あたごコレクション   作:今瓜リタ

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皆さんお久しぶりです。
申し訳ありません、晩飯食べてたら投稿予定より28分ほど遅れてしまいました。
相変わらず酷い文章ですが生温かい眼で読んで頂ければ幸いです


18話、〜横須賀4日目〜 再現

 

〜横須賀鎮守府 宿舎〜

ー0600時ー

演習が終わってから、デブリーフィングをしたり晩ご飯を食べたししていたら日付が変わって朝になってしまった…

今日の演習は午後からだしさっさと風呂入って寝るか。

 

 

 

〜大浴場〜

ー0618時ー

浴場のドアを開けると中にみらいが居た。

 

「よっ、お前も風呂か」

「ふぇ…へ?あ、あたごさん!?」

 

急に顔を赤くしたかと思うと下を向いて黙り込んだ。

なんでそんなに顔を赤くしてるんだ?今まで何回も一緒に入ってるのに…

まぁいっか、取り敢えず身体洗おう。

 

 

 

ーー

身体を洗い湯船に浸かっているとさっきからみらいの様子がおかしい。

決意を固めたように握りこぶしを作ったかと思えば暫く固まり、また握りこぶしを作る。

それをずっと繰り返している。

 

「オイ…大丈夫か?」

「……私、決めました」

「何を?」

「あたごさん!ごめんなさいっ!」

「え、何が?」

「私…やっぱり、女の子同士はさすがに…ダメです!」

「だから何が」

「えっ…」

「え?」

 

謝られるようなこと何かあったっけ?

 

「もしかして…覚えてないんですか…?」

「えと…何を?」

「……」

「おーい?」

 

急にうつむいて震え出したぞ…

大丈夫か?

 

「ふふっ…いい度胸ですね…!!」

「だから何が!?」

 

そう言うとみらいはそのまま俺を一本背負いで湯船の外に投げ飛ばした。

 

「痛ぁ!?」

「あんな事して…覚えてないんですか…!?」

「だから何の話なんだ?!」

 

そう聞くと俺の腕をひねり上げながら眼を赤くして答えた。

 

「昨日!演習中に!突然キスしてきたじゃないですか!!」

「あ、アレか!」

「今頃思い出しても遅いです!」ベキッ

「痛っ!」

 

右腕の関節から嫌な音が聞こえた。

早く誤解を解かないと殺される…!

 

「あれは誤解だ!話を…」

「ご、5回目なんですか!?」

「そっちじゃない!」

 

このままじゃ死ぬ…!

 

「あれは、レズとか求愛とかじゃなくて!あの時みらいが叫ぼうとしてたから口を塞ごうとして!でも両手両足が塞がってたからその代わりに口を使っただけだ!」

「……え?」

 

若干みらいの力が弱まった

ふぅ…取り敢えず助かった…

 

「てことは…私の…勘違い…?」

「ま、まぁそうなるな。俺も、勘違いするような行動して悪かった」

「なっ…」

「?」

「ええぇぇぇぇえ!!??!」

 

みらいが顔を真っ赤にしながら叫びだした。

 

「み、みらい!?」

「ちょっ…ちょっとぉぉお!!どうするんですか!!私っ!そんな…恥ずかしいです!!ただの痛い勘違い野郎じゃないですかぁぁぁぁあああ!!!」

「ちょ、落ち着け!少なくともお前は女だから野郎ではないぞ!」

「どっちでもいいです!私っ…そんな勘違いで…あたごさんに告白されたのに忘れられたと思って…あんな事を…!!」

「何かごめん!」

「なんで謝るんですか!」

「何となく!」

「謝るのは私の方です!すいません!!!」

「いや、別にそこまで気にしてないから良いけどさ…」

「ホントに…?」

「うん」

「あたごさんっ…ありがとうございます!!」

 

みらいが眼を潤ませながら手を握ってきた。

この状況…風呂場で手を握り合ってるこの状況他の人に見られたら絶対レズだって勘違いされるよな…

 

「はいはい。じゃあ後は妖精さんからあの写真を回収しないとな」

「あっ…」

 

妖精さんに撮られていたことを思い出したのか、みらいの顔が一気に20年ほど老けた。

 

 

 

〜ブリーフィングルーム〜

ー1330時ー

「あ、あたごちゃんおはようっぽい〜」

「おはよう…」

「なんだか元気ないっぽい?」

「まぁ、寝る前に色々あってな…」

「色々…?」

 

みらいとの風呂での出来事は話し合った結果、お互い忘れようという事にして、妖精さんには何でも好きなものを1つ買ってやるという条件であの時撮った写真を全て処分してもらった。

 

「それじゃ、ブリーフィングを始めるぞ〜」

 

秋津提督とイーグルアイ提督が前に出てきてブリーフィングを始めた。

どうやら今回は現代艦だけで組んだ艦隊をAチーム、深海棲艦にみたてた他の通常の艦娘の艦隊をBチームとして至近距離に深海棲艦が浮上した事を想定して行うらしい。

ちなみに潜水艦の2人は2人だけで訓練するみたいだ。

 

「いくら現代艦のお前達が艦娘になったといえど、至近距離での砲雷撃戦の経験で言えば現代艦の艦娘はまだまだだ。これから先、太平洋海戦のような事が起きないとも限らない。従って、今回はあの海戦と同じ状況から始める。みんな、頑張ってくれ」

「「「了解!」」」

 

 

 

〜演習海域〜

俺たちAチームは先頭に俺、2番目にケストレル、3番目にアンドロメダ、そして最後尾がみらいの単縦陣を組んでいた。

その後ろ7kmの地点から敵艦隊となるBチームの長門、赤城、加賀さん、夕立、電、島風が着いてきていた。

 

《開始まで5秒!4、3、2、1、始め!》

 

提督の合図で演習が開始された。

まず俺がみらいの近くまで行き、常にケストレル、アンドロメダと敵艦の間にいるように移動。

それとほぼ同時に敵の砲弾と思われる目標を20発、敵航空機32機を捕捉し、パッシブソナーには32発の魚雷音を聴知した。

速度と向きと距離から計算するに恐らく全弾回避は難しいだろう。

 

「駆逐艦の皆さん装填してる全ての魚雷撃ってきたのかよ…」

「みたいですね」

 

この距離だと砲弾の迎撃はまず不可能。

発射してから数秒後には着弾してるから、その間にVLSを開いてミサイルを発射なんて出来ない。

せいぜい出来ても主砲やCIWSで数発当てる程度で効果は期待できない。

てことは回避運動しながらやられる前にやるしかないのか…

 

ズドンッ!

「きゃあっ!」

 

嫌な音と悲鳴が聞こえたので振り返ると、ケストレルに砲弾が命中し大破、艦載機の射出が不可能になった。

嘘!?はやっ!

発艦した戦闘機は…グリム1機か。

かなりヤバイかも。

 

「やられる前にやります!トマホーク菊池、攻撃始め!」

「90式艦対…ってオイみらい、今トマホーク菊池って言わなかったか?」

「え?気のせいじゃないですか?」

 

気のせい…なのか?

みらいは長門、赤城、加賀さんに3発全てのトマホークを数秒に1発の速度で発射し、俺もそれに続いて電、島風、夕立に向けて90式艦対艦誘導弾を1発ずつ発射。

ミサイルが命中するのが早いか、俺たちが砲弾に当たるのが早いかで決まるな。

そう思った時、突然アンドロメダからデータリンクを通じてメッセージが送られて来た。

 

〈攻撃の手を緩めないでください!少しでも遅れるとやられます!やられる前にやりましょう!〉

 

ちなみにこれは頭の中で文章を読むのと同じ速度で会話できる為、本来なら7秒かかる会話を4秒程度に短縮できる。

 

〈わかったわ!〉

〈了解!〉

 

返事と同時に着弾。

赤城、島風、夕立は轟沈判定。

加賀さんと長門が大破。

そして電は何故か無傷だった。

たぶん、長門が電を庇ったんだろう。

 

「このまま勝つぞ!」

 

そういいながら主砲で敵機を迎撃しながらミサイル2発を長門に発射する。

敵空母の距離が近く、数で押してくるため自分の直上の制空権すら失っていた。

 

「分かりました!くっ…CIWS、AAWオート!ハープーン発射!」

 

みらいの直上から4発の爆弾が落とされる。

畜生…!見えているのにどうにもできねぇ…!

 

ドドンッ

「これで直上から攻撃されるの何回目だろ私…」

 

みらいに爆弾が2発、アンドロメダに砲弾3発と爆弾2発命中、2人とも轟沈判定。

そしてみらいと俺が放ったミサイルが長門に弾着、轟沈判定が出た。

あとは魚雷と爆撃を回避しつつ電を倒せれば…!

上から降ってくる爆弾を回避、迎撃しつつを残った対艦ミサイル3発全て発射。

そしてこの回避行動の先には1本の魚雷が命中コースにあった。

仕方ないけどこれが最善策。全弾回避は無理だ。

 

ドンッ

 

判定は、中破、スクリュー破損、自力での航行不可、だった。

 

「最善策だけど1番嫌な状態じゃねえかよこれ!」

 

少しして電にもミサイルが着弾、轟沈判定が出た。

 

《やりましたね!…っと、こっちもそう長く持ちません!》

 

上を見上げるとグリムが5機の零戦に追われていた。

零戦がF-14を追い回すって可能なのか…?

 

《わあっ!危なっ…特攻!?え、ちょ、うわあああっ!》

 

援護しようとVLSを開いた瞬間、グリムの機体にオメガ隊の機体が集団で特攻、そして脱出していた。

残ったオメガ隊とメビウス隊は次の獲物である俺に向かって爆弾やら銃撃やら加えようとしていた。

 

「かなり分が悪いけどダメもとで足掻くか」

 

主砲とミサイルの発射速度が敵機の数と爆弾の数に追いついていない。

CIWSは完全に爆弾の迎撃に回るだろうし…やられるのも時間の問題だ。

やられる前にやれるか…?

 

「ええい、ままよ!発射管制半自動!」

 

イージスシステムが次から次へと目標をロックし、発射許可を求めて来たので、全て許可する。

 

「お、勝てるか…?」

 

そう呟いた矢先、2発の爆弾が迎撃をすり抜けて落ちて来た。

 

「え、嘘、マジで?」

 

1発目は何とか外れたものの2発目が命中。

判定は轟沈だった。

 

 

 

〜横須賀鎮守府〜

「悪い、今から全員で佐世保に帰ることになった」

 

帰還するなり秋津提督にこう言われた。

 

「あの、提督…全く意味が理解出来ないのだが…」

 

長門が驚くのも無理はない。

横須賀に来てまだ4日目、あと3日残ってるからだ。

 

「とても言い辛いんだが…さっきの演習見に来てたお偉いさん方にな、

[演習は今日で終わりにしてくれないか?いくらなんでもミサイル撃ち過ぎだ。このままじゃいくら資材を出すのが今回だけと言ってもこれ以上やられると俺達が干からびるわ]

って言われてな…」

 

あ、俺とみらいが原因か…

 

「提督…その、ごめん」

「すみませんっ!」

「別にそこまで気にしてないから謝らなくても良いぞ?ぶっちゃけ困るの上の連中だし」

「満面の笑顔でゲスい事を言わないでくれ…」

 

長門の珍しいツッコミが入った。

 

「ははっ、悪い悪い。さて、帰る前にイーグルアイの奴に挨拶して行くか」

 

提督について行きイーグルアイ提督の執務室に行った。

執務室の前でノックをするが、返事がない。

 

「あら、秋津提督?どうしたんですか?」

 

偶然通りかかったケストレルが聞いてきた。

 

「イーグルが何処かしらないか?」

「隊長?隊長なら外で埋まってるわよ?」

「埋ま…?」

 

慌てて外に出ると、イーグルアイ提督が下半身を地上に、上半身を地面にめり込ませた状態で気絶していた。

 

「これは…?」

「あー、見なかった事にして、帰るか」

「え、いいのか?」

「あいつの艦娘が動じてないところをみるとたぶん大丈夫だろう」

「良いのかそれで…」

 

その後、俺たちは結局イーグルアイ提督を引っ張りだして医務室に運び、夜にヘリに乗って帰路についた。

 

 

 

〜佐世保鎮守府〜

「オイ、なんだこれは?レーダーの故障か?」

「ジャミング…?」

「馬鹿言え、深海の奴らまだECMなんて持ってないだろ」

 

ドォン!!

 

「なんだ!?」

「鳳翔さん逃げろ!アイツは艦娘の相手じゃない!俺達の相手だ!」

「総員起床!戦闘配備!」

「はるさめ、大破!」

「どうしてレーダーに映らなかった!」

「海軍航空隊でも空軍でも陸軍の戦車でも良いから早く来てくれ!」




お久しぶりです。
読んでくださりありがとうございました。
ここからはペースを取り戻して更新して行きたいとおもいます。

やっと話が本格的に動き出します。
あ、横須賀から帰る事になるのは前から考えてたので決して「面倒になったから」じゃありませんよ?

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