舞翼です!!
この話は、前回の続きっス。
一先ず、この話は終わりましたです。
てか、ちょい甘かも☆
こんなに早く投稿できるとは、作者頑張った(^O^)
それでは、後日談28弾いってみよー(^o^)/
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。
葵を家の近くまで送り、和真はマンションの二〇一号室の扉を開け、玄関で靴を脱いでからリビングにへ向かった。
「ただいま」
「お、和真。 今日は遅かったんだな」
そう言ったのは、ソファーの片側に座り、日経新聞を読んでいる和人だった。
研究が終わり、早く帰宅出来たらしい。
「ま、まあね。 ちょっと色々あって」
「ほう。……女の子か?」
和真は、ギクッ!とした。 こうも簡単にバレると思ってなかったのだ。
――和人は、自身のことには鈍感だが、他人の変化には鋭いのだ。
「ぱ、パパの教訓を守っただけだよ」
この教訓は男の約束なので、木綿季たちには知られてないのだ。
ちなみに、木綿季たちは買い出しに行ってるので、自宅には男子だけだ。
「そうか。 その子は、大切にしなさい」
「わ、わかってるよ」
和真にとっては、葵が初めて出来た女友達なのだ。 和人はこの事を知って、今の言葉を投げかけたのだ。
和真は、和人と向かい合わせになるように片側のソファーに腰を下ろし、和人は新聞をテーブルの上へ置いた。
「それで、どんな子なんだ?」
和真は、葵とのやり取りを思い出しながら呟く。
「うーん、ドジっ子かな」
「なるほど。――俺の予想だと、和真はこの子を放っておけなくなるな」
和真は腕を組んだ。
「そうなのかなー。 まだ、よく解らないや」
「そうか。 でも、悔いの残らないようにな」
「うん、わかった」
和真は立ち上がり、自室へ向かった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
和真はベットに腰をかけ、右手に持ってるスマートフォンの画面をスクロールさせ、今日登録した人物に電話をかける。
三秒ほどコールが鳴ってから、通話が繋がった。
『も、もしもし。 か、和真君』
葵は、電話越しだというのに、声が上ずっていた。
和真は苦笑してから、話し始めた。
「ごめんな。 いきなり電話かけちゃって」
『だ、大丈夫だよ。 どうしたの?』
「途中で別れたからさ、無事到着できたか不安でな」
『う、うん。 心配してくれてありがとう』
「……今度から家まで送る。 てか、朝も迎えに行く」
『か、和真君に迷惑かけちゃうよ』
「いや、問題ないぞ。 紗季も、明日から友達と登校するらしいし」
数秒間の沈黙が流れた。
『あ、明日からよろしくお願いします』
葵は、電話越しに、綺麗なお辞儀をしていた。
「おう、よろしくな。――あと、練習頑張ろうな」
『頑張って、優勝しようね』
「そだな。 優勝しような。――んじゃ、また明日」
『うん、また明日』
和真はスマートフォンを耳から離し、通話終了ボタンをタップした。 和真はスマートフォンを隣に置いてから、ベットに仰向けになった。
「……とんでもないこと言ったような気がするが、気のせいだよな?」
友人たちが居たら、『言ったね』と声を合わせて言うだろう。
その時、リビングから、木綿季の声が届いた。
『カズ君。 ご飯の用意ができたよー』
「わかった」
和真は上体を起こしベットから下り、みんなが待っているリビングへ向かった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
翌日。
和真は、昨日葵と別れた場所に立っていた。
待ち合わせ場所はどうする?となった時、この場所に決まったからだ。
和真が空を見上げていたら、トテトテと足音が聞こえてきた。 前を見ると、小走りをしてる葵の姿が映った。
「ご、ごめん。 待たせちゃたかな?」
「時間通りだぞ。 オレが、五分前行動をしてるだけだ」
「そ、そっか。 よかった」
葵は、安堵の息を吐いた。
二人は学校に向かう為歩き出した。 もちろん、和真が車道側を歩き、葵の小さな歩幅と合わせる。
「そ、そういえばね。 演奏の途中にアレンジを加えようと思って、昨日考えてきたんだ」
和真は、感嘆な声を上げた。
「ほー、それはまた。 今日の練習で聞かせてくれよ」
「も、もちろんだよ。 楽しみしててね」
「おう、楽しみにしてるよ」
話していたら、あっという間に学校に着いてしまった。
和真と葵は、昇降口で上履きに履き替え、1年C組に向かった。
教室に入り、和真は自身の席へ着席した。
その時、興味心身というように、裕也が聞いてくる。
「和真。 何で、永瀬と一緒に登校してるんだ?」
「まああれだ。 昨日、電話してたらこうなった」
和真の言葉を聞き、裕也は口をあんぐりと開けた。
「ちょ、ちょと待て。 永瀬は、和真の連絡先知ってるのか?」
「まあな。 葵なら心配いらないし」
裕也は、目を見開く。
「待て待て待て。 永瀬を名前呼びなのか!?」
教室内も静まり返り、和真の言葉に耳を傾けていた。
「演奏では、距離感が重要になってくるんだよ。 苗字よりも名前のほうが親近感を覚えるから、連携が取りやすいだろ」
「な、なるほど。 納得だわ」
その時、
『私も名前で呼ばれたい』
『いいなー、私も、桐ケ谷君の連絡先欲しいわ』
『私も、何か演奏できるようになっておけば良かった』
等の声が耳に届いたが、和真は聞こえない振りをする。
女子が、チラチラ、と和真を見たので、和真は机の上で腕を組み、狸寝入りに入ったのだった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
放課後になり、和真と葵は練習の為音楽室にいた。 そして二人は、『明日へ』の演奏の練習をしていた。
「和真君。 そこで高い音出せるかな?」
演奏を止め、葵が和真に聞いた。
そう。 葵が考えたオリジナルを加えているのだ。
「ん、大丈夫だ」
「じゃあ、ここからもう一回」
「おう」
二人は、軽やかなハーモニーを奏でていく。
「うし、今ので形になってきたな」
「だね。 あとは、この楽譜通りに練習あるのみだね」
「よっしゃ、もう一回いってみるか」
「OK。 それじゃあ、3、2、1――はい」
数分間は、軽やかな音色が音楽室に響いたのだった。
和真と葵は、演奏が終わり大きく息を吐いた。
「これなら優勝狙えるかもな」
「だけど、練習は怠ったらダメだよ」
「わかってます。 教官」
「教官じゃないから」
葵は、頬をぷくっと膨らませた。
「オレに指示を出してた時の葵は、教官みたいだったぞ」
葵はおどおどした。
「そ、そうかな」
「うん、そうだ。――葵は、距離感なくなったな」
「そうかも。 でも、他の男子はまだ難しいかな」
「ま、ゆっくりやって行こうぜ。 オレは、お前の傍にいるからさ」
葵は、完熟トマトのように顔を真っ赤にした。 頭上から煙が上がりそうだ。
和真は気づいてるのだろうか。 今の言葉が、プロポーズ紛いの言葉だと。
おそらく、無意識だと思うが。
「今日はこれくらいにするか?」
「そ、そうだね。 帰ろっか。――あ、あの、和真君」
和真は鞄を肩にかけてから、葵を見た。
「どったの?」
「え、えっと、登校のことなんだけど……。 それって、いつまで有効、なのかな?」
葵が言いたいことは、いつまで一緒に登下校してくれるの?と言う質問なんだろう。
和真とお喋りしながらの登校は、とても楽しかったのだ。 なので、今の質問をこの場の勢いで聞いてしまったのだ。
和真は、思案顔をした。
「そのことか」
葵は息を飲んだ。
そして、次の言葉を待つ。
「葵が決めていいぞ」
「た、例えば、今から一年間とか言っても? た、例えばだよ」
「そんなに焦らなくても。――まあそうだな。 卒業までの期間ならいいぞ」
という事は、今から卒業までは大丈夫と言うことになる。
「そ、それでお願いしてもいいかな……?」
「了解だ。 じゃあ、中学を卒業するまでな」
和真は、軽い口調で答える。
「ほ、ホントにいいの?」
葵は、まだ半信半疑だった。
だが、次の言葉で確信に変わった。
「いいぞ。 葵と居ると楽しいしな」
「……こ、これからもよろしくお願いします」
「おう、よろしくな」
音楽室の鍵を職員室に返し、二人は一緒に下校したのだった。
和真は、葵のことを家まで送ってから帰路に着いた。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
――音楽祭当日。
和真と葵は、ステージ横に立っていた。
演奏者はマイクで呼ばれてから、ステージに立ってください。ということらしい。
「聞いてない、聞いてないよ。 私、極度の人見知りなんだよ。 何で演奏者は、名指しで呼ばれるの。 どうしよう、大丈夫かな。 う~、逃げ出したいよ~」
葵は、絶賛混乱中であった。
聞かされたのが30分前なので、こうなるのも仕方ないと思うが。
「演奏に入っちゃえば、回りの事は気にならなくなるから」
「で、でも……」
葵は、上目遣い+涙目で和真の顔を見上げた。 葵は、誰も認める美少女だ。
これには、鈍感な和真も息を飲んだ。
「んん、大丈夫だ。……たぶん」
「う~、どうしよう。 演奏失敗したらどうしよう」
「(……試してみるか)」
それは、和人が木綿季に行なってる行動だ。
これは、一か八かの賭けだ。
「落ち着きなさい」
そう言い、和真は葵の頭を優しく、ポンポンと叩いた。
葵は、びくッとしたが、落ち着きを取り戻していった。
「葵は一生懸命練習したんだ。 きっと上手くいくよ。 オレが保証する」
「ほ、ホントに?」
「ああ、ホントだ。 もしミスがあっても、オレがカバーするから」
「か、和真君を信じるよ」
和真は、ほっと息を吐いた。 和真の言うように、葵は自宅でも練習してたのだ。 なので、この音楽祭は成功させたい。
『それでは、2年C組の演奏者を発表します。 バイオリン演奏者、永瀬葵さん』
「わ、私、頑張る」
和真は苦笑してから、葵の肩を優しくポンッと叩いた。
「ほら、肩がガチガチだぞ。 リラックスしなさい」
葵は、フー、と息を吐いた。
「よし、行ってくるね」
葵は、ゆっくりステージ左側に向かって歩き出した。
まだ緊張が残っているが、あれなら大丈夫だろう。
『続いて、ピアノ演奏者、桐ケ谷和真さん』
和真は深呼吸し、ステージ左側へ向かった。 和真と葵は一礼し、和真はピアノ前の椅子に、葵は肩にバイオリンを乗せた。
『それでは、2年C組の演奏です。 曲名は“明日へ”です』
和真と葵は視線を交わした。
「(それじゃあ、いっちょやるか)」
「(うん、頑張ろうね)」
指揮者が指揮棒を振り、同時にピアノとバイオリンがハーモニーを奏でた。
二人の演奏は、大きな会場で聞くコンクール並みの演奏だった。
演奏が終わり、2年C組の全員が一礼し、和真と葵の音楽祭が終了した。
演奏が全て終了し、全学年は一列に並び、結果発表の時間になった。
『総合優勝は――2年B組です!』
2年B組の列から、ワーと歓声が上がる。
『代表者、壇上にお願いします』
2年B組の代表者が壇上に上がる。
『次に、演奏者部門優秀賞を発表したいと思います。 この集計結果は凄かった。 投票数半分以上を占めてました。 優勝者は――2年C組、桐ケ谷和真さん。 同じく、永瀬葵さんです』
和真の前に立っていた葵が、ぴょんぴょんと飛び跳ね、和真に抱きついた。
「やった、やったよ!」
和真は、葵を引き離した。
「わ、わかったから。 離れなさい。 何とは言わないが、当たってるから」
「きゃ、和真君のエッチ!」
「……おい、テンション上がりすぎだろ。 てか、キャラ崩壊してるぞ」
「そ、そうだね」
和真がそう言うと、葵は平静を取り戻した。
「ったく。――行くぞ」
「りょ、りょうかいです!」
和真と葵は、壇上に上がった。
3人は一礼し、まずは2年B組の代表者が前に出た。
校長が賞状を取り、
『2年B組。 貴殿のクラスは、最優秀クラスに称する。 おめでとう』
代表者は両の手で表彰状を受け取ってから、校長先生に一礼し、元の場所へ戻った。
次に、葵が校長先生の前に立った。
校長先生は、賞状を取り、
『2年C組、永瀬葵。 貴殿を、最優秀演奏者に称する。 おめでとう』
葵は両手で表彰状を受け取ってから、校長先生に一礼し、元の場所へ戻った。
最後に、和真だ。
校長先生は、賞状を取り、
『2年C組、桐ケ谷和真。 貴殿を、最優秀演奏者に称する。 おめでとう』
和真は両手で表彰状受け取ってから、校長先生に一礼し、元の場所へ戻った。
3人は回れ右をして、壇上から下りていった。
こうして、音楽祭の幕が閉じたのだった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
そして放課後。
「和真君、お祝いしよう」
「え、まじで」
「うん、まじで。――コンビニのアイスでいいよ。 和真君の奢りで」
「はあ~、わかったよ」
和真は立ち上がり、机の横にぶら下げてる鞄を肩にかけた。
ちなみに、葵は帰る支度が済んでいる。
昇降口で靴に履き替え、学校を出た。
学校付近にあるコンビニより、ちょっと贅沢なアイスを買い、公園にある日蔭のベンチへ座った。
和真と葵はアイスを食べながら、
「演奏者で優勝したな」
「うん。 私はわかってたけど、一生懸命練習したからね」
「そうだけど。 ステージに行くまでのお前、凄かったぞ」
葵は、頬を朱色に染めた。
「あ、あれは忘れて」
「それは無理だな。 うん、無理だ」
和真は、うんうん、と頷いた。
「も、もう。 和真君のバカ」
「え、何でオレ怒られたの? 理不尽すぎない」
アイスを完食し、二人は楽しそうに話しながら帰路に着いたのだった。
和真と葵には、二人で優勝を掴んだ祭りになったのだった――。
うん、和真君と葵ちゃんラブラブだね。
この二人も、桐ケ谷夫婦に負けてないぜ。(多分だが)
音楽祭に間違えがあったらご容赦を(表彰式とか……)
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!
追記
リクがあったら(活動報告)に書いちゃってください(*^_^*)