Kranteerl y io dyin 作:witoitaa
「おっきろ~!!!」
ばさっと掛布団が取り払われる。立っていたのは既に制服姿のユミーレだった。横に可愛い寝顔で寝ていたはずのエレーナも制服姿でユミーレの後ろに立っている。
「お、おはよう。」
「おぅ~、おはようアルシー君~おはようですぅ~!」
「40秒で仕度しな、送れちゃうぞ~!」
部屋の出入り口の方からも声がする。ユミーレだ。皆はもう既に行ってしまった。ベッドから跳ね起きて化学科謹製青制服を着て直ぐに女子寮を出る。科学科棟まで走っているとキーアもこっちに向かって走っていた。
「おい、アルシー。どうだ、学校生活は?」
「今、時間に遅れそうなくらい楽しいよ!」
そんなことをいいながらアルシー達は、科学科棟に入っていった。
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「今回、私たちのクラスが文化祭で何をやるかを決めなくてはなりません。」
そう声をあげたのは中央部学級代表、つまるところ学級委員長であるスカースナ・ハルトシェアフィス・レヴィアであった。どうやら、文化祭まであと一週間と迫っていたらしい。
「そういうことで、私たちのクラスで何をやるか決めたいと思います。」
レヴィアはそういった。何をやるか、ハタ王国ではメシェーラを使ったパフォーマンスが盛んに行われたが、こちらでは何をやるのだろう。そんなことを考えていると、いきなりキーアが立ち上がった。
「代表、いい案があるぜ。」
「……それはなんですか、レシェール君。」
レヴィアが言う。キーアを呆れているかのような目で見ている。
「ジェットコースターさ。」
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「はい?」
レヴィアがキーアを睨みつける。キーアは続けてこういった。
「ジェットコースター。化学科棟以外の利用も文化祭では許されている。できるだけ、場所を広く取ればジェットコースターは実現できるはずだ。」
「はぁ……レシェール君、安全的に考えてジェットコースターは」
「いいじゃないか。ジェットコースター、頑張ってやれば安全面もクリアできるんじゃないか。」
アルシーは言った。
クラスの視線が刺さった気がしたが多分気のせいだろう。
「いいんじゃない~面白そうだし。」
「うんうん~!」
周りのクラスの皆が賛成した。そのところでチャイムがなった。
「えっ……と、それじゃあとりあえずジェットコースターで提出しておきます。」
うぇーいとクラス内が盛り上がる。
「それでは、解散します。」
そういって皆は、昼食をとる為に方々へ散っていった。
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「アルシー君。」
気付いた瞬間、レヴィアが目の前に居た。
「一緒にお昼食べない?」
「え、ああ、うん……。」
肯定してしまったぁ……あとでキーアが五月蠅そうだ……。というか、いつの間にレヴィアは俺の席の前に来たんだろう。
変な違和感を覚えながらアルシーはレヴィアと屋上へ行く事にした。エレーナもさそってくれたがレヴィアが一瞥すると萎縮してしまった。そんなことを考えていると屋上についた。