Kranteerl y io dyin 作:witoitaa
戦闘開発科のとある教室。教室の中心部で鎮座するように、少女は座っていた。目つきは鋭く、あまり手馴れているような感じではない。
「リーダ副隊長!」
中は彼女とその取り巻きのみで至って静かであったが、その沈黙を破ったのは教室に入ってきた男であった。
「・・・どうしたの」
「一階の渡り廊下でラツ先生が倒れていて・・・あと、校門から何者かが・・・」
Xelken.valtoalかと、彼女は直感的に思った。特に誰かが忍び込んでいるわけでもない、いや、とらえた人間全員に対してこのような処置を行っている。
「いったいどんな奴ら?」
「門の前に立っていた見張り兵は全員やられていました。相手は銃も所持しています。見た感じだと引き連れている兵士は数百人以下のようで・・・」
そこまで言いかけて、目の前で報告に来た男は頭が破裂して倒れてしまった。
「フェグラダ・フェイユファイト・ア・デュアン戦闘開発科1年。ターフ・リーダ・・・」
破裂音とともに足音が近づいてくる。教室に忍び込んできたのは、リーダより少し身長の高い女子。黒マントの下にはフェグラダの制服が見えていた。
「なんですか?フィシャ・エレンさん。あなたが知っている情報は、そこまでなんですか?」
リーダは遊んでいるような微笑みを浮かべながらノアファを見上げる。隣には、どこかで見たような「白い玉」がいた。
「馬鹿にしないでくれるかしら。アレス・エストヴァツァ・メスレネザアファ。たとえば、そこの白い玉が・・・」
エレン、もといファリシーヤはウェールフープ拳銃を仕舞い、手を思いっきり振り切る。あっという間に手のひらに鋭い刀が生成される。
「・・・!?」
「"太陽"だってこともね!!」
ファリシーヤが思い切り剣を振り、横にある白い球状の生物に襲い掛かる。白い玉にあたったと思いきや、惜しくもそれはものすごい轟音と耳がつんざくような音とともに抑えられた。
「やはり・・・あなたも」
「当然でしょう?じゃなきゃ、隊長の護衛なんて務まらないわ・・・」
フェリシーヤの振りかざした剣はリーダもといメスレネザアファの左手によって止められていた。白い玉には一切攻撃が通っていない。
メスレネザアファは抑えていた手を振り切り逆にフェリシーヤに攻撃を与えた。
「!!」
再び轟音が教室中に鳴り響く。体勢的にもメスレネザアファは力を入れにくいはず。にもかかわらず、彼女は微動をだにせず、左手で白い玉を守る。どれだけ強靭な肩をしているんだろう。
落ち着いて自己分析しているのもつかの間。あっという間に肩に力を入れてメスレネザアファはフェリシーヤを吹き飛ばした。
教室を突き破って、というほどではないにしろ、ほとんど端から端まで吹き飛ばされたようなものである。ケートニアーなので、この程度じゃかすり傷もつかないが、そうとう手ごわい相手である。
「期待はずれね・・・」
「くっ、何を」
――
少女が眼鏡の位置を正しながら、よくわからない物体を発見した。
「イェトスタファ、こっちに来て」
「なんなのー?」
イェトスタファは声の主をたどろうとする。彼女は今声の主から少し離れたところで襲撃の指示をしていたところであった。
「どうしたの?フィッサ。私は襲撃の指示で忙しいのよ。あなたも手伝って・・・」
イェトスタファの言葉が詰まる。こんなものを見て、言葉が詰まらないはずがないという顔をファリーア・ズュラファもといスカースナ・シェルケン・フィッサはしていた。
「これは・・・あなたが?」
「違う。でも、さっきこれを見つけて、よく見たら。まさかって思って」
そこには、紛れもない、今まで表の世界で学校ごっこをやっていたころの「虚偽の恩人」が無残にも四股がばらけ一部は行方不明、「虚偽の恩人だったもの」へと変貌していた。