ソードアート・オンライン ~黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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ども!!

最近愚痴をこぼした舞翼です!!

今回は、一週間以内に投稿が出来ました。
うむ。更新ペースを戻さないと。(リメイク版も)
てか、こんな時間に書いてたから、メッチャ不安っす(^_^;)
うん、まじで……。

このお話で、深海の略奪者のクエストは終了ですね。
それでは、後日談第20弾いってみよ(^O^)/
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。



第115話≪海の王と妖精たち≫

俺、ユウキ、ラン、アスナの前衛プレイヤーを先頭にして神殿内部を進んで行く。

すると、俺の隣まで歩いて来たクラインが声をかけてきた。

 

「キリの字よ。 本当にクジラが現れるんだろうな? 巨大クラゲとかクリオネだったら、洒落にならねェぞ」

 

この言葉を聞き、後方をちらりと見てみると、ピナの背に乗ってるユイは、とても楽しそうにしていた。

確かに、クジラじゃなかったら洒落にならない。

 

「ま、まあ、大丈夫だろ。 信憑性が高かったからな」

 

「ま、お前がそういうなら大丈夫だな」

 

クラインには言ってないが、俺はクラインの事を兄貴分だと思っているのだ。

まあ、口が裂けても、本人には言わないけど。

その時。 ユウキ、アスナ、ランが立ち止った。

だが、俺とクラインは《それ》に気付かず進んでいく。

ランが慌てて声をかけるが、既に手遅れだった。

 

「キリトさん、クラインさん。 そ、それ以上歩いたら」

 

「「おわあ!!??」」

 

水中の中で落とし穴に落ちた為、俺とクラインはゆっくりと落下していき、落下したのと同時に大渦が巻き起るが、俺とクラインは必死に泳ぎ、落とし穴から脱出した。

俺とクラインは、息を荒げていた。

 

「……見えてる落とし穴に引っかかる奴がいるかよ」

 

「……あんたら、本当に攻略組だったの?」

 

エギルとリズが、呆れたようにそう言ったのだった。

 

「ま、まあ、キリトさんとクラインさんは、笑いを取る為に落っこちたんですよ」

 

「ええ、そうね。 確かに面白かったわ」

 

シリカに続いて、シノンだ。

二人は、フォローしているつもりなんだろうが、フォローになっていないのは気のせいか……。

そして、ユウキ、アスナ、ラン、リーファは、お腹を抱えて笑いを我慢していた。

その時、落とし穴から何かが飛び出してきた。

 

「な、何だ。 クジラか!?」

 

「いや、違うだろ……」

 

現れたのは、古代魚のようなモンスターだ。

名前は、《Armachthys》。 その頭部は、骨の鎧を纏っている。

古代魚は、俺に向かって突進を開始した。

俺はすぐさま二刀を抜き、二刀流防御スキル《クロス・ブロック》で受け止め、凄まじい衝撃音が神殿内部に響いた。

 

「俺がタゲを取るから、皆は側面から攻撃してくれ!」

 

「オレもタゲを取るぜェ。 後は頼んだぜ!」

 

俺とクラインの言葉を聞き、俺とクラインを除く全員が古代魚の側面に攻撃を仕掛ける。

其処は、骨の鎧に覆われていなかった為、攻撃が通った。

シリカとシノンは後方に下がり支援魔法をかけ、ユウキ、ラン、アスナ、リズ、リーファ、エギルが攻撃を与えるが、古代魚は、これ以上攻撃を喰らうまいと、もの凄いスピードで動き、体を高速回転させ渦を発生させるが、ユウキ、ラン、アスナが斬撃を飛ばし、これを相殺した。

俺が言えた事ではないが、相変わらずの規格外ぶりである。

これを見ていた(俺以外)は、口をポカンと開けていた。

 

俺は、古代魚が停止した瞬間を狙い、二刀流OSS《ジ・イクリプス》計27連撃を放った。

オレンジ色の閃光が瞬き、高速連撃で古代魚を切り刻む。

そして、最後の一撃が頭部の鎧を貫き、残りのHPを全損させた古代魚は、ポリゴン体を四散させていった。

ポリゴンの欠片が完全に消滅したのを確認すると、俺は剣を鞘に納めた。

 

「ふぅ、終わったな」

 

周りを見渡して見ると、他もメンバーも武器を納めていた。

 

「なんか、弱かったね」

 

「ええ、そうですね。 歯応えがありませんでした」

 

「ですね。 弱かったです」

 

ユウキに続いて、ラン、アスナだ。

まあ、古代魚は中ボスクラスだったんだが。

その後も、エビやカニといったモンスターと戦闘を繰り返し、神殿の最奥で真珠を手に入れた俺たちは、神殿前まで戻った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「結局、最後まで出てこなかったな、クジラ……。てか、エビやカニは、暫くの間は見たくねぇな」

 

と、クラインが階段に腰をかけながらそう呟いた。

小妖精姿でピナの背中に乗っていたユイは、終始楽しそうにしていたが、俺はクジラを見せてやりたかった……。

俺は真珠を両の手で持ち、老人に渡そうとした――。

 

「真珠を取り返してきました」

 

その時、ユウキがポツリと呟いた。

 

「ねぇ、このクエストって《深海の略奪者》だよね。 でも、盗賊が出てこなかったよ。 略奪者って誰のことかな?」

 

「キリトさん待ってください! それは真珠じゃないかもしれません!」

 

「キリト君、それ貸して」

 

これを聞いたランが叫び、アスナが俺の手から真珠を奪い取った。

俺は二人の行動の意味が分からず、頭の中は疑問符だらけだ。

アスナは、真珠を海面から僅かに届いている太陽の光に透かして見た。

透かした内部は、

 

「やっぱり真珠じゃないわ。 これは――卵よ!」

 

合点がいったシノンが、どういう事か説明してくれた。

 

「つまり、こういうことね。 あの最奥は祭壇ではなく、何かの《巣》って言うことよ。 それで、私たちが、このクエストの《略奪者》ってことよ」

 

「さぁ、それを渡すのだ」

 

ゆっくりと歩み寄る老人からは、先程とは打って変わり、プレッシャーを感じさせた。

恐らく、この老人は、俺たちがこれ()の受け渡しを拒否してると思ったのだろう。

 

「――渡さぬとなれば……仕方が無い!」

 

長い眉に隠れていた眼が怪しく光ると、老人の髪が触手、いや、足に変化していった。

そうして現れたのは、巨大なタコだ。

老人の頭上に表記されていた《Nerakk》が点滅すると、正しい名が表示された。

――《Kraken the Abyss Lord》。

そして、HPバーは七本だ。

 

「クラーケン!? 神話に出てくる、海の魔物!?」

 

俺がそう呟いた。

そしてアスナは、シノンに卵を手渡した。

 

「よくやってくれたぞ、妖精たちよ。 儂を拒む神殿から、よくぞ御子(みこ)の卵を持ち出してくれたのぉ! さぁ、それを、儂に捧げよ!!」

 

「誰がお前なんかに渡すか! この卵は、神殿に戻すから無理だ!」

 

「そうそう、おじさんにはあげないよ!」

 

「そうだわ。 あなたなんかに渡さないわ!」

 

「欲しいなら、力ずくで奪いなさい!」

 

俺、ユウキ、ラン、アスナが拒絶すると、戦闘体勢に入った。

 

「愚かな羽虫共よ! ならば、深海の藻屑となるが良い!!」

 

クラーケンはそう言うと、足を振り上げて、俺たちに振り下ろしてきた。

それを全員は左右に別れ回避し、リーファ、シリカ、リズが支援魔法をかけ、俺、ユウキ、アスナ、ラン、クライン、エギルでソードスキルを発動させ攻撃した。

だが、その傷は瞬時に再生されてしまう。

そして、無数の足による攻撃で吹き飛ばされてしまう。

因みに、シノンは、卵を守るように抱き抱えている。

 

「みんな、大丈夫か!?」

 

卵を抱えているシノンはアスナが受け止めたが、俺とユウキとランとアスナ以外のメンバーは、神殿前に倒れ伏せてしまった。

俺たち四人を除く、他のメンバーのHPは、一撃受けただけで半分以上が削られた。

俺たち四人だけで相手に出来るが、《ウォーター・ブレッシング》の効果がそろそろ限界に近いので、水中活動が余り出来ない。

これは、本格的にまずい。

 

「パパ……あのタコさんのスターテスが高すぎます。 アインクラッドのフロアボスを上回る数値です。 パパたちなら相手にできると思いますが……。 皆さんが……」

 

「……ああ、分かってる」

 

俺が逡巡した時に見せた隙を逃さず、クラーケンは巨大な足を、俺の頭上にを振り下ろそうとしていた。

この攻撃は、回避が間に合わない。

俺は二刀を交差させ防御の姿勢を取ったが、この攻撃の前では紙切れに等しいだろう。

だが、傷が浅いユウキ、ラン、アスナが横一列になり、剣を横にして掲げた。

その時、

 

――ズガァァン!!

 

と、大きな衝撃音と共に、両者の間に巨大な三叉槍(さんさそう)が突き立てられた。

四人は、僅かに出来た隙に後方へ下がった。

上を見上げると、クラーケンと同じ大きさの人物が降下するのが見えた。

その人物は、前方、――俺たちを守るように降り立ったのだ。

またHPも、クラーケンと同じように複数並べられていた。

表示された名は、《Leviathan the Sea Lord》。

 

「こ、今度は、リヴァイアサンかよ」

 

俺は呆然と呟いた。

他のメンバーも、リヴァイアサンの登場に眼を丸くしていた。

 

「久しいな、古き友よ……。相変わらず、悪巧みばかりしてるようだな」

 

「そういう貴様こそ……アース神族の手先に甘んじてるつもりだぁ? 誇りを失った貴様に言われる筋合いはないわ! 海の王よ!」

 

「我は王であることに満足している。……それにここは、我の庭。 それを知りながらも、我に戦いを挑むか? 深淵の王よ?」

 

クラーケンは逡巡すると、後退し始めた。

 

「……今は引こう。 しかし友よ! 儂わ諦めんぞ! いつか御子の力を儂の物とし、忌々しい神どもに一泡吹かせるまでぇぇ!」

 

クラーケンはそい言いながら、海中深くへ潜って行った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「申し訳ありませんでした。 《海の王》。 知らなかったとはいえ、御子の卵を神殿から持ち出してしまい……」

 

俺はそう言うと、膝を付け、リヴァイアサンにシノンから受け取った卵を差し出した。

 

「いや、いいのだ。 古き友の非礼を詫びよう。 その卵は、いずれ海と空を支配するお方の物。 新たな場所へ移さなければならないゆえ、返してもらおう」

 

リヴァイアサンが卵を取ると、卵が光を放ち、消えた。

そして、俺の眼の前に、クエストクリアの【Congratulations!】の文字が浮かび上がった。

ユウキが、俺の袖をくいくい、と引っ張った。

 

「ボク、おじさんとタコさんの会話、全然分からなかったよ。 キリトは分かった?」

 

「いや、俺もさっぱりだ」

 

俺が、「お前らは分かったか?」と言うと、全員が首を左右に振った。

まあ、神話に詳しいランとリーファが分からない時点で、俺たちが分かる訳ないが。

リヴァイアサンは短く、「今は、それでよい」、と呟くだけだった。

 

「そなたらの国まで送ってやろう。 妖精たちよ」

 

すると、リヴァイアサンの後ろから、大きな影が迫ってきた。

再びクラーケンが来たと思い身構えたが、そうではなかった。

俺たちは、コイツの背中に乗った。

水飛沫を巻き上げながら、海上に姿を現したクジラの背に俺たちは乗っていた。

このクジラは、全長が数十メートルあった。

まさか、こんなに大きいクジラだとは、少し予想外だった。

 

「わぁ、クジラさん、とってもとっても大きいですー!!」

 

クジラの背に乗ったユイは、とても嬉しそうだった。

ユイは先頭に立ち、両手を広げ潮風を感じていた。

因みに、ユイは小妖精の姿ではなく、少女の姿だ。

 

「良かったね。 ユイちゃんが喜んでくれて」

 

「ああ、本当だな」

 

ユウキは俺の肩に頭を預け、夕焼け空を見いっていた。

こうして、――《深海の略奪者》クエストの幕が閉じた。




Extra Editionが終了しましたね。
てか、もう大学四年まで書いてたんだね。
オイラ、ビックリだ\(◎o◎)/!
アスナさんたちの斬撃は、ソードスキルじゃありませんよ。
剣を振って放った斬撃ですね。これは、キリト君も出来ますよ~。
うん、チートやね。クラーケンの攻撃に対しても、傷が浅いですしね(笑)
後、クジラの背に乗っている(ユイちゃん以外)は座っていますよー。

大学編も残すところ、後2~3話ですな。
これが終わったら、大人バージョンですね(^^♪
少し早いですが、ゴットファザー(名づけ親)のアンケートを取りたいと思っています。
まあ、作者が決めても良いんですが、結局、ネットで調べた名前になってしまうと思ったからです……。
皆さんのお力を借りたいと思い、アンケートを取ることにしました(詳細は活動報告で)♪

次回は、大学ネタを考えています。
まあ、予告としては、和人君がメインになりますな。
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!

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