ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

今回は修学旅行ですね。いやー、以外に筆が進みました。
てか、激甘ですね。作者、何度も砂糖を吐きそうになりました。ブラック必須ですね(確信)
話が吹っ飛びすぎてるかも……(^_^;)

そして、葵ちゃんのお母さん、いいキャラしてるぜ。
では、投稿です。
本編をどうぞ。


第133話≪思い出の修学旅行≫

――修学旅行当日。

オレは、少し大きめのボストンバックを肩にかけ、葵の家の前に到着していた。

その時、永瀬舞(ながせまい)さん――葵の母親とバッタリ会ったのだ。

 

「あら、和真君。 葵なら、もうすぐ来るはずよ」

 

「りょ、了解です」

 

……両親との邂逅は緊張するし、嫌な予感がするんだが。

そして、――その予感は的中する事になる。

 

「ねぇ、和真君。 あの娘のどこがいいのかしら? 和真君なら、もっといい子をゲット出来るはずよ」

 

ドストレートなボールを投げましたね。 葵のお母さん。

てか、答えるのがメチャクチャ恥ずかしい質問です。

 

「……そうですね。 葵と居ると安心しますし、いつまでも一緒に居たい。 また、暖かな気持ちにさせてくれるような子です」

 

オレは一拍置き、

 

「――オレにとっての葵は、かけがえのない、大切な存在です。 心から大好きって言える女の子ですね。……こんな感じで、どうでしょう?」

 

舞さんは目を閉じ、ふむふむと頷いていた。

数秒後、目を開き、ポンと手を打った。

 

「和真君」

 

「は、はい」

 

反射的に声を上げた為、声が裏返ってしまった。

何たる不覚……。

 

「将来、葵と結婚したいかしら?」

 

え? 結婚?

 

「しょ、将来的には、一緒になれたなと」

 

「そう。 実は、うちのお父さん、和真君ならOKらしいのよ」

 

ん? んん? 話が読めなくなってきたぞ。

え、何、どゆこと?

 

「えーと、何がOKなんでしょうか?」

 

「もう、とぼけちゃって。 結婚よ、結婚」

 

オレは、右掌を額を当てた。

てか、話が吹っ飛びすぎて、処理が追いつかない。

 

「お、オレたちは、まだ付き合ってないんですよ」

 

「そんなのキンクリよ、キンクリ。 ペアリングまであるんだから、もう付き合ってるも同然よ。 ネックレスもあったわね」

 

オレは盛大に混乱し、取り乱した。

 

「ちょ、ちょっと待ってください。 う、うちの両親のOKが出てませんよ?」

 

「木綿季さんは、わたしから。 和人さんは、お父さんから。 話を途中まで通してあるから、心配しなくていいわよ♪」

 

う、うちの両親を名前呼びですか。

でも確か、父さんは体育祭の時にOKを出してそうだし、母さんはママさん会でOKを出してそうだし。

え、何これ。 外堀は埋められてた? あとは、舞さんのOKだけだった……とか?

その時、パタパタと足音を立てながら、セーラ服姿の葵が姿を現した。

肩には、大きめのボストンバックがかけてある。

 

「和真君、おはよう。 お母さん、どうしたの?」

 

「葵。 これからお母さんが言う事に、正直に答えてね」

 

舞さんは真面目な顔になり、問いかける。

 

「う、うん」

 

「葵は将来、和真君と結婚したい?」

 

葵は僅かに頬を赤く染め、俯いてしまった。

顔を上げ、赤みを帯びながらも、小さく頷いた。

 

「し、したいかな。 将来的にはだよ」

 

「うんうん。 あとは葵のOKだけだったのよ。 これで決まりね」

 

「ちょ、お母さん。 話が見えないよ」

 

どうやら、葵も混乱し出したらしい。

まあ、行き成りそんなこと聞かれたら、誰でもそうなると思うけど。

 

「晴れて、和真君と葵は婚約者になりました。 パチパチパチ」

 

「え? ちょっと待って。 婚約者? 嬉しいけど、そうじゃなくて」

 

オレは、舞さんを止められそうになかった。

てか、丸め込まれそうだ。

 

「あら。 葵は、和真君が婚約者なのが嫌なのかしら?」

 

「ぜ、全然OKだよ。 じゃなくて、か、和真君は、だ、大丈夫なの?」

 

「……話が吹っ飛びすぎて処理が追いつかないけど、婚約の件はOKだぞ」

 

こうして、トントン拍子に話は進められ、オレと葵は婚約者になったのだった。

何と言うか、中学生にして婚約者とか、何かスケールがデカイな。

俺は深呼吸をし、

 

「改めてよろしくな」

 

「う、うん。 こちらこそ」

 

葵は庭を出、オレの横に立った。

移動の準備完了だ。

 

「それじゃあ、行ってきます」

 

「お母さん、行ってくるね」

 

「二人とも、車には気をつけるのよ」

 

舞さんは、ニコニコしながら送り出してくれた。

オレと葵は踵を返し、優しく手を握り、目的の東京駅目指して歩みを始めた。

その間、他愛もない話をしながら、笑い合った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

オレと葵は、全学年の集合場所である東京駅のある一角に腰を下ろしていた。

それから各クラス事に新幹線切符が配られた。

オレは切符を見、何号車で、何処の席かを確認した。

 

「えー、5号車の3番、B席か。――葵はどうだ?」

 

オレは、隣に居る聞いた。

 

「わたしは、5号車の3番、A席だよ。 やった。 和真君と隣で、窓際の席だよ」

 

葵は、心底嬉しそうだ。

つか、此れだけ人数が居て隣の席とか、凄くね。

その時、担任の先生が、

 

「移動するぞ」

 

と言い、クラス全員の先頭の元、乗車する新幹線の場所まで移動し、新幹線内の清掃が終わったのを確認してから、3年C組が5号車に乗車していく。

各自席に着き数分が経った頃、新幹線が動き始め、窓を見てる葵が目を輝かせていた。

どうしたんだ?と思い、窓の外を見ると、快晴の空の下、日本最高の山である富士山が目に映った。

 

「か、和真君。 富士山だよ! 綺麗だな~」

 

葵は鞄からデジカメを取り出し、窓の外に映る富士山をシャッターに収めていた。

オレは葵を見ながら、いや、と言い、

 

「お前の方が綺麗だよ。 葵」

 

葵はこれを聞き、徐々に顔を紅潮させていく。

頭上からは、煙が出そうだ。

 

「ふ、不意打ち禁止だよ」

 

「そうか? ホントのこと言っただけだぞ」

 

オレは、何で?と首を傾げるだけだ。

うん、正直な感想を言っただけだぞ。

 

「わたしは、そんな君が大好きだよ」

 

オレも僅かに顔を赤くする。

 

「お、お前の方こそ不意打ちじゃないか」

 

「へっへー、お返しだよ」

 

オレは息を吐き、葵の頭を優しくグリグリした。

葵は涙目でオレを見て、

 

「和真君のバカ」

 

「すまんすまん、ついな」

 

葵は、オレの右手を両手で優しく包み込んだ。

 

「でも、許すよ」

 

「そ、そか」

 

顔は体を移動させ、葵の顔と至近距離に近づき、二人が入った写真を取った。

もちろん葵は、右手でピースのポーズを取ってだ。

席に着いていたら、オレの右側に体が預けられた。 どうやら、葵が寝てしまったらしい。

オレは、可愛い寝息をする葵を見ながら、

 

「まったく、無防備すぎるぞ」

 

葵の前髪を左右に分けていると、ん、と葵が呟く。

 

「でも、オレの事を信じてくれてるんだろうな」

 

オレもコイツには、全てを任せる事が出来る。

まあ、全ては言いすぎかもしれないが、オレも葵を信じてるって事だ。

其れから数時間後、新幹線が京都駅に到着した。

着いたぞー、と言いながら、葵を優しく起こす。

 

「着いたの?」

 

「おう、着いたぞ。 あと、寝顔可愛かったぞ」

 

葵は頬を赤くした。

 

「み、見たの?」

 

「ばっちりな」

 

「うぅ~、恥ずかしいよ」

 

「ま、気にするな」

 

「わ、わたしは、気にするよぉ」

 

まったく、コイツは可愛いすぎる。

オレは葵の手を優しく握りながら、席を立つ。 新幹線を下り、荷物が運ばれた場所まで移動し、ボストンバックを肩にかけた。

其れから、駅のロータリーに止められたバスに乗り込み、最初の観光場所へ移動した。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

最初の観光地は、清水寺だ。

オレはバスを下り、自然の空気を吸い込んだ。

 

「和真君」

 

隣を見ると、ニッコリと笑った葵の姿がある。

 

「おう、どうかしたか?」

 

「ううん、ただ呼んだだけだよ」

 

「なんじゃそりゃ。 まあ、悪い気はしないけど」

 

其れから、ガイドさん先頭の元、清水寺の歴史、創建伝承など説明していく。

だがその時、隣を歩いていた葵が、オレの袖をクイクイと掴んだ。

葵は小声で、

 

「和真君。 抜け出して、二人で見ない?」

 

「置いていかれる危険があるぞ」

 

「そこは大丈夫。 紗季ちゃんと愛華ちゃんに報告済みだから。 案内が終わるころに、メールがくるから。 その時に合流すればOKだよ」

 

「な、なるほど。 用意周到だな」

 

オレと葵はバレないように、クラスの集団から抜けて行く。

まあ、何人かにバレたが、『あの二人か』で済ませるはずなので、問題なしだ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

清水寺の柵から見る景色は絶景だった。

オレは葵をバックにし写真を撮る。 またカメラを観光客に渡し、ツーショット写真も撮った。

 

「何度見ても、高いねー」

 

「絶景だしな」

 

オレと葵は、この絶景を見いった。

また、大好きな人と見る景色は、とても心地良くもあった。

その時、葵のスマホが震えた。 そう。 紗季と愛華の合図だ。

 

「そろそろ行こうか。 和真君」

 

「だな。 早く合流しないと」

 

オレと葵は、急いで合流場所まで移動し、自然を装いクラスの中に溶け込んだ。

この時、紗季と愛華に弄られたのは、言うまでもない。

だが、二人には感謝しっぱなしだ。 この二人が、妹と親友で本当に良かったと、心底思った。

再びバスに乗り込み、次の場所へと移動する。

次の観光地は、北野天満宮だ。 此処は、学問向上で有名な観光地だが、オレたち4人に必要あるのだろうか?

まあ、紗季と愛華は、中央に設置してある窯から出る煙を、頭に当ててるが。

 

「和真君はいかないの?」

 

「いや、ぶっちゃけ、必要ないしな」

 

オレの全教科は、90点超えだ。

なので、学問に関しては心配いらないのだ。 まあ、葵も同様だが。

最後に、晴明神社で参拝をし、集団行動は終了した。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

再びバスで移動したのは、お世話になる旅館。 『湯島屋』だ。

玄関を潜りロビーに入ると、女将さんが挨拶をくれた。

 

「本日は、湯島屋をご利用頂きありがとうございます。 女将の、築島綾と申します。 どうぞ、よろしくお願いいたします」

 

ぺこりと頭を下げる女将さん。

 

「既にお部屋の用意は出来ています」

 

3年C組は、男女20人なので、男女10人部屋が4つとなる。

部屋に移動し、自由行動となった。

オレはラフな恰好に着替え、葵と待ち合わせの場所であるロビーに急いだ。 ロビーに到着すると、此方もラフな恰好の葵の姿が映った。

 

「あ、和真君」

 

「悪い、少し遅れた」

 

「大丈夫だよ。 行こうか」

 

「そだな」

 

オレと葵は旅館出、最初の目的地である金閣寺を目指した。

数分バスに揺られ、目的地に到着した。

立て札の通路を通り、金閣寺が目近で見れる場所まで移動した。

 

「わあ、ピカピカだね。 金閣寺」

 

「そだな。 まあ、正確には鹿苑寺(ろくおんじ)だが」

 

まあ、葵も知ってる知識でもあるが。

 

「も、もう。 そんなこと言わない。 金閣寺でいいの」

 

「すまんすまん。 ついな」

 

観光客にお願いをし、思い出になるツーショット写真を撮った。

其れから金を鳴らし、お賽銭を入れてお願い事をした。

再びバスに乗って移動し、葵が行きたいと言っていた観光地へ移動した。

 

その場所とは――地主神社である。 此処は、縁結びの神様で有名な地でもあるのだ。

いや、まあ、縁結びしなくても、もう結ばれてるんだが。

周りを回っていると、買い物を終えた葵が戻って来た。 その手には、縁結びのお守りと、恋の石があった。

 

「縁結びのお守り必要だったか? もう、結ばれてると思うんだが」

 

「そ、そうなんだけど、やっぱり、形だけね」

 

なるほど。 オレらの関係を、其れで誤魔化すって事か。

中々の策士です、葵さん。

神社を出、徒歩で歩いていたら、和菓子作りが体験出来る店を発見した。

 

「やってみるか?」

 

「そうだね。 なんか、おもしろそうだし」

 

オレと葵が店に入ると、奥から職人さんがやって来た。

 

「お、手作り体験かい」

 

「はい、出来ますか?」

 

「おうよ」

 

職人さんは、こっちに来いとジャスチャーをした。

どうやら、店の奥が作業場らしい。

指定された席に座り、職人さんから渡された生地を、専用の棒で象っていく。 オレが象るのは、紅葉の葉だ。

繊細な作業で集中力をかなり使ったが、中々完成度が高い物が完成した。

隣で作業していた葵が象ったのは、桜の花弁だ。

 

「ほぉー。 二人は初めてか? かなりクオリティが高い」

 

「「ま、まあ」」

 

オレと葵は小さく頷く。

職人さんに、食べてみ。と言われ自身が作った作品を試食した。 和菓子は口の中で、絶妙なハーモニーを奏でた。

 

「う、旨いな」

 

「う、うん。 美味しい」

 

職人さんは此れを聞き、そうだろ。そうだろ。と笑っていたが。

中々、個性的なおじさんだ。

 

「それにしても――坊主とお譲ちゃんは、カップルかい」

 

「ま、まあ。 そうですね」

 

此れには、オレが答える。

どうやら、この店の和菓子体験は、カップルが訪れる率が高いそうだ。

ともあれ、こうして和菓子体験が終了した。

お礼を言い、ぺこりと頭を下げてから店を出た。 あとは、旅館に帰るだけだ。

 

「葵。 夜、抜け出すんだっけ」

 

「うん、前からの約束だから」

 

「その時に、ペアリングをしてきてくれ」

 

「ん、りょうかい」

 

オレと葵はバスに乗り、バス停で降りてから、徒歩で旅館に戻った。

部屋に戻ると、男子が風呂の準備をしていた。 どうやら、夜食の前に風呂らしい。

オレも準備をし男湯へ向かう。

男子たちは、覗く、覗かないとも言っていたが。 オレも誘われたが、丁重にお断りした。 てか、完璧な遮断がされているので、まず無理らしいが。

脱衣所で浴衣に着替え、大部屋に移動し、夜食を摂り、今日の感想等を言う行事をこなす。

其れが終わり、オレは席を立った。

 

「ふぅ、戻るか」

 

夜食を摂った所で、自身の部屋に戻る。

部屋に戻ると、既に布団が敷かれていた。 旅館の人たちが敷いてくれたのだろう。

明日の準備等をし、皆と枕投げをしていたら消灯時間になった。

皆が寝た所で、オレは抜き足差し足で部屋を出る。

ロビーに降りると、ソファにー座っている葵の姿があった。

 

「すまん、遅れた。 行こうか」

 

「ん、りょうかい」

 

葵は立ち上がり、オレと並んでから旅館を出る。

今、オレと葵が居る場所は、旅館の少し外れにある自然豊かな場所だ。

其処で、オレは足を崩しながら、葵は体育座りをしながら自然()を見ていた。 暫しの沈黙があったが、オレが先に口を開く。

 

「今日は楽しかったな」

 

「うん、思い出に残る修学旅行になったよ」

 

「葵。 こっちを見てくれ」

 

オレと葵は、座りながら見詰め合う形になる。

オレは、深呼吸をしてから、

 

「葵。 オレは、お前が大好きだ。 付き合ってください」

 

「――不束者ですが、よろしくお願いします」

 

そして、2人の影が一つになった。

初めてのキスである。 キスを終えた二人は苦笑した。

 

「なんか、順番が逆だったね」

 

「そうだな。 てか、付き合っても、特に変化はないような気が」

 

「かも。 今までが付き合ってる感じだったから」

 

「これからもよろしくな。 葵」

 

「うん、こちらこそよろしくお願いします」

 

こうして、オレと葵は付き合う事になった。

そして、この修学旅行は、一生の思い出になる行事になったのだった――。




いや、まあ、うん。
中学生にして婚約者。つか、和真君と葵ちゃんラブラブすぎるぜ。
砂糖、ドバッーやね(笑)
やっと付き合ったぜ。お二人さん。

ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!

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