魔法少女まどか☆マギカ -女神の決断   作:てにー

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長らくおまたせ致しました。過去編の続きです。物語的にはあまり進行はないので、
断話という形にさせて頂きました。

















断話「決意」

 

 

 

 

「・・・よし、行くぞ! マミ!」

 

「えぇ!」

おさげが長い赤髪の少女の隣には、仲間が居た。

                  ―・・・嫌、もう彼女にとっては・・・―

 

「・・・よし!」

・・・風に髪を靡かせつつ、少女は化け物に向かっていく。

 

一斉射撃(ティロ・ボレー)!」

少女に化け物への接近への布石を与えるため、魔法で生み出した銃を数本を

空中に展開し一斉射撃を行う。

 

「おらぁぁぁぁっ!!!」

勢い良く一直線に高く飛び上がり、

十数mもある‘‘未知の化け物’’に向け、槍を下から突く体勢を取る・・・。

 

「ロッソ・ファンタズマ!!!」

彼女がそう声を上げると同時に、彼女の周りに4つもの分身・・・を呼び出し、そのまま

槍を化け物へ向ける体勢を取った。

元々彼女が自分で生み出した技だが、日頃に行っていた修行の成果、そして実戦もあり、

技の精度は大きく上昇していた。

 

「―――!!」

その姿を見た化け物は、自分の『(しもべ)』を槍を向け、分身と共に自身に向かってくる

少女に迎えさせ、迎撃をしようとするが。

 

「―!? ・・・グォオオオオオオオオオオオ!!!」

「・・・甘いわね、一人だけじゃないのよ?」

先ほど一斉に撃ち込まれていた魔弾の数々が、化け物に命中する。

 

「マミ!!!」

「えぇ!!」

名を呼ばれた彼女は、すぐに銃を使役しそれを構え撃つ。

一本、また一本と、素早い動作、そして無駄のない動きで・・・。

 

「―!?」

赤髪の少女の行動を阻止しようと、50を超える化け物の大群が向かっていたが、

それを次々に撃ち落されていく。

 

「―――!!」

自身の危険を本能で悟ったのか、咄嗟に逃げようとする化け物だが・・・。

 

「逃がさないわよ!!!」

そう彼女が言った直後・・・。

 

「!!!???」

化け物の身体が、次々に光の布によって縛り上げて行く。

 

「今よ!!! 佐倉さん!!!」

「あったりめぇだぁ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりゃぁぁぁっ!!!」

分身と共に、自身の槍を魔女に大きく刺し込んだ後、自身も分身も・・・。

そして、数十mあるはずの化け物を・・・。

 

「このまま・・・!!!」

下から化け物を突き上げている分身と少女。それぞれが足裏に魔力を集中させ、

それを・・・。

 

 

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」

一気に放出させる。

 

溜め込んだ魔力は噴射状となって、少女、化け物を空高く噴射の勢いで打ち上げる。

刃の部分が深く喰いこんだまま、自身と4つの分身がそれぞれ化け物の身体を化け物の頭上へと

伝う。手に持たれている槍は、その動きに合わせて化け物の身体を切り刻んでいく。

 

そして、分身、少女が頭上にたどりついた時・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで終わりだっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『 「・・・・・魔女に与える鉄槌(ハインリヒ・クラマー)!!!!!!」 』』』』

 

空高く打ち上がっていた化け物の後頭部へ、分身、そして少女が渾身の一撃を放つ。

 

後頭部にとてつもない衝撃を受けた化け物は、頭から地面に激突した。

 

それはまさに ‘‘魔女に 与える 鉄槌’’ だった。

 

 

 

 

_____

____

___

 

 

 

 

「・・・ふぅ、終わった終わった」

「お疲れ様、佐倉さん」ニコッ

「お前な、マミ」

 

「・・・ふふっ」

「・・・な、何だよ。何かおかしかったのかよ」

 

「・・・・・・・いや・・・ね? 会ったばっかりの時は、恥ずかしがりながら『マミさん・・・?』って

 私の事を慕ってた事を思い出して・・・。・・・懐かしいなぁ、ちょっと前の事なのに・・・」

 

「あ、あれはその!!/// あの時のマミはすんげーカッコ良かったしさ・・・」

「・・・だから、今の佐倉さんを見ると、随分成長したなぁ、って思ったの」

「っ・・・!?///」

「・・・まぁ、子供っぽいのはあまり成長してないかも?」クスッ

「なっ!?/// お、おい!! アタシを翔一と一緒にすんなっ!!」

「正直、翔一の方が大人っぽい知れないわね」

「なにっー!? アタシが翔一より子供っぽいって言うのかっ!?」

「だって・・・風船もらって喜んだり」

「あっ!?///」

「ホットケーキ好きだったり」

「そ、それはマミ達だって好きだろっ!? ケーキ大好きだろ!!」

「カレーライス好きだし」

「それは翔一もだーっ!!!」

「翔一はカレーライスよりハヤシライスの方が好きみたいよ?」

「何っ・・・!? (ハヤシライスの方が確かに大人っぽいっ・・・!?)」←子供思考

「少しでもイライラすると何か食べたがるし」

「あれはストレス解消だ!! 甘い物食べてるとイライラしなくなるだろっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・くまさんのパンツがお気に入り_」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――っああああああ!!!!! 言うなっー! 言うなっーっ!!!!!//////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いちご柄の_」

 

「あああああああっ!!!???/// マミ!!! あそこにケーキ屋さんがっ!!!」

 

「起きる時の『まだ眠い』は?」

 

「あぁぁっ! あそこにクレープ屋さんもあるぞっ!?」

 

「寝る時にくまさんのぬいぐる_」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・マミがイジめ``るっー!!!」ジワッ

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ・・・ごめんなさい!! ごめんなさい!!! ちょっと調子乗りすぎちゃって・・・!」アセアセ

 

 

 

 

 

____

___

__

 

 

 

 

「・・・・・・」プクー

 

「ご、ごめんなさい・・・」

 

「・・・・・・」プイッ

 

「えぇ・・・と・・・」

 

「マミなんて嫌いだ」シュン

 

「えっ!?」

 

「自分に嘘ついてるマミなんて大嫌いだ」プイッ

 

「えっと・・・その・・・・・・どういう・・・事・・・かしら・・・?」

 

「マミも本当は翔一に頭撫でてもらいたいって思ってる」

 

「!?」

 

「いっつもアタシが撫でられてる時に羨ましそうな目で見てる」

 

「そ、そんな事_」

 

「ある」

 

「な、ないわよ・・・!」

 

 

「・・・マミって嘘付く事はほとんどねぇけど、話逸らしたり嘘付く時、相手の少し

下の方を見て目を逸らすから分かりやすいんだ」

 

「そ、そうなの!?」

 

「マジ。今さっき目を逸らした」

 

「・・・・・・っ///」

 

「後私が寝た後こっそり日記書いてる」

 

「!? な、なんで_」

 

「『1月16日 1年ぶりに翔一と手を繋いだ。凄く恥ずか』_」

 

「ダ、ダメっ!!!///」

 

「『2月1日 今日の夕食は和食。翔一に醤油を取ってくれと頼まれ』_」

 

「!? わっー!!!///」

 

「『醤油を渡した時、思わず指と指が触れ合った。それにビックリして醤油を落としてしまった』」

 

「わっー!!! わっー!!!///」

 

「『佐倉さんと翔一が驚いていたけれど、私は頭がからまって食事中だと言うのに何も言わずに

  部屋に大慌てで戻った。恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい』」

 

「お願い!!! それ以上はやめて!!!///」

 

「『思った通り翔一が慌てて部屋の前に来て扉越しに心配された。大丈夫と答えたけど、

 翔一から見たら様子がおかしいと感じるに違いない。ああ、ダメだ、もう』・・・むっー!

 むっ、むっー!!!」

 

「佐倉さん、それ以上は絶対に言わせない・・・! それに何で書いた内容まで知ってるの!!///」

 

「むっむっー! むっむっむむ!むむむむ!」

 

「絶対に?」

 

「むっむ!」

 

「本当?」

 

「むっむむ!」

 

「本当に本当?」

 

「むー!・・・・・・・ぷはぁ・・・。おいマミ!いくら何でも手で口を塞ぐこたぁねぇーだろっ!?」

 

「し、仕方ないじゃない! これしか止める方法が思いつかなかったんだもの!」

 

「それに! さっきのお返しぐらいさせろよ!! こっちだって恥ずかったんだぞっ!?」

 

「それはごめんなさいって言っているじゃないっ!!」

 

「でも許せねぇもんは許せねぇんだよっ! どれだけ恥ずかしかったと_」

 

「それはこっちも一緒よっ!!」

 

「・・・っ~!」

 

「・・・・っ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・ぷっ」

 

「・・・・・・・ふふっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・アタシら、何てつまらない事で張り合ってるんだ(笑)」

 

「そうね・・・(笑)」

 

「・・・でも・・・さ・・・?」

 

「こういう・・・こういうつまらない事が・・・こういう事の繰り返しが・・・こうやって・・・。

 こんな事で笑えあえるのが・・・」

 

「・・・うん・・・」

 

「・・・・・・・・・とても、大事に思える。・・・昔は、全然そうは思えなかったのにな」

 

「・・・・・・えぇ」

 

「・・・これも、あいつのおかげ・・・だな」

 

「・・・」

 

「・・・・・だから、さ・・・今度は・・・‘‘3人’’で笑っていような」

 

「・・・えぇ・・・。もう一度」

 

 

 

彼女達が改めて決意したその日の、夜の出来事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――が、お互いの決意の最終地点が、少しだけずれ、そして交じり合わなくなっていくのは、

この時誰も知りようはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~Another side~~~

 

 

 

 

「・・・それで、彼はいつになれば目が覚めるんだい?」

そう言ったのは、自分と瓜二つの姿をした、‘‘自分’’。

 

「・・・分かりかねないね」

 

「・・・彼は重要な‘‘サンプル’’なんだ、失う事は許されない」

 

「そう言うのなら、僕たちが彼を保護すれば良い」

 

「・・・出来ない事は把握しているだろう。・・・・・それに、無駄だろう?」

・・・一体何がどう無駄なんだろうか。・・・分かってはいるが、そう問いたい。

 

「このままでは彼が死亡する可能性がある」

 

「だから彼に魔銃を渡したのを忘れたのかい? ・・・いや、忘れるわけがない。

 その提案をしたのは、君自身・・・だからね」

 

「最初は個体にエラーが発生したと思っていたけど、エラーは検出されない。君自身も特別だよ」

 

「・・・」

 

「確かに、僕たちは一人一人、個体差がある。基本的な事は変わらないけれど、口調や癖が

 変わってくる。・・・けれど、君は癖や口調だけじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・そうだろう?‘‘感情’’を持って生まれたインキュベーター」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・」

 

「・・・もう自分でも分かっているだろうけど、僕たちにとって、‘‘君自身’’もサンプルの 

 一つのしか過ぎない。僕たちが人間と同じく感情を持ってしまったらどうなるか・・・。

 悪い言い方をすれば、君は実験体なんだよ。・・・それに、君が今持っている感情は、発見した

 当時はそれほどまでに膨らんではいなかった。巴マミ、佐倉杏子、そして戸原翔一。

 この3人に関わった事により、それが大きくなっていった。・・・君みたく感情があったなら、

 僕はあの3人に感謝したい。何せ、貴重なデータを取る手伝いをしてくれたんだ」

 

「・・・案外、言われると怒りが込み上げてくるものだね」

 

「・・・やっぱり、そうなのかい? 君には感じる物でも、僕たちには感じられないからね」

 

「・・・・・・。君たちと僕とでは違う」

 

「そう、僕たちとは違うからこそ。行動も感情も、何もかもが予想できない・・・」

 

「・・・・・・」

 

「だからこそ、だよ。だからこそ君を手の元に置かず、同じインキュベーター達が

 行う任務をさせている。魔法少女との契約、エネルギーの回収、グリーフシード。

 感情を持つ君なら通常とは違う結果、工程が出るはずだからね」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・が、しかし。君はその任務を一回限り行っただけ。それ以上果たそうとする気配もない。

 感情が行動を邪魔させるのか、それとも僕たちには分からないものが邪魔をしているのか・・・」

 

「・・・・・・良いデータが得られただろう?」

 

「まぁね。でも僕たちは、より良いデータを欲しているんだ。この宇宙のために」

 

「・・・・・・狂っているよ、君たちは」

 

「・・・君に何と言われようと、僕たちは何も感じない。理解できるのは言葉の意味だけさ」

 

「・・・・・・・そうだったね」

 

「君を見滝原に送ったのは確かに偶然だ。あの巴マミも、君と契約した事により命を助けられた。

 ・・・好都合だったね。感情を持ったインキュベーターが僅かだけだった感情で行動を起こし、

 助けた彼女に関わる事によって自身も成長していった。そして、戸原翔一という貴重なケースも

 発見できた。巴マミも次第に強くなり、今では彼女クラスの魔法少女は20人もいない」

 

「・・・」ギリッ

 

「・・・最初の時は何ら僕たちと変わっていなかった。・・・けど、感情を持ち合わせていた事によって

 変わっていく君の姿は、興味深いものだったよ」

 

「・・・・・!」

 

「・・・そうさ。変わっていないつもりだったろうけど、君の膨れ上がった感情は自身をも

 量りきれない程に大きくなっていた。・・・その結果、まるで人間かの様に喜ぶ、悲しむ、

 という感情を当たり前に感じる様になっている様にね」

 

「・・・っ」

 

「・・・幾ら貴重なケースだったとは言え、戸原翔一に魔銃なんて物を与えようとした。

 感情を持った君だったからこそ、貴重なデータを得られるはず。そう思って作って上げたんだ。

 ・・・それも成功だったよ。・・・こうしてみれば、君は思いの外、宇宙のために貢献をしてくれて

 いる。感謝しておくよ」

 

「・・・君たちに感謝される筋合いはないよ」

 

「・・・君は何か勘違いしているようだね?・・・。君は『人間』じゃない。僕たちと同じ、

 『孵卵器(インキュベーター)』さ。それを忘れないでほしいね」

 

「・・・」

 

「・・・それに・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕たちは君を消そうと思えばいつでも消せるんだよ―――――?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」ブルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あまり歯を立てない方が身のためだよ。・・・じゃあね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・っ!! ・・・・僕は・・・。僕は・・・どうしたら良いんだ・・・!!!」

満月が良く輝く夜。その夜に。その空に。どんなに嘆いても答えは出ない。

 

「・・・・・もう、計画を進めるしか・・・ない・・・!!!」

・・・‘‘彼’’は、この時決心をした。

 

 

・・・例え自分が消えようと。殺されようと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・もう2度と、‘‘自分達’’のために犠牲が出ないようにすると。

 

 

 

 

 

 




・・・えっ? 断話の序盤は真面目な雰囲気だったのに中盤のgdgdは
どういう事だって?和やかムードって大切やん・・・?()

というより本当は終盤のAnother sideがメイン。
マミさんと杏子ちゃんの喋りはどっちかと言うと和やか目的。
翔一は現実でも過去でも寝たまんま状態です(ひでぇ)

序盤の戦闘の『魔女に与える鉄槌』はPSPのまどマギポータブルの杏子ちゃんの技。
打ち落し攻撃らしいので実際想像するのも結構堪えてくるし、あまりポータブルの
技そのまんまってのも面白みもないのでロッソ・ファンタズマを応用した改良型の派生技にアレンジ。「ハインリヒ・クラマー」という名称はグー○ル先生頼り。

・・・さて皆さん!もうすぐ2012年も明けますね!
作者は相変わらずマミさんグッズに囲まれて幸せです!

まどマギの2013カレンダーも購入したことだし、このまま世界滅亡とか何も起きずに無事に2013年を迎えられる事を祈っています。







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