艦隊これくしょん〜ゴップ閣下の優雅な引きこもり生活〜   作:rahotu

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軍閥の説明話てきな回


第3話

各鎮守府が軍閥化して久しいが、現在極東は大まかに言って3つの派閥に分かれている。

 

最初の鎮守府であり最大の規模を有する保守派の牙城横須賀鎮守府 大艦巨砲主義の権化であり戦艦を多く有する。

 

優れた造船施設を有し激戦区南方海域を攻める武闘派集団呉鎮守府 航空第一主義であり空母が主力である。

 

第三極として北方及び日本海側の通商航路を守る中立派佐世保、舞鶴鎮守府 対潜船団護衛に特化した軽空母や軽巡を多数保有している。

 

その他に各鎮守府で登用されている民間人提督が数の上では最大だが派閥といったものは形成して居らず第四極未満の存在である 主に弾除け代わりの駆逐艦や各鎮守府で余った艦娘を使っている。

 

民間人提督とは深海悽艦の脅威に対抗する為、民間の志願兵達がその前身であり、初期は港湾警備やドックの整備員、次いで事務畑にも登用された。

 

鎮守府の軍閥化により志願兵はより広範に、前線に配置され深海悽艦に対抗する為には艦娘を与えられる者が出てきた、これが民間人提督のはじまりだといえる。

 

一応民間人提督達は全員が志願という体裁を取っているが、一部軍閥では志願の強要や事実上の徴兵などブラック鎮守府が社会問題となっている。

 

因みに我らがゴップ大将は横須賀鎮守府出身だが、どの派閥とも適度な距離を置いている為、立場としては保守派の中立よりである。

 

だが、それが日和見主義者のコウモリを意味するものではない。

 

派閥組織は複雑怪奇であり、幾重にも張り巡らされた権謀術数の海を潜り抜けたゴップ大将にとって自身の立場を派閥間の調停役にする事で逆に派閥争いを抑制しているのである。

 

所属している艦娘は重巡が主力だが他にもまるゆ、あきつ丸、大鯨に工作船明石、潜水艦に空母は雲竜を要しバランスは取れている。

 

(間宮が所属しているのも実はここだったりする。)

 

何気に海外艦娘も所属していたりするからゴップ大将の力の一端を示している。

 

まあ下手に海外勢力を自己派閥に引き込もうと言う動きを牽制する為というのが本当の理由であるが。

 

無論ゴップ大将にとって表の戦力以外にも第4極を使った勢力調整の妙がある。

 

当初派閥の中で捨て駒のような扱いを受ける民間人提督は、満足な補給や支援を受けられない者が多数であり、劣悪な環境下で酷使されている。

 

その彼等に対しデイリーやウィークリーで力をつけさせ首輪をはめる。

 

各鎮守府に所属している民間人提督は様々な方法でゴップ大将の影響下にあり、各派閥に浸透し決して派閥を脅かす程では無いがさりとて無視出来ない存在となった。

 

つまり民間人提督の皮を被ったゴップ大将の代弁者として彼等を利用しているのだ。

 

派閥の内と外に敵を作り出し戦力を分散させる基本戦略を守った手堅い手法である。

 

何も民間人提督達も唯利用されているわけではない。自分達の地位向上や環境改善、安定した狩場の存在はなにものにも勝るのだからつまりは持ちつ持たれつである。

 

 

 

 

 

 


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