ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

6 / 144
お気に入りの数が増えてきてる!!

ありがとうございます!!

書き終わりましたのでどうぞ。

結構疲れました(汗)


第6話≪ビーター誕生≫

ボスが消滅した後、後ろの≪センチネル≫共も、ポリゴンと変わり四散した。

本当に終わったんだよな……。

また何かの変更があって、モンスターがPOPするとかはごめんだぞ。

 

「キリト、お疲れさまー。 ねぇキリトそろそろ剣下ろしたら?」

 

「何言っているんだ?」

 

「自分の右腕を見てみなよ」

 

ユウキは苦笑していた。

ユウキに指摘された、右腕を見る。

これは確かに苦笑されるな。

なぜかと言うとボスを倒したフィニッシュの格好のまま停止していたのだ。

右腕の剣を付き上げる形の姿勢になっている。

そう考えているとユウキが近づいてきて、ゆっくりと俺の右腕に触れ、剣を下げてくれる。

 

「サンキューな。 ユウキ」

 

「キリトの事だから、今までその姿勢から動けなかったんでしょ?」

 

「まぁ。 うん」

 

「お疲れ様」

 

と横からアスナが労いの言葉をくれた。

2人と言葉を交わしたおかげでやっと第1層をクリア出来たんだ。と実感することが出来た。

やはり、第1層をクリア出来たことはプレイヤー達に希望を与えたんだなと思った。

フロアには両手を突き上げ喜んでいる者。男同士でも抱き合う者もいたのだ。

俺は床から、ゆっくりと立ち上がり周りを見た。

そうしてる内に大きな影がこっちにやってきた。

両手斧使いのエギルだ。

 

「見事な剣技だったな。 コングラチュレーション。 この勝利はあんたのもんだ」

 

「いっいや」

 

「なんでや! なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!」

 

「見殺し……?」

 

「だってそうやろ。 あんたは、ボスの使う技知っていたやんけ! ディアベルはんは、その前情報があったら死なずにすんだんや!」

 

そうしている内に残りのメンバーも声を上げていく。

1人が近づいてきて俺に指を突きつけた。

 

「こいつの事、知っているぞ……。 こいつは、元βテスターだ!」

 

(……この流れは、非常にまずいぞ。 どうする?と考えていたら1つだけ俺に出来ることがあった。 それは、元βテスターと情報を独占する元βテスターに分ければいい、と言う考えだ。後はそれが実行出来るかだ。)

 

後ろでずっと我慢していたアスナとエギルが口を開いた。

 

「あなたね……」

 

「おいっお前……」

 

だが俺は2人が話さないように手で制した。

 

「元βテスターだって。 俺をそんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな。 いいか、良く思い出せよ。 SAOのCBT(クローズドベータテスト)はとんでもない倍率の抽選だったんだぜ。 受かった千人の内、本物のMMOゲーマーは何人いたと思う。 ほとんどは、レべリングのやり方も知らない初心者(ニューピー)だったよ。 今のあんたらのほうがまだマシさ」

 

「でも、俺はあんな奴らとは違う。 俺はベータテスト中に、他の誰も到達できない層まで登った。 ボスの刀スキルを知っていたのは、ずっと上の層で刀を使うモンスターと散々戦ったからだ。 情報屋なんか問題にならないくらいにな」

 

「……なんだよ、それ……。――そんなのもう……、ベータテスターどころじゃねえじゃんか……。 もうチートだろう、チータだろうそんなの!」

 

「そうだそうだチーターだ。 ベータにチーターで《ビーター》だ」

 

「……《ビーター》いい呼び方だな。――そうだ俺は《ビーター》だ。 これからは元テスター如きと一緒にしないでくれ」

 

これで新規プレイヤーの敵意、怒りは《ビーター》に向くはずだ。

元βテスターがばれても、それほどまでには敵意は向かないだろう。

俺はパーティー、ギルドに入る手段を失った。

俺は一人で第2層に続く階段に向かおうと足を踏み出した瞬間、ユウキの言葉が浮かび上がってきた。これは噴水広場に向かっている途中でユウキから受け取った言葉だ。

 

『ねぇ、キリト。 ボクは何があってもキリトに付いて行くからね。 それだけ!!』

 

だから俺は聞くことにした。俺はユウキの場所まで歩を進める。

 

「俺はお前の言葉を思い出して此処に来た。 ユウキ、お前はどうする?」

 

ユウキが、俺と一緒に来てもデメリットしかない。

さすがのユウキも断るだろうなと思ったのだが。

 

「もちろん、ボクはキリトについて行くよ」

 

「お前にはデメリットしかないぞ。 何でだ?」

 

「だって、あの時ボク約束したじゃん。 何があってもキリトに付いて行くって!」

 

「……いいのか。 俺が今から歩く道は真っ暗だぞ」

 

「じゃあ、ボクがキリトの光になってあげるよ。 元気がボクの取り柄だしね!」

 

と優しく包むように微笑んでくれた。

 

「これからもよろしく頼むな」

 

「うん。 ボクに任せて」

 

「じゃあ、行こうか」

 

もちろんこの会話は、誰にも聞かれていない。

俺はLAボーナスの『コート・オブ・ミッドナイト』を装備する。

丈がずいぶん伸び膝下にまで達している。

ユウキも、同じような服『コート・イン・ブラックパープル』を装備する。

これはモンスタードロップした装備だ。

アスナとエギルは「じっー」とこちらを見ていた。

それは全部分かっていると目での訴えかけであった。

 

「第2層は“俺達”が有効化(アクティベート)しておいてやる。この上の出口から主街区まで少しフィールドを歩くから、もし付いて来るなら。所見のモンスターに殺される覚悟をしとけよ」

 

とコートを翻して階段を上る。

 

 

 

フィールドにて

 

「ごめんな。 こんな事に付き合わせて」

 

「ボクは全然かまわないよ」

 

「そう言えば、さっきアスナと何話してたんだ?」

 

「信用出来るギルドからの勧誘は断るなって話してた」

 

「そうか……」

 

俺達が話していると階段を上る音が聞こてきた。

アスナだ。

 

「まっ間に合った。 キリト君、ユウキちゃん、エギルさんから伝言があるの「ボス戦のパーティーでは、俺達と一緒に組もうぜ」だって」

 

「これは私のお願いになっちゃけど、私との関係を切らないで欲しいんだ」

 

「わかった」

 

「うん。 了解したよ。 それじゃあ、ボク達とフレンド登録しよ」

 

俺達はアスナとフレンド登録をした。




ユウキちゃんの服の名前は適当です。

『コート・イン・ブラックパープル』

ただの黒と紫ですね(汗)


どうでしたでしょうか?

ご意見、ご感想、優しくお願いします!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。