ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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今回はキリトくんの剣を作るお話ですね。

上手く書けていればいいんですけど…。

頑張って書きました!

それでは、どうぞ。




第26話≪リズベット武具店≫

第50層「アルゲード」主街区

 

俺はユウキと一緒に第50層の「アルゲード」の大通りを通り消耗品を買いに行く為、エギルの店へと向かっていた。

 

「今日はいい天気だな」

 

「……うん、そうだね…」

 

 

Side キリト

 

俺達はあの事件以来、うまく話せていない。

原因は俺の言葉にあったはずだ。

あの時、俺の中の感情が漏出(ろうしゅつ)してしまったからだろう…。

でも、間違ったことは言っていない。

こいつのことを好きになったことは真実だからな。

とりあえず何か話して言葉を繋げないと。

 

Side out

 

 

「そう言えば、俺がいま装備している(エリュシデータ)と同等かそれ以上の剣を作れる鍛冶屋って知らないか? 何時でも“あのスキル”を使えるようにしておきたいからな」

 

「それなら、アスナが紹介してくれた第48層にある≪リズベット武具店≫に一緒に行こう」

 

「でも、鍛冶スキルが判らないからな」

 

「大丈夫だよ。 ボクの『黒紫剣』を作ってくれた鍛冶屋さんだよ」

 

ユウキが装備している片手剣『黒紫剣』は最高クラスの武器だ。

簡単に言えば『魔剣』に近いということだ。

こいつがここまで言うのだから信用できるな。

 

「じゃあ、エギルの店で消耗品を補充したあと一緒に行くか」

 

「うん!!」

 

 

 

 

 

第48層「リンダース」

 

俺達はエギルの店で消耗品を買い終わったあと第48層「リンダース」に足を運んでいた。

俺達が今いる場所は、巨大な水車がゆるやかに回転する職人クラス用プレイヤーホームだ。

軒先には≪リズベット武具店≫と書いてある大きな看板が掲げられていた。

 

「ここか」

 

「うん」

 

「じゃあ、行こうか」

 

「OK」

 

 

 

リズベット武具店 店内

 

 

「リズベット武具店へようこそー!ってユウキじゃない!」

 

店主の名前はリズベットと言うらしい。

 

「久しぶり。 リズ」

 

リズとはリズベットのあだ名らしい。

 

「あのっ、あなたは鍛冶職人ですよね??」

 

「そうですけど!!」

 

俺は一瞬、ウェイトレスと勘違いしてしまった。

檜皮色(ひわだいろ)のパフスリーブの上に、同色のフレアスカート。

その上からの白い純白のエプロン、胸元には赤いリボン。

何より、特徴的なのは、ピンク色のふわふわしたショートヘアーだったからだ。

 

「すいません……」

 

「リズ、そんなに怒らないで」

 

「怒ってないわよ。 で、今日はどうしたの?」

 

「実は、オーダーメイドを頼みたくて」

 

「なんで剣が二本も必要なのよ? 私の打った魔剣級の『黒紫剣』があるじゃない」

 

俺がもう一本剣が欲しいからですよ。

俺の持つ『エリュシデータ』と同等かそれ以上の剣を。

 

「えっと、今日はこの人の為に作ってあげてほしいの」

 

「この人??」

 

リズベットは俺を見て言った。

 

「誰なのこの人?? 見たところ中層プレイヤーみたいだけど」

 

「違うよ、この人も攻略組だよ。 そしてボクの相棒だよ」

 

ユウキは俺に微笑みながら今の言葉をいってくれたのだ。

ボクの相棒と。それに遠回しだが、俺のことを強いプレイヤーとも言ってくれている。

ユウキは攻略組の中でもトップスリーに入る実力の持ち主だからな。

 

「じゃあ、あんたが《黒の剣士》?? 《絶剣》といつも一緒に居るっていう??」

 

「周りからはそう言われているよ。 リズベットさん」

 

「リズでいいわよ。 皆私のことをリズって呼んでいるから」

 

「じゃあ、今度からリズって呼ぶよ」

 

「呼び方はそれでいいわよ。 それでどんな剣を作りたいの? あと大体の基準も出してちょうだい」

 

「剣は片手剣を作って欲しい。 剣の基準はこの剣(エリュシデータ)と同等以上の性能ってことでどうかな」

 

俺は『エリュシデータ』をリズに手渡した。

 

「重っ!!」

 

 

Side リズベット

 

あたしはこの剣をあやうく取り落としそうになった。

恐ろしいほどの要求筋力値だ。

あたしの要求筋力値では、とてもこの剣を振れそうにない。

あたしこの剣の刀身を抜き出すと、ほとんど漆黒に近い色の肉厚の刃が光った。

一目で業物だと知れた。

あたしは鑑定スキルを使いこの剣のカテゴリーを表示させる。

≪ロングソード/ワンハンド≫、固有名≪エリュシデータ≫。作成者の銘、無し。

ということは鍛冶職人の手で作られたものではないということになる。

アイングラッドに存在する全ての武器は、大きく二つのグループに分かれている。

一つは鍛冶屋が作成する≪プレイヤーメイド≫

もう一つは冒険によって入手できる≪モンスタードロップ≫。

この剣はモンスタードロップの中でもかなりのレアアイテムだと思った。

なんで、この剣と同等の剣がもう一本必要なの?

聞いてみるか。

 

Side out

 

「作れそう?」

 

「作れるか?」

 

と俺達はリズに聞いた。

 

「作れないことはないわ。 でも一つだけ教えて。 何で剣が二本必要なの?」

 

「どうするユウキ?」

 

「大丈夫だよ。 リズになら教えても」

 

「わかった」

 

ユウキ達には攻撃が届かない位置まで移動してもらい、俺は、モンスタードロップした片手剣を左手に装備し、先ほど渡した『エリュシデータ』を右手に装備した。

俺は二刀流スキル、全方位範囲技《エンドリボルバー》計二連撃をカラ撃ちした。

だが、カラ撃ちにもかかわらず部屋の中のオブジェクトがぴりぴりと震えていた。

 

「こういうことなんだリズ。 だからこの剣と同等かそれ以上の剣が必要なんだよ」

 

「そういうことだ」

 

と俺達は答えた。

 

「あんたはユニークスキル使いなの??」

 

「そうだな“二刀流”使いになるな」

 

「ちょと待って、ユウキも持っていたわよね。 ユニークスキル??」

 

「うん。 ボクも持っているよ。“黒燐剣”っていう名前のユニークスキルをね」

 

リズは緊張した声で言葉を発した。

 

「攻略組トップスリーに入る二人がユニークスキル使いだとはね。 驚いたわ」

 

「このことは、誰も言わないで」

 

「俺からも頼む」

 

「誰にも言わないわ、安心して」

 

俺はこの言葉に安堵した。

こんなスキルを持っていると知られたら大変なことになるからな。

 

「どうやって剣を作るんだ?」

 

「ボクも気になる」

 

「えっとね。 第55層のドラゴンから取れる金属を打って作るのよ」

 

「でも、そのドラゴンからは金属が出てこなかったんだろ」

 

「ボクもそう聞いてるよ」

 

「ただドラゴンを討伐しただけでは出ないということよ。 たぶん《マスタースミスがいないと駄目なんじゃないか》っていう噂よ」

 

「「なるほど!!」」

 

「あんた達って仲がいいのね」

 

「まぁ、そうだな。 俺はこいつと第1層からの付き合いだからな」

 

「そうだね……」

 

リズさんよ、俺達を意識させるような言葉はあまり言わないで……。

俺も言ってしまっているけどさ…。

 

「そう言えば、リズってマスタースミスなの?」

 

「そうよ。 だから一緒に第55層に行くのよ」

 

「じゃあ、フィールドに出たらユウキの傍を離れないでくれよ、いいか?」

 

「了解したわ」

 

「じゃあ、行こうか」

 

「OK」

 

 

俺達はドラゴンが生息する第55層に向かった。

 




次回はドラゴンの巣のお話ですね。

誰が落ちるのでしょうかね(笑)

次回は爆弾が落とせるように頑張ります!

どんな爆弾落とそうかな~。

落とせればいいですけどね(汗)

次回も頑張ります!!

ご意見、ご感想、よろしくお願いします!!

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