ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

今、絶賛スランプ中です…。

とりあえず書き上げました。

誤字脱字や意味がわからん日本語があったらゴメンよ…。

それでは、どうぞ~。




第40話≪三人の新居≫

第22層「コラル」主街区

 

俺たち三人は、ランのホームを出た後、第22層に点在するNPC不動産屋に訪れた。

理由は、俺が押さえた物件を見てもらう為だ。

 

「ここでいいか?」

 

俺が押さえた物件は、第22層フロアにあるログハウスだ。

ログハウスの近くは、常緑樹の森林と無数に点在する湖に占められている。

ここの窓からは大きく開けた空も一望することが出来る。

主街区もごく小さな村と言ってよい。

フィールドにモンスターは出現しない場所だ。

 

「「いい(ね)(ですね)」」

 

この言葉を聞き迷わず購入した。

購入したと同時にログハウスの鍵が現れた。

出現した鍵を手に取り二人に声を掛けた。

 

「じゃあ、行くか?」

 

「「OK」」

 

 

湖面のログハウス

 

俺は、ログハウスの鍵を鍵穴に差し込み扉をゆっくり開けた。

俺たち三人は、ログハウスの中に足を踏み入れた。

 

「早く綺麗な景色が見たい!!」

 

ユウキは子供の様に、はしゃぎながら俺とランに言ってきた。

俺とランは、一度顔を見合わせ笑い合った。

 

「行こうか」

 

「そうですね」

 

俺たち三人は二階の寝室まで移動し、寝室の南側の窓を大きく開け放った。

 

「うわぁぁぁ、綺麗―」

 

ユウキは感嘆な声を上げ、身を乗り出した。

ランもユウキの隣まで移動し、身を乗り出してから外の景色を眺めた。

 

「確かにそうね」

 

俺もランの隣まで移動し呟いた。

 

「そうだな」

 

確かに絶景だ。

外周部が間近にある為、輝く湖面と濃緑の木々の向こうに大きく開けた空を一望することが出来る。

 

「二人とも、いい眺めだからってあんまり外周に近づいて落っこちるなよ」

 

「「大丈夫(だって)(ですよ)!!」」

 

俺は、ユウキとランの間に入り、二人の体に腕を回した。

二人からは、冬の陽だまりの様な温かさと同時に不思議な感慨、なんと遠い所まで来てしまったのだろうという驚きに似た気持ちが湧き上がってくる。

この世界に囚われるまで、俺は目的も無く家と学校を往復する日々を送るだけの子供だった。

しかし最早現実世界は遥か遠い過去となってしまった。

もしこのゲームがクリアされ、元の世界に帰ることになったら……。

それは俺やユウキ、ランを含む全プレイヤーの希望であるはずなのだが、その時の事を考えると正直不安になる。

 

「どうしたの、そんなに考え込んで?」

 

ユウキは、俺の顔を見て聞いてきた。

俺が知らぬ内に、こちらを振り向いていたようだ。

すごいな、俺が考え込んでいる事に気付くなんて。

 

「確かに、考え込んでいましたね」

 

ランもこちらを振り向いていた。

ランも俺が考え込んでいる事に気付いたらしい。

この姉妹に隠し事は出来ないかもな。

 

「……俺たち三人が……、現実世界に帰ったらどうなってしまうんだろうって……」

 

俺は、一瞬口籠ってしまった。

 

「大丈夫だよ。 現実世界に戻ってもボク達の関係は変わらないよ」

 

ユウキは、優しい眼差しを向けて来た。

 

「そうですよ。 私達の関係は一生壊れる事はありませんよ」

 

ランは、真っ直ぐ俺の瞳を見て言って来た。

 

「……そうだな、そうだよな」

 

二人の言う通りだ。

俺たちの関係は一生壊れる事は無い。

俺は、二人の言葉に感謝した。

ありがとう、二人とも。

 

「じゃあ、家財アイテムの整理をしましょうか」

 

「そうだな」

 

「そうだね」

 

俺とユウキは、ランの言葉に頷いた。

俺たち三人は、一階に下り家財アイテムの整理をする事にした。

 

 

3時間後。

家財アイテムの整理が終わった。

 

「「「出来た!!」」」

 

俺たち三人は、リビングの左側に設置したソファーに腰を下ろした。

左からユウキ、ラン、俺だ。

 

「そういえば、夫婦会議していないですよね」

 

俺は、全身を強張らせた。

覚えていたのか……。

 

「そういえば、そうだね」

 

ユウキも思い出しちゃったよ……。

身の危険を感じる……。

何か言わないと。

 

「えっと……。 あれはハプニングでして……。 私は悪くないと主張します……」

 

「「でも、触ったんでしょ!!??」」

 

……全力で謝るしかない。

 

「すいませんでしたッッッ!!!」

 

俺は、二人の前まで移動し綺麗な土下座をした。

俺の行動に、二人は顔を見合わせた。

二人は頷いてから言葉を発した。

 

「「許す」」

 

「本当か?」

 

許して貰えたよ。

よかった~。

俺って完全に尻に敷かれているよね……。

ハハハ…。

俺は、中央に設置したテーブルに上に置いてある、ポットから熱いお茶をコップの中に注ぎ、ランの隣に腰を下ろした。

一口呷ると同時にユウキが口を開いた。

 

「……胸を触りたかったら、何時でもボクの胸を触らせてあげるよ……」

 

俺は、口の中に含んでいたお茶を思いっきり噴いた。

 

「ごほッ……、げほッ……、ごほッ」

 

……まさか、ユウキがこんなこと言うなんて……。

 

「大丈夫ですか」

 

ランは、俺の背中を擦ってくれている。

 

「だっ大丈夫だ」

 

まだ、喉に違和感が残っているがそんなことを気にしている余裕が無かった。

ユウキの奴、マジで言っているのか…。

ユウキさん、顔を赤くするなら言わなければいいのに。

 

「ちょ、ちょっと早いけどゴハンにしようか?」

 

ユウキが立ち上がり、顔を赤くしながら俺とランに言った。

 

「ええ、そうしましょうか」

 

この言葉にランは同意した。

二人は、キッチンに移動した。

俺は、先にテーブルの前の椅子に座った。

今日の料理は何だろうな~?

 

 

10分後。

料理が出来上がった。

メニューは、揚げた魚と白いご飯だ。

揚げた魚の上には、タルタルソースが満遍なく乗っている。

これは、絶対に美味いな。

ユウキがテーブルを挟んだ向かいの椅子に座り、ランは俺の隣の椅子に座った。

どうやらこれが指定席らしい。

 

「「じゃあ、食べ(ようか)(ましょうか)」」

 

「だな」

 

俺たちは、合掌し料理を食べ始めた。

 

「そういえば、何時タルタルソースを作ったんだ」

 

俺は、箸を止めて二人に疑問をぶつけてみた。

ユウキは、箸をテーブルの上に置いてから言葉を発した。

 

「昨日、作ったんだよ」

 

俺が居ない間に作っていたのか。

てか、凄いな…。

タルタルソースの味が、ほぼ再現されているぞ。

 

「姉ちゃんは、とんかつソースの再現に成功したんだよ」

 

マジか……。

二人とも凄いな……。

 

ランは、箸をテーブルの上に置いてから、こちらを振り向いて言って来た。

 

「今度、とんかつソースを使った料理を作ってあげますね」

 

「おう。 楽しみにしているよ」

 

俺たち三人は、ゴハンを残さず食べ終え一息つくことにした。

最初に俺が口を開いた。

 

「二人は、明日何をやるんだ?」

 

「ボクは、両手剣スキルを削除して代わりに裁縫スキル設定したから、裁縫スキルを上げをしようかな」

 

「私も、余ったスキルスロットに裁縫スキルを設定したから、ユウキと同じく裁縫スキルを上げようかしら」

 

二人とも、裁縫スキルを上げるのか。

今度、服でも作ってもらおうかな。

 

「キリトは?」

 

ユウキが俺に聞いてきた。

 

「俺は、両手剣スキルを削除して代わりに釣りスキルを設定したから、湖に行って釣りをしてくるわ」

 

釣れるかな?

釣れたら日々の食料にしよう。

 

「じゃあ、お皿を片付けましょうか」

 

「「そうだな(だね)」」

 

俺とユウキとランは、使った食器を台所の流しまで持っていった。

 

「リビングに戻っていていい(よ)(ですよ)」

 

どうやら二人が洗ってくれるらしい。

俺はリビングまで移動し、リビングの左側に設置してあるソファーの真ん中に座った。

 

 

3分後。

二人がキッチンから出て来た、食器を洗い終えたのだろう。

二人はリビングまで移動し、リビングの左側に設置してあるソファーに腰を下ろした。

俺の左隣にはユウキが腰を下ろし、右隣にはランが腰を下ろしている。

寝る時はどうするのだろう?

 

「そういえば、寝る時はどうするんだ?」

 

「えっ、三人で寝るんでしょ?」

 

ユウキは、当然のように言った。

俺は大丈夫だけど。

ランは、どう思っているんだろう?

 

「俺はいいけど……。 ランはどうする?」

 

「ええ、三人で寝ましょう」

 

ランも大丈夫らしい。

 

「じゃあ、二階の寝室に行くか?」

 

「「わか(った)(りました)」」

 

俺たち三人は、ソファーから立ち上がり寝室に向かった。

 

「じゃあ、キリトは真ん中ね」

 

俺の場所は決定しているんですか……。

まぁ、いいけどさ。

 

「ボクが、キリトの左隣で姉ちゃんが右隣ね」

 

ランの寝る位置も決まっているのね…。

で、ランの反応は?

 

「それでいいわよ」

 

即OKなのね……。

 

「じゃあ、寝るか?」

 

二人は、俺の問いに頷いてくれた。

俺たち三人はベットまで移動し、それから先程の決めた配置になるように横になった。

上には、タオルケットをかけている

まぁ、この世界ではかけようがかけまいが変わらないんだが…。

 

「「おやすなさーい」」

 

二人は声を揃えて言って来た。

 

「おやすみ」

 

さてと、俺も寝るか。

 

 

翌日。

俺が最初に目を覚ました。

俺は起き上がろうとしたが、何故か体が動かん。

俺は首を動かし左右を見た。

あっ、そういうことね。

俺が、二人の抱き枕になっているのね…。

 

「「…………うみゅ」」

 

これは当分起きそうに無いな、二人とも寝息立てているし。

二度寝しよう、そうしよう。

俺はゆっくり瞼を閉じた。

 

「キリトさん。 朝ですよ」

 

俺はランの言葉によって目を覚ました。

 

「おはようー」

 

「おはようございます」

 

俺とランは朝の挨拶を交わした。

ランは、微笑みながら応じてくれた。

そういえば、ユウキはどうしたんだろう?

 

「そういえば、ユウキはどうした?」

 

「今、朝ゴハンを作っていますよ」

 

俺と結婚してからユウキは、早起きして朝メシを作るようになったんだよな。

俺はベットから起き上がり、ランと一緒にリビングに向かった。

 

「朝ゴハンが出来たよー」

 

ちょうど朝食が出来たらしい。

ユウキは、朝食をテーブルの上に置いた。

それから、俺たち三人は指定された椅子に腰を下ろし眼前に置かれた、朝食を食べることにした。

 

「「「いただきまーす」」」

 

俺たちは朝食を食べ終え、これからの予定を話した。

 

「俺は、これから釣りに行くわ」

 

「ボクと姉ちゃんは、裁縫スキルを上げているね」

 

俺が食器を台所の流しに持っていこうとしたら、ランに声を掛けられた。

 

「キリトさんは、もう行っても大丈夫ですよ。洗い物は私たちがやっときますから」

 

じゃあ、お言葉に甘えようかな。

 

「じゃあ、行ってくるわ」

 

 

♦♦♦♦♦♦

 

湖面に垂れた糸の先に漂うウキはぴくりともしない。

俺は大きく欠伸をして、竿を引き上げた。

糸の先端には銀色の針が空しく光るのみだ。

なんで、釣れないんだ……。

……5時間はやっているんだぞ……。

 

「やってられるか……」

 

小声で毒づくと竿を傍らに投げ出し、芝生にごろりと寝転んだ。

寝転がっていると、不意に頭の上の方から声を掛けられた。

 

「釣れますか?」

 

仰天して飛び起き、顔を向けると、そこには一人の男性プレイヤーが立っていた。

重装備の厚着に耳覆い付きの帽子、鉄縁の眼鏡をかけ、俺と同じく釣り竿を携えている、五十代に近い男性プレイヤーだ。

ここ失礼します、と言って俺の傍らに腰を下ろした男は、腰のポーチから餌箱を取り出すと、不器用な手つきでポップアップメニューを出し、釣り竿の針に餌を付けた。

 

「私はニシダといいます。 ここでは釣り師。 日本では東都高速線という会社の保安部長をしとりました。 名刺が無くてすみませんな」

 

東都高速線はアーガスと提携していたネットワーク運営企業だ。

SAOのサーバー群に繋がる経路を手掛けていたはずだ。

 

「俺はキリトといいます。 最近上の層から越してきました。……ニシダさんは、やはり……、SAOの回線保守の……?」

 

「一応責任者ということになっとりました」

 

ならばニシダは業務の上で事件に巻き込まれたことになる。

頷いたニシダを俺は複雑な心境で見やった。

 

「私の他にも、同じような理由で此処に来てしまったいい歳の親父が二、三十人ほど居るようですな。 同じ趣味を持つ者同士で、この場所を根城にしているんですよ」

 

「な、なるほど……。 この層にはモンスターが出ませんしね」

 

ニシダは、俺の言葉にニヤリと笑っただけで答えなかった。

 

「どうです、上の方には良いポイントがありますかな?」

 

「うーん……。 61層は全面湖、というより海で、相当な大物が釣れると思いますよ」

 

「ほうほう! それは一度行ってみませんとな」

 

その時、垂らした糸の先で、ウキが勢いよく沈み込んだ。

間髪入れずニシダの腕が動き、釣り竿を引き上げる。

水面から青く輝く大きな魚が飛び出して来た。

魚はニシダの手許で跳ねた後、自動でアイテムウインドウに格納された。

 

「お見事……!!」

 

「いやぁ、ここでの釣りはスキルの数値次第ですから」

 

と頭を掻いた。

 

「ただ、釣れるのはいいんだが料理の方がどうもねぇ……。 煮付けや刺身で食べたいもんですが醤油無しじゃどうにもならない」

 

「あー……っと……」

 

俺は一瞬迷った後、口を開いた。

 

「……醤油にごく似ている物に心当たりがありますが……」

 

「なんですとッッ!!」

 

ニシダは眼鏡の奥で目を輝かせ、身を乗り出して来た。

 

♦♦♦♦♦♦

 

 

「「お帰りなさい!」」

 

ニシダを伴って帰宅した俺を、ユウキとランが出迎えてくれた。

 

「「お客様?」」

 

「ああ。 こちら、釣り師のニシダさん」

 

「「こんにちは!」」

 

二人は、ニシダにぺこりと頭を下げた。

さすが双子姉妹、シンクロ率が凄い。

 

「えっと、キリトさん。 お嬢さん方とはどういう関係で??」

 

どう答えよう……。

 

「……えっと……。 二人とも、俺の奥さんです……」

 

「なんとッッ!!」

 

ニシダは目を見開き驚きの声をあげた。

 

 

 

ユウキとランは、ニシダから受け取った大きな魚の調理をする為、キッチンに入って行った。

俺とニシダはリビングに移動した。

 

「とりあえず、座ってください」

 

俺はテーブルの前にある椅子に座るように促した。

俺はテーブルを挟みニシダと向かい合わせになるように座っている

椅子に座ったニシダが口を開いた。

 

「いやぁ、驚きました。 先程の美人さんお二人がキリトさんの奥さんだったとは」

 

「ははは……。このことは誰にも言わないでください」

 

これが一般プレイヤーにばれたら殺されるんじゃないか……。

 

「そうですな」

 

ニシダは苦笑いをしながら応じた。

 

「「出来たよー」」

 

ユウキとランは、調理した料理をテーブルの上に並べた。

香ばしい匂いが部屋中に広がる。

テーブルに上に並べられた刺身や煮物が美味そうだ!

ユウキとランは椅子を持って来て、俺の隣になるように座った。

 

「それでは、いただきましょうか?」

 

「「「「いただきます!!」」」」

 

ランの音頭に続き、俺達四人は合掌し箸を手に取った。

 




キリト君が完璧な二股になってしまった。

今後の展開どうしようかな…。

白いご飯があるってww

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