赤龍帝の兄(仮題)   作:ウッキー

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二話

「と、そのような感じで私、リアス・グレモリーもこの兵藤家に住まわせてもらうこととなりました。ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いしますわ。兵藤君」

 

リビングでイッセーとリアスさんが隣り合って俺に挨拶している。

イッセーはなにがなんだかという顔をしていて少し笑ってしまう。

 

「それはいいけど、いいのかイッセー? 隣のアーシアがおかんむりだぞ?」

「え?」

 

イッセーは涙目のアーシアをなだめようと頑張っている。

その光景を見てまた笑ってしまう。

それと同時にもう大丈夫だと安心してしまう。

イッセーの心の支えになれる人がきてくれたから、支えがいるなら大丈夫だと。

 

場所は変わって……

「どうだい? リアスとイッセー君たちは?」

正面にいるサーゼクスがにこやかに問いかけてくる。

「はは、イッセーを取り合ってるよ。毎日な」

思い出すだけで、笑ってしまう。

「それはよかった」

「ああ、俺も安心できる。 安心して行ける」

その一言にサーゼクスだけでなくグレイフィアも顔をしかめる。

「やはり、決意は変わらないのか?」

「何度も言わせんな」

心配そうな空気を変えようとする。

「ま、とりあえずイッセーの事頼むわ。 

 後、コカビエルが動き出そうとしてるぞ。

 変な事しようとしているなら、俺が潰すぜ?」

「わかった。こちらも対処しよう」

 

って言ってたよな、サーゼクスの野郎…………

全然、対処できてないじゃねえか…………

今、俺がいるのは駒王学園の前だ。

確かに結界が張ってある。

まあ、結界と言っても俺やサーゼクスからすれば無いようなレベルだが。

会長たちのレベルを考えるとよくやった方だ。

ちなみに、俺は外見を変えている。

「おい、お前! 何やってる?」

結界に触ろうとすると頭上から声が聞こえる。

確か、こいつ生徒会書記の匙だっけ?

「どうしたのです、匙?」

生徒会長も登場したぞ、おい……

「会長、一般人が結界に触ろうとしていたんです!!」

その言葉を聞き、会長が眉をひそめる。

「おかしいですね、一般人は近づけないようになっているのに……

 あなたは何者です?!!」

一瞬にして、会長の眷属が身構えて戦闘態勢に入る。

まあまあだな、俺にとっては会長達からのプレッシャーはそよ風にもなっていない。

「何者でもいいだろ? お前らと戦うつもりは無いよ。

 用があるのは、この中にいるクソ鴉だ」

その一言に会長達の顔が一層強張る。

「結界、すぐに張りなおせよ」

「はい?」

自分の背中から巨大な骸骨の手が現れる。

その手は、結界めがけて打ち下ろされる。

「待っ!!!」

パリーン!!!!

学園を覆っていた結界が儚い音を立てて崩れる。

「お前らの仲間には手を出さないよ。

 んじゃ、後よろしく!!!」

そう言ってイッセーたちの元へ向かう。

 

ちょうど、ケロべロスが出てきた所みたいだ。

あり?ちょっと早かったかな?

そんな事考えていると、イッセーたちから激しい視線を受けた。

「あなた何者なの?」

「もっともな疑問だけど、目の前の犬っころに集中した方がいいぜ?」

イッセー含めた三人でようやくケロべロスを弱らすことが出来ている。

まだまだだ。

率直に言ってその一言に尽きた。

滅びの魔力を上手く使えていない。

自分の力に嫌悪を抱き使っていない。

イッセーに関しては赤龍帝の籠手に振り回されている。

まあ、当たり前か。

グルルルルルル。

背後から唸り声が聞こえる。

「おいおい、犬っころ。じゃれついてくんな」

ガァオオオオオオッッ!!

体を噛み千切らんと、三つの咢が迫ってくる。

「この、駄犬が!!!」

ドゴンッ!!!

派手な音をたてて、ケロべロスの体が吹き飛び校舎を崩しその瓦礫に埋まっていく。

「豪火滅却」

口から広範囲の炎が吐き出されケロべロスに向かう。

ケロべロスは為す術なく炎の中で叫びながら燃え尽きた。

「ハハハハ!! そうか、お前は!!!」

コカビエルが嬉しそうに笑う。

「黙れ、殺されてえのか?」

「確かに、お前だと俺は五分ももたなそうだな」

殺気をぶつけられコカビエルがたじろぐ。

「おい、リアス・グレモリー。 こいつの相手は俺がする

 お前らはそこの爺と雑魚を頼む」

「ちょっと、」

静止を聞かずにコカビエルが何十もの光の槍を作り、投擲してくる。

体にオレンジに光る肋骨をまとい、その手で光の槍をかき消す。

「さすがに、小手先では倒せんか」

「逆に倒せると思っているお前が不思議だね、俺は」

軽口をたたきながら考えをめぐらす。

須佐能乎は体に負担がかかる。もう一つの力である斬魄刀も卍解は長時間使うと俺の体を燃やす。

結論、須佐能乎で短い時間で潰す。

「これならどうだ!!!」

膨大な光を集め槍としている。

イッセー達なら一瞬でお陀仏だろう。

「須佐能乎」

一部分だけでなく上半身を出す。

その左手で、光の槍を掴み握りつぶす。

そして、右手に持つ剣をコカビエルに振り下ろす。

かろうじて、避けるが左側の翼五枚が全て切り落とされる。

「冥界の鴉にはお似合いだな」

そう言って、コカビエルをつまみ先ほどから気配がしている方に投げつける。

「白龍皇、とっとと持って行け」

「気づいていたのか」

「あれだけ、闘気をだしてればな」

「そうか、いずれお前と戦いたいな。俺のライバルによろしく」

そう言って去って行った。

「あ、アザゼルに対して言うの忘れた!!

 ま、いっか」

イッセーたちの方に戻ると既に戦闘は終わっていた。

会長達も一緒にいる。

そうこうしている内に俺に気づいたようだ。

「で? あなたは誰なの?」

全員に取り囲まれ問いただされる。

「誰でもいいじゃねえか。赤龍帝」

「はい?」

ふぬけた返事に笑いとため息が出そうになる。

「白龍皇は動き出してるぞ。殺されないように鍛えておくんだな。

 そして、強くなれイッセー、俺を殺せるくらいにな」

「えっ?」

「人の話を聞きなさい!!!」

リアスさんが怒っているが俺には関係ない。

「おい、リアス・グレモリー

 お前の兄貴に『後でしばく』って言っとけ。

 じゃあな!!」

後ろで叫ぶ声が聞こえるが無視だ。

さてと、これからどうするのか考えないとな。

ついでに、サーゼクスをどのようにしばくかをな…………

 

 

 

 




投稿が遅れてスイマセン

戦闘面が拙いですがどうぞ楽しんでいただけると幸いです。

次回は四巻をベースにして書きたいと思っています。

アドバイスや感想をお待ちしています。

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