倒れた彼を気にする、一人の少女がいた。
「あれ?翔一!! ……と、とりあえず…んしょ……」
突然気絶しちゃった翔一の手を引っ張って、ベッドの下からベッドの下から引き摺りだしてっと・・・。
ユッサユッサ
「翔一~……。ダメね、気絶してるわ」
彼。翔一とは、もう2年間の付き合い。……彼は私が住んでるマンションのお隣さんで、
2年前・・・彼のご家族は事故で他界。…私は、彼の姿を、自分と重ねていたのだと思う。
同じ学校でお隣さんだったし、何度か話した事も何度かあったから。
それで勇気を振り絞って声かけて。・・・色々な事があったけど、今となっては
頼れる弟みたいになってるのかしら。
生活面だけじゃなくて、私が魔法少女だって知った時に、彼は私を手伝ってくれるって
約束してくれたのは、本当に涙が出るぐらい嬉しかったな。
・・・キュゥべぇがなぜか魔法少女の素質があるって言ってるんだけど、
本人はやっぱり恥ずかしいみたいね。・・・・それ以外の理由があるみたいだけど・・・
それでも、私の事を手伝ってくれるのは嬉しかった。
佐倉さんの時も……そうだったし。佐倉さん、今どこで何をしてるのかしら・・・。
……って今更振り返っても仕方ないか。
ピタ。
マミ「う~ん、熱はないわね。そもそも何で倒れたのかしら・・・」
QB「さぁ?彼の健康状態は正常だよ?」ヒョイ
マミ「あらキュゥべぇ。人の家に勝手に上がり込んじゃダメじゃない」
QB「それはマミもじゃないか」
マミ「仕方ないじゃない。・・・お腹空いた・・・んだもの」
QB「やれやれ、マミの料理の進歩はあまりないからね」
マミ「な、何よ!これでも一応できるんだから!」
QB「それでも翔一に比べて全然劣っているじゃないか」
マミ「・・・そう言う事ばっかり言ってると、女の子に嫌われちゃうわよ?」
QB「それは嫌だな。僕達は何としてでも__」
マミ「はいはい。とりあえず・・・・んしょっと・・・」
・・・翔一を何とかベッドの上に乗せてあげる。
QB「翔一はどうするんだい?」
マミ「うーん・・・。分からないけど・・・先生に連絡した方が良いわよね」
QB「そうした方が良いだろうね」
マミ「で、でも・・・・・・」
QB「何を恐れているんだい、マミ」
マミ「い、いや・・・・・・その・・・///」
QB「図ね、先生達に何か誤解されると思っているんだろう?別に良いじゃないか。こうやって翔一が出席できない理由を伝えるのは初めてではないんだし」
マミ「で・・・でも・・・」
QB「何を恥ずかしがっているのか、僕には分からないよ。マミは実質、 翔一の保護者みたいな物じゃないか」
マミ「もぅ。キュゥべぇには一生分からないわよ、この気持ちは」
QB「キュっぷぃ」
マミ「と、とりあえず・・・お腹すいた・・・」ヘトヘト
QB「翔一を起こすか、どこかで買うしかないね」
マミ「良いわよ。リビングにたまご焼きが置いてあったから」
QB「そうかい。じゃあ僕も少し・・・」
マミ「たまご焼きはあげないからね?」
QB「訳が分からないよ・・・」
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マミ「ごちそうさまでした」
QB「結局たまご焼きは一口しか食べさせてもらえなかった。マミはケチだよ」
マミ「一口食べれただけでも良いじゃない。さっきの罰よ」
QB「別にどうとも思っていないけどね。さっさと電話しないと、学校に送れちゃうよ?」
マミ「そうね・・・・・」
翔一の家の電話を使わせてもらって、学校に連絡・・・・き、緊張するな・・・
プルルル。プルルル。プルルル。 ガチャ
『はい、見滝原中学校です』
マミ「あっ、早乙女先生ですか?」
『あら、巴さん、どうかした?』
マミ「あ、あの…戸原君が、ちょっと熱を出して…」
『戸原君が?』
マミ「は、はい…。熱は高くないみたいなんですが、体調が優れないみたいで…」
『・・・分かりました。巴さんはどうする?戸原君を看病してあげても・・・』
マミ「えっ、い…いや…本人が一人で大丈夫だって言ってくれてますので」
たぶん翔一なら、そう言うから。
『そう? それじゃ戸原君は欠席ね。巴さんもどうしてもって言うなら、欠席しても良いけど、ちゃんと学校に連絡してから看病してね?』
マミ「はい。…ありがとうございます」
『良いのよ。それじゃあね』
ブチッ。
マミ「はぁ…出てくれたのが早乙女先生で良かったわ…」
QB「出る先生が違っていたら、悪戦苦闘だね」
マミ「えぇ…。ってもうこんな時間じゃない!髪結ばないと!」
QB「やれやれ…」
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急いで髪を結んで、荷物の持ち忘れをしていないかチェックして…。
マミ「それじゃキュゥべぇ?翔一の事頼むわよ?」
QB「任せてよ。いってらっしゃい、マミ」
マミ「うん。いってきまーっす♪」
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=== 見滝原中学校 ===
~~昼休み~~
「ねー巴さーん。一緒にお昼食べない?」
マミ「え?…え、ええ。一緒に食べましょうか」
「おー。久しぶりに巴さんが承諾してくれたー。いつもは彼氏とイチャイチャしてるからなぁ」
マミ「えぇっ!? だから彼氏じゃないって__」
「隠したって無駄……・っていうか、もうバレちゃってるよ」
マミ「だから彼氏じゃ……って、これ何回言えば良いのかしら?」
「さぁ?ずっとじゃない?」
マミ「何よそれ」クスッ
「それじゃ弁当持って、屋上行こっか」
マミ「えぇ・・・あ」
「ん?どうかした?」
マミ「…お弁当…作るの忘れちゃった」
……いつもは翔一に作ってもらってるからなぁ……
癖で気にしなかったんだ……。
「それじゃ購買でパンでも買って、屋上行こうか」
マミ「ええ」
===購買前===
「おおー…んでるねー…」 \待ってよさやかちゃーん!/
マミ「込んでるわね…」 \わはは!このさやかちゃんに負けはないのだー!/
「うーん。巴さん、何食べたい?」 \お二人共はしゃぎ過ぎです事よー/
マミ「えっ?ええと…あんぱん…?」
「えっ、あんぱん?」
マミ「えぇ。何だか、あんぱんが食べたくて……」
「他には?」
マミ「うーん。クリームパンかしら」
「それじゃ、あんぱんにクリームパンね!後牛乳も買っとくから!」
マミ「えっ?」
「退いた退いたぁー!」ダッダッ
マミ「何だか悪い事しちゃったわね・・・」
~~放課後~~
「じゃあねー、巴さーん」
マミ「ええ。また明日」
・・・はぁ。何だか寂しいなぁ・・・。いつもは翔一が居てくれるから・・・。
歩きながら。そんな事を考える。
・・・大丈夫かしら?
__
_
===戸原家===
ガチャ。
QB「おかえりマミ」
マミ「ただいま。…翔一、まだ起きてないの?」
QB「うん。まだ見たい_」
翔一「うっ……うぅ……?」
QB「おっと、気が付いたみたいだよ」
はい、声の正体はマミさんでした。
正直今宣言しよう。この小説のメインヒロインは、
『巴マミ』であるとぉぉ!!!
だからと言って、ほむほむやまどっちが登場しない訳ではないので
ちなみに・・・。まだ作中ではほむらが転校するまで一週間の猶予が
あります。えっ?ご都合展開?・・・ある女神が慈悲で一週間前に飛ばしたんでしょう。
そういう事だ。それ以上は何も言うまい。