ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

気合いで書きあげました。……いやまあ、ネタが尽きてきたからね(-_-;)
今回は、久しぶりに和人君と木綿季ちゃんがメインですね。

てか、君の名は。の映画は最高だね( `・ω・´)

では、投稿です。
本編をどうぞ。


第139話≪家族旅行≫

二〇五一年。 六月。

 

現在、俺たち家族と子供たちの親友の愛華ちゃんは、成田空港に赴いていた。 そう、今日から家族旅行なのである。

旅行先は、一泊二日の北海道である。

俺たちは、ターンテーブルにキャリーバックを預け、小物の荷物を持ち、係員にチケットを見せタームミナルを通り飛行機の内部へ乗り込む。 ちなみに、俺の席の番号はk-2席だ。 もちろん、k-1は木綿季だ。

 

「楽しみだね、家族旅行」

 

「まあな。 最近出かけてなかったしな」

 

数分経過した頃、CAさんの指示に従ってシートベルトを締める。

僅かな重力がかかり、飛行機は離陸を開始した。 事務的アナウンスが流れ、それを追いかけるように、英語で同じ内容が繰り返される。

飛行機が水平になった所で、俺は隣に座る木綿季を見る。

 

「んで、最初は何処に行くんだっけ?」

 

木綿季は、ぷんぷんと怒った。歳を――。と言いたい所だが、現役の大学生に負けない位可愛いのだ。 流石、我が奥さんである。

てか、本人たちはどうか知らないが、明日奈と藍子も大学生で十分通じる容姿だ。

 

「も、もう、昨日話し合ったでしょ。 最初は、釧路(くしろ)市の釧路湿原に行こうって」

 

「……あ、そうだった。 ヤバいな。 ボケが始まってるかも」

 

木綿季は首を傾げた。

 

「そんなことないと思うよ。 和人がボケちゃったら、日本の未来はどうなっちゃうのさ」

 

俺がボケたら、ニューロリンカーの設計等が遅れ、技術進歩が延滞するのは確かだが。

数時間飛行し、窓を開け見た光景は、広大な畑。 間を埋めるように茂る緑の木々。 偶に、真っ直ぐ伸びた道路が見える。

まだ、空港らしきものは見当たらない。

そんな事を思っていたら、機長からアナウンスがあり、徐々に高度を下げていった。 完全に停止し、新千歳空港へ着陸すると、到着を告げるアナウンスが流れる。

俺はシートベルトを外し、大きく伸びをした。

 

「ずっと座ってるのは疲れたわ」

 

「ボクも疲れた……。 歳かな?」

 

そんな事を言いながら、俺たちは席を立ち上がった。

飛行機はターミナルへの接続が完了しているので、前から順番に空港内に移動する。 ともあれ、北海道の地を踏んだと言う訳だ。

 

「パパ、ママ。 こっちこっちー!」

 

ターンテーブル付近で、我が娘の紗季がブンブンと手を振っていた。

まあ、隣に立つ愛華ちゃんが、紗季の額を人差し指で小突いたが。

 

「あんたは、いつも元気いっぱいね」

 

「うぅ。 つい癖で……」

 

「ま、それが紗季の良い所なんだけどね」

 

「えへへ、ありがとう」

 

あれだ。 紗季と愛華ちゃんにかかれば、大抵の男子は落とせると思う。

ザ・唐変朴の俺が言うのだから間違えない。

まあ、男子と付き合う事になっても、俺と、重要なお話が待ってるけど。

 

「父さん、俺たちはOKだよ」

 

「和人さんも木綿季さんも、早く行きましょう」

 

ともあれ、和真と葵ちゃんも合流した。

それから、俺と木綿季も荷物をターンテーブルから取り、空港のロビーを出たのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

子供たちと俺たちは、駅のホームを目指し電車に三十分ほど揺られ、札幌駅へ到着した。

途中の田畑の広がる牧歌的な光景とうって変わり、駅の周囲は建物が立ち並ぶ。 ここだけ見れば、東京駅とは然程変わらないのだ。

 

「夕食の十九時頃にホテルで合流にするか。 場所は解るよな?」

 

俺がそう言うと、パンフレッドを開いた子供たちは、一点の場所に指を差した。

『札幌グランドホテル』。 此処が、俺たちが泊まるホテルの名前である。

 

「OKだ。 んじゃ、時間まで自由行動にするか」

 

とまあ、全員が同意した所で、今から自由行動となったのだった。 ちなみに、大人ペアと子供たちペアに分かれた。

 

「行こっか、和人」

 

「だな」

 

俺たち夫婦は、まずホテルに行き、荷物を部屋に置く事になった。

駅を出て、歩道を通り目的地を目指す。 その間、所々に青々と茂る芝生の帯。 噴水や彫刻が点在し、色鮮やかなパンジーが咲いていた。

どうやら其処は、駅に隣接する公園らしく、噴水の縁に座り読書をする者、近場の店で購入した弁当を食べる者など、穏やかな時間を過ごしていた。

 

「やっぱ、東京とは全然違うな」

 

「だね。 自然も一杯で、雰囲気も空気も、東京とは全然違うかも」

 

数分歩いた所で、ホテルの二十扉前に到着した。

扉を潜りロビーに入ると、鍵を受け取る為受付を目指す。 予約等の確認を取ってから鍵を受け取り、エレベーターを上がり指定された部屋へ向かう。 ちなみに、部屋番号は九〇一号室だ。

部屋はダブルルームだが、木綿季と二人で使用するには十分すぎる位だ。 部屋に入り、ベットの横に荷物を置く。

 

「……写真で見たのと比べると、大分デカクないか?」

 

「う、うん。 かなり大きいかも」

 

だよな。と同意し、俺たちは釧路市の釧路湿原に行く準備をする。

準備が整った所で、部屋を出て鍵閉める。 ちなみに、このホテルもオートロック完備らしい。 てか、殆んどのホテルはオートロック完備なんだが。

ともあれ、エレベーターに乗りロビーへ向かい、扉を潜って外に出て、再び札幌駅へ向かう。 改札を潜り、電車に乗り目的地である釧路駅へ向かう事になった。

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

釧路駅へ到着し、改札を出てから、釧路湿原へ向かう交通初段を用いて目指した。

釧路湿原に到着すると、観光客等がちらほら見受けられた。 てか、釧路湿原を一言で表すと、京都の清水寺のような感じである。

ちなみに、俺たちは手摺に手をかけ、緑を見渡している。

 

「にしても、凄ぇ光景だな」

 

「うんうん! 来て良かったよっ!」

 

木綿季は、かなりテンションが上がってるらしい。

まあ、ずっと時間が合わなくて、二人で出掛ける。と言うのも随分となかったから、当然と言えば当然だ。

てか、俺もそうなんだし。 恥ずかしいので、顔には出さんが。

 

それから、観光客に頼んで、ツーショット写真を撮ってもらった。

このようにして釧路湿原を後にした俺たちだが、駅への帰り道で、木造で昔ながらの店を目にしたのだ。

北海道でよく目にするガラス店である。

 

「行ってみるか?」

 

「うん、行ってみようか」

 

そう言って、俺たち夫婦はお店の扉を潜り店内に足を踏み入れた。

木造造りの店内には、所狭しとガラス製品が並べられていた。 コップやワイングラス、ダンブラーや水差しのようなもの、動物を象った置物などもある。

赤、青、緑、紫、黄色と、色鮮やかであった。

 

「……綺麗だね」

 

グラデーションのかかった水色グラスを手に取り、木綿季はそう呟いた。

 

「ああ、東京じゃお目にかかれないな。 これは」

 

「どうですか。 当店自慢の一品なんですよ」

 

そう話しかけて来たのは、五十代前半のお爺さんだ。

長年の職人。と言う感じがする。

 

「あ、はい。 とても綺麗ですね」

 

「ほっほっほ。 それはありがとうございます」

 

俺がそう言うと、お爺さんは笑うだけだ。 何とも愉快なお爺さんである。

 

「それにしても、君たちはカップルかい?」

 

……うん、やっぱりそう見えるんだね。

まあ、このやり取りにはもう慣れたけど。

 

「夫婦ですね。 今日は家族旅行で北海道に来てるんです」

 

「ちなみに、ボクたちは三十代ですよ」

 

お爺さんは目を丸くした。

 

「いやはや、これは失礼」

 

ぺこりと頭を下げるお爺さん。

 

「いえいえ、もう慣れましたよ」

 

「今日もあったしね」

 

そう言って、俺と木綿季は笑った。

すると、お爺さんは右手を顎に当てた。

 

「ふむ。 思い出に一品プレゼントしようかね。 やはり、ペアグラスがいいかね?」

 

「「へ?」」

 

俺と木綿季は同時に声を上げた。 いやまあ、お言葉に甘えさせてもらったが。

店内を見て回り、俺たちが選んだグラスは、俺は青色のグラス。 木綿季は紫色のグラスだ。

それを袋に入れてもらい、

 

「大事に使わせてもらいます」

 

「お爺さん、ありがとう」

 

玄関前でそう言って、俺と木綿季は頭を下げた。

此れを見たお爺さんは、愉快に笑ってくれた。

再び頭を下げてから、俺と木綿季はガラス店を後にしたのだった。 その間、俺たちの胸の中には、プレゼントしてくれたグラスが大事に抱えられていた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

現在の時刻は夜の十八時を回る頃。 その間に、俺たちはバスや電車等を乗り継ぎ、最後の目的地に到着した。

其処は、函館山の展望台の駐車場付近である。 階段を幾つか上がると、完全に遮蔽物が消え夜景がライトアップされていた。

 

「噂には聞いてたけど……」

 

「……うん、凄い綺麗」

 

俺と木綿季は感嘆な声を上げた。

展望台から見る函館の街は、とても幻想的である。 観光客も来ているのか、あちらこちらから感動な声も上がっていた。

奥を見てみると、見知った人影が四つ映った。

 

「皆、考える事は同じかもな」

 

どうやら、木綿季も気づいたらしい。

そう。 その四つの人影とは、和真、紗季、葵ちゃん、愛華ちゃんの者だったのだ。

 

「ふふ、そうだね」

 

その後は、和真たちと合流し、一緒にホテルに帰るとなった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

ホテルに到着し、一階のバイキングを皆で食事を摂った後、各自風呂に入って就寝。と言う事になった。

ちなみに、このホテルには混浴があったらしいので、俺たち夫婦は一緒に入ったが。

んで、俺が外で涼もうと思っていたら、和真とバッタリ会ったのだ。

ロビーに備え付けられてる自動販売機からブラックコーヒーの缶を二本購入し、

 

「ほれ」

 

その一本を、来客用ソファーに腰を下ろしている和真に渡した。 俺も向かいのソファーに腰を下ろし、向かい合わせに座る。

俺はプルタブを開け、コーヒーを一口飲んでから、前のテーブルに缶を置いた。

 

「和真が相談とは珍しいな。 どうかしたのか?」

 

和真はモゴモゴして、中々口を開こうとしない。

 

「いや、あの、えっと」

 

「お前にしては、歯切れが悪いな。 葵ちゃんのことか?」

 

俺がそう言うと、和真は顔を赤くした。

どうやら、図星が的中したらしい。 流石、自分以外には鋭い俺である。

和真も、意を決したらしい。

 

「オレって、葵と親公認の婚約者だよね」

 

「そうだな。……ああ、なるほど。 婚約者でも、プロポーズはしてないと」

 

再び和真は口を閉ざしてしまった。

又しても、図星を的中したらしい。

 

「……どうすればいいかな? 父さんのアドバイスが欲しくて。 指輪とかも用意してないし……」

 

俺は、テーブルに置いたコーヒーを一口してから口を開く。

 

「うーん。 まずは指輪とかは関係なく、自身の想いをぶつける事。 あとそうだな。 飾り付ける必要はないぞ、自然体が重要だ。……アドバイスになるか解らんけど。 てか、俺と木綿季の場合はほぼ逆だったからな」

 

「……逆?」

 

和真が首を傾げる。

 

「前に話しただろ。“好き”じゃなくて“愛”って。 俺たちは愛から始まったから、ほぼ逆って事だ。 その時から、俺たちは自然体だったぞ」

 

まあ、合ってるか解らんが。

てか、俺の偏見かもしれんしな。

 

「……自然体でいつも通りに、か」

 

「まあそうだ。 苦労も修業のうちと思って頑張りたまえ、若者よ」

 

うん、クラインの言葉っぽいな。 多分だけど。

 

「ありがとう、父さん。 頑張ってみるよ」

 

「その息だ。 さて、そろそろ寝るか」

 

このようにして、父親と息子の相談が終了したのだった。

俺はそのまま和真と分かれ、エレベーターに乗り、九〇一号室へ戻ったのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

俺が部屋に戻ると、寝巻を着た木綿季が椅子に座り、備え付けつけられている鏡を見ながら黒髪をとかしていた。

 

「カズ君とお話だったの?」

 

「まあな。 葵ちゃんの事だ」

 

木綿季は、うんうん。と頷いた。

 

「なるほどね。 プロポーズ関連かな」

 

「そんな所だ。 アドバイスを求められたが、今一出来たかわからん」

 

木綿季は苦笑した。

 

「ボクたちは、トントン拍子だったからね」

 

「だな」

 

大学生にほぼ入りたてで籍を入れ、その直後に同棲だ。

世間一般では、かなり早い方だと思う。

 

「あ、そう言えばね。 紗季ちゃんと愛華ちゃんは、二人暮らしをしたいんだって。 どう思う?」

 

「いいんじゃないか。 大学付近のマンションで、オートロック完備なら心配いらないしな。 和真と葵ちゃんもか?」

 

俺の予想では、まだ先になると思う。

二人とも、かなりの奥手なのだ。

 

「それはまだかな。 葵ちゃんは、『色々と覚悟をしないといけませんから』とも言ってたしね」

 

「なるほど……。 うん、察したぞ」

 

「ふふ、鈍感さんが察せるなんてね。 偉い偉い」

 

「……いや、まあ、経験上」

 

俺も木綿季と暮らし始めて数ヵ月が経過した頃、色々タガが外れてしまったので。 はい……。

葵ちゃんの『覚悟』は解るんですよ。

 

「うん、あの頃は色々と大変だったかも」

 

「……うぅ。 申し訳ないです。 あの頃は、色々と制御が効かなくて……」

 

ちなみに、今は完全に制御可能だ。

何がって。 それは内緒だ。

 

「そろそろ寝ようか。 明日は早いからね」

 

「おう、そうだな」

 

ベットに横になる俺たち夫婦。

もちろん、同じベットだ。 毛布を上にかけ、向き合う形を取った。

 

「今日の為に、有給休暇をとってありがとうね、和人」

 

「ま、愛する妻の為だ。 出来る範囲なら、叶えてあげたいからな」

 

「ありがとう、和人。 愛してるよ」

 

「俺も愛してる。 これからも宜しくな、木綿季」

 

誓いの言葉を口にした後で、俺と木綿季あどけないキスをし、眠りに就いたのだった。

北海道家族旅行は、こうして終わりを迎えた――。




いまだに大学生に間違われる桐ケ谷夫婦(笑)
何というか、凄いっス。
ちなみに、愛華ちゃんは家族同然ですね。大の親友ですし(^O^)
後、子供たちは東大に合格してますよ。

ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!

追記。
北海道の地理には詳しくないので、そこら辺は突っ込まんといてください(^_^;)
優衣ちゃんは大学諸々で、参加出来なかったんス。

再び追記。
後日談=アリシなので、其処はご了承くださいです<m(__)m>

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