FAIRYTAIL 神の力を造る魔法〜ゴッドメイク〜   作:スズ.H

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どもスズです!早くあげられるのであげました!ストックもそろそろつきそうなのでさらに更新ペースは遅くなります。文章力や地の文は相変わらずですが、見ていただくと幸いです。


S級魔導士試験
九話 アテナリア


ミラとリサーナとエルフマンの再開から翌日。今回の件はナツ達に説明をまかせ一人家に帰り、眠りについた。

 

ユースは夢を見た。

 

ユース「アアアア!」

 

?「な、なんだ?暴走してるのか?」

 

突然の出来事に驚く紫髪の男。

 

ユース「……オレハ、イヤ、ワレハ魔王(まおう)魔王(おう)二ヒレフセ!ニンゲン!」

 

ある部屋、そこにいる五人の人間

 

?「おう?何のはな……がはっ!」

 

ユースの持つ剣が紫髪の男の胸を貫く、それを下に叩きつける。その光景見た他の三人はただただ怯えることしかできなかった。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

がばっとユースは勢い良く起き上がる

 

ユース「ハァハァ…昔の事が夢に出てくるなんて…」

 

目覚めの悪い朝だ。そう思いながらベットから起き上がりユースは外へ出る支度をしだした。

 

ユース「ハァ、ユリマとマリサ、元気にしてるかな…」

 

そうつぶやきながら鏡まで歩き鏡の前で歯磨きをしていると家のピンポーンとチャイムがなる

 

ユース「今出ますよ〜」

 

ガチャと扉があきその先にはミラがいた

 

ミラ「おはよう、ユース♪」

 

とても機嫌がいい、リサーナが帰ってきたのがよほど嬉しかったのだろう。

 

ユース「ミラか、おはよう。まあ上がってくれ」

 

そういうとミラをうちにあげる。そう言われミラは靴を脱ぎリビングへと案内される

 

ミラ「いい部屋よね、確かルーシィもこのアパートよね」

 

ユース「そうだな、俺が紹介したからな、ちなみに向かいの部屋だぞ後で行くといい」

 

俺がギルドに帰ってきた時そこそこ、ここの家賃は安いので紹介したのだ。そして他にも理由はある。

 

ミラ「ユースは行ったことあるの?」

 

ユース「ないよ。遊びに行こうかとは思ったことがあるが、たまにあの部屋にナツ達がよく侵入するからな、俺は行く必要ないだろ」

 

笑いながら紅茶をミラに出しながら言う。すると向かいの部屋から『私の部屋ー!』と声が聞こえて二人は笑っていた。

 

 

ミラ「ふふ…ん、ありがと…前まではユースが言ってたわね、俺の部屋ーって」

 

クスクスとミラは笑う。すこし紅茶を冷まし飲む

 

ユース「ちょっとあの頃が懐かしい」

 

ルーシィがくるまでは俺の部屋に進入してきてた。これが進めた理由である。正直紹介してよかったと思っている

 

ユース「で、要件は?なんか用あってきたんだろ?」

 

ミラは紅茶を飲み干し、ユースは本棚の本に手を掛ける。

 

ミラ「評議員から召集かかってるわよ、フフ」

 

ユース「は??」

 

ミラが笑いながらそう言った。ユースは手に持ってた本をその場に落とした。手を下につけがっかりする。

 

ユース「俺が何をしたんだ……」

 

 

ミラ「何言ってんの、昔、建物の件とあとは街全壊とあとは

 

付け加えるならその場にミラもいただろう。ユースがやってきたことを言い続けるミラにユースは叫んだ

 

ユース「ああぁぁぁぁぁぁ!それ以上言うなぁァァァ!」

 

ルーシィ「え?何!ユース?」

 

ナツ「ユースだな」

 

ハッピー「ユースだね」

 

ユースの声があたりに響き渡った。となりのルーシィの部屋まで

 

 

 

商店街

 

ユース「疲れた〜」

 

ユースは荷物を手があかないくらい持っていた。評議院に行くはずのユース達は商店街で買い物していた。自身も買い足すものがあったのでちょうどは良かったが大丈夫だろうか。

 

ミラ「ごめんねーちょうど商店街近いしね。」

 

ユース「それはいいが召集時間とかないのか?」

 

自分が買ったものを見ながらユースは言う。ミラは笑顔で言う。

 

ミラ「別にいいんじゃない?評議院の召集くらい」

 

ユース「お、おう…そうか」

 

不気味な笑顔におどおどしながら頷いた。

 

ユース「さてギルドに一度行くか、食べもんとかギルドの食料だろ?」

 

ミラ「うん、おいたらすぐに行きましょうね」

 

世間話をしながらユースとミラはギルドに戻る。

 

 

ギルド

 

ミラ「ありがとうね、ユース」

 

ユース「このくらいお安い御用だ」

 

ギルドについたミラは奥の方で食料を整理していた。そろそろ評議院にいかないとと思ったユースはミラに声をかける。

 

ユース「じゃ、評議院に呼ばれてるからまた」

 

そうミラに言うとミラはとてつもないスピードで食料を整理しこちらに走ってきた。

 

ミラ「私も行くわよ」

 

ユース「え?なん……」

 

ミラが言葉をさえぎり微笑みながら話す

 

ミラ「いいから、いいから」

 

ユース「わ、わかったよ……」

 

ユースの肩を掴み、外へ無理やり押し出す。ユースは思わず頷いてしまった。その状況を見ていたガジルがニヤニヤしながら

 

ガジル「あいつ、鈍感だなぁ」

 

とつぶやいたがとなりでレビィがむすっとした顔でがジルを見ていてその場にいたレヴィとガジル以外は、お前が言うのかよ。そう思った。

 

ミラ「さあ、行きましょ」

 

ユース「あ、ああ」

 

外に出たユース達。内心は嬉しいっちゃ嬉しいけどなんか不安だな……と思った。ミラとユースは評議院があるERAに出発する

 

 

 

評議院、審議所扉前

 

駅何個か乗ってユースとミラは評議院につく。受付に名前を言うとこの審議所まで連れて来られた

 

ユース「ミラ、ここで待っててくれ」

 

ミラ「え?私も……」

 

ユース「いや、マジ頼むから」

 

昔のミラが一度だけ暴れたことがあった。今はさすがに暴れないだろうが念の為ね。そもそも俺が呼ばれただけだから入れないだろうが頼み込む

三年で変わったというが根本的には変わらない…と思うので。ミラはむぅと頬を膨らませながらしぶしぶ了承した。

 

 

審議所内部

 

評議員「………」

 

ユース「………」

 

 

数分沈黙が続く。この沈黙がとても辛い、俺何かやったっけ?今朝の事じゃないとミラは言ってたけど。と頭の中でじぶんのやったことを振り返っている。そんなこと考えていると奥から評議員長がきて椅子にこしかける、それと同時に他の元々座っていた達とは違う評議員もやってきて座る

 

評議会 長「ふぅ、さてお主には二つ話すことがある」

 

どうやらいろいろあったみたいで疲れているらしい、それもそうだ、楽園の塔の時のエーテリオン投下やらオラシオンセイスやらジェラール連行やらかなり忙しかったにちがいない。心の中でざまぁなんて思ってません。ほんとです。

 

長「まずひとつに、空席であった聖十大魔道の称号を与える」

 

ユース「え?マジ……あ……」

 

思わず敬語が崩れてしまい、すぐに謝るが三段あるうちの二段目にいる6人あたりが睨んできた。敬語が崩れてしまったのは、かなり嬉しかったのだ。聖十大魔導はイシュガル地方にいる優秀な10人にさずける。評議院に実力を認められたことなのだ。

 

長「よいよい代わりにクエストをこちらから受けて欲しい、渡してくれ」

 

長は話を続け、ユースにカエル?いやにん……いやカエルが紙を渡してきた

 

ユース「……アテナリアへの手紙を届ける」

 

紙に書いてある内容はアテナリアという都市への手紙を届ける。アテナリア、この都市はどこからも干渉されずそしてしないの方針の都市であり、アテナ城という由緒正しい建物がある。魔法犯罪などはこの都市が一番少なくかなり治安のいい都市である……そしてユースの故郷でもある。

 

長「大きい都であるクロッカスやマグノリアなどには渡せたがアテナリアだけが渡せなくてのぅ、なぜだか入ろうとするとなにかが邪魔して入れないのじゃ。それを取り消すこともできなくて困ったんじゃ。お主なら入れるかと思ってのぅ」

 

目をこちらにじっと向けヒゲをいじりながら続ける。

 

長「故郷なんじゃからな」

 

ユースの過去を知っていて、妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入る前一度評議院ユースは来ていてその時にはいろんな意味でお世話になった。でも受けられない

 

ユース「これは……受けられません」

 

アテナリアには苦い思い出が多くあまり帰る気分でもない。妹やマリサには会いたいが、ユースは過去の出来事があったので戻る気にならないのだ。例え妹とマリサが良くても、アテナリアの民がどう思うか。これまで行くチャンスは何回かあったがすべてスルーしてきた。

 

長「なんじゃと?称号という報酬を与えたつもりなのじゃが」

 

ユース「っ……」

 

長はこれが理由で称号を与えたのかと思うと少し腹立つがもらったものはしょうがない、これが目的か

 

ユース「………」

 

これは受けるしかないのか……と考えていたら、長は報酬といえばいいだろうか、それを増やしてきた。なにがなんでもアテナリアと連絡を取りたいらしい、何をし出すのだろう。

 

長「なんなら、他に欲しいものをいってみろ、称号に関してはお主は実力でとったものだ」

 

ユース「それは今すぐに手に入れられますか?」

 

長「望むのなら」

 

いろいろ考えたが特に欲しい物もなく金もない、ならただ一つ。ユースは一呼吸をし、口を開く

 

ユース「……連邦国家反逆罪で捕まったジェラール・フェルナンデスの面会をいつでもできる権限ください。それ以外はいりません」

 

ジェラールとの面会、ただひとつ

 

長「ほう……知り合いだったのかユース」

 

これには長も評議院全体も予想をしていなかったらしく

ユースの一言でざわめく。ザワザワ ザワザワと話し始める

 

「なにいってるんだあいつは」

 

「そんなものダメに決まっているだろう」

 

「あいつじゃないと入れないし……」

 

 

長「静かにしろ皆の衆」

 

長の一言でシーンとした。

 

長「……その権限を与えたら、行ってくれるんじゃな?」

 

ユース「はい、なんでもしますよ」

 

ユースはニッと、笑った。長はしばらく考え、二段目にいる評議員と話し合う。決断された答えは……

 

 

 

 

 

 

長「ふぅ、わかった……認めよう」

 

 

「「「!!!!」」」

 

一段目にいたカエル?やら位の低いとみられる評議員はアテナリアに手紙を届けるためだと呟いたのが聞こえた。一体アテナリアにそれほど執着する理由があるのだろうか

 

長「ただし、会えるのはお主だけだ。わかったな?それと面会するときは魔法を封じる腕輪をしてもらう」

 

できればエルザを連れて行きたかったがこれ以上は無理だろう、上出来な方だと思っている

 

ユース「わかりました、今すぐ会いたいんですが」

 

ジェラールに会うのは10年ぶり、いろいろ聞きたいことはあるが今回は会うだけ、どちらにしろ記憶がないから意味はないが

 

長「手配しておこう、下がっていいぞ」

 

そういわれユースは審議所をでて受付のところで承諾書をもらいジェラールにあいにいった

 

長「ぬぅ、クライン家はなぜあーも予想外のことを言うのだろうか」

 

そうつぶやいた

 

第一牢獄

 

ミラを連れ地下の階段を下がると第一監獄と書いてある、ここにいると言われ詳しくはそこの看守に聞けとも言われた

ユースはさっそく看守にジェラールがいる階に案内してもらった

 

看守「ジークレイ……ジェラールはあちらです」

 

ユース「わかった、ありがとう」

 

ジークレイン、そう言おうとしたのだろう。俺はあったことはないが評議院に侵入していた、ジェラールらしい、いろいろとエルザから全て聞いたが記憶喪失か…もう思い出したか?

 

ミラ「ユースも無茶なこと頼むわね」

 

ユース「だってなんでもくれるって言うし」

 

ミラ「そういう問題じゃあ……」

 

呆れた声でミラはそう言う、話してるうちにユース達はジェラールがいる牢屋につく。ミラはジェラールの牢屋の門番らしき人に止められ仕方なく外に出て行った。そしていたのは正真正銘のジェラール

 

ジェラール「?あなたは……」

 

わかってはいたがやはり記憶はない、いろいろと違和感があり少しやりにくい。近くの椅子に腰掛ける

 

ユース「覚えてないか……俺の名はユース・クラインだ。エルザや君と一緒で楽園の塔で……ん?」

 

ジェラール「ユース…クライン……頭がっ!」

 

様子がおかしいのに気づきユースが言葉を止める。するとま頭をささえ、もがき苦しみ始めた。

 

ユース「ジェ、ジェラールどうした?」

 

ジェラール「うぅ……」

 

あたふたするユースだが。ジェラールは頭の中に今までの記憶が蘇る。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ジェラール「お前らはもういらない。だがお前らは生かしておいてやる。邪魔なやつを倒してくれたしね」

 

エルザ「うぅ…」

 

魔法でしばり、エルザを持ち上げる、ジェラール

 

ユース「エルザをはなせよ!」

 

辺りの温度を下げブレスを放とうとするがエルザをユースのところになげジェラールに邪魔される。

 

ジェラール「じゃあな!二人とも、偽りの自由を味わってこい!」

 

 

場面は変わり、楽園の塔

 

 

ジェラール「天体魔法、アルテアリス!」

 

巨大な魔法の塊をエルザに投げる

 

エルザ「くっ」

 

ナツをかばっているエルザに魔法が向かっていく

 

ナツ「やめろぉーー!」

 

ナツが叫ぶ、その時そこにシモンがあらわれエルザをかばい、魔法の直撃をくらう。

 

シモン「良かった…無事…だったか…エルザ…」

 

エルザ「シ、シモンーー!」

 

シモンは倒れ息をひきとる

それを嘲笑うように言葉をいいはなつジェラール

 

ジェラール「はっはっはっは!実に実にくだらん!そういうのを無駄死にていうんだぜ!シモン!」

 

ジェラールの高笑いが響いた。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

ジェラール「う、うぅ……」

 

ユース「ジェラール!どうした!くそっ!」

 

ユースはジェラールの元へ行きたいが牢が邪魔で入れない、魔法を無効にする物質なので壊すこともできない。腕輪があるので元々魔法を行使はできないが

そしてジェラールはゆっくりと口を開く

 

ジェラール「すべて…すべて思い出したよ……ユースに会うのは、10年ぶりくらいか?」

 

 

ユース「記憶が蘇ったのか!?良かった。俺の名前がトリガーになったのか。……一つ聞くがお前はここからでたいか?」

 

心から喜ぶユース。少し間を空け質問する。それに対してジェラールは

 

ジェラール「ここからはでられない、もしてつだってもらっても、悪いがここにのこる」

 

ユース「…………」

 

しばらく沈黙がつづく、そしてユースが口を開く

 

ユース「そうか、変わらないな」

 

といい笑う。ジェラールは少し笑いながら話す

 

ジェラール「お前もな」

 

ユース「エルザに記憶のことは伏せておこう、言伝は?」

 

特に理由はないがエルザには言わないでおく。時が来たら話そうと思ってるがそれはジェラールが自由の身になってからだ。

 

ジェラール「これからも元気にやってくれと……」

 

微笑みながらそう言った。

 

ユース「わかった……俺としては出て欲しいんだが」

 

楽園の塔でできた友。ユースとしてはエルザのためにもいて欲しいし、出てくれたら俺としても嬉しい。がジェラールの答えは

 

ジェラール「善処しよう……」

 

曖昧な答え、少し沈黙が続くがユースは笑ながら別れを告げる。

 

ユース「……またな」

 

そういいながら門番に合図しこくりと頷き、ユースを階段の方へ案内する、それにジェラールも答える。

 

ジェラール「ああ、じゃあな」

 

これが最後の言葉か否か、それを決めるのは結局は評議院なのだ。無期懲役か死刑かはまだ決まっていない。エルザに合わせたいが俺じゃあ、無理だし。なにか方法がないか、そう考えながら、ユースは聖十の事とアテナリアの事を報告しにいくためギルドに帰った……

その帰り道。

 

ミラ「よかったの?」

 

あった出来事をミラに話すとそう聞いてきた。

 

ユース「いいさ、決めるのはあいつだ」

 

ミラ「そう……」

 

ユースは少し悲しそうに笑ったのをミラは見た。

 

 

 

 

ギルド

 

ギルドにかえってきた二人はマスターを探す。

 

ユース「マスター」

 

マカロフ「おう、ユースどうした?」

 

マスターはいつも通りに酒場のカウンターで飲んでいた

 

ユース「えっとですね……」

 

ユースは評議院で依頼を受けたことと聖十大魔導の称号を得たことを話した。ジェラールの事はもちろん伏せておく。

 

マカロフ「ふむ、聖十のことは知っておる、まあそのおかげで依頼を受けることになったのも予測はしておったが」

 

ユース「なんで聖十のことを知ってるんです?まだバッジはつけてませんが」

 

聖十に選ばれた魔導士はバッチを服につけることがその証拠になる、そして今の聖十はイシュガルの四天王、ブルーペガサスのジュラ、フェアリーテイルから俺とマスターが今いる、ファントムの件と楽園の塔の件で二人抜けたばっかで、空席が3つ余っている。

 

マカロフ「毎回一人でも決まると知らせが来るんじゃ」

 

さっきのことなのに、ずいぶん早いなと思った。チラっと横を見ると俺についての手紙が置いてあった。

 

ユース「そうなんですか……ではいってきます。」

 

マカロフ「S級魔導士試験あるからな、間に合うようにな〜」

 

ユース「わかりました」

 

ユースとミラはマスターに返事をしギルドをでた。その際マスターがニヤニヤしてたのは気になったが特に気も止めなかった。

 

ユース「もうそんな時期か……」

 

ミラ「そうね〜。今年は私も試験員として参加するわ。あ、魔道四輪あったわよ」

 

ミラと当たる奴が可哀想だなとユースは思ったが、一番可哀想なのはエルザと当たるやつだ。手加減というものを知らない。それとは別に魔導四輪を見つけたミラはユースにそう言う。それに対しユースは嫌な顔をしながらそれに乗った。

ギルドを出た後魔導四輪で行くことになったユース達だが……重要な問題があるのだ

 

 

運転手「……おい兄ちゃん大丈夫か?」

 

ユース「うぷっ……大、丈夫です」

 

ミラ「気にしないでください」

 

にこっと笑うミラのとなりで苦しそうにしているユースは実は

 

運転手「吐くなよ?」

 

極度の車酔いである。しばらく走っていたがアテナリアにつく頃にはもう夜になっていた。

 

運転手「ついたぞ、アテナリアだ。結界があるからここまでだがな」

 

門の前で止まってくれた。

 

ユース「いえ……大丈夫です」

 

運転手「あーと、車酔いは治しとけよ?それじゃあな」

 

走り去ってしまった。治せたら苦労はしない……とユースは思った。

 

ミラ「ふふ、とてもいいアドバイスをもらったわね。ユース」

 

ユース「お前……」

 

嫌味をもらいハァと息を吐きながら少し歩き小さいアーチ状の門があるところで止まる。

来てしまった。もうくることはないだろうとは思っていたが、評議院の依頼でありジェラールのためとはいえここに戻るとは、ここをくぐれば故郷だ。昔のことをどれくらいの奴が覚えてるか知らないけれどもできれば来たくなかった、領主は一体誰だろうか……っとここで考えても仕方がない

 

ユース「んー妹に会いたいような会いたくないような」

 

とつぶやきながら入っていく、結界があるから入れないというのを言われていたがユースはすんなり入って行った

対してミラは見えない何かにぶつかり尻もちをつく。

 

ミラ「きゃ」

 

ユース「大丈夫か?」

 

ミラに手を差し伸べ起こす

 

ミラ「ありがとう」

 

ユース「あー、そっか入れないのか……なら」

 

そういい魔法の詠唱に入る

 

ユース「オールメイク……雷神トール」

 

北欧神話の実力No.2であるトールを造形する。でかいハンマーを振り回しながら結界に近づく

 

ミラ「な、なにするの?」

 

ユース「もちろん……壊す!」

 

ニッと笑いながらハンマーを結界にぶつける。

 

ユース「ミョルニルハンマー!!!!!」

 

領主館にて

 

?「……!結界を壊したぁ!?誰よ壊したの!?あぁ、もう…開け72柱1の扉、バアル」

 

指をくるくる回しそういうと、何もいないところから人のようなものが出てきた

 

バアル「何か御用で?」

 

容姿は人だが頭には角らしきものが生えている、髪の色は黄色の人である

 

?「結界を壊したやつがいるわ」

 

バアル「ふむ、相当の手練れですな。」

 

?「そんなのどうでもいいから戦闘不能にさせて、私の前にひきづってきて」

 

バアル「では行ってまいります」

 

そういうと一瞬にして消えた

 

?「はぁ、評議院もしつこいわねぇ……もう夜だし寝るとしましょう。あーもうイライラするわ」

 

 

椅子からたちあがり、寝室のある方に向かっていた。

 

 

 

 

ミラ「えっと……」

 

ポカーンとしながら門を見るミラ、あたりには散らばった透明な魔水晶

 

ユース「え?壊したんだけど?ダメなの?」

 

ミラ「そんなんだからあなたの罪は増えるのよ」

 

ユース「はっ!しまったぁぁぁあ!」

 

ユースが叫ぶ中呆れたミラはスタスタと歩いて行った。

時はちょっと進んでアテナリアの宿にて

 

ユース「んー……」

 

ユースはこの宿につく前に色々なところで情報収集していたそれについて宿の部屋でうなっていた。

 

ユース「誰一人として俺を覚えてないとは……たった数年のことなんだけどなぁ」

 

知り合いにもあったが俺の事を覚えてるやつなんて一人としていなかった。アスラっていう俺の学校時代の友達にあったら「誰だよ、お前」とか言われてしまった。

 

 

 

ユース「まぁ……覚えてない方が俺としても楽だし……な」

 

ユースは考えるのをやめそのまま眠りに落ちようとした。その前にお茶を一杯。ちなみにミラはとなりの部屋で寝て……

 

ミラ「ユース!私もこっちで寝ていい?」

 

ユース「ぶほっ」

 

扉の隙間からそう言っていたミラを見て飲んでいたお茶を吹き出した。

 

ミラ「何やってんの、きたないわよ」

 

そう言いながら布団を敷き始めた。ユースの隣に

 

ユース「え、なんで隣に」

 

ミラ「おやすみー」

 

ユース「人の話聞けよ!」

 

その声は虚しくスヤスヤとねむってしまった。ユースも布団に潜るが……

 

ユース「ダメだ。ミラが隣にいるから眠れん」

 

そう呟いた。理性が持たないとかそういうのじゃなくて嬉しすぎて眠れない隣のミラは私を意識してくれてるのね……と心の中で笑っていた。

 

 

 

ユース「結局眠れんかった」

 

くまをつけたユースは立ち上がり顔を洗い歯磨きする。

 

ユース「ふぁ〜眠いな……誰だ!」

 

ユースは誰か大きい魔力を持つものが近づくのに気づきあたりに冷気を漂わせた

 

バアル「ふむ、よくお気づきで。マスターの命により、来ました。領主館まできていただきます。それにしても……」

 

角が生えていて、黄色の髪の男がいた。しばらく沈黙した後

 

ユース「!!」

 

さきほどユースが出した冷気が消えたことにユースが気づく

 

バアル「朝から寒いですねぇ」

 

ユースが出した冷気は消えた。どうやって消したのか検討がつかなかった。俺の冷気を一瞬で……と思った。

 

ユース「一体何者だ……」

 

と、話しかけた。冷気を消されたのは初めてである。

 

バアル「領主様の使いとでも思ってください、バアルです。お見知り置きを」

 

行儀良くお辞儀した。警戒をしながら周りを見るとミラがいないことに気づき探そうとして目の前を見ると

 

ミラ「あなた、誰ですか?」

 

バアルの顔の目の前でサタンソウルを使い手をかかげイビルエクスプロージョンの態勢をとっていた。いつの間に起きてたんだと思ったユースはミラの隣に立つ

 

バアル「戦闘不能にしてこいと領主には言われましたがこれほどの魔力を持った二人に勝つのは正直辛いですので、領主館までおとなしくきて欲しいのですが」

 

ユースがミラの前に出てのミラの腕を掴み下ろす。

 

ユース「魔法を解け、ただいつでも使えるようにしとけ」

 

ミラ「……わかったわ。ユースがいうなら」

 

魔人ミラジェーンを思い出したユースはミラに若干怯えつつとユースは歩き出した。領主がいるところまで二人は常に戦えるように準備してついて行った

 

 

領主館

 

 

バアルに部屋まで案内をされたユース、領主は椅子に座り後ろを向いていた。

 

バアル「あのかたが領主です。」

 

?「バアル、引きずってこいって言ったけど」

 

バアルに文句をいう女性、後ろから見た感じでは青髪なのは見えるそしてなんか聞いたことある声だとユースは思う

 

バアル「申し訳ありません。二人とも相当の手練れでおとなしくついてきてもらいました」

 

バアルは謝りながら、綺麗に頭を下げる

 

?「あぁ、あやまんなくていいよ……冗談だよ、冗談。真面目すぎるの、あなたは。さてと結界を壊したのは一体」

 

そういいながら椅子を回転させこちらに向く。

その女性は、見覚えがありなつかしく感じた

 

ユース「え?お前ユリマか?」

 

ユースはユリマと呼びながら指をさす

 

ユリマ「え?ユース兄?」

 

対するユリマも同じ反応だった

 

バアル「おや知り合いで?」

 

バアルは意外だというかんじに二人を交互に見る。もちほんミラも驚いている。領主に会うだけの依頼のつもりだったが、俺があったのは領主となった妹がいた。

 

ユース「お前が領主になってるなんて思ってなかった」

 

ユリマ「領主の娘だし、それにユース兄がいなくなったから私が次の領主になるのはあたりまえじゃない」

 

ため息をしながらユリマがユースに嫌味をいう

 

ユース「うっ……それをいわれるとちょっと」

 

よくよく考えると気づくことである。数年前、前領主つまり、親が亡くなったのと同時に領主になったらしい。バアルやアスタロト?とかが今まで支えられてきたらしく特に不自由な生活ではなさそうである。

 

ミラ「へー妹さんかーかわいいわね♪」

 

といいながらニコニコしながら頭を撫で回すミラ

 

ユリマ「ちょっ、何すんの!ユース兄この人だれ!?」

 

ユース「ところでいくつか、質問があるんだけど……」

 

スルーして質問する。二人には仲良くなってもらいたいからね。バアルの事と自分の存在がこの街から消えていることだ。これに対しユリマが怒るが

 

ユリマ「無視しないでよ!」

 

ユース「あっ、これを」

 

これまたスルー。本来の目的の手紙を探すユースは自分の荷物をあさり一つの手紙を渡す

 

ユース「評議院からだ。受けと……れ」

 

ミラ「かわいいわー」

 

ユリマ「ちょっ、やりすぎ。髪の毛焼ける。熱い!」

 

もんのすごいスピードでユリマの頭を撫でるミラ。ここまでするとは予想外だった。なぜそんなになでる

 

ユース「も、もうその辺にしとけ。ミラだ。俺のギルドの仲間だ。」

 

ユリマ「へー、ミラさんか。ギルド入ったんだねぇ、ユース兄」

 

頭をさすりながらユリマはそう言う。兄と妹の会話を見ながらミラは仲間か……そう言うと思ったがしょぼんとした。手紙を受け取ったユリマは手紙を机に放り投げた。

 

ユリマ「で?質問とは?」

 

そういいながらユース達を近くのソファに座らせ、ユリマは自分の机の椅子に座り、バアルが紅茶を出してきた。

 

ユース「まずはなんで俺に関する記憶がみんなないんだ?」

 

ユリマ「……あの日ユース兄がここから出た後。前領主が、ユース兄の記憶を家族以外から記憶を消したのこれからのことを考えてね。」

 

ユース「忘却魔法(メモリーブレイク)か。俺の存在は厄介だったのかもしれないなぁ、忘却魔法まで使ってくるとは」

 

ユリマ「うん……そうだね」

 

何か隠しているような気もするが記憶が消えてるならこっちにきやすくなる。

兄妹の話を黙って聞いていたミラだったが過去の事が知りたくて聞いた。

 

ミラ「その……昔のことを教えてよ、ユース。前にすこしきいたけどもっと私は知りたい、それを知ってるのはユースとユリマだけでしょう?二人だけじゃなくて私にも背負わせて」

 

ミラの真剣な表情で言ってきた。少し驚いたがユースはそれに応え昔のことを話し出す。

 

 

 

 

7XX年XX月

 

ユリマ「ユース兄!早く 帰ろー」

 

ユース「ちょっとまてよー」

 

あの日俺とユリマは学校からの帰り道だった。多分中学1年くらいだろう、ユリマは小学6年くらいのときの出来事

この世界は9割は魔法を持たない人間である。俺たちは幼い頃から魔力は成人男性の魔力量の倍はあったが、魔力量がおおすぎて覚えようとした魔法は暴走が多々あった。古代魔法[ロストマジック]この魔法なら暴走することもなく扱える。先生にこんなことを言われた。でもカルマや学校の友達、みんないるから魔法なんていらない。この街でみんなで楽しく過ごせたらいいなと思っていた。その思いはたった一日で崩れてしまった。その日は忘れられない一日となる。

 

ユリマ「ユース兄、家帰ったらマリサにちゃんと餌あげなよ」

 

マリサというのはうちでかっている喋る猫である、ユースがある日卵を拾ってきてそこから生まれた

 

ユース「魚わたしときゃ大丈夫だろ。好物なんだし」

 

ユリマ「だめだよー、ちゃんと他のものも食べさせないと」

 

ユースは適当に返事し、それについてユリマが注意する。

 

ユース「喋れるんだから、ちがうのたべたくなったら言ってくるよ」

 

すべてのことに適当にユースは答えた

 

ユリマ「また後ろから頭蹴られるよー」

 

マリサは機嫌が悪くなると後ろから全速力の翼[エーラ]を使い蹴りを入れてくる。後頭部に。これが意外と痛い

 

ユース「それはかんべー……?なんか急に眠気が…」

 

突然眠気がユースとユリマをさそう、周りのユースたちと同じ学校の帰宅途中カガリやアスラたちが突然倒れる。

 

ユース「意識が…」バタッ

 

となりでカユリマも同じく眠気で倒れるのをみたあと倒れた。

 

?「今日こそ、適応者が見つかればいいが…」

 

影から見ていた紫髪の男がそうつぶやいた

 

 

ある地下室

 

(あれ、私どうしたっけ…確か急に眠くなって)

 

ユリマ「んっ…」

 

ユリマはベッドの上で拘束されていた

 

ユリマ「なにこれ….?」

 

ユリマが起きた場所は一つの部屋ベットが二つあり片方は自分が使っており片方はユースが寝ていて、その奥には同級生や自分より下の子供がいた

 

?「ユリマ、起きた?」

 

ユリマに声をかけたのはユリマの友人である金髪の女の子カガリである

 

ユリマ「カガリ?これって一体?」

 

カガリ「私にもよくわからなくて…眠くなって目が覚めたらあなたたち兄妹とアスラと捕まってて」

 

隣を見ると黒髪の男の子アスラがいる。この四人はいつも一緒にいるメンバー。今起きてるのはユースを除く三人。突然扉が開いた。

 

?「起きたか?…」

 

扉が開く音がしてそちらをみるとそこには紫髪の長身の男がいた

 

ヴァーミリオン「俺はグレン・ヴァーミリオンだ。起きたばっかで悪いがこの魔水晶を埋め込みたいんだが」

 

ヴァーミリオンはふところから黒い魔水晶をとりだす

 

ユリマ「埋め込むって…?」

 

ヴァーミリオン「知らないのか、魔法の力を帯びた魔水晶を体に埋め込むとその魔水晶が宿している魔法が使えるようになるんだよ、そしてこれはやっと復元できた古代魔法の一つ『悪魔召喚魔法』別次元からソロモン72柱を呼び出す召喚魔法だ。まあ精霊魔法みたいなもんだ」

 

と長々説明するヴァーミリオンにカルマは叫ぶ

 

ユリマ「そんなもん、埋め込むのいやよ!」

 

グレンはユリマに近づく

 

グレン「拒否権はない。おとなしくしてもらおう、ちなみにうまく適応しなかったらお前は死ぬし、次の実験台が横にねてるお前の兄、また失敗したらお前の友達も実験台になる、頑張れよ?」

 

カガリ「ユ、ユリマに手を出さないで!メテオスター!」

 

星魔法を繰り出すが発動しない。

 

アスラ「くそ、マーズブレイド!…なんで反応しない!!こういう時にはつどうできないなんて…」

 

同じく星魔法を使うが発動しない。必死に動いても鎖で動けない。心配そうにユリマを見つめることしかできなかった。

 

ユリマ「い、いや」

 

ヴァーミリオン「諦めろ」

 

ユリマ「やめて!」

 

ヴァーミリオンは魔水晶を埋め込む

 

ユリマ「っ!…頭に変な図形が…」

 

ヴァーミリオンは椅子に座り別の白い魔水晶を眺める

 

グレン「1分して生きてたら対応したということだ、それまで眠ってもらおう、友達さんもな…」

 

ユリマ「っ………」

 

眠り魔法を使いユリマ達は再び眠りについた

 

ヴァーミリオン「はぁ、いくらマスターの命令とはいえ、自分の娘と同年代の子を実験台にするのはなぁ、ちときついなぁ」

 

とブツブツいいながらでていった

 

数分後

 

ユース「んっ、あれここどこだ」

 

ユリマの次はユースが目覚める、ユースはあたりを見回すと隣にユリマがいるのに気づく

 

ユース「ユリマ!」

 

ユリマのところにユースは行こうとするが拘束されていて近づけない

 

ユース「な、なんだこれ…?」

 

突然扉が乱暴にあき、ビクッとユースは驚く。そこには紫の髪の男がいた

 

 

ヴァーミリオン「お?起きたか」

 

ユース「あ、貴方は?」

 

ユースは恐る恐るきく

 

ヴァーミリオン「俺はヴァーミリオンだ。」

 

グレンはさきほどユリマに言ったことを同じようにユースにいう

 

グレン「ということで、今から古代魔法を宿した魔水晶をお前の体に埋め込んでやろう。しんでないし妹さんは成功したようだぞ?兄妹なんだから期待してるんだ」

 

グレンはユースに近づき白い魔水晶を埋め込もうとする

 

ユース「や、やめろ!」

 

ユースは抵抗するが、子供のユースが敵うはずもなくあっけなく

 

ユース「やめろぉぉぉぉ!」

 

グレンに魔水晶を埋め込められた

 

ユース「…あ、あぁ…」

 

ユリマ「ふぅ、やっとタルタロスのギルドに帰れそうだなぁ、ヴァイスはどうしてるかなぁ」

 

そういいながらユリマの鎖をとき、転送陣を起動させる準備をしていた

 

一分後

 

ユース「はぁ…はぁ」

 

ユースは苦しそうな息遣いをしていた

 

ヴァーミリオン「おお、成功だ。さて眠らせてタルタロスに持ち帰らないと…」

 

 

ヴァーミリオンが眠りの魔法をかけようとすると、ユースの体が光出す

 

ヴァーミリオン「な、なんだ!暴走してるのか?」

 

ユース「……アアア」

 

 

狂ったように発する声に青い髪が黒くなり角が生え赤い瞳、そして手に持つ剣

 

ヴァーミリオン「やばいな…暴走してるな。早く止めないと」

 

そういうとヴァーミリオンの周りに青い炎が出てくる

 

ヴァーミリオン「所詮はガキだ、鎖もあるし、相手にもならな…」

 

ヴァーミリオンは目を疑った。ユースは鎖をひきちぎり、目の瞬きをした瞬間。首に剣を当てられた。

 

ヴァーミリオン「な、なんだと!?」

 

グレンはユースに手も足も出ないじょうたいになった。そしてわけのわからないことを言い出すユース

 

ユース「オレ…イヤ…ワレは魔王[おう]マノオウナリ、ヒレフセニンゲン!」

 

 

ヴァーミリオン「おう?何のはな……がはっ!」

 

ヴァーミリオンの胸を黒い剣が貫く。口から血が出て下は血まみれになる。それを下に叩きつけた。

 

ヴァーミリオン「く…ヴァ…イス…」

 

それ以上喋ることはなかった

 

ユース「……ニンゲンハホロブベキタイショウ、ワレラマゾク二ヒレフスノダ」

 

そこにユリマの声が聞こえた

 

ユリマ「ユース兄…なにを…?」

 

ユース「………はっ!」

 

ユリマの声にユースが我に返り後ろを向くとユースを怯えた目で見た友と妹がいた

 

カガリ「……」

 

アスラ「お前、なにをやって」

 

ユース「俺も…何が何だか…頭の中が真っ白で、変な男が…うぅ、うぁぁあ」

 

一瞬だけユリマは見た。元々青い瞳が片方赤くなっていたのを。その日から俺は友から怯えられ、学校に行くとその日は自分のクラスは必ず早退になり。誰もいないクラスになるという馬鹿げた状態だった。誰も俺を励ますのはいなかった。構ってくれたのは妹くらいだ。しばらくして学校に行かなくなり親も普通に振舞っているものの内心は怯えていたのだろう。こうして俺は心を閉ざした。

 

 

現代

 

ユリマ「本当、あれから何年かな…」

 

ユース「さあね…まあ俺がこうしているのもブリザードやラクサス、ギルドがあったからだ。」

 

ミラは自分の名前が出てこないでラクサスが出てきたのは気に入らなかったがこの空気で何も言えなかった。ユースは話を続けるが内心、なぜミラに誰にも話すことのなかった過去を話す気になったかはわからないが、ミラには知って欲しかったのかもしれない。

 

ユース「あ、そうだ、もうひとつ質問があるんだよ」

 

ユリマ「なに?」

 

ユースが疑問に思っていたバアルという人物?のことだ

 

ユース「そこでずっとたっているバアルってなに?」

 

バアルをユースは指差す

 

ユリマ「ああ、あれは私の魔法、あの時の魔水晶に宿ってた魔法よ」

 

少しユリマが悲しそうな感じがしたが、見なかったことにし、話をつづける。

 

ユース「へー、精霊魔法と違ってカギ使わないんだな?何体契約してるんだ?」

 

ユリマ「?契約ってなによ」

 

さっぱりわからんという顔をしている

 

ユース「へっ?」

 

バアル「私が説明します、精霊魔法を使えるものはこの世界にかなり…いや先日のゼントピアの事件で激減しましたね。ユリマ様の悪魔召喚[デヒルサモナー]はユリマ様しか使えない魔法なので72体呼び出すことは可能です」

 

ユース「7、72体…」

 

ゼントピアの件はユースも知っている。リアルナイトメアという魔法がどうたらこうたらって話だ。それはともかく72体もいっぺんに呼ばれたら世界制服できるんじゃねとか思った。

 

ユリマ「ま、私が呼べる悪魔は8体くらいだけどね…そんな話よりいつまで街にいるの?」

 

 

ユース「え?あーっと今度ギルドで試験があるからその手伝いがあるかなぁ」

 

S級魔導士試験、懐かしく感じるユース。ユースには推薦したい人がいる。もちろんナツだ。

 

ユリマ「へー」

 

ユース「…適当だな」

 

適当な返事に少し腹が立つが昔と変わってなくて少し嬉しかった。マジ涙でそう。

 

ユース「じゃあ、俺達はそろそろ行くよ、領主頑張れよ」

 

ユースは椅子からたちあがる。するとユリマはミラを引き止める。

 

ユリマ「ユース兄は外で待ってて、ミラさんと話があるから」

 

ミラ「へっ?」

 

ミラは変な声をあげユースは部屋から出て行った。ユリマはミラに近づき耳元で

 

ユリマ「ユース兄のこと好きなんでしょ」

 

ミラ「え?いや、えっと」

 

ミラは赤くなった。ユリマはさっきこなでなでのお返しと言いながら笑っていた。

 

ユリマ「鈍感だからねぇ、前なんて私の友達が告白したのになんて言ったと思う?俺も好きだぞ、友達として。だよ?ひどいよねぇ」

 

ミラ「ふふ…」

 

ユリマの話に笑うミラ少し話した後ミラも立ち上がり部屋から出ようとする。

 

ミラ「じゃあ、私もそろそろいくわ」

 

ユリマ「うーん、ユース兄がミラさんのこと好きになれば簡単なんだけどねぇ」

 

ミラ「ふふ…そうね」

 

ガールズトークしてるここに対し外のユースは

 

ユース「遅い…ミラまだかな。」

 

と呟くと扉があき

 

ユリマ「やあやあ、お待たせ」

 

ユース「おそいわ!」

 

と30分まったユースはさっさと歩き出した。

 

ミラ「待ってよ。ユース」

 

ユリマ「またねぇーミラ『姉』!!」

とユリマが手を振り二人も手をユリマにふって帰って行った。ユリマはユース兄も満更でもないような…とか思いながら二人の後ろ姿を見ていた。そしてユリマは自室に戻り机においた手紙をあける。

 

ユリマ「はぁ、結界解除命令か、あと他の町との交流を盛んにしろと……天神玉のことねぇ……」

 

ユリマは手紙を見ながらため息をつく

 

バアル「ふむ、どうなされます?」

 

ユリマ「もう壊されたし今更じゃない?」

 

手紙を引き出しにしまいながらバアルに命令した

 

バアル「それもそうですね。!……では私はこれで」

 

そういうと消えて行った。

 

ユリマ「ふぅ……そういえばマリサどこ?」

 

ユリマは辺りを見回したが誰もいなかった。

 

ユリマ「あと7年か……サタン・ヴァスティア。」

 

机の上の本をペラペラとめくる。止めたページに乗っているのは、角がはえ赤い瞳の黒い剣を持った黒髪の男が描かれていた。

 

ユリマ「継承者の器を探すためのこと。魔王継承式まであと7年」

 

 

 

 

ユース「帰りは電車な」

 

ミラ「アハハ、はいはい」

 

ユースもミラも7年後のこのできごとに巻き込まれるとは思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!妹やその友達が出た回でした。この三人は当分出ませんが…
大魔導演舞の後のオリジナルストーリーとはユリマが言った、魔王継承編となります。そこで先ほどのら三人もでます。ではまた!誤字、脱字も見落としがあるかもしれないので教えてくれるとありがたいです。
追記、カルマとユリマがごっちゃになってましたが、ただしくはユリマです。最初はカルマでしたがのちに出てくるキャラの名前にしようと思ったのでユリマに変更しました。

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