すみません!早く更新するとか言っときながらこんなに時間が経ってしまいました!
〜みらい〜
「只今からみらいは私の管理下に入る!諸君は総員退艦のうえ陸上施設に入舎してもらう」
桐野一尉……!
どうしてそんな事をっ!
「帝国海軍ではこの艦は動かせん、貴様はよく知っているはずだ」
なんでっ…!
なんでこんな時に私は何も出来ないの!
どうして私はこんなっ…艦の操作も出来ない、幽霊みたいに誰にも触れられない、見えない、語りかける事も出来ない存在なんですか!?
艦の魂って事は理解していますが…これじゃ何も手助け出来ないじゃないですか!
〜〜
「ソナーの格納庫を経て機械室…」
どれぐらい日にちが経ったでしょうか…
艦尾の曳航ソナーの近くに角松さん達が忍び泳いで来ました。
そんな所から入るなんて少し恥ずかしいですよ…
何回も往復して必要な装備を整えるみたいです。
〜〜
どうしたんでしょうか…?
ここ最近角松さん達が来ません…
もうすぐ曳航されると言うのに…
〜〜
曳航直前に草加少佐が来ました。
何でしょう、木箱のようなものを持っていますね。
「……ここがCICか」
CICの中に入るとそう言って、木箱から幾つかの白い容器を床に置くと出て行きました…
同じ事を他の場所でもして、艦橋まで来ました。
「角松二佐、生きている貴方と一緒にここに立ちたかった」
そう言ってまた白い容器を床に…
今…なんて…?
生きている貴方に?どう言うこと?
暫くすると艦を降りて行きました。
そして降りた瞬間、1人の若い士官が草加少佐に話しかけていました。
「少佐…その箱は何なんです?」
「脱走途中、警備隊に発見され射殺されたみらいの乗組員だ。他の乗組員はこの事を知らされると同時に反乱を起こし、鎮圧…射殺された。これはその遺灰だ。せめて自分達の艦で眠らせてやろうとな」
「なるほど…ところで少佐、この艦はどうするんですか?」
「じきに分かる」
みんなが死んだ…?
そんな…
〜〜
つい最近、私は自分の艦をある程度操作出来ることに気がつきました。
更に驚くことに私の姿が具現化され、知らない間にミサイルを含めた全ての弾薬が補給され、各部の損傷が完璧に修理ていました。
この時代にいながら艦の状態だけタイムスリップでもしたのでしょうか?
〜〜
軽巡洋艦、阿賀野…
私を今曳航している艦ですね。
……私をどうするつもりなのかは知りませんが、これ以上好きにはさせません!
艦首にいる見張りにこっそり近づき、タックルで海に落とし、もう1人は主砲を向けると海に飛び込んで行きました。
「取り舵一杯、両舷最大戦速」
曳航しているロープを斧で叩き切り、阿賀野の真横を通って離れていきます。
阿賀野は主砲を撃ちますが、そんなもの当たりません。
でも万が一があると困るので発光信号で警告…しますが無視されました。
……仕方ありません、そんなに私の力がみたいなら見せてあげます。
「撃ち方始め」
スクリューと舵を狙い撃ちし、艦橋も破壊……したはずなのに煙が晴れると一切の損傷が見受けられません。
そんな馬鹿な…!
何度も砲弾を叩き込みますが、窓一つ割れずに主砲を発射しながらこちらに近付いてきます。
こうなったら…!
「ハープーン発射!」
距離が近過ぎますから少し迂回させてから阿賀野に突っ込ませます。
…が、これも損傷を与えられませんでした。
どうし…なっ、艦尾に弾着!?
乗組員が居ないからダメコンが…!
こんな所で沈む訳には…!
「トマホークミサイル、発射!」
全てのトマホークを可能な限り早く連続発射します。
着弾まで5秒、4、3、2、1、着弾。
阿賀野の損傷は…装甲が少し凹んだだけ!?
ありえない…たかが軽巡洋艦がトマホーク3発とハープーンを食らってその程度の損傷なんて…!
ドドンッ!
またっ…艦橋と艦首に命中!?
更に艦尾に2発、艦体中央に3発!
操舵が効かない…!
私…沈むの…?
こんな所で…独りで…?
未来に帰れずに…?
そんなの嫌…嫌!
誰か助けて…!
こんごうさん…いかづしさん…ありあけさん…あけぼのさん…!
角松さん、米倉さん、小栗さん、みんな…!
あたごさん…!
〜〜
「誰か!……!?」
ここは…何処?
二段ベッドの1段目…?
私の首に何か着いて…SPY-1?
私…ああ、夢…だったんですね…
そうですよね、あんな事ありえませんよね…良かった…
それにしても嫌な夢でした。
私が70年も前の軽巡洋艦にミサイルも効かず一方的にやられるなんて…
そういえばどうして今の人類は深海棲艦に対し艦娘で対抗しているんでしょうか?
現代の艦艇の方が有利なはずなのに…
その証拠に現代艦の私とあたごさんはかなりの戦果を挙げています。
なのに…どうして…?
阿賀野ってたかが軽巡洋艦だけどバストサイズはまぁまぁあるよね(ゲス顔)
ちなみにみらいの悪夢はジパングの23巻(たぶん23だよな…?22だっけ?12だっけ?)あたりを元にしました。