憑依拒否   作:茶ゴス

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前回の夢想編を少しだけ書き加えました。



現実編第2話「戦いの嵐、ふたたびなの」

 バインドで縛ったヴィータちゃんの腹部を殴る。

 確かヴィータちゃんは帽子を壊されて怒っていた。あまり怒らせるのは良くないから砲撃は使えない。だから魔力を載せた拳を打ち込む。

 

 バインドが外された…足に魔力を纏って接近する。

 優君が教えてくれた戦い方。接近戦は少し苦手だけど、多くの魔力を纏えばそれなりの闘いが出来るってことも教えてくれた。

 

 ヴィータちゃんのグラーフアイゼンを躱して掌底をお腹に打ち込む。

 

 

「ぐっ!!この馬鹿力がぁぁ!!」

 

 

 砲撃よりはダメージを与えられない。だけどこれでも十分に戦える。

 振り下ろしてくるグラーフアイゼンをレイジングハートで逸らす。正面から受けるのではなく受け流すように。

 

 

「くそっ!!グラーフアイゼン!!カートリッジロード!!」

 

 

 中々攻撃が当たらなくて苛ついているのか、単純な攻撃が増えてきた。

 そろそろ決める。レイジングハートお願い。

 

 

【了解しました。】

 

 

 周囲の魔力を拳に集める。収束できる量はスターライトブレイカーに比べると少ない。

 けれど、これが今の私の接近戦での必殺技だよ。

 

 

「ラケーテンハンマー!!!!」

 

「当たらなければ意味ないの!!」

 

 

 自分の魔力の7割を足に集中。ヴィータちゃんがグラーフアイゼンを振り切る前に接近する。

 あの技は遠心力とアイゼンのブースターで加速して凄い威力を発揮する技。だからこそ、加速する前に潰すのが正解なの!!

 

 

「スターライトォォ!!」

 

「しまっ」

 

「インパクトォォォォ!!!」

 

 

 収束した魔力を載せた拳を打ち込む。威力にするとスターライトブレイカーの三分の一、射程は腕が届く範囲。だけど発動の溜めが短いのが利点なの。

 魔力を打ち出すのではなくて魔力による加速だから腕にダメージを負うのが難点だけど…それでもその衝撃は身体の中に伝わる。

 

 

「ガッ!!」

 

 

 ヴィータちゃんがふっとばされる。少しは反省したのかな?

 全く、動けない優君を狙うからこうなるんだよ。

 

 

「なのは!!」

 

「あ、フェイトちゃん。久しぶり、元気にしてた?」

 

「あ、うん。ってそうじゃなくて!無事!?」

 

 

 ああ、この結界と魔力反応の衝突で戦闘してたってわかったんだね。だけど平気だよ。優君のためなら私は何だって倒してみせるから。

 

 

「で、相手はどうしたんだい?」

 

「スターライトインパクトでふっ飛ばしたの」

 

「あれ、完成させてたんだ…」

 

 

 ユーノ君とアルフさんもフェイトちゃんの後ろから出てくる。って、そうして苦笑いしてるの?ユーノ君。

 まあいいや。確か夢だったらこの後シグナムさんや…名前忘れたけど狼さんが出てくるはず。

 

 レイジングハート、周囲の警戒よろしくね。

 

 

【了解。後、先程の相手は飛ばされた場所から移動していません】

 

 

 うん。なら安心なの。

 

 

「それより優はどうしたの?彼なら出てきてもおかしくないのに」

 

 

 そう言えばフェイトちゃんに言ってなかったね…

 

 優君は…

 

 

【マスター!!】

 

「っ!!シュート!!」

 

 

 レイジングハートに言われ、とっさにディバインシューターで攻撃する。危ない危ない、もう少しでフェイトちゃんがやられるところだったの。

 避けられてしまったけど、攻撃は防ぐことは出来た。

 全く、シグナムさんに狼さん。騎士だったら不意打ちはいけないんじゃないの?

 

 

「あ、ありがとうなのは。」

 

「助かったよ」

 

「うん。優君の事は後で教えてあげるから今は目の前の相手に集中しよ」

 

 

 ヴィータちゃんと違って他の人達は砲撃で攻撃しても問題ない。

 レイジングハート、分割いける?

 

 

【頑張ります】

 

 

 オッケーじゃあ、頑張ろうか。

 

 

「フェイトちゃん。援護するからあのピンク髪の人の相手よろしく。アルフさんはあの男の人を」

 

「う、うん。わかったよ」

 

「任せときな!」

 

「ユーノ君、アルフさんの援護をお願いね」

 

「わかったよなのは。なんだか今日のなのはは頼もしいね」

 

 

 優君の隣に並び立たないといけないしね。だけど私一人だったら厳しい物がある。だけどみんなでなら…

 

 屋上に降りて集中する。

 まあ、これで準備は整った。今こそ修業の成果を見せるとき。

 フェイトちゃんとアルフさんが突っ込むのに合わせてディバインシューターを打ち出す。その間の片手間に周囲の魔力を収束する。

 

 これが私とレイジングハートで考えた戦い方。ディバインシューターで牽制しつつ魔力を収束させてスターライトブレイカーを撃つという方法。凄く大変だったけどなんとか形にはなったもの。

 牽制が長引けば長引くほど威力を増やせれるし、放つときの溜めも少なくて済む。

 

 シグナムさん達の攻撃で一番厄介なのはカートリッジを使ったもの。だから使わせる暇を与えないの!

 

 

「シュート!!!」

 

 

 フェイトちゃんの攻撃に合わせてディバインシュートで攻撃する。

 絶え間ない波状攻撃、流石のシグナムさんでもこれならカートリッジロードが出来ないはず。

 

 

【マスター、撃つための最低魔力の収束は完了です】

 

 

 目の前にピンク色の塊が出現する。まだ小さいの。もう少しの間頑張っててくれる?レイジングハート

 

 

【了解です】

 

 

 フェイトちゃんの背後から現れるようにディバインシュートを動かす。フェイトちゃんは気兼ね無くバルディッシュで攻撃してて。

 私は今の間に結界を壊すから。

 

 結界を壊せば管理局への通信遮断が解かれる筈…だからシグナムさん達も撤退する。

 

 これが終わったら優君をどうするか考えないと…よし、毎日私が傍で守っていよう。

 

 

【マスター、これなら結界の破壊は問題無いです。】

 

「オーケー、じゃあ行くよ、レイジングハート」

 

 

 レイジングハートを構えて魔力を送る。少しの間援護できないけど頑張ってね、フェイトちゃん。

 

 

「スターライト…」

 

 

 突然、激しい痛みが襲う。自分の胸に視線を向けるとそこには胸から出た腕が…

 忘れてたの…シャマルさんのこと…

 

 

「なのは!!」

 

 

 だい、じょうぶだから、フェイトちゃんも気をつけて…私は…私で何とかする!!

 

 シャマルさんの腕を掴む。少し魔力を込めた手。絶対に離さないの。

 レイジングハート、方向を教えて!!

 

 

【3時の方向。14度下方向】

 

 

 了解なの。だけど、それじゃあ結界を破れない…だったら

 

 

「なのは!!?」

 

 

 シャマルさんの腕を離す。一瞬消えたのを見計らって屋上から飛び降りる。

 もう一度走る激痛。だけど、問題ない!!

 

 もう一度腕を掴む。もう離さないの!!

 レイジングハートが言った方角を見る。そこには腕をなんとか抜こうとしているシャマルさんの姿が。

 

 

「みーつけたっ」

 

 

 レイジングハート、行くよ。全力全開

 

 

「スターライトォォォブレイカァァァァ!!!」

 

 

 シャマルさんを飲み込んで発射される。スターライトブレイカーはそのまま結界を打ち破って空へと消えていった。

 

 えへへ、少し無理しちゃったかな。

 

 

【マスター、しっかり!!】

 

 

 ごめんね。少し、休むね…

 

 

 




なのは様が接近戦を覚えてしまった。

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