ガンダムビルドファイターズ ダークレイヴン   作:級長

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 ガンプラバトル選手権 中高生の部 ルール
 中高生の部は3対3のチーム戦です。出撃出来るガンプラは3機までです。
 モビルスーツではない支援機は、1機に数えます。大型モビルアーマーは1機を三人で操縦して下さい。
 Vガンダムなど分離するモビルスーツは1機と数えますが、この場合は分離した機体を一人で操縦することになります。
 大型モビルアーマーに該当する機体は、サイズで規定されています。作中で大型モビルアーマーとされる機体やモビルスーツでもサイズ次第ではこれに該当します。
 バトルは相手チームの機体を全滅させるか、最後に残った機体が多い方の勝利となります。
 15分経っても残っている機体数が同じ場合、チーム代表者による一騎打ちで決着を付けます。
 試合毎に機体を入れ替えることは可能ですが、試合中に機体変更は出来ません。
 フィールドはシステムAIにより、ランダムに決定されます。


3.結成、Gブレイカーズ

 暁中学 教室

 

 「眠ぃ……」

 「別に腹はいっぱいじゃないだろ?」

 午後の授業は通常、眠くなるものだ。それは給食で腹が満たされているからであって、辰摩の言う通り、戦ほどの育ち盛りが満腹にならない仕出し弁当では実現しない。

 「そりゃ、東京日帰りはしんどいよなぁ」

 「日帰りかよ。休めばいいのに」

 「今日はバトル部発足の日だろ? いないわけにはいかんな」

 戦はサボればいいものを、バトル部が始まるのでわざわざ出て来たというわけだ。これには辰摩も呆れた。

 「無茶しやがるぜ。授業の内容頭に入ってんだろうな? じゃあ問題、全ての戦争が根絶された『沈黙の日』に最前線で戦ったのは誰?」

 ちゃんと授業を聞けているか、辰摩はクイズを出した。今日の6時間目に、社会で習った範囲だ。

 「あれだろ? ビーハイヴって宗教団体と現アメリカ大統領のマイケル・ウィルソン、あとは……なんだっけ? ジョン・メイトリックス?」

 「『沈黙の日』の名前の由来になった、謎の料理人だよ。『沈黙の艦隊』って映画の主人公みたいだったから、沈黙の日って呼ばれたんだ」

 「そうだっけ?」

 やっぱり戦は理解していなかった。戦は真面目に勉強してやっと半人前の成績しか取れないため、気を抜けば高校進学が危うい。その辺りは親のみならず担任や友人も心配していた。

 「とにかく、今日はバトル部旗揚げの日だ。早くバトルシステムを見てみたいな」

 「じゃあ、早く行きましょう」

 昨日いなかった戦は、バトルシステムをまだ見ていなかった。合流した桜と共に、戦と辰摩はバトルシステムが置かれた体育館に向かう。

 バトル部の活動場所が定まっていないため、バトルシステムは体育館の空き倉庫に入れられていた。生徒数の減少に伴い、備品も減少。倉庫の一つが元々、予備の部屋になっているのだ。

 戦は体育館の空き倉庫の扉を開けた。既に爆発音が響き、戦いが始まっている。

 「ここ、貰えたんだ」

 戦がそう言うのもわけがある。ここは一年生が多目的室として使用している場所なのだ。かつては教室だった場所も生徒数が減り、多目的室として使われた。元々は教室なので、計三つが各学年に一つ割り当てられた。

 各学年の多目的室は二年生のを園芸部、三年生のを技術部が部室として使っている。ただ、園芸部は畑や花壇を、技術部は木工室に集まるため、あまり使っていない。一年生の多目的室はある事情により封印状態にあった。

 「一年生、多目的室も使えないのに……」

 「それは先生方がおいおい考えるだろうさ」

 桜と辰摩も戦の後に続いて入る。爆発音はてっきり、葉月が先に練習しているものだとばかり思っていた。

 だが、バトルをしていたのは生徒会長とその取り巻き達だった。

 「侵入者ー! おい弱小バレー部、練習はどうした?」

 「誰が弱小だ!」

 戦が叫んだのに気を取られ、生徒会長の百式がサテライトストライクにビームサーベルで真っ二つにされた。

 『ショウシャ、サテライトストライク』

 「あー! お前が話しかけるから!」

 どうやら、3対1でサテライトストライクに負けたらしい。ほぼ無傷でガンプラが転がっている辺り、瞬殺された模様。

 「そのストライク、葉月のか?」

 「コンピューター戦用に仕込まれていたんだ。誰が作ったのかサッパリ」

 戦はストライクを葉月のものと思っていたが、そうではないらしい。辰摩にも、サテライトストライクの正体はわからなかった。

 「えーい、こんなもの!」

 「あ!」

 あろうことか、負けた腹いせにサテライトストライクを壁に叩き付けて破壊した。許されざる行為だ。

 「てめぇ! 仮にも人のガンプラを! ていうか、今これは部の備品じゃねーか!」

 「不要な備品は処分した、それだけだ!」

 戦はサテライトストライクを回収する。昔のキットでガタが来ていたのか、股関節のポールジョイントが折れて右足がとれてしまった。メイン武装であるサテライトキャノンもリフレクターがバラバラになり、砲身も割れていた。

 「それより、なんでお前らがバトルシステム使ってんだ?」

 「備品の整理も俺達生徒会の仕事! つまりこれが捨てられずにとってあったのは俺達のおかげ! つまり、これを使う権利は俺達が持つ!」

 辰摩は根本的な所に疑問を持つ。生徒会がバトルシステムを使っていたのは、そんな理由からだった。

 「生徒会にそんな仕事あったか?」

 「ある! それに、バトル部を名乗るならそれなりの強さを証明してもらう必要がある! 素人に負けるようではバトル部の今後など期待出来ないからな!」

 「あー、いちいちうるせー」

 寝不足の頭には、生徒会長の大声が堪えた。大声を出さなければ自分の正しさに自信が持てないのか。

 「それに、バトル部は先生方から正式な部活として認められている」

 「んなもん知るか! 大人達の都合から生徒を守るのが生徒会の役目だ!」

 「言うに困ってヒーローごっこか。なら付き合ってやるよ」

 ラチがあかないので、戦もバトルをすることになった。どうせ勝ってもごねるだろうが、ガンプラを破壊すればしばらくはバトルが出来ないはずだ。

 「遅れてすみません。練習試合の申し込みを……、どうしたんです?」

 「よぉ、葉月。不法占拠者を立ち退かせる。付き合わないか?」

 遅れて来た葉月に戦は事情を説明する。葉月は戦が持っていた、破損したサテライトストライクに目を向けた。

 「そのストライク、どうしたのです?」

 「あいつらがリアル破壊をだな……」

 葉月は戦の言葉で全てを悟った。この破損がバトルによるものでないことくらい、彼女にはわかった。とにかく、相手も三人、こちらも三人。バトルで打ちのめすには十分だ。

 「では、バトルをしましょう」

 大人しく礼儀正しい葉月が静かに怒っていることは、誰の目にも明らかだ。

 

 『ガンプラヲセットシテ下サイ』

 バトルシステムが狭いので、3対3のチーム戦は不可能。そこで、メンバー同士の一騎打ちを三回繰り返す方式になった。

 バトル部が出る順番は葉月、戦、辰摩。チーム戦では先鋒が勝利して勢いをつけるのが重要なのだ。

 「俺が大将で出る!」

 生徒会長は声が無駄に大きいので作戦がモロバレだ。作戦といえる様な作戦など立てられないだろうが。

 「所詮はにわかと女子のチーム。負けるはずはない」

 次鋒は生徒会書記で剣道部もしている男子。相手を軽く見ている時点で、武道家としては未熟だ。

 「見ろ、羽黒の奴のガンプラ。まともに組めてねぇ」

 書記は戦が取り出したデュナメスのガンプラを見る。初心者が道具を揃えなくてもある程度は組めるのだから、ガンプラは凄い。部分塗装無しで、本当に素組だ。

 「転校生は『チームメイトさえいれば全国に出ているファイター』と呼ばれているそうじゃないか。そんなもの、キサラギの社長の娘に媚びるためにしか言われていないことを思い知らせてやる!」

 相手の先鋒は金持ちにコンプレックスがあるらしい生徒会の会計。野球部だ。別に家庭が貧乏でも何でもなく、単に金持ちに刃向かう自分に酔いしれているだけだ。

 「では、まずはあなたを言い訳出来ないくらい徹底的に叩きのめします。私は、このサテライトストライクを使います」

 自分の機体を使うと『金を出して作ってもらったガンプラで勝った』とかごねるのが容易に想像出来るため、破損したサテライトストライクを使用する。

 ストライクはよく出来ているが、破損した機体。塗装も剥がれていて、メンテナンスが必要になりそうだ。バトルシステムに立たせるために、ランナーの余りを使って義足を作る必要があった。

 「自信たっぷりだな。それをこの、サイコガンダムでぶっ壊してやる!」

 会計が用意したのはHGのサイコガンダム。HGでは最大サイズを誇るガンプラで、大型キットの雛形だ。

 実はこのサイコガンダム。生徒会が活動費で買ったものだ。生徒会は活動費を度々、不正に受給している。戦達はそんな非常識な真似をする奴がいるとは思っていないので、知らない。まぁ、普通はやらないからねそんな馬鹿を。

 「ていうか、葉月って社長令嬢だったのか?」

 「ええ、まぁ。転校の理由は追い追い話します」

 戦はサイコガンダムよりも、葉月が社長令嬢であることの方が驚きだった。キサラギといえば、規模こそクレストやミラージュに劣るが、『技術のキサラギ』と呼ばれて、大企業が作らないが必需でありそれなりに需要のあるニッチな工業製品を作る企業だ。その社長令嬢が、如月葉月。

 7年前に会長が死亡して大打撃を受けた企業連だが、まだ存続はしている。クレスト、ミラージュ、キサラギの三企業は元より、GAグループ、インテリオルユニオン、オーメルグループなど経営者の腐敗はさておき、確かな技術を持つ企業も企業連にはいる。

 

 「如月葉月、サテライトストライクガンダム。出ます!」

 葉月はサテライトストライクを出撃させる。右足は壊れ、名前の由来であるサテライトキャノンは破壊された。この状況でどうやってサイコガンダムを倒すのか。武装すらビームライフルしかないのだ。

 フィールドはネオホンコン。既にサイコガンダムは変形し、ガンダムになっていた。

 「やる前から結果はわかっている! 俺の勝ちだ!」

 会計はサイコガンダムのビームをフルバーストしてストライクを攻撃する。だが、ストライクはそれを最小の動きで飛び回り、軽々と回避した。

 「なんだと?」

 「おばあちゃんが言っていた。相手が勝ち誇った時、既にそいつは負けている、と」

 外野の戦が天を指差しながらおばあちゃん語録を述べる。お前はどこの天の道を行き総てを司る男かと。

 「避けられても、攻撃が効かなければ!」

 サイコガンダムならストライクの攻撃を受けても平気、と会計は考えていた。サテライトキャノンが無いなら尚更。

 「今度こそ、消えろ!」

 サイコガンダムは両手の指にある粒子砲をストライクに向ける。普通、狙われたら避ける為に距離を取ろうと考える。だが、葉月はなんと、右手の粒子砲に向けて突っ込んできたのだ。

 「攻撃なら、効きます」

 指の粒子砲一つひとつに、ストライクはアーマーシュナイダーを突き刺していく。砲口を潰され、右手の粒子砲は暴発した。

 「馬鹿な!」

 右腕の間接を至近距離でビームライフルを使い攻撃する。右腕が完全に破壊されると、今度は左腕でも同じことをした。会計も馬鹿なので、同じ手が通じてしまう。

 「この……たかが金持ちのくせに!」

 今は金持ちかどうかは関係無いのだが、会計は金持ちだから操縦は下手だろうと本気で思っていたため、予想が外れて混乱していた。

 脚部や背部のスラスターもアーマーシュナイダーで潰し、爆発させる。サイコガンダムは自身の爆発だけで、地面に倒れた。幸い仰向けだったため、まだ腹部のビームは使える。

 それはむしろ災いだった。ストライクはサイコガンダムの両目をアーマーシュナイダーで潰し、最後にビームライフルでバラバラに砕く。腹部の粒子砲もアーマーシュナイダーで潰してからビームサーベルで貫き、サイコガンダムは完全に解体された。

 近接戦の鬼に大型機を当てると解体されるのはガンダムの常識だ。

 『ショウシャ、キサラギハヅキ』

 バトルが終了すると、葉月はサテライトストライクをキャッチする。サイコガンダムはバラバラのパー。正に鬼神が如き戦いを見せ付けた。

 「さ、サイコガンダムが……ダメージ設定Bだよな?」

 会計はサテライトストライクに瞬殺されていたため気付かなかったが、この中古バトルシステムにダメージレベルなんてものは存在しない。強いて言えば、常時Aだ。

 「ま、まぁ二回勝てばいいから問題は無い。あいつらなら負ける心配は無いからな!」

 生徒会長は冷や汗を流しながら、次鋒戦に移る。

 

 次にバトルすることになったのは、書記と戦。フィールドは砂漠だ。書記のガンプラはZⅡ。最近発売された、Zガンダムのバリエーション機だ。キットは完全新規で、出来がいい。いい道具を揃えてはいるが素組しか出来ない書記にも、戦のデュナメス以上に完成度が高く作れる。

 (狙撃する気か? こんなフィールドなら隠れられないだろ!)

 書記は一気に距離を詰めようとする。狙撃手には近接戦が有効だと思っているらしい。

 「甘い!」

 だが、直線に飛んで来る相手を戦が逃すはずはない。スコープを覗き、即座に狙いを定めて撃ち抜く。

 「何? まぐれか!」

 GNスナイパーライフルを腹部に受けたが、書記は愚かにも直進をやめない。ビームサーベルを抜き、デュナメスに斬りかかる。戦はスコープを覗いていて、動けないと思っているようだ。

 デュナメスが動かないと考えていた書記はZⅡで斬りかかる距離を、今の位置で定めていた。剣道部は伊達じゃないか。だが、戦はデュナメスを前進させてビームサーベルを振り抜く。

 「ちょいさー!」

 「チッ、てめぇ!」

 距離が狂った書記はサーベルを振れず、逆に斬られてしまった。

 距離を取った戦を、書記が二本のクレイバズーカで狙う。だが、戦のデュナメスは小さく反復横飛びをする様な動きで飛びまわるため、狙いが定まらない。

 「畜生! なんで当たらねぇんだ!」

 「それはお前が馬鹿だからだ!」

 クレイバズーカは弾切れ、ビームライフルも当たらない。一方でトロトロと足を止めて撃っているので、戦のライフルは当たりまくる。

 「なんて早い狙撃なの?」

 「クイックスナイプだね。スコープを覗いて即座に撃ち抜く、戦の得意技だよ」

 これには葉月も驚愕した。辰摩は戦がACVにおいて、スナイパーキャノンによるクイックスナイプを得意としているのを知っていた。

 「固いな。それが災いしたな!」

 ZⅡが捨てたクレイバズーカをバットの様に振り回し、ZⅡを武器もろとも砕いていく。

 「クソが! 戦のくせに!」

 ZⅡは変形して上空へ向かう。それも、戦によって狙撃され、地面に落ちた。

 「How do you like me now!」

 戦は倒れたZⅡをデュナメスでホールドし、腕の関節を本来とは逆の報告に曲げる。

 「まさかの関節技……」

 これには桜も苦笑い。砕いた腕で顔面を叩いたり、全ての武器を粉砕したりして、ZⅡをバラバラにした。

 『ショウシャ、ハグロイクサ』

 「お、俺のZⅡが……」

 ダメージレベルAだったので。ZⅡのガンプラは粉々にされていた。サテライトストライクの仇は順調に討たれている。

 「もう負け越しだからいいよね?」

 「うるさい! こうなったら俺が三人倒す! 俺が三人倒したら俺達の勝ちだ!」

 辰摩がバトルの終了を告げると、生徒会長はルールを覆してきた。仕方ないので、辰摩もバトルすることになった。

 辰摩の機体はガンダムヴァーチェ。バズーカにプラ板で鉄板を付けた様な改造をしている。

 

 『ガンプラヲセットシテクダサイ』

 仕方ないのでバトルスタート。負けたくせにごねる奴は本当に面倒臭い。

 フィールドは宇宙。スタンダードなフィールドだ。生徒会長の機体はメガランチャーを持つ百式。メガランチャー付きの百式はメッキではないが、この百式はメッキ。わざわざ、単品とセットを両方買ったのだろうか。

 「百式はな! そんなデブより強いんだぞ!」

 百式はメガランチャーを早速構えた。ゆっくりと準備している間に、ヴァーチェは何処かへ行ってしまった。

 「あれ? どこだ?」

 「上か!」

 スコープを覗いてヴァーチェを探していると、上から辰摩がキャノンを振り上げて飛んできた。戦が場所をモロに言っているのに、サルの生徒会長には気付かれていない。

 ヴァーチェはキャノンをハンマーの様に扱い、メガランチャーを砕いた。

 「ソイヤー!」

 「上から? ありえん!」

 生徒会長は馬鹿なので、その状態で引き金を引いてしまう。当然暴発したランチャーは爆発し、手を離しそびれた百式はマニュピレーターを破損したばかりではなく、金メッキにもダメージを受けた。

 「こいつ、よくも百式を!」

 両腕を失った百式にはバルカンしかない。だが、やっぱり間抜けな生徒会長には有効に使えないようだ。バルカンを乱射しても、ヴァーチェはGNフィールドで悠々と防ぐ。

 「百式は、強いんだ! そんなエセデブガンダムに……!」

 生徒会長は百式を過信していた。百式が強いのは、そのスペック故ではない。百式は単純なスペックだけで言うと、リック・ディアスに毛が生えた程度。技術が不完全な試作機としては品質が安定した量産機に迫るだけ高水準だろう。その百式が強いのは、パイロットであるクアトロ・バジーナの技量、そしてそれを素直に反映する百式のレスポンスにある。

 つまり、サルに乗り回されては百式も実力を発揮しないのだ。

 「トランザム! ガンプラの直接破壊は万死に値する!」

 そして放たれる球体ビーム。通称『万死玉』。百式はメッキをバリバリに剥がされて爆発した。

 『ショウシャ ゴンドウ・タツマ』

 バトルが終わったフィールドでは、ボロボロになった百式が落ちていた。メッキが剥がれて、塗装に便利そうだ。

 「さ、勝負は着きました。これでバトルシステムは私達のものですね」

 「まだだ! まだ勝負は着いてない!」

 葉月が決着を告げても、会長はごねた。案の定、である。葉月にも、それなりに考えがあるのだろう。おもむろに倉庫の扉を開いた。

 「だ、そうですが先生方。いかがなさいますか?」

 そこには野球部、剣道部、そしてバレー部の顧問が立っていた。原因は部活をサボっている生徒会だ。

 「いやー、バトル部ってだけあって強いね。オラァ! お前は千本ノックだ!」

 「防具無しで試合させるぞ!」

 「生徒会長が何しとんだ!」

 生徒会は顧問に連行されていった。自業自得である。最後に、バレー部の顧問がこう言い放った。

 「あ、生徒会は会長の失態で権限封鎖するから、バトル部は安心して練習を続けたまえ」

 自分の部活をサボって人の部の邪魔をしていたのが理由だろうか。生徒会は権限が一時制限されるらしい。

 「あー、それなら安心だ。こいつら、よくある部活ものの生徒会みたいに負けても引き下がらないからなー。ホント、しつこさだけならゴキブリ級だぜ」

 戦もこれで一安心。だが、まだ戦いが終わっていない事に戦は気付いていなかった。

 「クッ、生徒会がやられた? ならば、俺がやるしかない。あんなにわかに代表面されてたまるか!」

 倉庫の付近である廊下にて、様子を見ていたのは宇宙世紀厨の山田だった。その手には、デザートカラーのザクが握られていた。




 次回予告
 戦「猿を倒したら終わりじゃないのか?」
 桜「生徒会女子とアイドル漬け共が反逆!」
 葉月「私も新兵器、持ってます。前奏はおしまいです」
 辰摩「次回、『ザク・プレリュード、大地に立つ』!」
 戦「ありえるのか……こんなザクが」

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