Kranteerl y io dyin   作:witoitaa

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イェティエスタフィス

学園に来てから、かれこれ一週間経った。文化祭の準備がちょうど始まる時期だそうだ。しかし、アルシーの居るクラスでも、準備を進めてゆこうと言うところであった。

 

「では、第一グループから第三グループまでグループを分けます。第一グループは、材料調達を。第二グループは、設計を。第三グループは組み立てを担当します。」

教卓の前に立ち、クラスを仕切っているのは中央部学級代表であるレヴィアである。レヴィアの号令と共にクラスメイトたちは離散してゆく。

 

アルシーとキーア、そしてエレーナは第一グループの材料調達を担当する事になっていた。

「それじゃあ、行くか。」

キーアが立ち上がって言った。とりあえず、近くの量販店に行くらしいがどこなのかはよく知らない。キーアに連れられてエレーナとアルシーは、校門まで行く。

 

「これでいいか?」

「ええ、どうぞ。早く買ってきてくださいね。」

キーアが校門に居た公安部の生徒に生徒証を見せる。普通公安部に届出をして校外に出ることが出来るのだが、毎度の文化祭の買出しには、校門に居る公安部に生徒証を見せて登録するだけで校外に出られる。ただ、時間制限が厳しく時間を超過すると厳しい罰則があるらしい。

 

無事に登録を終え、校外に出てくる。登録者の列は校外にも延びていた。アルシーはそこに見覚えのある人を発見した。

 

「あれ?アルシー君じゃん。おーい!」

長机から手を伸ばして振っているのは、フィシャ・エレンである。

「あれ、フィシャ先輩、ここに居たんですか?」

キーアが声を上げる。

「そうそう、公安部だからしょうがなくね。君たちは、どこに行くの?」

「ちかくの木材屋にいく予定です。」

「そう?気をつけて行ってきてね。」

そういってアルシーたちは、学校を離れた。

 

---

「ここかな。」

エレーナが言う。眼前には、「TL工務店」の文字が刻まれていた。リファーリンとは人の名前だろうか。とりあえず、自動ドアを通り店内に入る。すると、アルシーたち三人の前に一人の女性が現れた。

 

「ようこそ、TL工務店へ!お~探し物は???」

店員のようだ。それも社長らしい。名前は……ターフ・リファン・イェティエスタフィス?長い名前だ。

「えっ、と、学校の文化祭で木材を使いたくて注文しに来たんですけど……。」

「あっそうなの!?だったら、私に任せてね!!!あっ、私のことはタリエって呼んでね!!!名前長いし~♪それとそれと~」

「あっ……えっと……注文しても良いですか?」

エレーナがタリエに話しかける。何か不安な、そのような空気が流れていた。


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