「はぁ、はぁ」
一体どれだけの間戦い続けただろうか…
手に持った
眼前に広がる大地は焼けただれ、草木などもなぎ倒された酷い有様となっていた。
足に力を入れて立ち上がる。相手はまだ倒れていない。
多分まだまだ健全だと思う。
「ほんと、厄介…」
自分の体は既にがたついていて、今にも倒れ込みそうになる。
だけど踏ん張る。
目の前の敵を倒すため…
「もう終わり?」
「まだだよ、なのはちゃん」
飛んでくる魔力弾の一つを躱す。それを読んでいたのか、立ち止まった場所にも魔力弾が飛んできた。
それを
そのまま飛び上がることで背後から迫っていたフェイトちゃんの攻撃を躱す。
どれだけ攻撃されてもこちらからの攻撃は一撃で終わらせるつもりだ…
一撃で、意識を奪う…
命を取ることはまず考えていない。
骸殻を発動させてクルスニクの鍵を手に持つ。バックステップで攻撃を躱しつつなのはちゃん達から距離を取る。
−−殺せ
頭に響く声を霧散させるように頭を振って状況を確認する。
既に全員が揃っているようで、なのはちゃんとフェイトちゃんの他にもはやてちゃんと守護騎士さん達、クロノくんにユーノ君、プレシアさんにアルフさんが僕と対峙していた…
−−奪え
「うるさい」
頭を手で抑えて呟くことで声を押さえつける。
僕の意思を乗っ取ろうとするな。僕は僕、藤崎優だ!
−−貪れ
「消えろ」
距離を詰めてくるシグナムさんへ蒼破刃を放つことで牽制する。
−−犯せ
「黙れ」
頭を抑えて座り込み、
響く声は予想以上に頭にダメージを与えているようだ。
−−知っているだろ?感じているだろ?
「……」
フェイトちゃん振り下ろしてくるバルディッシュを蔵から取り出した短刀で止める。
ああ、僕はどうしてこんなに我慢していたのだろうか…
どうして身を任せていなかったのだろうか…
−−その身は、ただ■■に特化した刃
「故に必要なのは
フェイトちゃんの首筋へと短刀を伸ばすが躱され、距離を取られてしまう。
それを冷めた目、いや、覚めた目で見つめた僕はただはっきりと自覚する。
--意識が/反転/する
「吾は面影糸を巣と張る蜘蛛…ようこそ、この素晴らしき惨殺空間へ」
世界が継ぎ接ぎに包まれたのがわかった。
ああ、そうだ、そうだった。世界はこんなにも脆くて壊れやすい…
今にも空は落ちてきそうだし、地面なんて無いに等しい…
そう、世界なんてこんなに死であふれているんだ…
「これで!トドメ!!」
「遅い」
赤い少女の槌を殺す。
「クッ!!まだまだぁ!!」
「斬刑に処す」
追撃に蹴りを放ってきた赤い少女を殺した…
「ヴィータ!!!よくも!!」
突っ込んできた炎の騎士の一撃を躱し、死を見つめて短刀を伸ばす…
「話にならん。来世からやり直せよ、お前」
殺した
「ヴィータ!!シグナム!!」
「やっと理解したか?俺がアンタらの敵なんだって…ついでにもう一つ理解していけ…これが、物を殺すということだ」
地面に短刀を突き刺し崩壊させる。
足場が崩れたことにより一瞬反応の遅れた連中へと肉薄し、その死を見つめた。
「弔毘八仙、無情に服す……!」
連中、黒い少年に赤い狼、そして小動物の死を一刀で薙ぐ。
「みんな!!」
そのまま、瓦礫を足場に跳び上がって残りの相手へと肉薄する。
「蹴り穿つ!!」
雷の女を蹴り飛ばし、崩壊した地面に着地する。
視線を相手に向けるとこちらを睨んでいるだけ…なんて無様な連中だ…
まるで的だな…
短刀を持つ手を上に掲げて口角を上げる。
「じゃあな、地獄に行ったら閻魔によろしく言っておいてくれ…極死−−」
未だに動かない白の少女へと短刀を投げる。
それに気付いた黒の少女は短刀を叩き落とした。それに安堵している白の少女の頭を掴んだ…
「--七夜」
首を引き抜いた。
================================
「夢かぁ、びっくりしたなぁ」
寝床から身体を起こして確認する。
全く、どうして僕がなのはちゃん達と殺し合いしてたんだよ。
原因が検討もつかないや。
「…??」
あれ?何か視界に黒いものが見えた気が…
気のせいか…
===============================
『あぶねえあぶねえ。もう少しで至ってたぞあれ』
『なんとか戻せたけど、いきなりで驚いたわ。何が原因で目覚めそうになったのかしら』
『さあな。にしても、心臓に悪いぜ、全く』
『まあ、結果的には大丈夫だったからいいじゃない』
『お前って結構適当だよな』
4月1日ネタで夢オチ回でした。
本編には全く関係は無いので悪しからず