東方最凶覚   作:tesorus

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最深部:東方地霊殿 -the legend girl-
十壱:綺想少女の再臨


博麗神社。此処こそ、俺の求めていた場所。ここで博麗の巫女を葬ってこそ、真に俺の計画は完成する。彼女を葬った後、幻想郷全てを地底に葬る。そして幻想郷は再び覚達の天下となるのだ。

 

「さて、博麗の巫女は居ない訳だが。まあいい。とりあえずここは…」

 

「ここに居るわよ。そんなに私を探してた?」

 

その声は鳥居の近くから聞こえた。見ると、黒と赤で彩られた巫女服を着た少女が居た。彼女が現在の博麗の巫女、博麗霊夢だろうか。まあ、そんなことはどうでも良い。とりあえず倒して、こいつが博麗の巫女ならばそれでよし。違うならば、また探すだけだ。

 

「会いたかったぜ、博麗霊夢。お前を倒せば、もう俺達に刃向かう奴は居ない。この幻想郷を地底に突き落としてやる。以前にお前達が俺達にそうしたようにな。」

 

「…意味が解らないんだけど。確かに、あなた達が地底に住んでいることは知ってるわ。けれど、そこまでの経緯なんて私は知らないわよ。何?私が紫と一緒に地底へ異変を解決しに行ったこと怒ってるの?」

 

彼女が何かを言っている間に、彼女の心を覗いてみた。彼女はやはり、正真正銘の博麗霊夢らしい。いや、そうでなければ困る。俺は博麗の巫女を滅ぼす為にこれだけの能力を奪ってきたのだから。

 

「ねえ、人の話…聞いてないわね。と言うか、もう頭の中は私を倒すことでいっぱいみたいね。馬鹿なの?私を殺った所で喜ぶ人なんて居るのかしら?」

 

《式弾「アルティメットブディスト」》

 

 

 

 

 

無数の弾幕をうち、博麗霊夢を撃ち落とそうとするが、流石は博麗の巫女。博麗の巫女としての能力を封じても体術を駆使して全ての弾幕をよけてくる。

 

「今の、藍さんのスペルカードね。あなたの能力は、他人の能力を奪う、もしくはコピーする能力かしら?恐らく前者ね。それで私の巫女としての機能を使用不能にしているのね。流石、さとりのお兄さんね!」

 

「どうした、怖いのか?そのさとりも、お前は倒したんだろ?」

 

攻め立てると、博麗霊夢はまた溜め息をついた。彼女は、この戦いが面倒くさくて仕方がないらしい。

 

命がかかっていると言うのに、随分と呑気だ。

 

《七番勝負「野生の離鳥」》

 

《鵺符「弾幕キメラ」》

 

《抑制「スーパーエゴ」》

 

《死鼓「ランドパーカス」》

 

いくらスペルカードを撃とうと、博麗霊夢に一つとして当たることはない。あらゆる妖怪のあらゆる力を使おうと、博麗霊夢は倒れるどころか、息切れすら起こさない。

 

「諦めな、今のあなたじゃ私に勝てはしないわ。正直、私もそろそろ飽きてきたわ。」

 

「お前だって、散々色々な妖怪を今まで殺してきたり、封印してきたはずだ。俺はその復讐をしに来た。違うか?」

 

「全然違うわ。まったく、酷い巫女も居たものね。いくら妖怪が悪いからって、他人の命を奪ったり、監禁したりして良いわけないじゃない。私は、ただ妖怪も人間も楽しく生活していればそれで良いのよ。」

 

…何だこれは。俺は、本当に博麗の巫女と話しているのだろうか。彼女の心の中には、妖怪を憎む心がまるで無い。こんな相手と、俺はどう戦えば良いのか。

 

こんな奴、俺の望んでいた敵ではない。

 

「…もう、やめない?私は人間だから、心は読めないけれど、今のあなたが無理に戦ってることくらいわかる。大丈夫。今の幻想郷は、あんたの思っているほど怖くないわ。」

 

「…信じて良いのか?お前を、お前達は覚を憎まない…」

 

「ええ。」

 

何か、大切なことを忘れていた気がする。もうここは、数百年前の幻想郷とは違う。明るい…

 

 

 

 

 

《無限「テリブルスーヴニール」》

 

不意打ちをつかれ、即座にスペルカードで対応をする。知っている、この気配はあいつだ。

 

「…不意打ちとは、随分卑怯になったもんだな。呆れたぜ、八雲紫!」

 

〈あら、不意打ちとは悪く言われたものね。私は霊夢に応戦しただけよ?〉

 

「紫、もう良いの。異変は終わったのよ。これ以上彼を傷つけるのなら、私と戦うことになるわよ?」

 

〈霊夢、いつも言っているでしょう?妖怪は全て敵、倒しなさいと…あら?隙間を開けないわ。〉

 

隙間を開けない、当然だ。俺は《零》の能力を使って紫の能力を封じた。やはり、幻想郷は俺を許していても、彼女だけは俺に牙を剥くらしい。

 

「無駄だ、今のお前はただの小娘。俺には勝てない…」

 

〈…っ!能力を封じる程度の能力…ダメよ!あなた、私を倒したらどうなるか…〉

 

「自らのトラウマに堕ちて…失せろ。八雲紫。想起…」

 

「待って!」

 

八雲紫に弾幕を撃つ寸前、止めに入ったのは、俺の妹、古明地さとり。そして、共に居る彼は鎖を操る人間…

 

「さとり、いつからそこに?」

 

「兄さんがテリブルスーヴニールを撃つ直前くらいから。嫌な予感がしたから想真と来てみたけれど、これは一体どういうこと?それに霊夢さん、どうして兄さんの仲間に?」

 

「ああ、それは…もう良いの。異変は私が解決したわ。」

 

 




さて、以上で最凶覚異変の話はお終いです。後日談(EX)は後に投稿しますけれど。

東方Projectの二次創作はどうだったでしょうか。私は、東方の二次創作は初めて書きました。まだ、前から東方の二次創作を書き続けている方々には到底及びませんが、それでも楽しんでいただければと思って書きました。また、東方の二次創作を書くときは、よろしくお願いします。

あと、色々情報をくれた友人の万宵にも感謝。

それでは、ちょっと幻想郷行って来ますね。

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