~旧校舎~
ロランたちは、旧校舎内へ入り、男性教官が旧校舎のステージに登ると、ロランらはステージに一番近い所の中央へ移動した… すると男性教官は…
「トヴァル・ランナーだ 今日から君たち《Ⅶ組》の担任を務めさせてもらうぜ ま、よろしくな」
トヴァル教官は言った… そしてその言葉にロランたちは驚く…
「Ⅶ組?」
「君たちってことは… ここに居る人たち全員Ⅶ組と言うことですの?」
と、カルテが言うと次に橙色の髪の女性がトヴァル教官に質問した 押してトヴァル教官は…
「簡単に言うとそうだが?」
「そ、そうですか…」
と橙色の女性はあきらめたような感じで言った…
「なんか…聞いていた話と違うな…」
と発言したのは青髪の生徒だ…
「教官、質問いいか?」
「ん? なんだ?」
とまたトヴァル教官に質問したのは珍しくカルテだった…
「この学院のクラスは全部で5つじゃなかったのか? そしてクラスは貴族や平民と言った身分や出身地で分ける、と言う感じだったと記憶しているんだが…」
「ああ、と言うか聞いてなかったのか… まあ、5つのクラスがあって貴族と平民で区別していたのは一昨年までなんだ… 実は去年から新しいクラスができてんだよ、つまりここに居る8人は身分や出身に関係なく選ばれた、特科クラス《Ⅶ組》と言うわけだ」
トヴァル教官の言葉に皆が驚いている… そりゃそうだ…そんな話聞いたことがないんだから…
「ですが、そんな話は聞いたとこがありません 確かに去年は学生が指名手配になったと聞かされてますが…」
「それはお前さんが外国や辺境あたりに居たからだと思うぜ? ここに居る何人かはここのクラスの事は知っている奴らが半分はいる…」
「…そうなんですか…」
とカルテは少しだけ理解したようだ…
「まあ、堅い話はこの辺でいいだろう、そんじゃ 皆後ろ向いて居てくれ」
と教官の言う通りに後ろを向いた…いったい何をする気なんだろう…
「そんじゃあ、まあ頑張れ!」
と同時にトヴァル教官は隠し持っていたスイッチを押した…するとロランたちが居た床が傾いたのだ!! 驚いて普通に転がっていく人もいれば、平気で普通に滑る人もいる… ロラン、ストラはそのうちの二人だ… そしてカルテは何とか足を使って落ちずに済んだが、足を滑らして、転がりながら落ちていった… そして小柄な男性と女性はこの坂を歩いて降りて行ったのだ… この先どうなる野かなと思いながらロランは落ちていくのだった…
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
~旧校舎 地下区画B2~
「いってて…」
と最初に起き上ったのは青髪の男性だ
「一体…何が起こったのですか?」
「さあ?突然床が傾いたことは分かったんだが…」
次は橙色の髪の女子、次にカルテが起き上った
「まったく…何なのよ一体…」
「で、ここは建物の地下か…」
「ロラン…軽すぎ…」
とロランとストラも起き上った… そして二人の前には無事そうで無口な小柄の男子と女子が居た…
【ピピピ、ピピピ】
と突然音が鳴りだした… どうやらリィンさんから手渡された戦術オーブメントからなりだしているようだ…
「何の音だ?」
「あ、これからなっているな…」
とロランはオーブメントから流れているのを気付き、ほかのみんなも気付いたようだ…
「これってたしか…」
「学院の入り口でもらったものですが…」
と女子2人が悩んでいると
【それは一般型にもついている通信機能もついているんだ けっこう便利なんだぜ】
と皆はびっくりした、突然子トヴァル教官の声が聞こえてきたからだ…
「そうだったのか…」
とカルテは驚いている、が他のみなはそれほど驚いていないようだ
「というか…これってまさか!」
と青髪の男子が言っていると導力器から
【ああ、エプスダイン財団とラインフォルト社、そして帝国の西側に新しくできたプロテキス社が共同で開発した次世代戦術オーブメント 第六世代型戦術オーブメントだ その名は
《SREIT(スレイト)》】
「SREITか…」
「戦術オーブメントってたしか、アーツ(魔法)が使えるという特別な導力器だったっけ?」
とカルテが話していると
【そうだ、クオーツ(結晶回廊)をセットすることでアーツ(魔法)が使えるようになるやつだ、と言うわけで、各自受け取ってくれ】
と同時にロランたちの目の前の明かりがついて、そこには学院から申請したものが置いてあった…
【君たちから預かっていた武具と、学院から特別なクオーツを用意したぜ、ちなみにこれを設置したのは生徒会を中心に、8名の2年生の先輩方だぜ】
先輩たちすごいな… とロラン達は思っているがトヴァルの話は続く…
【それぞれ確認した上で、クオーツを自分の《SREIT》にセットしてくれ】
と、そこでトヴァル教官からの通信はない…それぞれ少し悩んだが…
「ま、とにかくやってみるしかないですわね…」
と橙色の髪の女子は自分が預けたっぽい場所まで行った… そして無言で小柄な男子と、女子も自分が合受けた場所へと向かった
「それしかないからな…」
次に青髪の男子も向かった
「ええっと、私のはあれか…」
とストラが見ているのは時計でたとえると2時の方向だった、そしてそこへ向かった…
「俺のはすぐそこか… 俺も行ってくるか…」
そしてカルテも自分の場所へ向かった… そしてそのあとロランも自分の場所へ向かった… そこには、リィンさんに預けた武具と、クオーツが置いてあった、そしてロランはそのクオーツを手に取った
【マスタークオーツ 『ガルテ』をロランはゲットした】
「これは…」
【それはマスタークオーツだ、SREITの中心に嵌めればアーツが使えるようになる、さあ、セットしてみてくれ】
そしてロランは『ガルテ』を《SREIT》の中心に嵌めこんだ そのあと、ほかの者もそれぞれのマスタークオーツを自分の《SREIT》に嵌めこんだ… すると、 突然《SREIT》と自分が光りだした…
「………これは…」
とロラン達は驚いている、そこにトヴァルが
【君ら自身とSREITが共鳴、同期したという合図だ、ま別の言い方をすれば証拠と言うことになるな、これでやっとアーツ(魔法)が使用可能になったってことだ、他にもSREITには前のARCUSの機能を一部引き継いでいるんだ、そしてまだほかにもいろんな機能があるんだが… これだけは教えてくか… SREITの後ろを見てくれ】
そしてロラン達は教官に言われ、SREITの後ろを見た、すると後ろにはもう一つ開けるカバーが付いていた…
【そっちはまだお前らさんたちには身が重いため、強制的に閉じている、SREIT自身にも意志を少しだけもっていてな、ある程度認めてくれたら裏側があき、ある能力が解放されるという仕組みだ… ま、他の機能や裏側のカバーについては追々ってことだ、そんじゃあ、始めるとするか】
と同時に部屋の奥にあった扉が開いた…
【そっから先はダンジョン区画になっている、結構広いし、入り組んでいるから迷い込むと思うが、無事に、ダンジョン区画の終点にたどり着ければ、俺がいる場所『旧校舎1階』まで戻れることができる、まあ、ダンジョン区画には魔獣がいるんだがな】
【それではこれより、士官学院・特科クラスⅦ組の特別オリエンテーリングを始める、全員ダンジョン区画を抜けて無事に俺がいる場所『旧校舎1階』まで戻ってくること、なんか文句があったらその後に受け付けるから そんじゃあがんばれ】
トヴァル教官からの通信は途切れた…
そして生徒全員はドアの前で合流した
「えっと…」
とカルテが言う…
「どうやら、本当にやるわけですわね…」
と橙色の女子が言うと… ドアの近くに居た小柄な男子と女子が勝手にドアの中へ入ろうとする
「っておい、二人でどこへ行く気だよ…」
とロランが気付いて注意するが…
「別に、俺らは二人だけで十分だし」
「そうね、あまり迷惑はかけたくないしね、それじゃあ…」
と小柄な男子と女子は勝手にダンジョン区画へ入ってしまった…
「仕方ない方々ね、まあいいわ 念の為数名で行動しましょう」
と橙色の女子のは小柄な男子と女子の事はほおっておくことを言っている、そして隣にいた男子と女子に話しかける
「そこの彼と彼女、私と一緒に来る?」
と橙色の髪の女子に言われたのは緑色の髪の女子と青髪の男子だ
「俺は大丈夫だぜ?」
「私は、正直助かります」
「では、私たちは先に行きますわ、あなた方も気よつけて」
「あ、ああ…」
と3人はダンジョン区画へ入っていった… ロランは彼女らの先に入った二人を少し心配しているようだ…
「で、結局残ったのは私たち顔み知りの3人だけど」
「まあ、この面子で言った方がいいだろう、そう言えば二人はどんな武器を使うんだ?」
「ああ、私はこれね」
とストラは太刀をカルテに見せた
「へえ、女子が太刀なんか使うんだな…」
「何か悪い?」
ストラは少し怒っているようだ
「いや、ただ珍しいだけだよ、ロランは何を使うんだ?」
「ああ、俺はこれだな」
ロランはカルテと同じ武器の太刀をカルテに見せた
「二人で同じ武器なのか!? 二人とも同じ出身?それとも同じ流派の門下生とか?」
「まあ、答えるならどっちもそうだな…」
「ってことは、同じ出身で同じ流派の武器を使うと…こいつはびっくりしたな…」
「ふつうそうなるわよね、私たちはアルテリと言う場所から来たのよ… そこでやっている八葉一刀流と同じ太刀を使う流派、抜刀戦闘術を使うのよ、だけどロランは抜刀戦闘術と八葉一刀流を合わせた戦い方をするのよ…そして私は抜刀戦闘術を習ったけど、我流の戦い方なのよ…」
「へ、へぇ…そうなんだ…」
と武器や流派、出身などの話をしていると、今度はカルテの話になった…
「カルテは何を使うんだ?」
「ああ、俺か? おれはこれだな…」
カルテは二人に法剣を見せた
「それって?なに」
「ああ、法剣と言ってな、アルテリア法国で使うものだ」
「アルテリア方国?カルテって留学生だったの?」
「実はそうだ、と言うかトヴァルさんの話聞いてなかったのか…」
「そう言えば…」
~回想~
「それはお前さんが外国か辺境あたりに居たからだと思うぜ?」
~回想終了~
「たしかに言ってたな、そしてアルテリアって教会で有名だから、トリスタの教会でお祈りしていたのはそう言うことだったのか…」
「まあ、そう言うことだ、さあ、さっさとダンジョン区画行こうぜ!」
「あ、ああ!」
とカルテの言葉でロランとストラはダンジョン区画へ挑むのである…
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