舞翼です!!
え~、お待たせして申し訳ない(汗)
てか、二作品の連投はキツイね(^_^;)
今回は、少し短いかも。
それでは、後日談第14弾いってみよー(^o^)/
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。
《ALO統一デュエルトーナメント》が終了した数日後。
桐ケ谷和人は、可愛い奥さん桐ケ谷木綿季の前で正座しながら、問い詰められていた。
「ねぇ和人。 昨日、ALOの世界樹付近で、女の子と一緒に居たのを見たんだけど……あれは何かな……」
俺は昨日、女性プレイヤーに案内とレクチャーを頼まれたのだ。
「……いや、あれは初心者の女の子に武器や防具などの店を教えてあげたんだ……。 後、レクチャーしてくださいってお願いされたから、レクチャーもしてあげたな……」
何故か、背筋に冷汗が一筋流れ出た。
何にも悪いことは……してないはずだ。
「じゃあ、何でその女の子は腕に抱き付いていたのかな?」
木綿季さん。 顔は笑っているけど、眼が笑っていないよ……。
やばい……メチャクチャ怖いです……。
俺は些細な反論を実行する事にした。
「……えっとな。 あれは、女の子が勝手にしたことで……俺は悪くない……はずです」
木綿季の気迫に飲まれて、最後は敬語になってしまった。
……木綿季の背後から、黒いオーラが見えるよ……。
第六感が緊急警報を鳴らしているが、俺はこの場から逃げるスキルは持ち合わせていない。
「ふ~ん、和人は、満更でもなさそうにしてたよね」
「……いや、えっと……それくらい……」
後半に言った、『それくらい』がトリガーになってしまった。
「今それくらいって言ったよね……。……――和人のバカ―――――ッッ!!」
木綿季は右手を振りかぶり、渾身の力で俺の頬に手の平を打ち付けた。
俗にいう、ビンタって言う奴だ。
“パチーン”と高い効果音が、マンション内に響き渡った。
そして、木綿季はマンションから出て行ってしまった。
「え……これって家出なのか……」
俺は数分間フリーズしたまま、動くことが出来なかった。
木綿季に嫌われたら、俺、立ち直れないぞ。
♦♦♦♦♦♦♦♦
明日奈と藍子が住むマンションへ、木綿季は身を寄せていた。
落ち着いてから、先程の喧嘩内容を話した。
「なるほど。 木綿季ちゃんが怒るのは無理もないよ」
「で、今はどんな状況なのかしら?」
藍子にそう聞かれ、木綿季は答えた。
「うん、電話は着信拒否にしてるし、メールもシカトしてる……」
「あちゃ~、和人君、そうとう参ってるよ」
「ですね。 初めてじゃないですか、夫婦喧嘩は?」
藍子の言う通り、和人と木綿季は付き合いだしてから約七年、喧嘩をした事が一度もないのだ。
「和人君は乙女心が解っていないからね。 木綿季ちゃんを惚れさせたのが不思議になってきちゃったよ」
そう。 和人はVRの研究や、機械のプログラミングなどはとても詳しいのに、女の子の気持ちなどには疎いのだ。
「木綿季は、和人さんと離れるのは辛くないの?」
「辛いかな……。 戻って、和人に謝りたいよ。 でも、和人に拒絶されたら、ボク立ち直れないよ」
「ふふ、大丈夫よ。 和人さんは、木綿季を求めているわよ」
「そうそう。 和人君は、木綿季ちゃんの事を思ってるよ」
明日奈と藍子の言う通り、和人は木綿季の事を世界一愛しているのだ。
「うん、ちゃんと謝って仲直りするよ」
♦♦♦♦♦♦♦♦
所変わって、エギルが経営する≪
俺は革張りのスツールへ座り、酒が入ったタンブラーを呷っていた。
「エギル、もう一杯くれ……」
俺はそう言うと、手に持っていたタンブラーをカウンターに“ドン”と音を立てて置いた。
「おいおい、流石に飲み過ぎだぞ。 ユウキちゃんと喧嘩でもしたのか?」
「…………ああ、電話もメールもダメなんだ……」
「なるほどなぁ。 こりゃ、そうとうきてるな」
俺の周りは負のオーラに包まれ、空気が重くなっているのだ。
その時だった、メールの着信音が鳴ったのだ。
俺は瞬時にスマホを取り出し、メールを確認した。
メールの内容はこうだ。
『和人、今から会いたいよ。 先にマンションへ帰ってるね。 木綿季より』
俺はこれを見て、一瞬で酔いが覚めた。
秒速という速度で支度し、カウンターに代金を置いた。
「エギル。 金はここに置いとくからな」
「おう、ちゃんと仲直りしろよ」
それから扉を押し開け、店を出た。
♦♦♦♦♦♦♦♦
急いでマンションへ戻りリビングへ走ると、そこにはテーブルの椅子へ座り、木綿季が顔を俯かせて待っていた。
木綿季の傍まで行き、話し掛けようとしたその時、木綿季が顔を上げて同時に言葉を発した。
「「あの……」」
暫しの沈黙が流れ漆黒の瞳がぶつかり、俺が先に口を開いた。
「ごめんな……。 俺、無神経だったな……。 本当にごめんな……」
「……ううん、ボクの方こそごめんね。 力一杯ひっぱたいちゃって……」
「いや、いいんだ。 木綿季が嫉妬した記念として受け取っておくよ」
「もう、和人は」
「これで仲直りか? あ、それと俺の腕に抱き付けるのは、木綿季だけだ。 今決めた」
「これで仲直りだね。 和人の腕に抱き付けるのは、ボクだけだね」
「おう。――木綿季、見せたいものがあるんだ。 一緒に外に出てくれないか?」
「う、うん。 いいけど」
木綿季は立ち上がり、玄関に向かった。
俺も木綿季を追うように歩き出す。
俺と木綿季は玄関で靴に履き替え、俺が扉のドアノブを捻り、押し開けた。
それから階段を下り、駐車場へ向かった。
「ほら」
そこで二人が見た物は、綺麗な満月だった。
「わぁ、綺麗だね」
「さっきの帰りに見たんだ。――これを木綿季と一緒に見たくてな」
「そっか、ありがとね。 和人」
「こんなのお安い御用だ」
それから俺と木綿季は、綺麗な満月を見入った。
数分経過した頃、木綿季が言葉を発した。
「ちょっと早いけど。 お月見をしようよ。 ここから数分歩いた所に神社があるんだ」
「おう、いいぞ。 団子をマンションから持っていくか」
俺は木綿季の手を引きマンションの扉の前へ移動すると、繋いだ手を解いてから、俺がマンションへ入り、キッチンへ設置してある冷蔵庫から月見用の団子を取り出して、玄関へ向かい靴に履き替え、ドアノブを捻り扉を押し開け、外で待っていた木綿季と合流をした。
「んじゃ、行くか」
「ん、了解♪」
俺と木綿季は、目的地へ向かって歩き出した。
♦♦♦♦♦♦♦♦
幻想的に光る満月を背に、二人は神社へと続く長い階段を登っていた。
そして、頂上へ到着した。
「ふう、着いたな」
「だね。 結構長い階段だったね」
「だな」
二人は身体を反転させ、階段へ腰を下ろした。
二人の間には、マンションから持参した月見用の団子が置かれ、団子を食べながら満月に見入っていた。
団子が全て無くなったのを確認してから、木綿季が言葉を発した。
「
「そうだな」
木綿季は、月が綺麗だね。の意味を知っていたのだろうか?
……聞いてみるか。
「木綿季、月が綺麗だね。って意味知っているか?」
「う~ん、わからないかも」
「えっとな、――I love youっていう意味なんだ」
すると、木綿季は右手人差し指を顎に当てた。
「――ボクは和人を愛してるから、間違ったことは言ってないよ」
「そうだな。――俺も木綿季を愛してるよ」
俺と木綿季は顔を少しだけ赤くした。
「ちょっとだけ恥ずかしいね」
「まぁそうだな。 ちょっとだけな」
二人は再び満月に眼を向けた。
それから数分後、木綿季が膝をパンパンと叩いた。
「じゃあ、そろそろ帰ろっか?」
「おう、了解した」
俺はゴミ袋を持ってから立ち上がり、木綿季も俺に倣うように立ち上がった。
「んじゃ、帰るか」
「OK」
二人は長い階段を下り、帰路に着いた。
帰宅するその間も、二人の手はしっかりと繋がれていた。
♦♦♦♦♦♦♦♦
マンションの扉を押し開けて、中に入って扉をしっかり締めてから、俺が鍵を掛けた。
「「ただいま~」」
俺と木綿季は靴を脱ぎ、リビングへ向かって歩き始めた。
俺はリビング中央まで移動し、そこに腰を下ろす。
「木綿季、おいで」
木綿季は俺の隣に腰を下ろした。
因みに、二人共正座だ。
俺はポンポンと膝を叩いた。
「もしかして、膝枕してくれるの?」
「おう、最近はして貰ってばかりだったからな」
「じゃあ、お邪魔します」
木綿季はその場で横になり、俺の傍まですり寄って来て、膝に後頭部を乗せた。
俺は、木綿季の長い黒髪を優しく撫でるように触った。
木綿季の黒髪は、とてもサラサラしていた。
「和人の膝枕、気持ちいよ」
「そ、そうか」
「うん、これはボクだけの特権だね」
木綿季の両の手が俺の頬に差し伸べられ、優しい笑みが向けられた。
俺はこの笑顔を守りたいと思った。――そして、一生隣にいて欲しい。
「どうしたの和人。 考え込んでるようだけど?」
「……木綿季には、一生俺の隣にいて欲しいと思ってな」
「ボクは和人から離れるつもりはないよ。 最後の一瞬までね」
木綿季は差し伸べていた手を解き、優しく微笑んだ。
俺は優しく頭を撫でた。
「これからもよろしくな」
「うん、任せて」
――この時俺は誓った、最後の一瞬まで君と生きると。
今回の話は、初めての夫婦喧嘩でしたね。
和人君は、黒の剣士で有名ですからね~(笑)
後、お月見ですか。(お月見の日にちは曖昧だが)
途中から糖分多かったね~。お月見でのあの言葉も出ましたしね(笑)
次回の話は考えていますが、またまた不定期になるかもです(>_<)
さてさて、『ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~リメイク版』も投稿していますので、よろしくお願いします!!
それでは、ご意見、ご感想、評価、よろしくお願いします!!