ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

いやー、更新が早く出来ちゃいました。ネタがすぐに思いつきまして(笑)
今回は、キリ×ユウで書きましたよ。頑張って書きました。
ちなみに、この話を書いてる時、作者はブラック必須したね。読者の方によっては、必要になるかも(笑)

では、投稿です。
本編をどうぞ。



第141話≪温泉旅行≫

二〇五二年。 九月。

 

「二人で旅行も久しぶりだな」

 

「だね。 皆、大人になっちゃったから」

 

子供たちは、ほぼ大人と言っていい。

子供たちは大学に入学し、俺たちから巣立って行ったのだ。……ちょっと寂しい気持ちもあるけど。

そして今俺たち夫婦は、箱根湯本に訪れている。 一泊二日の温泉旅行である。

周りを見渡すと、歴史ある建物や雰囲気がある。

小さな路地に入ると、そこには、紅葉の木が俺たちを歓迎してくれるかのように鎮座している。

 

「この場所、夜になったらライトアップされるらしいぞ。 夜になったらまた来るか?」

 

「その案に賛成だね」

 

木綿季は、綺麗だろうなー。と言いながら周りをぐるりと見渡した。

好奇心旺盛な所は、昔も今も変わらない。 ま、そこも可愛いだけど。

ボストンバックの紐を肩にかけた俺たちは、まずは荷物を置く為、本日泊まる旅館へ向かった。

もちろん、俺は木綿季の歩調に合わせてだ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

到着した旅館の周りも、自然が溢れていた。

うむ。 マイナスイオンが凄い気がするぞ。 取り敢えず、旅館の玄関を開けると、女将さんが俺たちの到着を待っていたように姿を現す。

 

「いらっしゃいませ。 湯原四季へようこそ」

 

そう言って、ぺこりと頭を下げる女将さん。

 

「えっと、一泊の予約をした桐ケ谷ですけど」

 

「桐ケ谷さまですね。 たしかに請け賜っております。 それではお部屋にご案内します」

 

女将さんの後を追い、階段を上がってから予約した部屋へ向かった。

また、旅館の造りも昔ながらを醸し出してる。

 

「こちらのお部屋になります。 鍵はカード式になっておりますので、外出の際はフロントにお預けください。 お夕食は17時から18時の間にお申し付けください。 では、ごゆっくりお過ごしくださいませ」

 

丁寧にお辞儀をして、女将さんは襖を静かに閉めた。

二人になった所で、部屋を見渡し一息ついた。 窓から見える景色は緑豊かで、凄いの一言だ。 つか、この旅館には、混浴露天風呂があるらしい。 ほぼ使用するお客は居ないらしいが。

 

「……京都も凄かったけど、こっちも凄いよ」

 

そう言って、木綿季は窓を開けた。 前に乗り出すように外の景色を見入っていた。

俺は、危ないぞ。と言い、木綿季を支えるように腰に手を回してから、外の景色を見る。 時折、心地良い風が俺たちの頬を撫でる。

 

「……気持ちいね」

 

「そうだな」

 

顔を合わせあどけないキスをしてから、木綿季が窓を閉め、部屋の左にある襖を開けた。

中には布団一式が二つだ。

ちなみ、この部屋の床は畳みである。

 

「布団で寝るの、久しぶりじゃないか?」

 

「そうかも。 いつもベットだからね。 お布団で寝るのは、新婚旅行以来かな?」

 

「かもな。 ま、取り敢えず座ろうぜ」

 

そう言って、中央に設けられたテーブルの椅子に座る俺たち。 ポットのお湯は既に沸かれていて、後は急須に茶葉を入れ湯呑みに注ぐだけだ。

ちなみに、俺と木綿季は向かい合わせになるように座っている。

 

「はい、和人」

 

「おう、サンキュー」

 

俺はお茶を一口飲み、息を吐いた。

 

「何かなごむわ」

 

「和人、おやじくさいよ。 ぼ、ボクにとっては、カッコいいけど……」

 

「お、おう。 木綿季も俺にとっては可愛い奥さんだ」

 

俺たちは、ぷっ。と笑い合った。

 

「最初の頃は、恥ずかしさで顔が真っ赤だったかもな」

 

「そうだね。 うん、絶対」

 

俺は、木綿季の手を包み込むように優しく握った。 細くて、とても綺麗な指だ。――俺が辛い時、苦しい時、いつも彼女の手が支えてくれたのだ。 SAO開始時から、現在に至るまでだ。

 

「ん? どうしたの?」

 

木綿季は首を小さく傾げ、そう聞いた。

 

「いや、木綿季に沢山助けてもらったのを思い返してな」

 

木綿季は頭を振った。

 

「ううん、ボクも和人には助けてもらってたんだよ。 和人は気づいてないかもだけど。 ボクも、子供たちもここまで来れたのは、和人が居てくれたからなんだよ。 いつもありがとう」

 

「……そうか。 俺こそ、いつもありがとう。 大好きだぞ、木綿季。 愛してる」

 

「ボクも、永久に愛してるよ」

 

二人の空間へ入りそうになったが、ここに来た趣旨は温泉旅行である。

ならば、観光しなければもったいなのだ。 二人の世界を創るのは、いつでも出来るのだから。 かけ時計を見ると、まだ14時だ。 夕食の時間まで、後3時間ある。

 

「んじゃ、観光しますか。 家に帰れば、いつでも出来るしな」

 

「ふふ、そうだね」

 

俺たちは立ち上がり、必要な物をバックに入れてから部屋を出て鍵を閉めた。それから、一階に下りてフロントに鍵を預け、自動ドアを潜り旅館を後にした。

自然に溢れた路地を通り向かった先は、玉簾の瀧だ。 細かく美しい水が流れ落ちてる。

それを手摺に手をかけながら、俺は木綿季と見ていた。

 

「なんつーか。 綺麗な場所が、今もあるとはな」

 

「そうかも。 今はかなり時代が進んで、自然が少なくなってきたから。 でも、北海道はまだあったね」

 

「そうだな」

 

この場所を写真に収めてから、次の観光場所へ向かう。

ここは、木綿季の強い希望で向かった場所だ。 そう、足湯だ。 まあ確かに、温泉巡りと言えば、足湯は必須なのかもしれない。

俺たちは、靴、靴下を脱ぎ、木製の縁に座りながら、両足を温泉の中へ浸けていた。 何と言うか、疲れが吹っ飛ぶほど気持ちいです。

 

「何か落ち着くわ」

 

「気持ちいねー」

 

「そういえば、和真も正式な婚約者になったなら、葵ちゃんと同棲すればいいのにな」

 

そう。 和真、大学付近のマンションの1kを借り、そこで一人暮らしをしている。 葵ちゃんと同棲するのは、二十歳を超えてかららしい。 それまで、料理スキルを上げると言う事だ。

葵ちゃんは、実家から。という事だ。 まあ、和真が迎えに行ってるらしいが。

 

「北海道で言ったけど、本人たちの覚悟とか、その他諸々があるんだろうね。 ボクは、ずっと昔からできてたから」

 

「やっぱそこだよな。 俺たちが例外だったのかなぁ」

 

「みんなより早かったのは、確実だと思うよ」

 

「まあ、それには同意する」

 

木綿季が湯船から片足を上げた。 それによって、水滴が滴り落ちる。

それにしても、白くて綺麗な足である。 顔も可愛いし、スタイルもいいので、三十代とは思えないと言うのが俺の感想だ。

 

「もう、見すぎだよ。 バカっ」

 

……視線に気づかれた。 女性はこう言うのには過敏って言うけど、その通りなのかもしれない。

 

「いや、いつも見てるだろ?」

 

「そうだっけ? 最近はお風呂に一緒に入ってないよ?」

 

「……まあ、俺の脳内保存って考えてくれ」

 

「ふーん、なるほど。 和人はいつもそんな事考えてるんだ」

 

悪戯な笑みを浮かべながら、俺の顔を見る木綿季。

俺は僅かに取り乱した。

 

「ちょ、違う。…………いや、違わないけど」

 

……うん、最後に同意しちゃったよ。 俺のバカ野郎。

そんな俺を見た木綿季は苦笑した。

 

「気にしなくていいよ。 夫婦なんだから」

 

「盛大な配慮、ありがとうございます。 つか、周りのお客が居なくなってるんだが、何で?」

 

そう、数人居たお客の姿がないのだ。

違う観光場所へ行ったのだろうか?

 

「うーん、何でだろ。 わかんないや」

 

首を傾げる俺と木綿季。

ともあれ、足湯を堪能した所で程良い時間になり、旅館に戻った俺たちであった。 その間、俺の左腕に木綿季は抱き付いていたけど。

未だに、二つの膨らみを押し当てられるのには慣れない俺だった。 その辺は、俺の鋼の理性で何とかなった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

旅館へ戻り、フロントで部屋の鍵を受け取ってから予約した部屋に戻った。

時刻は17時半。 夕食には丁度いい時間体である。 フロントに電話をして、食事の件を伝えた。 数分後、女将さんと従業員さんがお盆に乗せ、四季折々をふんだんに使用した料理が運ばれた。

向かい合わせにテーブルの椅子に座り、手を合わせてテーブル上の料理に手をつける。 うん、味が染み込んでて、どの料理も旨い。

 

「和人。 あーん」

 

木綿季が箸で掴み、俺の口許に持ってきた料理は、しゃぶしゃぶの豚肉だ。

ちなみに、ゴマダレが染み込ませている。

 

「お、おう。 あーん」

 

豚肉を食べ、もぐもぐと食べる俺。

 

「どう、美味しい?」

 

俺は豚肉を飲み込んでから、

 

「ああ、旨い。 旨さが倍増でもある」

 

何でかって、木綿季が食べされてくれたからである。

ともあれ、次は俺の番だ。

俺もしゃぶしゃぶの豚肉を箸で挟んで、木綿季の口許へ持っていく。

 

「あーん」

 

「あーん。……ん」

 

もぐもぐと食べ、豚肉を飲み込んで、木綿季が口を開く。

 

「うん、美味しいよ。 和人の味がする」

 

俺は苦笑した。

 

「俺の味って、どんな味だよ。 てか、エロい響きだぞ」

 

「ぼ、ボクが、え、エロい。……そうかもしれないけど」

 

「認めちゃうのかよ!」

 

「和人、ナイス突っ込みだよ」

 

どうやら、先程のは漫才の一種だったらしい。 何と言うか、俺の心臓にあまり宜しくないかと……。

ともあれ、時には食べさせ会いながら、美味しく料理を頂きました。 食べた後は露天風呂。と行きたい所だが、まだ見てない場所があるのだ。

食後の休憩を挟んでから、その場へ向かう為旅館を出た。

そう、夜になったらライトアップされる紅葉に囲まれた場所だ。 小さな路地に入り周りを見渡すと、時折吹く風によって、紅葉の葉がゆらゆらと舞っていく。 俺たちはこの光景に目を奪われた。 紅葉の葉が光に照らされ、綺麗に輝いていたのだ。

 

「……凄いわ」

 

「……うん、とても幻想的だよ」

 

思わず、隣に立つ木綿季の手を繋いでしまう。 木綿季も握る力を若干強めた。

暫し景色を眺めてから、手を繋ぎながら旅館へ戻った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「えっと、バスタオルは……」

 

「あ、浴衣もあったよ」

 

旅館に戻って来た俺たちは、必要な物を用意しながら、風呂の準備を進めた。

んで、もちろん混浴だ。

用意が完了した所で、温泉へ向かう。 どうやら、脱衣所は男女分かれているらしい。 とまあ、脱衣所で衣服を脱ぎ、タオルを巻いて扉を開け、混浴風呂へ足を進める俺。 てか、思ってたより広いわ。

 

一先ず背中合わせになって、体を洗う。 まあ、別に背中合わせじゃなくてもよかったんだけど。

体を洗い終わった所で、脇の石段の縁へ置く。 それからお湯に浸かった。 あー、いい湯だな。……やべっ。 今のオッサンぽい発言かも……。

 

「和人、横に入るよ」

 

「いいぞ」

 

木綿季は、俺の左側に浸かった。 木綿季が浸かり、僅かにお湯が湯船から溢れる。

空を見上げると、星が輝いていた。

 

「東京では見れないな」

 

「だね」

 

穏やかな時間が流れる。 その間、肌と肌が触れ合い、お互いの体温を感じる。 つか、木綿季さん。 くっつきすぎじゃないですか?

 

「あ、和人。 変な所触ったらダメだよ」

 

「大丈夫だ。 そこら辺は弁えてるから。 てか、フラグはやめなさい」

 

「ふふ、そうだね」

 

そう言って、木綿季は俺肩にコテンと肩を乗せた。

まあそれはいいんだが、胸が見えるようで見えない感じになっているのだ……。

 

「……お前、わざとだろ」 

 

「あれ、バレちゃった」

 

「まったく、最初の頃の俺だったら、完璧に襲ってたわ」

 

「うん、完璧に狼さんになってたね」

 

それから数分間お湯に浸かり、それぞれの脱衣所で浴衣に着替え風呂場から出た。

僅かに、理性がガリガリ削られたのは秘密である。 途中で木綿季と合流し、一緒に部屋に戻った。 部屋に戻り、押入れから布団を取り出し、床に敷く俺たち。

毛布も上に乗せ、就寝の準備の完了である。

 

「疲れたわ、寝るか」

 

「食べてくれないの?」

 

「流石にここでは、な」

 

「それは残念」

 

軽い口調だな、木綿季さんや。

まあそう言う事なので、俺は電気を消した。 寝るんだが、木綿季が俺の布団に潜り込むのはなぜ?

まあいいけど。

 

「やっぱり、一緒に寝た方が落ち着くかも」

 

「俺も否定はしない」

 

そう言ってから、俺たちは密着した。 数分が経過し、規則正しい寝息が聞こえてくる。 どうやら、木綿季は寝てしまったようだ。

 

「おやすみ、木綿季」

 

俺も木綿季と向かい合わせになり、眠りに就いた。

こうして、俺たち夫婦の温泉旅行がの幕が閉じた――。




うん、和人君の鋼の理性は凄っスね(笑)やっぱり、夫婦だから?今一わからん。
つか、作者をこれを書いてて、恥ずかしかったです(/ω\)

ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!

追記。
考えても話題が思いつかん……。つまりですね。ネタ切れを起こしました(-_-;)
よければ、活動報告に案を書いちゃってください。

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