ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

9 / 144
まさか初投稿1週間以内にお気に入り100件超えるとは…驚きです…

これで雲隠れ、更新停止出来なくなってしまった…

まぁ、細かいことは置いといて『サブタイトル』変えました。

それでは、どうぞ。


第9話≪クリスマスイベント≫

第46層 

 

闇の中に輝くソードスキル《ヴォーパルストライク》の閃光が、大型の昆虫モンスター3 体に直撃し昆虫モンスターのHPを0にし、ポリゴンを四散させた。

片手剣の熟練度950に達するとリストに追加されるソードスキルだ。

この単発重攻撃は技後の硬直はやや長いが、両手剣や重槍のスキル並の威力があり、リーチも刀身の2倍もある使い勝手のいい技だ。

ただし技後の隙が多いので、対人戦闘では見破られる可能性も高い。

この様な連戦でも使い続けていたらモンスターにも読まれてしまう可能性は大いに有った。

俺は6時間ぶっ通しで、モンスターを狩り続けていた。

俺がこうして昆虫モンスターの巣に籠ってレベルを上げているのには“理由”がある。

それを実行に移す為には無茶をしてもレベルを上げる事が必須だ。

ここでは経験値が効率良く積める狩り場なのだ。

 

「これ、飲めよ」

 

俺に渡された物は、レモンジュースの味に似たハイポーションだ。

 

「悪いな」

 

今、俺に声を掛けているのは、ギルド《風林火山》のリーダー、クラインだ。

 

「キリトよ、お前何時間、此処に潜ってる?」

 

「ああ。 6時間くらいかな」

 

「お前、無茶しすぎだ!」

 

「わかっているさ……」

 

これ位しないと俺の目的は達成出来ないんだ。

 

「ユウキちゃんはどうした?」

 

「ああ、ユウキは宿で寝ているよ」

 

俺はユウキをこの件に巻き込みたくは無い。これは俺の罪だから。

 

「じゃあ、お前ユウキちゃんが寝てから。今まで此処でレベルを上げていたのか?」

 

「ああ」

 

「それは、ユウキちゃんに心配をかけさせたくないからか?」

 

「ああ、あいつは気付いているかも知れないがな……」

 

あいつの勘の鋭さは1級品だからな。

 

「お前、此処の狩り場では気力を切らすと、どうなるか分かってるのか?」

 

「分かっているさ」

 

「お前が此処のSAOでは誰よりも強い事は知っているが無茶しすぎだ。ユウキちゃんを心配させるなよ」

 

「あいつも分かってくれているさ」

 

「お前達は第1層からの付き合いなんだ。相談したのか?」

 

そんな事出来る訳がない。

 

「相談はしていないな……。 あいつには心配を掛けたくないからな。 もしかしたら俺の雰囲気で気付いているかもしれないがな」

 

「お前。 レベル今いくつだ」

 

「今上がって69だ」

 

「俺よりも10以上上か、 ゲームクリアの為のレベル上げじゃないんだよな?」

 

「そうだな」

 

「なんで、ボロボロになりながらも、そこまでするんだ…? 正気の沙汰じゃないぞ。 もしかして“あのアイテム”の事が関わっているのか…?」

 

「……クラインも“その”情報を掴んでいたのか」

 

「じゃあ、お前クリスマスイベントの“蘇生アイテム”の取得の為に?」

 

「そうだ。 だから、あいつには相談出来ない。 絶対に!!」

 

あいつには絶対、口が裂けても言えない相談だ。

 

「24日まで後、4日だからな。 それまでのレベル上げさ」

 

「気持ちは、分かるぜ。 まさに夢のアイテムだからな。 《ニコラスの大袋の中には、命尽きた者の魂を呼び戻せる神器が入っている》。 もしかしたら、ガセネタかもしれないぞ?」

 

「俺はそれでも、この情報に賭けているさ。 藁に縋る気持ちでな」

 

この情報は、なんの根拠も無いただの噂話に近いさ。

 

「この世界で死んだらどうなるか分かっていないんだぞ?」

 

「ああ、分かっているさ」

 

「お前、あの時のギルドの事を気にしているのか?」

 

「忘れられるわけがないさ……。 俺が協力したギルドが全滅したのだから」

 

「《月夜の黒猫団》だったな、そのギルド。 それはギルドメンバーがトラップのアラームに引っかかったからだろう。 お前のせいでは」

 

「黙れ!!――俺があの時に正直になればこんなことは起こらなかったのさ。 俺が何時も平静を保てているのは、ユウキが傍に居てくれるからさ。 ユウキが俺の支えなんだよ」

 

「……そうか」

 

このような会話をした後、クラインはこの場を去っていった。

俺はそのまま狩りを続ける為、モンスターの巣に舞い戻った。

 

 

Side ユウキ

 

今日もキリト、ボクが寝てから部屋を出て行ったんだ。

ボクは薄々気付いているんだよ。

キリトが何か大きな物を背負っていることに。

もしかしてクラインから聞き出した“あの事”が関係しているの?

何でボクに相談してくれないの?

ボクはキリトの力になってあげたいよ。

でもキリトが話してくれるまではボクは待っているよ。

それにボクのすべてをかけて君を支えるって決めているからね。

ボクはキリトの相棒だしね。

君の帰りを今日も待っているよ。

おやすみ、キリト……。

 

Side out

 

 

Side キリト

 

ユウキは寝てるか。

こいつは今の俺の状況に気付いているのか?

こいつは俺より勘がいいからな。 でも相談は出来ないんだ……。

ごめんな。 俺はお前の笑顔に毎日支えられているんだよ。

何時も俺の為にありがとうな。

 

Side out

 

 

こうして夜が更けていく。




こんな感じでどうですか?

誤字脱字がないか不安です…

感想、ご意見、お願いします!!

次回もお楽しみに!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。