Kranteerl y io dyin 作:witoitaa
いざ、デュインへ
俺はずっとこの小さい国土で暮らしてきた。1000年以上続いていると言われるトイター教の慣習。王国の伝統。俺は生まれた時からずっとこの世界を見てきた。しかし、ある日俺は外国について書かれた本に出会って、外の国に興味を持つ。ユエスレオネだ。周りがスカルタンを着たり、シャスティに言ったりしているのをよそにどんどんユエスレオネにハマっていった。俺の幼少期はそんな感じだった。
俺はアルシ=ケンソディスナル。ハタ王国に住む普通の高校生。
ずっと前からユエスレオネ連邦という国にあこがれていた。連邦のウェールフープ技術は王国よりも高いらしい。
私はリパライン語が得意で学校での成績は常に上位を占めていた。なので高校ではユエスレオネに留学をしたいと思った。最終的にはウェールフープ学を学んでウェールフープ研究所に行きたいと思っている。そこで、ウェールフープ学の研究機関に留学ができるという広告を見つけた。
俺はその広告にあった電話番号に電話を掛ける。
「お電話ありがとう御座います。こちらはフェグラダ・ヴェイユファイト・ア・デュアン・ホームステイサービスで御座います。」
「あ~、ファイクレオネでウェールフープ留学がしたんですよ。それで資料とか送ることできませんか?」
「あ…そうですね。では、資料をお送りいたしますので検討してコースを選んで封筒を返送してください。」
「分りました、住所はネステル地方ワストゥロム-スステ4丁目です。」
「了解しました。留学サービスのご利用ありがとう御座います。」
なんと、これだけで行けるのか。デュインの教育制度は連邦より発展しているという。そういう面が見られた。
――
資料はすぐに来た。俺が選んだ研究機関はフェグラダ・ヴェイユファイト・ア・デュアンというらしくそれはWP化学科、WP論理科、WP戦闘開発科、WP医療科の四つの学科がある。なんといってもやりたかったのはWP化学なので申し込み用紙にレ点をつけ封筒に入れて投函した。その後にまたフェグラダ・ヴェイユファイトからすぐに行き帰りの航空券が届いた。中には地図や注意事項などが書いてあるハンドブックがあり、他にもフェグラダ・ヴェイユファイト謹製の筆記用具が多数入っていた。ハンドブックによるとフェグラダ・ヴェイユファイトでは学科間の抗争がたびたび起きるそうで筆記用具に暗殺用WP装置が入っていたりするらしいため皆、このフェグラダ・ヴェイユファイト印の安全な筆記用具を使うそうだ。なんて、危険な学校だろう。まぁ、WPが関係する所は大体危険だししょうがなくはあるのだが。
ネステルの空港へ行き手続きを済ます。準備は万端だ。航空機はフェグラダ・ヴェイユファイトが手配しているそうだ。しかし、危険物検査の時間が長い。やはり、ケートニアーだからといって抗争で飛行機を爆破させたりするのだろうか。酷い話だ。航空時間はそれほど長くはなかった。デュインのサニス空港に着いた時に一人の男性が駆け寄ってきた。
"ようこそデュインへ、留学者よ。"
男の身長は俺と同じくらい。170cmほど。ひげが微妙に生えている。年は30代くらいに見える。
"あ、どうも"
"ほう、見た目は王国人のようだがやはり王国の教育によってリパライン語を多少話せるようだね。まあいい、こちらも有語くらいは話せる。"「そんなに緊張することはない。早速こちらへ来たまえ。」
私は男に案内をされた。他の参加者と思われるものも同じように誘導されていった。ほとんどが学生と思われた。
「あの、名前は・・・」
「私か?いやいや、それより君の名前だな・・・ふむ、アルシ=ケンソディスナル君か、私の名前はこうだ。この名札に書いてある。」
俺は名札をまじまじと見た。リパーシェは一応読める。なので発音して見せた。
"Viokk.laz?"
"そうだ、Viokk.lazだ。学園生活を楽しんでくれたまえ"
ラツ(viokk.laz)はフェグレダ・ヴェイユファイトの職員らしく、馴れ馴れしくいつも上から目線で話してくるマシンガントーカーである。アルシとラツはフェグレダの正門に着いた。
「ここが我等がフェグラダ・ヴェイユファイト・ア・デュアンの正門さ。君はここでこれから暮らすのさ。」
ラツは言う。ラツはフェグラダの寮にこれから一ヶ月暮らすことになる。ラツが急にアルシに振り向いて言う。
「君って学科何処だっけ?医療科?ああ、いや君にそれは合わないな。」
なんだそれは。
「化学科です。」
アルシはさらっと告げた。
「化学科かぁ、まあいいや。もう始業時間は過ぎてるけど授業に乱入しちゃうか?」
「いや、いいです。」
めんどくさそうだし。
「いやまぁ、そう言わずに~」
パンフレットを見るに、化学科はやはりウェールフープ学をやるらしい。私がやってみたかった分野だ。ちょどいい。それにしても、この学園は大きい。王国もアルパなどは大きいが。
なんてことを考えているとラツが話しかけた。
「忠告しておくが、有語を話すのは私くらいだ。中の教員、および生徒はリパライン語。手違いには気をつけな」
アルシは若干の不安を覚えつつ、笑みを浮かべて返した。
「Jad」