魔法少女まどか☆マギカ -女神の決断   作:てにー

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まどか、さやかと別れ、目覚めたあのマンションに戻ってきた翔一。
そこで待ち受けていたのは、天使であった…。


第7話「マミさんマジ天使」

…ケータイのマップを見つつも、帰ってきたあのマンション。

……エレベーターでさっきの階に着く。

 

この場合は、マミさんの家に行った方が良いのか?

 

戸惑いながらも、マミさんの家の前まで着いた。

…やばい、めちゃくちゃ緊張してきたー! 

 

第一、おんにゃのこの部屋or家に入った事なんて、一度もないし、

さらにあのマミさんの家と来た。これで緊張しない奴はほとんどいないだろう。

 

……・。インターホンに手を付けるが、押す事ができずにいる。

 

クソ!勇気を奮い立たせろ!こんな事でへこたれてどうする!

後は押すだけだ! 後は勇気で補うだけだ! 

 

う・・・・うぉぉぉぉ!マミさんうぉぉぉっぉ!

 

 

ピンポーン。

 

うぁあぁ!?押してしまったぁ!!! 

やっぱり押さなきゃ良かったぁ………!

 

 

「はーい」

 

…マミさんの声だ。足音が聞こえる。……早くこの緊張から解放されたい・・・!

 

 

「どちら様ですか~?」

 

翔一「と…戸原です!」

 

ガチャ

 

マミ「…もう、家で安静にしてなさいって言ってたでしょ?」

翔一「いや…その…ごめん」

マミ「まぁ大丈夫なら良いけど…。上がって」

翔一「は、はい!」

 

…緊張しすぎて頭がおかしくなりそうです……。

というかマミさんの目を見るだけでオーバーヒートしそうなんです

…。

 

マミ「…? 本当に今日はどうしたの?敬語使ったりして…」

翔一「いや、…一応…」

マミ「…一応?」

 

翔一「…な、何でもない。 じゃあ…お、お邪魔……します…」

 

マミ「待ちなさい。ちゃんと言って」

 

くっ…どう言えば良いんだ…。 大体女子との会話なんて、

中学以来、必要最低限ぐらいしかした事ない俺にとって、この状況は何とも言え難い。

 

マミ「……」

あぁ、そんな目で俺を見ないで……

 

マミ「…」

や、やめてください…それ以上俺を見ないでください…!

 

マミ「………………………ぷっ…」

…あれ?今笑った……?

 

マミ「ふふ、やっぱり翔一ね。私がこうすると何時も目を泳がせるんだもの」

 

…この世界の俺は限りなく俺に近いような存在の様だ。

……この世界の俺は、どういう風に育ったんだろう。

 

今の所、

 

本来の俺は高2であるはずなのに、なぜか今は中学生ぐらいの身長になってる事から、

生まれた時間に多少の時差がある事。俊太が生まれるのも遅い事。

……たぶんだけど。

 

まどかやさやかと知り合い。マミさんとはお隣の仲(?)である事。

見滝原に住んでて、見滝原中に通っている事。 

 

趣味や性格、傾向は、今さっきのマミさんの発言と、部屋にあった物、

PCの中身などから、限りなく俺に近いような存在。

 ……だけど俺であって俺じゃない。

これぐらいしか分からない。

 

…仮にまどマギ世界に俺が存在していたとしよう。

 

だけどこんな、マミさんのお隣なんて言う良いポジションな訳がない。

それに、もしこの世界に俺が存在『していた』らとすると、そいつは今何処に居る?

何をしているんだ?それに、俊太と親父、母さんの居所が分からない。

生きているのか、別居しているのか、はてまて旅行でもしているのか。

それすらも分からない。 

 

…………………………………………………………………。

 

…この世界に俺が存在『していた』…が、俺が意識を乗っ取った…って可能性は?

それなら何となく辻褄が合うんじゃないのか?

 

…クソ、考えれば考えるほど分からない……!

 

 

 

-----

---

 

 

翔一「いっつ!」

 

……やばい、考え込みながらにんじん切ってたら、指切っちゃったでござる……!

 

 

マミ「あ、翔一、大丈夫?」

…マミさんが心配そうにこちらに駆け寄ってきた。

 

……というか。

 

中にお邪魔させてもらってなんのその、すぐにカレーを作る事になったが、

マミさんはなぜか。なぜか料理を俺に任せて、テレビを楽しそうに見ている。

 

……マミさんは今は一人だし、お隣さんの俺と一緒に飯食うってシチュは良いけど……。

何でこんなに親しそうなんだ…? まぁ……凄くまんざらでもないから良いけどさ。

 

親父達はどこに居るんだろう、まぁ考えても仕方ないんけど。

 

問題は、マミさんの家に、俺とマミさんが写ってる写真が2枚ほど会ったという事だ。

 

丘の様な場所で、2人で仲良く取っている写真。 

小さいマミさんが魔法少女の姿で凄く嬉しそうに俺に抱きついている写真。

問題は、どれもこれも、俺とマミさん、2人しか写ってないという事だ。

 

………もしかしたら。もしかすると………。

 

俊太のランドセルを見た時、名札についている年が、

今年……というか、PCで見た時よりも2年前の年だったのだ。

 

……もしかしたら。この世界の俺の家族は、母さんだけじゃなく…

やめよう。こんな事を一人で考えても拉致があかない。

 

……マミさんに聞いてみるかな……。

 

 

マミ「……これで大丈夫。…調子が悪いなら、私が代わりに_」

 

翔一「大丈夫!ちゃんと作るから!」

 

マミ「…そう?ちゃんと気をつけてね」

 

翔一「分かった・・・マ・・・マミ?」 ←女の子の名前なんて初めて呼ぶ

 

マミ「ん?何かしら?」

 

翔一「……いや、やっぱり…なんでもない…や」

 

マミ「それなら良いけど・・・何かあるならちゃんと言ってね?」

 

翔一「……分かった」

………マミさんがリビングに戻っていくのを確認してからっと…。

 

イヤッホォォォゥ!!! 

マミさんに絆創膏貼ってもらったった!!!

その際にマミさんの手に触れましたぁあぁぁあ!!!

これを喜ばずに何時喜べというのか!!! 嬉しいです!…………感謝!

 

よし! こうなった以上、腕によりをかけて作らないと失礼だ!!!

そして俺が作ったカレーで喜ぶマミさんがみたい!

よぉぉし!

そうだ・・・今日はカレーにしよう。それも取っても美味しい奴…!

 

………………………

……………

 

全ては、愛のターメリックッ!

 

=(中略)=

 

美味しいカレーの! 出来あーーーがりっ!!

 

……………

………………………

 

米の磨ぎ加減、野菜、肉の切り方、カレーに至るまで、全力を出したつもりだ。

 

ちなみに例の歌を心の中で歌ったものの、歌っているだけで、実際入れた物は

チョコだけなのは内緒だ。 …見た限りそれぐらいしか売ってなかったんだ!!

いや、パプリカとかはちょっと…苦手だから…。買わなかった。

 

…さて…。

 

翔一「いただきます」

マミ「いただきます」

 

パクッ

 

…我ながら美味しいな。 さて、マミさんの反応は!

 

マミ「うん、甘い味付けにしたみたいだけど……これも美味しいわね・・・」

キターーーーーーーー! キマシタワァー!『美味しい』のコメント頂きました!

やべっ、笑顔可愛すぎる・・・!  さすがカレーの妖精…! 

すげーよ!あんたすげーよ!

 

翔一「そ、そう言ってくれると…(天井突き上げるぐらい)嬉しいよ」

マミ「何時もお世話になりぱなっしで、本当に申し訳ないわよ。・…ほら、私あまり……

   お料理は出来ないし」

……あれ?マミさんって料理がうまいと思ってたけど……?

いや、本人が自虐的になってるだけで、本当はうまいんだろう。

 

できれば今度、食べさせてもらいたい所だ。

 

マミ「それに、翔一が魔女退治のお手伝いをしてくれてるのも、本当に感謝してるし……

   他にも、一杯あるんだけど……。何一つ、お返しできなくて・・・」

 

……えっ?……今ちょっと…えっ?『魔女退治の手伝い』って言わなかった?

……いや、空耳ですよ、うん。そうに違いない。生身の人間が魔女に勝てるはずないもんな。

 

マミ「本当に、いつもいつも……ありがとう」

……俺にはマミさんに感謝される資格はない。

感謝されるべきなのは、この世界の俺なのだ。だが……ここは怪しまれるといけないので…

 

翔一「べ、別に……良い。マ…マミも…魔女退治で忙しいだろうし…」

マミ「そう言ってくれると本当に助かっちゃうわ」

…マミさんが照れくさそうにしながら俺お手製のカレーを食べる。

 

……可愛すぎる……! おんにゃの子ってこんなに可愛らしくて美しい生物なのか!?

やばすぎる…! これはちょっと…俺の思考も、もう耐え切れません……!

……もう、ゴールしても……いいよね? 

 

マミ「み、見られると・・・恥ずかしいわ・・・///」

その言葉に『はっ』となった。 食べるのをやめて、ひたすらマミさんの様子を

じーーーっと見ていた。 さすがにいけない事をしてしまったと思う。

思ってる事が顔にあまり出ない方でよかった・・・!

 

翔一「あ、ごめん……」

 

マミ「……///」

 

……恥ずかしいのか、下を向きながらカレーを食べ続けるマミさん。

 

いやー…実に可愛らしい……! 天使の領域だ……

絶対領域マミさん・オブ・ヘブン……! 

 

もう俺円環の理に導かれていいや・・・・。

 

・・・おっと。またじーっと見つめてしまった。食べないとな・・・。

 

 

---

 

 

翔一「ごちそうさまでした」

マミ「ご、ごちそう・・さま」

翔一「食器、片付けるから」

マミ「あ、いいの!わ、私がやるから!」

……? 

なんか様子がおかしいな。 さっきの一件で恥ずかしいのは分かるけど、

ここまで響く物なのか…?女の子とあまり話した事がないから、こういう事は分からん。

 

マミ「そ、それじゃあ……お皿洗ってくるわね?」

翔一「は、はい……」

…思わず承諾してしまった。

 

…さて、マミさんに何て聞こうか・・・。

俺の家族の事とか…。くそ、どう聞こうか……。

……まぁじっくりと聞くチャンスを伺うのものも良いかも知れないな。

 

まだ一日目? だし。最初はゆる~く行くのか一番だ! 

・・・俺のこういう後回しにする所が短所だって先生に言われてるけど、

別に今は先生なんて関係ない! I am in the freedam!!!

 

……あれ?なんか文法おかしくないか? まぁいいや、英語苦手だし。

 

さて、これが『夢』じゃなかったら、だけど。

今日から俺の新世界ライフの始まりだぁあああイヤッホイ!

 

 

 




というか、たった一日でどれだけ引っ張るんだって?
……暖かい目で見てくれると、それはとっても嬉しいなって。

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