持ちかけられた。このままx.aにいれば、連邦兵に危害が及ばないことは明らかだ。断るべきか。
「・・・無理だ。君の所には行けない」
フェリーサの反応は、アルシーの思ったよりもずいぶんと明るい表情だった。
「あらそう、ざーんねーん♪」
気味の悪い笑顔にアルシーは若干ひいた。
「まあまあ、そう険しい顔しないでよ。同じ部屋で寝た仲でしょ?」
「あれは、成り行きだったから、仕方ないだろう」
「つれないわねー、もしかしてリーダちゃんの方が好み?」
アルシーは煙たがった。
「いや、そういうわけでは」
「ああ、アルシー君はエレーナちゃんだったね!」
そう言った途端、爆発音が聞こえた。リーダがここにまで到達したのだ。
「あら・・・よく少佐を振り切って」
リーダは何も話さずフェリーサを殴りつけた。