ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

124 / 144
ども!!

舞翼です!!

この話は、前回の続きっス。
一先ず、この話は終わりましたです。
てか、ちょい甘かも☆
こんなに早く投稿できるとは、作者頑張った(^O^)

それでは、後日談28弾いってみよー(^o^)/
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。


第124話≪和真と葵≫

葵を家の近くまで送り、和真はマンションの二〇一号室の扉を開け、玄関で靴を脱いでからリビングにへ向かった。

 

「ただいま」

 

「お、和真。 今日は遅かったんだな」

 

そう言ったのは、ソファーの片側に座り、日経新聞を読んでいる和人だった。

研究が終わり、早く帰宅出来たらしい。

 

「ま、まあね。 ちょっと色々あって」

 

「ほう。……女の子か?」

 

和真は、ギクッ!とした。 こうも簡単にバレると思ってなかったのだ。

――和人は、自身のことには鈍感だが、他人の変化には鋭いのだ。

 

「ぱ、パパの教訓を守っただけだよ」

 

この教訓は男の約束なので、木綿季たちには知られてないのだ。

ちなみに、木綿季たちは買い出しに行ってるので、自宅には男子だけだ。

 

「そうか。 その子は、大切にしなさい」

 

「わ、わかってるよ」

 

和真にとっては、葵が初めて出来た女友達なのだ。 和人はこの事を知って、今の言葉を投げかけたのだ。

和真は、和人と向かい合わせになるように片側のソファーに腰を下ろし、和人は新聞をテーブルの上へ置いた。

 

「それで、どんな子なんだ?」

 

和真は、葵とのやり取りを思い出しながら呟く。

 

「うーん、ドジっ子かな」

 

「なるほど。――俺の予想だと、和真はこの子を放っておけなくなるな」

 

和真は腕を組んだ。

 

「そうなのかなー。 まだ、よく解らないや」

 

「そうか。 でも、悔いの残らないようにな」

 

「うん、わかった」

 

和真は立ち上がり、自室へ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

和真はベットに腰をかけ、右手に持ってるスマートフォンの画面をスクロールさせ、今日登録した人物に電話をかける。

三秒ほどコールが鳴ってから、通話が繋がった。

 

『も、もしもし。 か、和真君』

 

葵は、電話越しだというのに、声が上ずっていた。

和真は苦笑してから、話し始めた。

 

「ごめんな。 いきなり電話かけちゃって」

 

『だ、大丈夫だよ。 どうしたの?』

 

「途中で別れたからさ、無事到着できたか不安でな」

 

『う、うん。 心配してくれてありがとう』

 

「……今度から家まで送る。 てか、朝も迎えに行く」

 

『か、和真君に迷惑かけちゃうよ』

 

「いや、問題ないぞ。 紗季も、明日から友達と登校するらしいし」

 

数秒間の沈黙が流れた。

 

『あ、明日からよろしくお願いします』

 

葵は、電話越しに、綺麗なお辞儀をしていた。

 

「おう、よろしくな。――あと、練習頑張ろうな」

 

『頑張って、優勝しようね』

 

「そだな。 優勝しような。――んじゃ、また明日」

 

『うん、また明日』

 

和真はスマートフォンを耳から離し、通話終了ボタンをタップした。 和真はスマートフォンを隣に置いてから、ベットに仰向けになった。

 

「……とんでもないこと言ったような気がするが、気のせいだよな?」

 

友人たちが居たら、『言ったね』と声を合わせて言うだろう。

その時、リビングから、木綿季の声が届いた。

 

『カズ君。 ご飯の用意ができたよー』

 

「わかった」

 

和真は上体を起こしベットから下り、みんなが待っているリビングへ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

翌日。

和真は、昨日葵と別れた場所に立っていた。

待ち合わせ場所はどうする?となった時、この場所に決まったからだ。

和真が空を見上げていたら、トテトテと足音が聞こえてきた。 前を見ると、小走りをしてる葵の姿が映った。

 

「ご、ごめん。 待たせちゃたかな?」

 

「時間通りだぞ。 オレが、五分前行動をしてるだけだ」

 

「そ、そっか。 よかった」

 

葵は、安堵の息を吐いた。

二人は学校に向かう為歩き出した。 もちろん、和真が車道側を歩き、葵の小さな歩幅と合わせる。

 

「そ、そういえばね。 演奏の途中にアレンジを加えようと思って、昨日考えてきたんだ」

 

和真は、感嘆な声を上げた。

 

「ほー、それはまた。 今日の練習で聞かせてくれよ」

 

「も、もちろんだよ。 楽しみしててね」

 

「おう、楽しみにしてるよ」

 

話していたら、あっという間に学校に着いてしまった。

和真と葵は、昇降口で上履きに履き替え、1年C組に向かった。

教室に入り、和真は自身の席へ着席した。

その時、興味心身というように、裕也が聞いてくる。

 

「和真。 何で、永瀬と一緒に登校してるんだ?」

 

「まああれだ。 昨日、電話してたらこうなった」

 

和真の言葉を聞き、裕也は口をあんぐりと開けた。

 

「ちょ、ちょと待て。 永瀬は、和真の連絡先知ってるのか?」

 

「まあな。 葵なら心配いらないし」

 

裕也は、目を見開く。

 

「待て待て待て。 永瀬を名前呼びなのか!?」

 

教室内も静まり返り、和真の言葉に耳を傾けていた。

 

「演奏では、距離感が重要になってくるんだよ。 苗字よりも名前のほうが親近感を覚えるから、連携が取りやすいだろ」

 

「な、なるほど。 納得だわ」

 

その時、

 

『私も名前で呼ばれたい』

 

『いいなー、私も、桐ケ谷君の連絡先欲しいわ』

 

『私も、何か演奏できるようになっておけば良かった』

 

等の声が耳に届いたが、和真は聞こえない振りをする。

女子が、チラチラ、と和真を見たので、和真は机の上で腕を組み、狸寝入りに入ったのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

放課後になり、和真と葵は練習の為音楽室にいた。 そして二人は、『明日へ』の演奏の練習をしていた。

 

「和真君。 そこで高い音出せるかな?」

 

演奏を止め、葵が和真に聞いた。

そう。 葵が考えたオリジナルを加えているのだ。

 

「ん、大丈夫だ」

 

「じゃあ、ここからもう一回」

 

「おう」

 

二人は、軽やかなハーモニーを奏でていく。

 

「うし、今ので形になってきたな」

 

「だね。 あとは、この楽譜通りに練習あるのみだね」

 

「よっしゃ、もう一回いってみるか」

 

「OK。 それじゃあ、3、2、1――はい」

 

数分間は、軽やかな音色が音楽室に響いたのだった。

和真と葵は、演奏が終わり大きく息を吐いた。

 

「これなら優勝狙えるかもな」

 

「だけど、練習は怠ったらダメだよ」

 

「わかってます。 教官」

 

「教官じゃないから」

 

葵は、頬をぷくっと膨らませた。

 

「オレに指示を出してた時の葵は、教官みたいだったぞ」

 

葵はおどおどした。

 

「そ、そうかな」

 

「うん、そうだ。――葵は、距離感なくなったな」

 

「そうかも。 でも、他の男子はまだ難しいかな」

 

「ま、ゆっくりやって行こうぜ。 オレは、お前の傍にいるからさ」

 

葵は、完熟トマトのように顔を真っ赤にした。 頭上から煙が上がりそうだ。

和真は気づいてるのだろうか。 今の言葉が、プロポーズ紛いの言葉だと。

おそらく、無意識だと思うが。

 

「今日はこれくらいにするか?」

 

「そ、そうだね。 帰ろっか。――あ、あの、和真君」

 

和真は鞄を肩にかけてから、葵を見た。

 

「どったの?」

 

「え、えっと、登校のことなんだけど……。 それって、いつまで有効、なのかな?」

 

葵が言いたいことは、いつまで一緒に登下校してくれるの?と言う質問なんだろう。

和真とお喋りしながらの登校は、とても楽しかったのだ。 なので、今の質問をこの場の勢いで聞いてしまったのだ。

和真は、思案顔をした。

 

「そのことか」

 

葵は息を飲んだ。

そして、次の言葉を待つ。

 

「葵が決めていいぞ」

 

「た、例えば、今から一年間とか言っても? た、例えばだよ」

 

「そんなに焦らなくても。――まあそうだな。 卒業までの期間ならいいぞ」

 

という事は、今から卒業までは大丈夫と言うことになる。

 

「そ、それでお願いしてもいいかな……?」

 

「了解だ。 じゃあ、中学を卒業するまでな」

 

和真は、軽い口調で答える。

 

「ほ、ホントにいいの?」

 

葵は、まだ半信半疑だった。

だが、次の言葉で確信に変わった。

 

「いいぞ。 葵と居ると楽しいしな」

 

「……こ、これからもよろしくお願いします」

 

「おう、よろしくな」

 

音楽室の鍵を職員室に返し、二人は一緒に下校したのだった。

和真は、葵のことを家まで送ってから帰路に着いた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

――音楽祭当日。

和真と葵は、ステージ横に立っていた。

演奏者はマイクで呼ばれてから、ステージに立ってください。ということらしい。

 

「聞いてない、聞いてないよ。 私、極度の人見知りなんだよ。 何で演奏者は、名指しで呼ばれるの。 どうしよう、大丈夫かな。 う~、逃げ出したいよ~」

 

葵は、絶賛混乱中であった。

聞かされたのが30分前なので、こうなるのも仕方ないと思うが。

 

「演奏に入っちゃえば、回りの事は気にならなくなるから」

 

「で、でも……」

 

葵は、上目遣い+涙目で和真の顔を見上げた。 葵は、誰も認める美少女だ。

これには、鈍感な和真も息を飲んだ。

 

「んん、大丈夫だ。……たぶん」

 

「う~、どうしよう。 演奏失敗したらどうしよう」

 

「(……試してみるか)」

 

それは、和人が木綿季に行なってる行動だ。

これは、一か八かの賭けだ。

 

「落ち着きなさい」

 

そう言い、和真は葵の頭を優しく、ポンポンと叩いた。

葵は、びくッとしたが、落ち着きを取り戻していった。

 

「葵は一生懸命練習したんだ。 きっと上手くいくよ。 オレが保証する」

 

「ほ、ホントに?」

 

「ああ、ホントだ。 もしミスがあっても、オレがカバーするから」

 

「か、和真君を信じるよ」

 

和真は、ほっと息を吐いた。 和真の言うように、葵は自宅でも練習してたのだ。 なので、この音楽祭は成功させたい。

 

『それでは、2年C組の演奏者を発表します。 バイオリン演奏者、永瀬葵さん』

 

「わ、私、頑張る」

 

和真は苦笑してから、葵の肩を優しくポンッと叩いた。

 

「ほら、肩がガチガチだぞ。 リラックスしなさい」

 

葵は、フー、と息を吐いた。

 

「よし、行ってくるね」

 

葵は、ゆっくりステージ左側に向かって歩き出した。

まだ緊張が残っているが、あれなら大丈夫だろう。

 

『続いて、ピアノ演奏者、桐ケ谷和真さん』

 

和真は深呼吸し、ステージ左側へ向かった。 和真と葵は一礼し、和真はピアノ前の椅子に、葵は肩にバイオリンを乗せた。

 

『それでは、2年C組の演奏です。 曲名は“明日へ”です』

 

和真と葵は視線を交わした。

 

「(それじゃあ、いっちょやるか)」

 

「(うん、頑張ろうね)」

 

指揮者が指揮棒を振り、同時にピアノとバイオリンがハーモニーを奏でた。

二人の演奏は、大きな会場で聞くコンクール並みの演奏だった。

演奏が終わり、2年C組の全員が一礼し、和真と葵の音楽祭が終了した。

演奏が全て終了し、全学年は一列に並び、結果発表の時間になった。

 

『総合優勝は――2年B組です!』

 

2年B組の列から、ワーと歓声が上がる。

 

『代表者、壇上にお願いします』

 

2年B組の代表者が壇上に上がる。

 

『次に、演奏者部門優秀賞を発表したいと思います。 この集計結果は凄かった。 投票数半分以上を占めてました。 優勝者は――2年C組、桐ケ谷和真さん。 同じく、永瀬葵さんです』

 

和真の前に立っていた葵が、ぴょんぴょんと飛び跳ね、和真に抱きついた。

 

「やった、やったよ!」

 

和真は、葵を引き離した。

 

「わ、わかったから。 離れなさい。 何とは言わないが、当たってるから」

 

「きゃ、和真君のエッチ!」

 

「……おい、テンション上がりすぎだろ。 てか、キャラ崩壊してるぞ」

 

「そ、そうだね」

 

和真がそう言うと、葵は平静を取り戻した。

 

「ったく。――行くぞ」

 

「りょ、りょうかいです!」

 

和真と葵は、壇上に上がった。

3人は一礼し、まずは2年B組の代表者が前に出た。

校長が賞状を取り、

 

『2年B組。 貴殿のクラスは、最優秀クラスに称する。 おめでとう』

 

代表者は両の手で表彰状を受け取ってから、校長先生に一礼し、元の場所へ戻った。

次に、葵が校長先生の前に立った。

校長先生は、賞状を取り、

 

『2年C組、永瀬葵。 貴殿を、最優秀演奏者に称する。 おめでとう』

 

葵は両手で表彰状を受け取ってから、校長先生に一礼し、元の場所へ戻った。

最後に、和真だ。

校長先生は、賞状を取り、

 

『2年C組、桐ケ谷和真。 貴殿を、最優秀演奏者に称する。 おめでとう』

 

和真は両手で表彰状受け取ってから、校長先生に一礼し、元の場所へ戻った。

3人は回れ右をして、壇上から下りていった。

こうして、音楽祭の幕が閉じたのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

そして放課後。

 

「和真君、お祝いしよう」

 

「え、まじで」

 

「うん、まじで。――コンビニのアイスでいいよ。 和真君の奢りで」

 

「はあ~、わかったよ」

 

和真は立ち上がり、机の横にぶら下げてる鞄を肩にかけた。

ちなみに、葵は帰る支度が済んでいる。

昇降口で靴に履き替え、学校を出た。

学校付近にあるコンビニより、ちょっと贅沢なアイスを買い、公園にある日蔭のベンチへ座った。

和真と葵はアイスを食べながら、

 

「演奏者で優勝したな」

 

「うん。 私はわかってたけど、一生懸命練習したからね」

 

「そうだけど。 ステージに行くまでのお前、凄かったぞ」

 

葵は、頬を朱色に染めた。

 

「あ、あれは忘れて」

 

「それは無理だな。 うん、無理だ」

 

和真は、うんうん、と頷いた。

 

「も、もう。 和真君のバカ」

 

「え、何でオレ怒られたの? 理不尽すぎない」

 

アイスを完食し、二人は楽しそうに話しながら帰路に着いたのだった。

和真と葵には、二人で優勝を掴んだ祭りになったのだった――。




うん、和真君と葵ちゃんラブラブだね。
この二人も、桐ケ谷夫婦に負けてないぜ。(多分だが)
音楽祭に間違えがあったらご容赦を(表彰式とか……)

ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!

追記
リクがあったら(活動報告)に書いちゃってください(*^_^*)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。