ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

スランプ気味の舞翼です!!

うん。 マジでスランプ気味かもしれん。

今回の投稿、滅茶苦茶不安だ……。

あと、書いていてブラックコーヒーが必須だったね。

誤字脱字があったらごめんよ。

それではどうぞ。


第55話≪旅立ちの準備≫

俺と木綿季は、《寝落ち》のログアウトで現実世界に戻った。

瞬きを数回した後、ナーヴギアを外し、上体を起こした。

「綺麗な世界だったね」

 

「そうだな」

 

「ユイちゃんにも会えたしね」

 

「藍子と明日奈にも会わせてあげたいな」

 

「うん」

 

木綿季の声が段々と弱くなったので、俺は木綿季の表情を(うかが)って見た。

木綿季は、まだ悲しそうな表情をしていた。

 

「早く二人を助け出そうな」

 

「うん。 絶対に助け出そうね」

 

「木綿季。 おいで」

 

俺は手招きをして、木綿季を優しく抱きしめる。

 

「…和人。 ありがとう」

 

「おう」

 

すると木綿季は、俺の腕の中で顔を赤くした。

多分“あの事”を思い出したんだろうな。

……俺も照れくさかったが。

 

「木綿季。 今日して貰いたい事はある?」

 

俺は優しく木綿季に問いかけた。

 

「……今日は、……ボクを抱きしめて寝てくれないかな」

 

う、そうきたか。

 

「…わかったよ」

 

「……ありがとう。 大好きだよ、和人」

 

「ああ、俺も木綿季のことが大好きだよ」

 

「メシを食いに行こうか?」

 

「うん、行こっか。 ……和人。キスしてくれないかな?」

 

上目遣い+涙眼は反則だよ…。

 

「…わかった」

 

俺と木綿季は抱き合いながらキスをした。

緊張のせいか、短いキスがとても長く感じた。

俺は抱擁(ほうよう)を解き、木綿季と一緒に一階の台所へ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

一階の台所へ向かったら、意外な人物が居た。

母親の翠だ。

母親の翠は、パソコン情報誌の編集者で徹夜が多く殆んど家を開けているが、今日は早く帰って来たようだ。

俺は母親の翠に話し掛けた。

 

「何で母さんが此処に居るんだ? 仕事じゃなかったのか?」

 

「そうなんだけどね。 和人と木綿季ちゃんの同棲生活が見たくて、仕事を押し付けてきたわ。 まぁ、また戻るけどね。 それより見たわよ~、和人の部屋の中を」

 

……まさか見られていたのか……?

 

「まぁ、するなとは言わないけど、ほどほどにするのよ。 この家には直葉が居るんだからね」

 

「「……はい」」

 

俺と木綿季は、その言葉を聞いて顔を真っ赤にしてしまった。

スグは、俺と木綿季を見てにやにやしてた。

……どうやら察してしまったらしい。

テーブルの上には、美味しそうな料理が並んでいる。

 

「食べましょうか?」

 

「「「おう(はい)(うん)」」」

 

俺たちは指定席に座り、夕食を摂ることにした。

母親の翠が口を開いた。

 

「そういえば木綿季ちゃん。 和人に変な事されてない?」

 

「ごほっ、げほ、ごほ」

 

俺はこの言葉を聞いた途端、むせてしまった。

……この母親は、何てこと聞いているんだよ。

 

「大丈夫だよ、お義母さん。 ちゃんとボクが許可してから和人はしてくれているから。 それに、和人は優しくしてくれるしね」

 

ちょ、その言葉はいかんよ、木綿季さん。

誤解を招く言い方だよそれは。

 

「そう。 よかったわ」

 

「……お兄ちゃんと木綿季ちゃんは、もしかして……。 私は気にしないから大丈夫だよ」

 

とスグに言われた。

誤解だーーーッッ!!

俺は心の中で絶叫した。

 

「……うん。 和人、その時はお願いね……」

 

木綿季さんもスグの言葉に乗ったらいかんよ。

は、ははは、もう俺のHP0だよ。

 

「まぁ、和人を弄るのはこれくらいにして」

 

「そうだね、お義母さん」

 

「そうだね、お母さん」

 

あれが弄りだったのか……。

疲れが半端ないな……。

 

数分後。

 

テーブルに並んであった料理を、俺たちは全て完食した。

俺は流しに食器を下げ、言った。

 

「じゃあ、俺は先に二階に戻るわ」

 

その後風呂に入り、俺と木綿季は眠る支度をした。

俺と木綿季はベットに横になり、眠りに就くことにした。

 

「……和人。 明日奈と姉ちゃんを助け出そうね。 現実に復帰した二人と早くお話がしたいよ」

 

木綿季の瞳には涙が溜まっていた。

やっぱり悲しみを抑えて俺たちと食事を摂っていたんだな。

 

「俺も二人と話がしたいよ」

 

「うん。 明日頑張ろうね」

 

と言い、木綿季は腕を広げてきた。

俺は木綿季を優しく抱きしめる。

 

「そうだな。 頑張ろうな」

 

「おやすみ、和人」

 

「おやすみ、木綿季」

 

俺と木綿季は抱き合いながら眠りに就いた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

翌日。 2025年 1月 15日 午後2:55分

 

「行くか」

 

「うん。 行こう」

 

俺と木綿季はナーブギアの電源を入れ、ベッドに横になってからナーブギアを装着する。

次いで、妖精の世界にダイブする為の魔法の言葉を発する。

 

「「リンク・スタート」」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

奥のテーブルに姿を現した俺とユウキは、数回瞬きしてから、近づくリーファを見て微笑んだ。

 

「よう」

 

「早いね、リーファちゃん」

 

俺とユウキは、軽く手を上げた。

 

「ううん、さっき来たとこ。 ちょっと買い物していたの」

 

「あっ、ボク達も色々準備しないと」

 

今の俺とユウキの装備は初期装備のままだ。

装備を整えて、万全の状態にしておきたい。

 

「道具類は一通り買っておいたから大丈夫だよー」

 

「じゃあ、武器と防具を買いに行こうか」

 

「「おう(うん)」」

 

「キリト君、ユウキちゃん。 お金、持ってる? なければ貸しておくけど」

 

「「えーと」」

 

俺と木綿季はウインドウを出し、顔を引き攣らせた。

 

「「……この《ユルド》っていう単位がそう(なの)?」」

 

「そうだよー」

 

「いや、ある。 結構ある」

 

「……これはありすぎじゃないかな」

 

うん。 これは子供が持ってはいけない金額だな。

俺は胸ポケットを覗き込んだ。

 

「……おい、行くぞ。 ユイ」

 

するとユイは、俺の胸ポケットから眠そうな顔を出し、大きな欠伸をした。

 

「ふぁー、おはようございます。 パパ、ママ」

 

「おはよう、ユイちゃん」

 

「おはよう、ユイ」

 

俺と木綿季はユイにニッコリと笑うと、次いでリーファを見た。

 

「じゃあ、行こうか」

 

「「おう(うん)」」

 

俺たちが向かった先は、リーファ行きつけの武具店であった。

俺が選んだ防具は、防御属性強化がされている黒いロングコート。

俺を困らせたのが武器であった。

プレイヤーの店主に、ロングソードを渡されるたびに一振りして「もっと重い奴」と言い続け、最終的に妥協した剣が、俺の背丈と同じ位の大剣だ。

 

「これでいいか」

 

「ボクは選び終わったよ」

 

ユウキも武器と防具の新調が終わったようだ。

ユウキが選んだ武器は、アインクラッドで使用していた愛剣、《黒紫剣》に酷似している片手剣であった。

防具は、防御属性強化がされている紫を基調としたロングコートだ。

 

「どうかな?」

 

「うん。 アインクラッドで見ていた時の装備にそっくりだ」

 

「う~ん、それは褒めているの?」

 

「おう。 とても良く似合っているよ」

 

「…ありがと」

 

ユウキは、頬を少し赤らめて応じてくれた。

つか、お前に似合わない服なんてあるのか?

 

「で、キリトは終わったの?」

 

「終わったぞ」

 

ユウキは俺の格好を見てクスクスと笑っていた。

背に吊った大剣の先が地面に擦りそうになっている為、剣士の真似をする子供に見えてしまうからだ。

 

「リーファちゃんの所に行こっか」

 

「おう」

 

俺とユウキは手を繋ぎ、リーファの元へ向かった。

 

俺は、店の奥で武器を見ていたリーファに声を掛けた。

 

「おーい、終わったよー」

 

「うん。 今行くよ」

 

と言い、リーファは俺とユウキの元まで歩いてきた。

リーファは俺とユウキを見て言った。

 

「……キリト君とユウキちゃんはラブラブだね。 まぁ、今に始まったことじゃないけどさ」

 

リーファに溜息をつかれてしまった。

んー、少しは抑えた方がいいのかな?

……うん。 無理だ。

 

「てか、キリト君。 そんな剣振れるのぉー?」

 

呆れつつリーファに聞かれたが、俺は涼しい顔で頷いた。

 

「ん、問題ないぞ」

 

「ま、そういうことなら準備完了だね! これからしばらく、よろしく!」

 

とリーファが言い、俺とユウキとリーファは手を重ねた。

俺の胸ポケットから飛び出してきたユイは、三人の上に手を置き言った。

 

「がんばりましょう! 目指せ世界樹」

 

「「「おー!!」」」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

ユイを肩に乗せた俺と、俺の隣を歩いているユウキ、そして俺とユウキの前方を歩いているリーファ。

歩くこと数分、俺たち四人の眼の前に、翡翠に輝く優美な塔が現れた。

シルフ領のシンボル、《風の塔》だ。

俺は昨日激突した壁を見て、少し顔を強張らせてしまった。

 

「キリトはあの塔に突っ込んだんだっけ」

 

う、ユウキさん。 言わないでよ。

 

「すごい音だったよね」

 

こちらを振り向いたリーファにも言われた。

 

二人とも、笑わないでよ……。

 

「……それはそうと、なんで塔に? 用事でもあるのか?」

 

俺がリーファに訊ねた。

 

「ああ……長距離を飛ぶときは塔の天辺から出発するのよ。 高度が稼げるから」

 

「「なるほど」」

 

リーファは俺とユウキの背を押しながら、歩きだした。

 

「さ、行こ! 夜までに森を抜けておきたいね」

 

「俺はまったく地理がわからないからなぁ。 案内よろしく」

 

「ボクも地理には自信がないんだ。 案内よろしくね」

 

「任せなさい!」

 

リーファはトンと胸を一回叩いてから、ふと思いついて視線を塔の奥へと移した。

そこには、シルフ領主館の壮麗(そうれい)なシルエットが朝焼けに浮かんでいた。

だが、建物の中心に屹立(きつりつ)する細いポールにはシルフの紋章旗が揚がっていない。

今日一日領主が不在だという印だ。

 

「どうしたの?」

 

「どうかしたの?」

 

俺とユウキは首を傾げ、聞いた。

 

「うん。 知り合いに挨拶をしていこうと思ったんだけど、今は不在らしいから後でメールをしておこうかなって」

 

「なんか悪いな」

 

「うん。 ごめん」

 

「だいじょうぶだよ。 二人が謝らないでよ」

 

リーファは慌て、両手を左右に振って言ってくれた。

 

「さ、行こっか」

 

俺たちは、風の塔の正面扉を潜って内部へと進む。

一階は円形の広大なロビーになっており、周囲を色々なショップの類が取り囲んでいる。

ロビーの中央にはエレベータが二基設置させている。

 

「このエレベータに乗って頂上に行くよ」

 

「おう」

 

「了解―」

 

俺とユウキはリーファの後を追い、歩き出した。




物語が全然進まなかったね……。

なんかすまん。

シグルドは次回出すよ。

あと、ユウキちゃんが装備している《黒紫剣》に酷似している片手剣は、マザーズロザリオ編で使用していた剣ということで。

防具の紫を基調としたロングコートも同様かな。

まぁ、あまり肌が見えないようになっているが。

SAO編でこの事を説明出来なくてごめんよ。

次回も頑張って書くよ。 うん。 頑張る。

ご意見、ご感想よろしくお願いします!!

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