「え?じゃあ隊長達はリミッター解除していなかったのですか?」
「当たり前だろ、流石に模擬戦ぐらいじゃあ解除させてもらえねえよ。まあ、なのはとはやてに関してはリミッターの意味は殆ど無いんだけどな」
「まあ、なのはは周囲の魔力使うの上手いし、主は私とツヴァイの2人とのユニゾンで魔力量増えるからな」
ん、結構このクッキー美味しいな、どこのクッキーだろう。
「じゃあ、隊長達が不利だったのですか?」
「そうでもないぞ、あいつはある事情で魔法を使えない状態で模擬戦をしてたからな、どちらかと言えばこちらの方が圧倒的に有利だった」
「やっぱり生身で戦っていたんだ」
あ、この紅茶は海鳴市で売ってる葉だ。これからは僕が買いに行かなくちゃいけないかもしれないな。
「あ、あの!」
「ん?」
「お久しぶりです!あの時はありがとうございました!」
ああ、どこかで見たことあると思ったらあの時研究所から助けたエリオ君か。確かプレシアさんに任せたんだっけ。F計画の被害者だから面倒を見るって言って。
頭に手を載せて撫でておく。結構これは色んな人に評判がいいからこうしておけば問題ないだろう。
「ねえ優君はミッドチルダで何処で寝泊まりするの?」
「ん、ミッドチルダにある家だよ」
「いつの間に家なんて持ったの?」
「大体一週間前に建てたね」
まあ、家というか会社支部としての扱いなんだよね。土地を王様が買って、みんなで建てた。エリザさんが勝手に監獄城チェイテを建てようとした時は玉藻さんがブチ切れたっけ。
何故かみんなはすごいノリノリで作業していたんだよね、最初の一週間くらい。だけどだんだん面倒くさくなったみたいで、結局ボクがネロさんの宝具とエミヤさんに教わった投影を使ってビル建てたんだよね。王様の命令で建物の高さは他の建物よりも高くしろとか言われた。だから王様が買った土地より随分と面積としては狭くした。隣接しちゃうとビルのせいで日陰になっちゃうからね。まあ、土地の面積が広かったからそこまで考えなくても良かったけどな。
「また私達の家にも遊びに来なよ」
「うん、それがいいね。3人で一緒に寝よ?」
「いや、それはダメだよ」
流石に恋人になったからって、いやなったからこそ不埒な関係はダメって玉藻さんが言ってたしね。何故か言った瞬間にヘラクレスさんが玉藻さんにクーフーリンさんを投げていたけど。
それにしても、どうして2人恋人がいるって言うとエミヤさんは微妙な顔をするのだろうか。別に複数人と結婚するのもおかしいってわけじゃないのに。メディアさんに相談して教えてもらったし、王様も僕は何人も娶るのが普通だって言ってたし。
「ええ、一緒に寝ようよ」
「あんまりラブラブな空気を見せつけんといてくれへん?結構独り身の私としてはくるもんがあるんねんで?」
「はやてちゃんも一緒に付き合っちゃえばいいのに」
「何言ってるんよ、確かに一番近しい男って言ったら優君とかやけど、流石に親友の恋人には……」
「大丈夫だよ、優君も洗の……カウンセリングで複数人と付き合うのは普通だって気付いたんだから!」
「ちょっと待って、今不穏な事言いかけへんかった?具体的には洗脳って」
「何言ってるかわかんないかなーって」
いまいち何について話してるかわからないけど、あれだね。みんな仲が良いって事だね。
「なあシグナム、あれ優のやつまた見当違いの事考えてないか?」
「そうだな。ああやって納得したように頷いてる時は基本的に考えを放棄した時のあいつがする動作だ」
「あ、あの……あの人となのはさん達ってどんな関係なのですか?」
「恋人二人恋人未満一人だな。主も素直になればいいのに」
「………」
なんだろう、シグナムさん達からの視線が変だ。3人の仲が良くて嫉妬したのかな。確かシグナムさん達ははやてちゃんが好きだった筈だし、あんまり同性と仲良くしてるのは見ていられないのかな。
でもなのはちゃんとフェイトちゃんは同性に興味はあまりないって言ってたし大丈夫だと思うよ?
まあ、ネロさんとかと仲良く話してたら怪しまないといけないだろうけどね。
「ああ、そう言えばフェイトちゃん。どっちみち3人では寝れないでしょ。今日はアリシアちゃんがそっちに泊まりに行くって言ってたし」
「そういえばそうだった!どうしようなのは!姉さんの為にハンバーグ作らないと!」
「え?うん。もう材料は昨日一緒に買いに行ったよね?」
「そうだった!」
フェイトちゃんも結構抜けているところがあるなぁ。
ん?メールが来てる。何々?
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From ルドガー・ウィル・クルスニク
To 藤崎優
面接合格
ミッドチルダ支部近くのレストランの面接に合格しました。
時間があればまた来てください。場所は□□です。
追伸
色々あって20万ほど借金しそうになりましたが、エミヤのお陰で助かりました。
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ルドガーさんおめでとう。でもまた借金背負いそうになったのかぁ。ルドガーさんって結構不運?
「じゃあ、事後処理班も帰ってきたし自己紹介やな。みんな!ちょっと集まって!」
ん、そう言えばまだしてなかったね。でも自己紹介かぁ、何も考えてなかったけど、どうしようかな。
「今日から機動六課に配属することとなった派遣魔導師の藤崎優や。今は訳あって魔法使えやんけど、実力はさっき見てもらった通り相当なものや。ほい、挨拶しぃ」
「警備会社GILSOK所属藤崎優です。あまり器用ではないけど、精一杯働くので仲良くしてくださいね」
「ついでになのはちゃんとフェイトちゃんの彼氏や」
……さっきまでのざわつきが止んだ。一体どうしたの?
「「「えぇぇぇぇ!!!」」」
「まあ、そうなるわな」
「本当ですか!?なのは隊長!」
「うん、そうだよ」
「確か隊長達は第97管理外世界の出身。あそこは一夫多妻が普通なのか!」
「いや、フェイト隊長は違った筈だ」
うーん、何でみんないきなり叫んだの?そんなに驚くことだったかな……
「管理局のエース達の恋人がぽっと出てきたんだ、仕方ないだろ」
「ああ、成る程。合点があったよ、ヴィータちゃん」
「あはは、こうなると思ってたわ」
「これで自己紹介になるのかな」
「仕方ない。みんな!このままやと埒が明かんやろから質問し!」
成る程、自己紹介のあとは大体質問タイムがあるからね、そっちのほうがこちらの事を伝えやすいし、簡単に知りたいことを教えれるね。
「じゃあ、お三方の馴れ初めとかは……」
「ん、なのはちゃんとは幼稚園で会って、フェイトちゃんとは小学生の時に会ったね」
「あの、どちらが告白したのですか!」
「なのはちゃんとフェイトちゃんからだね。だいぶ待たせちゃったけど、返事はちゃんとしたよ」
「一緒に住んでるとか?」
「いや、僕は会社で用意した住居に住むよ」
「どうして今は魔法使えないのですか?」
「ちょっと魔力使いすぎちゃって、使えないというよりも使わないって感じかな」
「で、デートとかするのですか?」
「最近してないね。どうする?なのはちゃん、フェイトちゃん」
「明日一緒にご飯食べに行こう!」
「了解」
何だかなのはちゃんとフェイトちゃんの事に関することが多いね。やっぱりエースの恋人っていうのは珍しいからかな。
それから、昼ご飯にみんなで親睦会を開いた。えっと、仕事はしなくていいのかな……