ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

今回は、和人君が行おうとした挨拶が、顔合わせになっちゃいましたね(笑)
てか、今回の話は、書いてて頭がこんがらがったよ……。
まぁ、調べて書いたが……不安だ。
後、今後についてアンケート取ってるので、気軽にご覧ください。(内容は活動報告で)

今回の話は、半年後ですね。
では、後日談第三弾、いってみようー(^_^)/

誤字脱字があったらごめんよ。

それではどうぞ。


第98話≪両親顔合わせ≫

年を越した、二〇二八年二月

世間はいわゆる、《冬休み》の最中だ。

だが、桐ケ谷和人は一ドットも休めていなかった。

初めて、桐ケ谷家と紺野家の顔合わせが行われるからだ。

 

「……ここ」

 

そう呟いた直葉は、呆然と視線を眼の前の建物を見上げた。

直葉に釣られて視線を上げると、都内でも有数の高級ホテルであった。

 

「……でかいな」

 

一学生である俺と直葉は、かなり緊張していた。

峰高と翠は流石と言うべきか、大人の振る舞いをしている。

因みに、全員がフォーマルな服装で、峰高は黒い袴姿で、翠は振袖姿。

俺はスーツ姿で、直葉はグリーンのドレスを身に纏った姿だ。

 

「じゃあ、行くぞ」

 

「行きましょうか」

 

翠と峰高に促され、ホテルの玄関を潜り、待ち合わせ場所であるホテルのロビーへ向かった。

ホテルのロビーには、既に紺野家が揃っていた。

紺野家も全員がフォーマルな服装で、雄介は灰色の袴姿で、春香は振袖姿。

藍子はブルーのドレス姿で、木綿季は派手すぎない紫色のドレス姿だ。

二人共肩が出てしまうデザインなので、ストールを羽織っている。

俺はがちがちに緊張していて、顔が硬くなっていた。

それに気付いた木綿季が、ゆっくりと俺の隣まで歩み寄って来た。

 

「緊張しすぎだよ。 和人」

 

そう言ってから、苦笑い。

 

「まぁ、うん、そうなんだけど……。 木綿季って、ドレスを着るのは初めてなのか?」

 

「そうだね。 ドレスって動きにくいよ」

 

「それにしても、お前のドレス姿は新鮮だな。 うん、メッチャ綺麗だよ。 お姫様」

 

「和人もスーツ姿は新鮮だよ。 王子様」

 

峰高と翠が雄介と春香に挨拶を交わしている間、藍子も俺と木綿季の元まで歩み寄って来た。

 

「こんばんは、和人さん」

 

「こんばんは、藍子。 ドレス似合ってるぞ」

 

「ふふ、ありがとうございます。 これを聞いても動じない木綿季は凄いですね」

 

「そうなのか? 俺にはよく分からんが」

 

俺は首を傾げた。

木綿季と話して直葉も、藍子を正面から見た。

 

「藍子さん。 私が言うのはおかしいかもしれませんが、凄い綺麗ですよ!」

 

「ありがとうございます。 直葉さんも綺麗ですよ」

 

四人で話している内に、何時の間にか緊張が解れていた。

軽く談笑していたら、両親たちの話が終わったようで、移動するぞ、と声を掛けられた。

四人は返事をし、移動を開始した。

 

ホテルのエレベータへ乗ると、最上階まで移動し、高級レストランの入り口を潜った。

奥には予約していた丸テーブルと椅子が八脚、片側四脚が桐ケ谷家の席ということだろう。

右側上座から、峰高、翠、俺、直葉が座り、左側の上座から、雄介、春香、木綿季、藍子と着席した。

着席すると、早速料理が運ばれてきた。

料理は、やけに紅白(・・)を彩った物が多い。

 

「峰高さん。 こちらの好みで日本酒にしてますが、ワインの方がよろしかったでしょうか?」

 

「いえいえ、海外ではビールやワインしか手に入らないので、日本酒の味が懐かしくて、つい進んでしまいますよ」

 

「そうですか。 それはよかった」

 

峰高と雄介の会話に、翠と春香も入り、スムーズに会話を進めていた。

二人に合わせて話に入っていけるのは、流石大人だと感じさせられる。

直葉と藍子も軽い談笑をしながら、食事を続けていた。

俺は気になったことを、木綿季に聞いてみた。

 

「木綿季。 何で紅白の料理がこんなにあるんだろうな?」

 

「う~ん。 おめでたいことでもあったのかな?」

 

そんな中、次に運ばれてきた料理は赤飯だった。

俺と木綿季と直葉は疑問符を浮かべ、藍子は、そういうことね、と納得していた。

藍子が、三人の疑問に答えてくれた。

 

「今日の料理は、祝いの席で食べる料理ですね。 ――その中には、結納もありましたね」

 

峰高が口を開いた。

 

「まだ二人は学生だし、仲人も結納品もない状態だからな。 だから、こうして両家が顔合わせをする。という機会を取ったんだ」

 

それを聞いて、俺たち三人は納得した。

でも、結納は早すぎる気が……。

 

「そう言えば、和人と木綿季は、籍を入れられる年齢だよな」

 

俺の歳は十九歳。 木綿季の歳は十八歳だ。

籍を入れられる年齢には達していた。

未成年が籍を入れるには、両親たちの承認が必要になるが。

 

「ん、ああ。 そうだけど」

 

すると、翠がバック中から一枚の紙を取り出し、俺に手渡してきた。

 

「和人。 これを受け取って」

 

俺はそれを受け取り、木綿季にも見えるように広げる。

 

「「婚姻届……」」

 

そう。 俺に手渡された用紙は婚姻届だったのだ。

承認欄には両親たちの名前が記入、印鑑も既に押されてあった。

つまり、この場は両家の顔合わせの場と、俺と木綿季の婚姻承認の場でもあったのだ。

これに気付いた直葉は、隣でとても喜んでいた。

 

「あとは、和人君と木綿季の名前を記入し、印鑑押して市役所に届け出れば、正式な夫婦だ」

 

「ここで記入してもいいわよ」

 

「もちろん、ここで記入します」

 

「ボクもここで書くよ」

 

雄介さんは俺に、春香さんは木綿季にボールペンを手渡した。

俺と木綿季は婚姻届の記入欄に、名前を記入した。

 

「明日、木綿季と一緒に婚姻届を市役所に提出してきます」

 

「そうだね。 一緒に行こっか」

 

峰高が手を打ち、

 

「そうだ。 二人で住めるマンションを借りるか?」

 

「そうですね。 早く子供の顔が見たいですからね。 名前は、和人君と木綿季に決めて貰いましょう」

 

「どんな子が生まれるのかしら、和人君と木綿季の子供だもの、絶対に可愛いわ」

 

「そうね。 二人の子供だもの、眼は和人に似て漆黒の瞳で、性格は木綿季ちゃんに似て明るい子かしら」

 

雄介に続いて、春香、翠だ。

両親は、既にこれから先の事を話し合っていた。

早い、早すぎるよ。

 

「これ、どうしようか……」

 

「ボクたちが止めるのは、不可能じゃないかな……」

 

「何時間続くのかしら……」

 

「一時間以上は続くかと、私の予想ですが……」

 

上から順に、俺、木綿季、藍子、直葉だ。

それから四人は、大きな溜息を吐いた。

直葉の予想は当たり、約一時間はこの状況が続いたのであった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

食事が終わり、ロビーに集合した桐ケ谷家と紺野家。

 

「皆さんで写真を撮りませんか?」

 

と、雄介が提案してきた。

この提案を両家とも賛成し、写真を撮る広間で、撮影をすることになった。

数分歩いた所で、目的の広場へ到着し、カメラマンの指示に従い、整列した。

前の長椅子に紺野家が座り、後ろに桐ケ谷家が背筋を伸ばして立つという配置だ。

 

「それでは撮りますよ。 ハイチーズ」

 

フラッシュの光が瞬き、紺野家と桐ケ谷家の集合写真が撮られた。

それから、俺と木綿季のツーショット写真も撮り終えた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「峰高さん。 今日はありがとうございました」

 

「いえいえ、こちらこそありがとうございました」

 

紺野家と桐ケ谷家は、ぺこりと頭を下げた。

春香が木綿季に聞いた。

 

「木綿季。 これからどうするの?」

 

「ボクは、和人たちと一緒に帰りたいな」

 

「そう。 わかったわ。――峰高さん、翠さん、直葉ちゃん、和人君。 これからも木綿季をよろしくお願いします」

 

再び紺野家は頭を下げた。

 

「木綿季は、桐ケ谷家の家族の一員だと私は思っています」

 

「そうですね。 私は、娘のように可愛がっていますよ」

 

「はい。 木綿季ちゃんは、私のお姉ちゃんです」

 

「ええ、木綿季は絶対に幸せにします」

 

峰高に続き、翠、直葉、俺だ。

木綿季はこれを聞いて、目許に涙を浮かべていた。

それから、車で桐ケ谷家に帰った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

埼玉県川越市にある桐ケ谷家、一階の和室。

そこに置かれたベット上で、俺と木綿季は横になっていた。

 

「――……づ、疲れた~~」

 

「ボクも疲れたかも。 ドレスなんて初めて着たしね。 肩が重いや」

 

今の俺と木綿季の格好は、スウェット姿だ。

この姿が、俺と木綿季の部屋着だ。

 

「明日からボクと和人は、正式な夫婦だね♪」

 

「まぁ、書類上になるけどな」

 

「和人。 浮気はしちゃダメだからね」

 

「浮気なんか絶対しないぞ。 それに、俺のパートナーは木綿季しか居ない。 俺は、木綿季を愛しているしな」

 

ちょっと、重い愛かも。

俺って、独占欲強すぎじゃないか……。

 

「和人。 今重い愛って考えたでしょ」

 

「まぁ、うん。 そうだな」

 

「ボクは、その愛を受け止めるよ」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

「任せて♪――もう眠れる支度も出来ているし、今日はここで添い寝をしようか」

 

「お前、ここで寝る気満々だっただろう。――俺の理性が持てば大丈夫だと思うが……」

 

「えへへ。 ばれちゃった」

 

もし俺の理性が吹き飛んだら、やばい……。

今日は両親も居て、しかも起きているかもしれないので、流石にマズイような気が……。

などと考えていたが、俺の胸に顔を埋めた木綿季が、スヤスヤと寝息を立て眠っていた。

俺は小さく溜息を一つ吐いてから、自分と木綿季に毛布をかけた。

 

「……まぁ、何とかなるか」

 

それから、俺も眠りに就いた。

こうして、桐ケ谷家と紺野家の顔合わせという、一大イベントが幕を閉じた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

翌日。

俺たちは必要な書類を纏めて、翠の車に乗せてもらい、市役所へ向かった。

数分後。 目的の市役所へ着き、車から降りた俺と木綿季は、市役所の入り口まで歩き、市役所の入り口を潜った。

婚姻を申請する窓口まで行き、そこで婚姻する為に必要な書類を提出した。

 

『ここの記入欄に、印鑑を宜しいでしょうか?』

 

「「わかりました」」

 

二人は、必要な場所に印鑑を押した。

 

『これで手続きは終了です。 お二方、おめでとうございます』

 

「「ありがとうございます」」

 

そう言ってから、俺と木綿季はぺこりと頭を下げた。

手続きが終わり、市役所から出た。

 

「これで、正式に桐ケ谷木綿季だな。――頑張らないとなぁ」

 

「和人は、今でも十分過ぎる程頑張っているよ」

 

「いや、まだまだ足りないよ……。 木綿季を養えるほどの力はないからさ」

 

「当然だよ。 ボクたちは、まだ学生なんだから。――まだ、お義母さんとお義父の力を借りるしかないよ。 ボクたちが大人になったら、少しずつ恩返しをしていこう」

 

「ああ、そうだな。 まだ時間はあるんだ。 ゆっくり大人になって力を付けていくよ」

 

俺の言葉を聞き、木綿季は微笑んだ。

 

「ボクも、しっかりとした母親になれるように頑張るよ」

 

「ああ、これからもよろしくな。 木綿季」

 

「ボクの方こそよろしくね。 和人♪」

 

こうして、俺と木綿季は婚約者から夫婦になった。

新しい人生は、まだ始まったばかりだ。

 




今回の話で正式に夫婦になりましたね\(^o^)/
てか、婚姻届の書類とか記入欄とか、書いててほぼ解らんかったぞ(汗)
ほぼ勘やね(席の座り方も、一応調べたが)(笑)
あ、木綿季ちゃんは、一度帰ってから合流したということで。

ご意見、ご感想、評価、よろしくお願いします!!


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