ALO編を書き終わったら、ゴールしちゃおうかなー、と思っている舞翼です!!
書きあげました。
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。
ドームから脱出した俺とユウキは、大きな息を吐いた。
背後の眼を向けると、巨大な石扉が自動的に閉まっていった。
世界樹攻略のイベントが終了したのだろう。
それを見てから、視線をSAOメンバーとリーファに向けた。
「助かったよ、みんなありがとう」
「うん、本当にありがとう。 もう少しで、ボクとキリトが
俺とユウキは、小さくお辞儀をした。
俺が頭を上げた途端、
頭には、趣味の悪いバンダナを巻いている。
「キリの字よ。 お前、無茶しすぎだぞ。 もうちぃと、俺たちを頼ってもよかったじゃねぇか。 オレは、何時でもお前らの力になるのによぉ」
隣に立っていたユウキも、ピンク色のふわふわヘアーが特徴的な、
「そうよ。 あたし等は、あんたらの味方なんだからね。 頼ることを覚えなさいな」
「「……う、ごめん……」」
そう言われてしまえば、ぐうの音も出ない。
そう言ってから、二人は手を離した。
青い竜が、俺の頭に乗ってきた。
「こらっ、ピナ。 キリトさんの頭に乗ったらダメでしょ。 キリトさん、ごめんなさい。――あと、キリトさんユウキさん。 私のことも頼ってくれてもいいんですよ。 微力ながらお手伝いします」
「きゅる~」
どうやらピナも、シリカの言葉に賛同しているようだ。
シリカは、ニッコリと笑ってくれた。
それからピナは、シリカの元に戻った。
シリカの言葉が終わると、大柄でスキンヘッドが似合う、
「案の定無茶をしたな、キリトにユウキちゃん。 オレも店を閉めて助太刀に来たぜ」
エギルは親指をぐっと立てた。
此処に集合してくれたメンバーは、剣の世界で共に戦った仲間たちであった。
エギルから情報を得て、ランとアスナの救出の為に、此処まで駆けつけてくれたのだ。
――すると、頭上から飛竜の雄叫びが聞こえた。
――次いで、濃緑色の鎧を身に纏ったシルフの団体が姿を現した。
「すまない、遅くなったな」
「ごめんネー。 全ての装備を準備するのに、時間がかかっちゃったヨー」
――シルフ族の領主サクヤと、ケットシー領主のアリシャ・ルーの姿であった。
「私も世界樹攻略に協力するよ、キリト君、ユウキちゃん」
リーファも、俺とユウキを見て言ってくれた。
「リーファちゃ~~ん。 僕、此処まで追い付いたよ~~。……え、これ、どういう状況なの……」
手を左右に振って走って来た人物は、《スイルベーン》の風の塔の上で別れたレコンであった。
レコンは、此処に集結しているメンバーを見て驚いている。
「あ、レコン」
「え、え、何が起こっているの。 何で此処にサクヤさんとケットシー領主がいるのさ……。 あと、この人たちは……誰なの……??」
「みんな仲間よ。 これから世界樹を攻略するのよ、このメンバーでね。 もちろんあんたも入っているわよ」
「えーーーッ!!……世界樹攻略!!??」
「そうよ。 いいとこ見せなさいよ」
「……善処します……」
それから、レコンとリーファに、ランとアスナが世界樹の上に捕まっていることを話た。
リーファとレコンも同意したのを確認してから、胸ポケットに隠れていた、ユイに話し掛けた。
「ユイ、いるか?」
すると光の粒が凝集し、ピクシー姿のユイが出現した。
両手に腰を当て、唇を尖らせている。
「もー、遅いです! パパたちが呼んでくれないと出てこられないんですからね」
「悪い悪い」
「ごめんね、ユイちゃん」
俺とユウキは苦笑しながら、ユイに謝った。
俺は改めてユイの顔を見た。
「それで、あの戦闘で何か解ったか」
「はい。 あのガーディアン・モンスターは、ステータス的にはさほどの強さではありませんが、湧出パターンが異常です。 ゲートへの距離に比例してポップ量が増え、最接近時には秒間十二体にも達していました。 あれでは……攻略不可能な難易度に設定されているとしか……」
すると、ユウキが周りを見渡した。
「皆の力を合わせれば、突破できるよ」
「ああ、そうだな」
リズがウインドウを操作し、何かを取り出した。
――それは、純白の片手剣一本と漆黒の片手剣二本であった。
「私が今打てる最高の剣よ、世界樹攻略に使いなさい。 今のあんたらの武器より性能がいいはずだから」
「ああ、ありがとう」
「ありがとう、リズ」
俺とユウキはリズに礼を言ってから、渡された片手用直剣を装備した。
俺は純白の片手剣と、漆黒の片手剣を背に交差して吊り、ユウキも漆黒の片手剣を腰に装備した。
「おっしゃーーッ!! オレ様のカッコいい所を見せて、惚れさせてやるぜぇッ!!」
「いや……。 それは無理だから」
「そんな~……」
クラインとリズが漫才を繰り広げていた。
それを見て、此処に居る全員が笑ってしまっていた。
俺は真剣な表情になり、言った。
「世界樹の上には、俺とユウキの大切な人たちが囚われているんだ。 その人は世界樹の上で、俺とユウキの到着をずっと待っているんだ。 だから、みんなの力を貸してくれ」
「私とルーは、君たちの仲間から大体の事情は聴いたよ。 世界樹攻略に協力する」
「私とサクヤちゃんは、君たちに命を救われているからネ。 その恩返しをしないとネ」
サクヤとアリシャに続いて、SAOで共に戦ったメンバーと、リーファとレコンが頷いてくれた。
♦♦♦♦♦♦♦♦
『未だ天の高みを知らぬ者よ、王の城へ致らんと欲するか』
みんなが頷いてから、俺はイエスボタンに触れた。
それから、左の石像が大音声を発した。
『さればそなたが背の双翼の、天翔に足ることを示すがよい』
重々しく、左右の扉がゆっくりと開いていく。
先頭に立った俺が、背に吊った純白の剣と漆黒の剣を放剣した。
次いで、隣に立っているユウキが放剣する。
俺とユウキに続くように、此処に居るメンバーが放剣した。
「行くぞッ!!」
「みんな、行くよッ!!」
俺とユウキの掛け声と共に、一気にドーム内に突入した。
俺とユウキはドームに入った瞬間に地を蹴り、翅を大きく広げて、猛烈な加速で天蓋のゲート目指して急上昇を開始した。
白い窓からは、白銀の騎士の軍勢が姿を現す。
「おおぉぉぉおおおッ!!」
「はあぁぁぁあああッ!!」
俺は《二刀流》を駆使して、交差した白銀の騎士を沈めていく。
沈める事が出来なかった騎士たちは、後ろから追随してくるユウキが沈めていった。
横から突撃してくる騎士たちは、クラインの刀の斬撃と、エギルの振るう両手斧の一撃で真っ二つにする。
後方の支援にはシリカとリズベットが回り、魔法攻撃で叩き落とす。
「さて――我々も行こう!!」
「そうだネ、サクヤちゃん!!」
領主二人が中央まで急上昇すると、ケットシー領主アリシャ・ルーが高く右手を上げ、よく通る声で叫んだ。
「ドラグーン隊! ブレス攻撃用――意!」
翼を大きく広げ飛竜は、長い首をS字にたわめ、牙の奥からオレンジ色の光を微かに洩らす。
次いで、シルフ領主サクヤが朱塗りの扇子をさっと掲げた。
「シルフ隊、エクストラアタック用意!」
密集方形陣に固まったシルフ部隊も、突進しつつ右手の長剣を頭上に翳す。
その刀身を、エメラルド色の電光が網目のように包み込む。
「ファイアブレス、撃て――――ッ!!」
直後、飛竜が、溜め込んで紅蓮の劫火を一斉に吐き出した。
眩い光が、ドーム内を照らした。
紅蓮の劫火を受けた騎士たちは、白い炎を引いて、燃えて尽きていく。
「フェンリルストーム、放てッ!!」
シルフ部隊が一糸乱れぬ動作で長剣を鋭く突き出し、剣それぞれから眩いグリーンの電光が迸り、宙を切り裂いて白銀の騎士たちに深く貫通した。
騎士たちを粉々に吹き飛ばしていく。
「「(シルフ)(ケットシー)隊。 全員、突撃!!」」
Side リーファ
――今しかない。
私はそう思い、突進を開始しようとした。
不意に、レコンが私の右手を掴んだ。
驚いて振り向くと、緊張に震えた声で、しかし何時になく真剣な表情を浮かべつつ言った。
「リーファちゃん……、僕、さっきの話聞いてもよく解んないだけど、これ、大事なことなんだよね?」
「――そうだよ。 ゲームじゃないのよ、今だけは」
「……わかった。 僕も道を開くよ」
レコンはそう言ってから、コントローラを握り、正面から白銀の騎士たちに向かって行く。
「ば、ばかっ……」
レコンは、風属性の範囲魔法を詠唱し、正面から騎士たちに浴びせていく。
同時にターゲットがレコンに移る。
レコンは時々掠める攻撃でHPバーをじわじわ減少していくが、ふらふら飛行しながら先頭に立ち、長い詠唱を開始した。
体を、深い紫色のエフェクト光が包む。
「……!?」
――あれは、闇属性魔法の輝き。
たちまち、複数の魔法陣が展開される。
その大きさから、かなりの高位呪文だ。
魔法陣は、全方位から押し寄せる騎士の群れを包みこんだ。
複雑な光の紋様が小さく凝縮し――次いで恐ろしいほどの閃光を放った。
すさまじい爆音が轟き、ドーム全体を激しく振動させた。
レコンの姿は、其処には無かった。
代わりに、小さな緑色のリメインライトがポツンと漂っている。
「――自爆魔法……!?」
私は呆然と呟く。
そう言えば闇魔法に、そのようなものが存在するとは、昔聞いた記憶があった。
しかしあれは、死ぬと同時に通常の数倍のデスペナルティを課せられる、言わば禁術だったはずだ。
たかがゲーム、たかが経験値、でもその為にレコンが費やした努力と熱意だけは、本物の犠牲だ。
もう、ここから撤退の二文字は許されない。
そう決意して、上空を凝視する。
翅を大きく広げ、上空に飛翔する。
――私の向かうべき場所は、キリト君とユウキちゃんの元だ。
Side out
「お兄ちゃん、木綿季ちゃん」
「スグ――後ろは頼んだ!!」
「スグちゃん――後ろは任せたよ!!」
「任せて!!」
俺とユウキは背中を預け、前方を見据えた。
リーファに背中を預けたまま、急上昇していく。
クライン、エギル、シリカ、リズベットが、俺とユウキとリーファに、襲い掛ってくる騎士たちを沈めていく。
仕留め損ねた騎士は、リーファが沈める。
「行くぞ、ユウキッ!!」
「うん。わかったッ!!」
リーファの背から離れ、俺とユウキが二つの閃光となって、肉壁の間隙に突進を開始した。
「うおぉぉぉおおお!!」
「はあぁぁぁあああ!!」
途中で襲って来た騎士たちは、俺とユウキの超高速斬撃に巻き込まれ、紙くずのように引き千切られ、周囲に散った。
二つの閃光は、光の尾を引き、ゲートに向かって飛翔していく。
――そして、抜けた。
一瞬開いた隙間を、白銀の騎士たちが、幾重にも重なり埋め尽くした。
それを見届けたサクヤが、後方から叫んだ。
「全員反転、後退!!」
Side リーファ
身を翻し急降下に入った私は、一瞬、天蓋の方向を振り返った。
ガーディアンの壁に阻まれて姿を見る事が出来なかったが、私の眼には、高く、高く、かつて誰も達したことのない場所を目指して舞い上がって行く、黒衣の少年と紫の少女の姿が映った。
飛べ――飛べ――空を翔けて――どこまでも高く――世界の核心まで――!!
今回は、みんながメインでしたね。
レコン、かっこいいぜ!!
お前の犠牲は無駄じゃなかったぜ。
あと、レコンは爆発には、誰も巻き込まれてませんよ。
遂に、世界樹の上に辿りつきましたね。
領主二人は、キリト君とユウキちゃんが離れた時に、事情を聴いたということで。
ここからは、流れしか考えていないんですよね~。
さて、どうしようか。
ご意見、ご感想、評価、よろしくお願いします!!