母さん…………。母さんが事故で居なくなってから、もう2年は経つんだね。
…はは、そりゃあ…大変だったさ。俊太は毎日寝る時は泣きっぱなし。
親父に至ってはいつも墓参りする時に、お墓の前で号泣してたな…。
……そんな状況だから俺は、やせ我慢してほとんど泣かなかったっけ………。
いや・・・本当は____。
・・・おっと、思わず泣きそうになった。
何やってんだ俺は。ここが夢であれ、現実? であれ、
母さんが事故で死んだ事には変わりがないじゃないか…。
くよくよしたって仕方ない。…まぁ、やるだけやってやる。
正直何でこんな家に居るのか、体が小さくなっているのか、
全く見当がつかないと言えば嘘になるからな。
……もしあの声が___なら、なんか納得できるしな。
………まぁ、ここがもし戸原家宅だとするなら、俺が寝ていたりした事とか、
色々少しは辻褄が合う。
……とりあえず、腹減ったな…。
…写真を元に戻して、リビングへと戻る。
…ソファーも冷蔵庫もテレビも、全部家で使ってる物だ。
パコン。
……冷蔵庫の中身を見てみると、少し食材が入っている。
……ベーコンにたまごを取り出して、キッチンに乗せて、まな板など包丁を探し出す。
…この包丁は使ってる物だな。まな板は違うけど。
まぁいいか。
__
_
テテーン。
たまご焼き(細かく切ったベーコン入り)の完成。
冷蔵庫の中にあったケチャップを取り出して、丁寧にかける。
・・・・もしここが他人の家なら、重罪だな。・・・まぁ何とかなるな、たぶん。
自分で言うのも何だけど、うまそうだ。
炊飯器から白米を茶碗に乗せて・・・食器から箸を・・・
おぉふ。箸も見事に使っていたものですねー。まぁ俺が使ってた奴使うけど。
たまご焼きが乗ってる皿や茶碗などを、
ソファーの手前にあるガラステーブルに置いて・・・っと。
・・・・お、リモコンだ。
ピッ。
<<皆さん、おはようございます。ニュースチャンネルです>>
ほうほう。夢?でもニュースはやってるのか。
まぁいいか。
「よし、いっただき \ピンポーン/ ん・・・・・?」
…今インターホンが鳴ったな。……お客さんとか…も、もしかして
この家の住人!?い、いや・・・・それならこの時間にインターホン押さないだろ・・・
鍵持ってるだろうし、家には俺しかいないし…。…まさか俊太や親父とか・・・!?
\ピンポーン/
うぉぉぉ……どうする!? 一応隠れそうな…!あっ!さっきの部屋だっ!
テレビを消して、ソファーから立ち、ゆっくりと部屋に戻る。
………あ!? やばっ……さっきの飯……!!!
うぉぉぉ…どうするんだ!もし父さん達じゃなきゃ、色々とマズい! \ピンポーン/
だが今玄関のドアを開けられたら確実に俺の姿が見えてしまう!!!
後一歩踏み出して扉をそっと閉めて、部屋のどこかに隠れれば・・・!\ピンポーン/
「あら?まだ起きてないのかしら・・・」
うぉぉぉ!?女の人の声だー!?
迷わずに部屋の中に駆け込み、扉を閉める余裕もなく、とりあえずベッドの下に隠れる。
「仕方ないわね・・・」カチ・・・・・・・ガチャ
うぉぉぉぉお!?家の中に入ってきたー!?ダメだ・・・もうおしまいだぁ!
きっとこの家の住人なんだぁ・・・!さっきの玉子焼きで見つかる可能性が飛躍的高まった!
そして俺は刑務所行きか・・・!? 何て不幸だ・・・
「翔一~?いないのー?」
・・・・あれ、今俺の名前呼んだ?
「んー・・・リビングかしら」スタスタスタ
・・・今明らか俺の名前呼んだよな・・・?だとしたら、俺はこの家の住人!!!
この家はやっぱり戸原家だ!!! ・・・だが柔肌を晒す訳には・・・! ←ヘタレ
\ガチャ。 ………スタスタスタ。/
……くっ、また戻ってきたー!!! マズい・・・俺の緊張がマズい……
緊張しすぎて俺の寿命が縮む……! 俺の寿命が危ない!!!
こうなれば……見つかるの覚悟で逃げ出すしかないじゃないか!!! ←何としても逃げたい
「あら……。どこかに出かけてるのかしら……」ピッピピ
\メザシタココロハ ハシリダシター♪/
うぉぉぉ!?俺の携帯着信音じゃないかー!? というか携帯なんてあったのかよ!?
この部屋見回した限りはなかっt……
ありましたー・・・。俺の後ろにー。ベッドの下にー。
そりゃ見えんわなー・・・。
…………って、俺オワタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!! 逝ったああああああ!!!
俺の人生オワタ・・・・ナンテコッタイ・・・!!!
「あら?ベッドの下・・・?」
うぉおおおおおおおおお!!!!
ダメだあああああああああああああああああああああ!
お願い誰か助けて・・・!!!ヘルプ!ヘルプミー!衛生ヘーイ!!!
俺の人生が危ないっ!!!
さようなら・・・縛られたリンクスッ!!!
マミさん!助けてマミさーん!ほむらちゃんでも良い!!!
「あら?何をしてるの?翔一」
………えっ?
「そんな所に居ちゃダメよ。あ、もしかして私を脅かすつもりだったかしら?」
………えっ?
「………?どうしたの、翔一」
おっ……え?ま……まさか……!?
「やっぱりどうかしたの?具合悪いとか・・・?」
「ま、まさしく・・・天使・・・・だっ」バタッ
「あ、あれ!?翔一!? どうしたの!? ね、ねぇ!?」
俺の意識はオーバーヒートにより、電源が落ちた。
ただ、そこに居たのは・・・・・・・・・・・・・
黄色い髪の天使だった。
えっ?ラストに出てきたのは誰かって?
・・・・・・・・・・・・・・・あぁ、マジ天使・・・