舞翼です!!
今回は修学旅行ですね。いやー、以外に筆が進みました。
てか、激甘ですね。作者、何度も砂糖を吐きそうになりました。ブラック必須ですね(確信)
話が吹っ飛びすぎてるかも……(^_^;)
そして、葵ちゃんのお母さん、いいキャラしてるぜ。
では、投稿です。
本編をどうぞ。
――修学旅行当日。
オレは、少し大きめのボストンバックを肩にかけ、葵の家の前に到着していた。
その時、
「あら、和真君。 葵なら、もうすぐ来るはずよ」
「りょ、了解です」
……両親との邂逅は緊張するし、嫌な予感がするんだが。
そして、――その予感は的中する事になる。
「ねぇ、和真君。 あの娘のどこがいいのかしら? 和真君なら、もっといい子をゲット出来るはずよ」
ドストレートなボールを投げましたね。 葵のお母さん。
てか、答えるのがメチャクチャ恥ずかしい質問です。
「……そうですね。 葵と居ると安心しますし、いつまでも一緒に居たい。 また、暖かな気持ちにさせてくれるような子です」
オレは一拍置き、
「――オレにとっての葵は、かけがえのない、大切な存在です。 心から大好きって言える女の子ですね。……こんな感じで、どうでしょう?」
舞さんは目を閉じ、ふむふむと頷いていた。
数秒後、目を開き、ポンと手を打った。
「和真君」
「は、はい」
反射的に声を上げた為、声が裏返ってしまった。
何たる不覚……。
「将来、葵と結婚したいかしら?」
え? 結婚?
「しょ、将来的には、一緒になれたなと」
「そう。 実は、うちのお父さん、和真君ならOKらしいのよ」
ん? んん? 話が読めなくなってきたぞ。
え、何、どゆこと?
「えーと、何がOKなんでしょうか?」
「もう、とぼけちゃって。 結婚よ、結婚」
オレは、右掌を額を当てた。
てか、話が吹っ飛びすぎて、処理が追いつかない。
「お、オレたちは、まだ付き合ってないんですよ」
「そんなのキンクリよ、キンクリ。 ペアリングまであるんだから、もう付き合ってるも同然よ。 ネックレスもあったわね」
オレは盛大に混乱し、取り乱した。
「ちょ、ちょっと待ってください。 う、うちの両親のOKが出てませんよ?」
「木綿季さんは、わたしから。 和人さんは、お父さんから。 話を途中まで通してあるから、心配しなくていいわよ♪」
う、うちの両親を名前呼びですか。
でも確か、父さんは体育祭の時にOKを出してそうだし、母さんはママさん会でOKを出してそうだし。
え、何これ。 外堀は埋められてた? あとは、舞さんのOKだけだった……とか?
その時、パタパタと足音を立てながら、セーラ服姿の葵が姿を現した。
肩には、大きめのボストンバックがかけてある。
「和真君、おはよう。 お母さん、どうしたの?」
「葵。 これからお母さんが言う事に、正直に答えてね」
舞さんは真面目な顔になり、問いかける。
「う、うん」
「葵は将来、和真君と結婚したい?」
葵は僅かに頬を赤く染め、俯いてしまった。
顔を上げ、赤みを帯びながらも、小さく頷いた。
「し、したいかな。 将来的にはだよ」
「うんうん。 あとは葵のOKだけだったのよ。 これで決まりね」
「ちょ、お母さん。 話が見えないよ」
どうやら、葵も混乱し出したらしい。
まあ、行き成りそんなこと聞かれたら、誰でもそうなると思うけど。
「晴れて、和真君と葵は婚約者になりました。 パチパチパチ」
「え? ちょっと待って。 婚約者? 嬉しいけど、そうじゃなくて」
オレは、舞さんを止められそうになかった。
てか、丸め込まれそうだ。
「あら。 葵は、和真君が婚約者なのが嫌なのかしら?」
「ぜ、全然OKだよ。 じゃなくて、か、和真君は、だ、大丈夫なの?」
「……話が吹っ飛びすぎて処理が追いつかないけど、婚約の件はOKだぞ」
こうして、トントン拍子に話は進められ、オレと葵は婚約者になったのだった。
何と言うか、中学生にして婚約者とか、何かスケールがデカイな。
俺は深呼吸をし、
「改めてよろしくな」
「う、うん。 こちらこそ」
葵は庭を出、オレの横に立った。
移動の準備完了だ。
「それじゃあ、行ってきます」
「お母さん、行ってくるね」
「二人とも、車には気をつけるのよ」
舞さんは、ニコニコしながら送り出してくれた。
オレと葵は踵を返し、優しく手を握り、目的の東京駅目指して歩みを始めた。
その間、他愛もない話をしながら、笑い合った。
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オレと葵は、全学年の集合場所である東京駅のある一角に腰を下ろしていた。
それから各クラス事に新幹線切符が配られた。
オレは切符を見、何号車で、何処の席かを確認した。
「えー、5号車の3番、B席か。――葵はどうだ?」
オレは、隣に居る聞いた。
「わたしは、5号車の3番、A席だよ。 やった。 和真君と隣で、窓際の席だよ」
葵は、心底嬉しそうだ。
つか、此れだけ人数が居て隣の席とか、凄くね。
その時、担任の先生が、
「移動するぞ」
と言い、クラス全員の先頭の元、乗車する新幹線の場所まで移動し、新幹線内の清掃が終わったのを確認してから、3年C組が5号車に乗車していく。
各自席に着き数分が経った頃、新幹線が動き始め、窓を見てる葵が目を輝かせていた。
どうしたんだ?と思い、窓の外を見ると、快晴の空の下、日本最高の山である富士山が目に映った。
「か、和真君。 富士山だよ! 綺麗だな~」
葵は鞄からデジカメを取り出し、窓の外に映る富士山をシャッターに収めていた。
オレは葵を見ながら、いや、と言い、
「お前の方が綺麗だよ。 葵」
葵はこれを聞き、徐々に顔を紅潮させていく。
頭上からは、煙が出そうだ。
「ふ、不意打ち禁止だよ」
「そうか? ホントのこと言っただけだぞ」
オレは、何で?と首を傾げるだけだ。
うん、正直な感想を言っただけだぞ。
「わたしは、そんな君が大好きだよ」
オレも僅かに顔を赤くする。
「お、お前の方こそ不意打ちじゃないか」
「へっへー、お返しだよ」
オレは息を吐き、葵の頭を優しくグリグリした。
葵は涙目でオレを見て、
「和真君のバカ」
「すまんすまん、ついな」
葵は、オレの右手を両手で優しく包み込んだ。
「でも、許すよ」
「そ、そか」
顔は体を移動させ、葵の顔と至近距離に近づき、二人が入った写真を取った。
もちろん葵は、右手でピースのポーズを取ってだ。
席に着いていたら、オレの右側に体が預けられた。 どうやら、葵が寝てしまったらしい。
オレは、可愛い寝息をする葵を見ながら、
「まったく、無防備すぎるぞ」
葵の前髪を左右に分けていると、ん、と葵が呟く。
「でも、オレの事を信じてくれてるんだろうな」
オレもコイツには、全てを任せる事が出来る。
まあ、全ては言いすぎかもしれないが、オレも葵を信じてるって事だ。
其れから数時間後、新幹線が京都駅に到着した。
着いたぞー、と言いながら、葵を優しく起こす。
「着いたの?」
「おう、着いたぞ。 あと、寝顔可愛かったぞ」
葵は頬を赤くした。
「み、見たの?」
「ばっちりな」
「うぅ~、恥ずかしいよ」
「ま、気にするな」
「わ、わたしは、気にするよぉ」
まったく、コイツは可愛いすぎる。
オレは葵の手を優しく握りながら、席を立つ。 新幹線を下り、荷物が運ばれた場所まで移動し、ボストンバックを肩にかけた。
其れから、駅のロータリーに止められたバスに乗り込み、最初の観光場所へ移動した。
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最初の観光地は、清水寺だ。
オレはバスを下り、自然の空気を吸い込んだ。
「和真君」
隣を見ると、ニッコリと笑った葵の姿がある。
「おう、どうかしたか?」
「ううん、ただ呼んだだけだよ」
「なんじゃそりゃ。 まあ、悪い気はしないけど」
其れから、ガイドさん先頭の元、清水寺の歴史、創建伝承など説明していく。
だがその時、隣を歩いていた葵が、オレの袖をクイクイと掴んだ。
葵は小声で、
「和真君。 抜け出して、二人で見ない?」
「置いていかれる危険があるぞ」
「そこは大丈夫。 紗季ちゃんと愛華ちゃんに報告済みだから。 案内が終わるころに、メールがくるから。 その時に合流すればOKだよ」
「な、なるほど。 用意周到だな」
オレと葵はバレないように、クラスの集団から抜けて行く。
まあ、何人かにバレたが、『あの二人か』で済ませるはずなので、問題なしだ。
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清水寺の柵から見る景色は絶景だった。
オレは葵をバックにし写真を撮る。 またカメラを観光客に渡し、ツーショット写真も撮った。
「何度見ても、高いねー」
「絶景だしな」
オレと葵は、この絶景を見いった。
また、大好きな人と見る景色は、とても心地良くもあった。
その時、葵のスマホが震えた。 そう。 紗季と愛華の合図だ。
「そろそろ行こうか。 和真君」
「だな。 早く合流しないと」
オレと葵は、急いで合流場所まで移動し、自然を装いクラスの中に溶け込んだ。
この時、紗季と愛華に弄られたのは、言うまでもない。
だが、二人には感謝しっぱなしだ。 この二人が、妹と親友で本当に良かったと、心底思った。
再びバスに乗り込み、次の場所へと移動する。
次の観光地は、北野天満宮だ。 此処は、学問向上で有名な観光地だが、オレたち4人に必要あるのだろうか?
まあ、紗季と愛華は、中央に設置してある窯から出る煙を、頭に当ててるが。
「和真君はいかないの?」
「いや、ぶっちゃけ、必要ないしな」
オレの全教科は、90点超えだ。
なので、学問に関しては心配いらないのだ。 まあ、葵も同様だが。
最後に、晴明神社で参拝をし、集団行動は終了した。
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再びバスで移動したのは、お世話になる旅館。 『湯島屋』だ。
玄関を潜りロビーに入ると、女将さんが挨拶をくれた。
「本日は、湯島屋をご利用頂きありがとうございます。 女将の、築島綾と申します。 どうぞ、よろしくお願いいたします」
ぺこりと頭を下げる女将さん。
「既にお部屋の用意は出来ています」
3年C組は、男女20人なので、男女10人部屋が4つとなる。
部屋に移動し、自由行動となった。
オレはラフな恰好に着替え、葵と待ち合わせの場所であるロビーに急いだ。 ロビーに到着すると、此方もラフな恰好の葵の姿が映った。
「あ、和真君」
「悪い、少し遅れた」
「大丈夫だよ。 行こうか」
「そだな」
オレと葵は旅館出、最初の目的地である金閣寺を目指した。
数分バスに揺られ、目的地に到着した。
立て札の通路を通り、金閣寺が目近で見れる場所まで移動した。
「わあ、ピカピカだね。 金閣寺」
「そだな。 まあ、正確には
まあ、葵も知ってる知識でもあるが。
「も、もう。 そんなこと言わない。 金閣寺でいいの」
「すまんすまん。 ついな」
観光客にお願いをし、思い出になるツーショット写真を撮った。
其れから金を鳴らし、お賽銭を入れてお願い事をした。
再びバスに乗って移動し、葵が行きたいと言っていた観光地へ移動した。
その場所とは――地主神社である。 此処は、縁結びの神様で有名な地でもあるのだ。
いや、まあ、縁結びしなくても、もう結ばれてるんだが。
周りを回っていると、買い物を終えた葵が戻って来た。 その手には、縁結びのお守りと、恋の石があった。
「縁結びのお守り必要だったか? もう、結ばれてると思うんだが」
「そ、そうなんだけど、やっぱり、形だけね」
なるほど。 オレらの関係を、其れで誤魔化すって事か。
中々の策士です、葵さん。
神社を出、徒歩で歩いていたら、和菓子作りが体験出来る店を発見した。
「やってみるか?」
「そうだね。 なんか、おもしろそうだし」
オレと葵が店に入ると、奥から職人さんがやって来た。
「お、手作り体験かい」
「はい、出来ますか?」
「おうよ」
職人さんは、こっちに来いとジャスチャーをした。
どうやら、店の奥が作業場らしい。
指定された席に座り、職人さんから渡された生地を、専用の棒で象っていく。 オレが象るのは、紅葉の葉だ。
繊細な作業で集中力をかなり使ったが、中々完成度が高い物が完成した。
隣で作業していた葵が象ったのは、桜の花弁だ。
「ほぉー。 二人は初めてか? かなりクオリティが高い」
「「ま、まあ」」
オレと葵は小さく頷く。
職人さんに、食べてみ。と言われ自身が作った作品を試食した。 和菓子は口の中で、絶妙なハーモニーを奏でた。
「う、旨いな」
「う、うん。 美味しい」
職人さんは此れを聞き、そうだろ。そうだろ。と笑っていたが。
中々、個性的なおじさんだ。
「それにしても――坊主とお譲ちゃんは、カップルかい」
「ま、まあ。 そうですね」
此れには、オレが答える。
どうやら、この店の和菓子体験は、カップルが訪れる率が高いそうだ。
ともあれ、こうして和菓子体験が終了した。
お礼を言い、ぺこりと頭を下げてから店を出た。 あとは、旅館に帰るだけだ。
「葵。 夜、抜け出すんだっけ」
「うん、前からの約束だから」
「その時に、ペアリングをしてきてくれ」
「ん、りょうかい」
オレと葵はバスに乗り、バス停で降りてから、徒歩で旅館に戻った。
部屋に戻ると、男子が風呂の準備をしていた。 どうやら、夜食の前に風呂らしい。
オレも準備をし男湯へ向かう。
男子たちは、覗く、覗かないとも言っていたが。 オレも誘われたが、丁重にお断りした。 てか、完璧な遮断がされているので、まず無理らしいが。
脱衣所で浴衣に着替え、大部屋に移動し、夜食を摂り、今日の感想等を言う行事をこなす。
其れが終わり、オレは席を立った。
「ふぅ、戻るか」
夜食を摂った所で、自身の部屋に戻る。
部屋に戻ると、既に布団が敷かれていた。 旅館の人たちが敷いてくれたのだろう。
明日の準備等をし、皆と枕投げをしていたら消灯時間になった。
皆が寝た所で、オレは抜き足差し足で部屋を出る。
ロビーに降りると、ソファにー座っている葵の姿があった。
「すまん、遅れた。 行こうか」
「ん、りょうかい」
葵は立ち上がり、オレと並んでから旅館を出る。
今、オレと葵が居る場所は、旅館の少し外れにある自然豊かな場所だ。
其処で、オレは足を崩しながら、葵は体育座りをしながら
「今日は楽しかったな」
「うん、思い出に残る修学旅行になったよ」
「葵。 こっちを見てくれ」
オレと葵は、座りながら見詰め合う形になる。
オレは、深呼吸をしてから、
「葵。 オレは、お前が大好きだ。 付き合ってください」
「――不束者ですが、よろしくお願いします」
そして、2人の影が一つになった。
初めてのキスである。 キスを終えた二人は苦笑した。
「なんか、順番が逆だったね」
「そうだな。 てか、付き合っても、特に変化はないような気が」
「かも。 今までが付き合ってる感じだったから」
「これからもよろしくな。 葵」
「うん、こちらこそよろしくお願いします」
こうして、オレと葵は付き合う事になった。
そして、この修学旅行は、一生の思い出になる行事になったのだった――。
いや、まあ、うん。
中学生にして婚約者。つか、和真君と葵ちゃんラブラブすぎるぜ。
砂糖、ドバッーやね(笑)
やっと付き合ったぜ。お二人さん。
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!