魔法少女まどか☆マギカ -女神の決断   作:てにー

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はい、おまたせ致しました。後編です。
にじファン様の時の後編はまさに「これはひどい」状態だったので
改変するのに時間がかかりました。

ではどうぞ。


第29話「アタシ、佐倉杏子-後編-」

===病院===

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・」

・・・彼は、病室のベッドで横たわったままだ。

・・・このまま目覚めないのではないか。そう思えるほど、静かな病室だ。

 

 

「・・・・・・」

 

添えた花瓶に入っている花も病室に溶け込み、この病室は、

まるで時が流れていないとも錯覚させられる。

 

 

「・・・・・っ・・・!」

・・・ダメだ。泣いてしまいそうになる。

 

いけない。・・・少なくとも、今は弱さを見せる事は出来ない。

こうなってしまったのは、私のせいだ。

私が弱かったから。あの二人を守れなかったから。

 

・・・だから、後ろなんか向いてる事は出来ない。

それでも・・・。

 

「・・・・・・・私は・・・!!」

眠っている彼に縋るような形で、涙を流す。

自分の弱さが許せなかった。

助けられたとしても。2人を傷つけてしまったのは、私の弱さのせいだから。

 

「・・・・・・」

・・・そうだ。こんな時、彼だったら・・・落ち込んでも・・・

 

「相手に元気のない姿は絶対見せない・・・」

自分よりも、いつも他を気にする彼。どんな時だって、

『私たちの前』では、本当に弱ってる姿は見せなかった。

 

・・・彼は私の思っている以上に、強かった。

(正義)()(味方)のきっかけを作った背中は、とても大きくて。

いつも変な事ばかり言うけど、気がつけば、その彼に釣られて自分も笑っていて。

 

面倒くさがりで、すぐに逃げ腰になるし、変わってるけど・・・・・・。

いつも見せてくれる優しさが。いつも見せてくれる暖かさが。

 

・・・それが今。もう、見れないかも知れない。

 

・・・涙の勢いが、増していってしまう。

いけないのに。こんな時だからこそ、私が一番しっかりしていなければならないのに。

 

「ぐすっ・・・ひぐっ・・・!」

声を殺そうとしても。溢れる涙を堪えようとしても・・・。我慢できない。止まらない。

 

彼なら、きっと自分の気持ちを押し殺してまでも、

笑顔を見せてくれるはずだから。自分を責める涙ではなく、相手のために涙を流すのだろうから。

 

自分がどれだけ辛くとも。自分にどれだけの負い目を感じても。

 

彼が流すのは、自分を責める罪悪感から流す涙では、ないはずだから。

例え流すとしても・・・。今の私みたいに、泣き崩れるなんて事、ないはずだから。

そんな彼が目指している物に、私は成りたい。

 

目指す途中でどれだけ辛い事があっても。

 

一人だけじゃ耐え切れなくなったとしても。

 

 

 

 

    自分達の正義を、(Credens)信じて貫きたい。(justitiam)

    ――真実へ踏み出そう。 例え辛い運命が待っていようとも。――

 

        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―『マミが見滝原を守る正義の味方になって、魔女から皆を守ったら・・・

  きっと、マミに助けてもらった人は、また・・・幸せになると思うからさ!』―

 

・・・いつか、そう言った彼の言葉が蘇る。

 

 

・・・そうだ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

『なぁ・・・マミ』

『・・・?』

 

『どうして・・・誰かが傷つかなきゃならねーんだろうな・・・』

私と一緒に、魔女の口付けにかかった人を助けた彼女は、下を向きながらそう言った。

 

『・・・・・・』

『どうしてさ・・・誰かが悲しまなくちゃならな・・・って、こんな事・・・アタシが_』

『・・・・・・佐倉さんは・・・』

『・・・?』

『誰かが傷つくのは、イヤ?』

『そりゃ・・・。でも、世の中そんな甘ったれた事ばっか言えねぇ・・・現にアタシはマミ達と会う

 まで、そういう甘さを捨てて生きてたんだ・・・。分かりきってる事さ』

『・・・そうね。・・・・・・でも。そうやって誰かが傷ついたり、悲しむ事がないようにするのが・・・』

 

 

 

 

『私が目指すものだから』

 

 

 

 

『えっ・・・?』

 

『・・・色々解釈はあると思う。でもそういう事を止められるのは・・・。

 きっと、凄く、凄く・・・素敵な事だと思う・・・。私は、助けた人に感謝されたい訳じゃない。

 これは、佐倉さんにも言ってあるわよね。』

『・・・・・・』

 

 

『・・・感謝やお礼なんか、いらない・・・。・・・代わりに、またその人に、笑っていてほしいから』

 

 

『・・・笑ってて、ほしい・・・?』

『えぇ。・・・私がこんな事言うのも・・・柄じゃないかも知れないけど・・・。佐倉さんが言ってた通り、

 結構・・・。今の環境って、幸せだと思ってる。・・・翔一が居て、佐倉さんが居て。

 3人でゆっくりしたりして。私は、ただ純粋に幸せだと思っているけど・・・・・・。

 佐倉さんは・・・・・・・・嫌かしら?』

 

 

 

 

『そ、そんな事ないぞ!!・・・アタシは・・・・・・アタシ、だって・・・。』

 

 

『・・・もうこうなっちゃった物は、仕方ないのかも知れない。

 お互い、辛い事や悲しい事があった。

 それでも、大事なのはそこからだから・・・。そこで立ち止まってるか、前に進むか、だから・・・。

 ・・・認めたくはない・・・けど、どんなに泣いたって・・・頑張ったって、取り戻せないから・・・・・・・』

 

 

『っ・・・!』

 

『・・・だから。だから私は・・・・・・。』

 

『・・・・・・』

 

『それでも・・・・・・・一人じゃいつか、立ち止まってしまうから』

 

『・・・一人・・・?』

 

『・・・私一人じゃ・・・きっと・・・・・・ほら・・・。私は・・・弱いもの』

 

 

 

 

 

『・・・・・・バーカ、マミは一人なんかじゃ・・・ねぇだろ? あー・・・そのー・・・・・・。

 ア、アタシだって・・・居るんだし・・・そ、それに・・・翔一だって居るんだし・・・。あー・・・

 と、とにかく! マミは一人じゃねぇって!! アタシらが居るから!』

 

 

 

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・ふふ・・・ありがとう』

 

『なっ!? 今少し笑いやがったな!?///』

 

『ごめんなさい・・・。でも・・・やっぱり・・・・・・・・。』

 

『・・・・・・・・っ!?///』

 

『・・・・・・・・・・翔一の気持ちが分かるかも・・・ずっとこうしていたいもの』

 

『な、撫でるなよっ!! 恥ずかしい! やめろっ!!!///』

 

『あら、翔一にはやってもらいたかったんじゃないの?』

 

『そ、それとこれとは別だバカヤローっ!///』

 

『・・・・・・でも、ありがとう』

 

『・・・?』

 

『・・・私一人だったら・・・絶対、立ち止まってしまうから・・・傍に居てくれると・・・助かるわ・・・』

 

『おう、まかせとけって!!! マミは一人ぼっちなんかじゃねぇからよ!!』

 

『・・・・・・うん。・・・・・これからもよろしくね、佐倉さん』

 

『あったりめぇーだろ! これからもよろしくな、マミ!』ニコッ

 

 

 

 

_______

 

『・・・・・・・・・・・・さて。今日の夕食は豪華にしよう。・・・ケーキも買ってくるか』

『・・・・・・盗み聞きとは関心しないよ、翔一』

『お前が言うのか、キュゥべぇ』

『・・・一緒に立ち聞きした君が言うかい?』

『俺は良いんだよ、2人を呼ぼうとベランダに行こうとしたら話してたからな、仕方なかった』

『・・・そういう事にしておくよ』

_______

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・結局、その日は、佐倉さんも、翔一も、目を覚ます事は、なかった。

あったのは・・・ただ、沈み行く感情と涙。・・・だがそれでも、私は突き進むんだ。

 

・・・二人と一緒に。

 

 

 

 

 

 

~~杏子side~~

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

少しずつ冷静になっていくマミ。・・・だが、事情の説明をしていく程また泣き出す。

 

・・・それを励ましてやりながら・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「・・・んで・・・アタシはまる3日、寝てたわけか」

 

「・・・えぇ・・・」

 

「・・・翔一は・・・?」

 

「分からない・・・」

 

「・・・っ・・・ごめん!!!」

 

「何で謝るの・・・・」

 

「アタシのせいだっ!!! アタシが油断してなかったら_」

 

「私のせいよ・・・佐倉さんのせいなんかじゃないわ・・・」

 

「っ・・・・・・とにかくだ。今は言い争っても・・・翔一がアタシを庇ったのは事実だ・・・」

 

「・・・・・・・・・えぇ・・・」

 

「・・・今から・・・翔一の・・・その・・・・・・見舞い・・・行って・・・良いのか・・・?」

 

「・・・えぇ、構わないわ。翔一の事だから、もしかしたら今日の内に目覚めるかも知れないし」

 

「そりゃあり得るな!・・・・・・・。・・・あぁ。そうじゃねぇと・・・困る・・・」

 

 

 

 

____

__

_

 

 

===病院/病室===

 

 

 

「「・・・・・・・」」

・・・翔一の姿を見た。・・・が、まるでずっと起きないんじゃないかって不安にさせる。

 

「っ・・・!」

理不尽にも、涙が流れた。

自分のせいでこうなった事を考えると、凄い劣等感、イラつきが襲ってきた。

でもそんな事でどうこうしてる場合じゃない。そう分かっているはずなのに、

歯止めが利かない。

 

「・・・佐倉さん・・・」

「・・・・・・」

・・・今はただ、翔一が目を覚ますのを、待つ。

起きたら、言ってやるんだ。

 

『バカ野郎、何て無茶したんだ』って。それから、『凄く心配した』って。

 

・・・翔一の申し訳なさそうな顔が浮かんでくる。

いや、原因はアタシにあるというのに、まるで翔一の方が悪いと思わせるような、

すまなそうな顔をした翔一が容易に想像できた。それほど、他人のせいにしない奴だ。

 

・・・うじうじしたって仕方ねぇ、そのために出来る事なら何でもやるさ。

魔女を何匹相手にしようが、それで翔一が無事に目を覚ます、っていうのなら。

 

 

 

・・・結局、面会時間が終わるその時まで、翔一は目を覚まさなかった。

 

 

 

____

___

__

_

 

 

 

「なぁマミ・・・」

 

「ん・・・?」

 

「・・・翔一の好きな物って・・・なんだ?」

 

「・・・どうしたの? いきなりそんな事聞き出して・・・」

 

「・・・・・・いや・・・」

 

「・・・・・・・カレーライス、豚骨ラーメン、エクレア、ケーキ・・・。そして、ココア・・・かしら」

 

「・・・・・・・・・・・・・!!」

 

「・・・? どうしかした・・・?」

 

「・・・マミ!」

 

「はい・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今からケーキ作るぞ!!! 翔一が目を覚ましたら驚きすぎて、また気絶ぐらいの奴!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・えっ?」

 

「だーかーら!ケーキ作るんだよ!!! ケーキ!!!」

 

「・・・・・。・・・ごめんなさい、佐倉さん・・・。いきなりの事だから頭が追いつかないの・・・」

 

「翔一が目ぇ覚ましたら、驚かせてやるんだ!! バカな事した罰と、いっつも、

 世話になってる礼返しだ!! どーせすぐに作れないんだから今から練習だよ練習!」

 

「・・・今からって・・・もう夜よ・・・・・・?」

 

「バカヤローっ!もたもたしてたら翔一が目ぇ覚ますかも知れねぇだろ!!」

 

「後・・・何でケーキなのか、理由聞かせて・・・? 確かに翔一はケーキが好きだけど・・・」

 

「何でって、アタシら全員ケーキ好きじゃん? 翔一もケーキ好きだしさ。

 こういうのは、いつまでも形に残るもんより食いもんを作った方が良いはずだろ!!」

 

「・・・?」

 

「確かに、手作りのハンカチ~とか、高い金払って何か買ってあげるのも良いかもしれねぇよ」

 

「・・・えぇ」

 

「だけど、『物』ってのは、万が一でも・・・。無くしたら終わっちゃうだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―・・・そう。無くしたら・・・もう、終わりなんだ―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―・・・だから―

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・そうね」

 

「しかもあの翔一の事だから、変な所で無くすかも知れないじゃん?」

 

「・・・在りえるわね・・・。翔一の事だし・・・」

 

「だから、食っても無くならない、食いもんを作るんだ!」

 

「・・・? 食べても無くならない・・・?」

 

「そうだ。マミが言いたいのは、『食べたら無くなる』って事だろ?

 それは違うんだ。食べ物ってのは、いつまでも無くならないんだ。

 何つったて、食べる事で人は生きられる。だから、今まで食べてきたもんってのは、

 食べた奴の‘‘命’’になって、いつまでも無くならないんだ。無くなるとしたら、

 それは、その食べた奴が死んじまった時だ。だからそれまでは、いつまでも

 翔一の‘‘命’’になって、無くなる事はねぇ。だから『頂きます』と『ごちそうさま』は

 ちゃんとしなきゃいけねぇ。その食べ物は食った奴の命になるんだからな」

 

 

「・・・・・・・・・・・佐倉さんらしい考え方ね。良い考えだと思う」

 

「だからそんな訳で、ケーキを作る!!」ムッフーン

 

「・・・作り方は?」

 

「えっ・・・? あー・・・えぇー・・・と・・・買って・・・くる・・・? あっ、それじゃダメじゃねぇか!?」

 

「先の事ばっかりなのは相変わらずね・・・ふふ」

 

「し、仕方ねぇーだろ! 今考えついたんだ!///」

 

「・・・良いかもね。・・・よし、頑張りましょうか!! 翔一を驚かすような物を作りましょう!」

 

「おぉー! ついでに驚きすぎて翔一が泣くぐらい凄い奴作る!!」

 

「おぉ~!・・・って、その前に、作り方と材料の方は・・・」

 

「えぇーと・・・牛乳に・・・? にイチゴと・・・。あー・・・なんとかクリーム・・・?」

 

「・・・とにかく、今日は作り方と材料を確認して、作るのは明日にしましょう。

 私もまだ、冬休みは数日残ってるし・・・。」

 

「マミは知らないのか?」

 

「牛乳、たまごに・・・。後はスポンジを作るためにも色々買うものは一杯あるけど・・・」

 

「・・・そういえば、ケーキと言っても何のケーキ作るんだ?」

 

「うーん・・・チョコレート・・・は翔一もあまり好きじゃないみたいだし・・・」

 

「・・・ここはやっぱり、いつも食べてるショートケーキにした方が良いと思うぞ?」

 

「う~ん、確かにそれで良いと思うけど・・・。確か、チーズケーキが好きだって言ってたような」

 

「チーズケーキか~~。でもそれだと案外すぐに作れるんじゃねぇか?

 幾ら食うからって、アタシはやっぱり、気持ちが伝わるようなケーキを作りてぇな・・・」

 

「うーん・・・・・・・・確かにそうだけど・・・私たち、完璧に料理初心者だし・・・」

 

「・・・・・・・ごめん」ショボン

 

「良いのよ、大丈夫。・・・まずはちゃんと下準備とかを済ませてからやりましょう!」

 

「おーっ!!! 翔一の腰を抜かすケーキを作るぞー!」

そして、アタシ達のケーキ作りはスタートした。

 

 

 

 

「これはこうで・・・・・。マミ、これ何て書いてあるんだ?」

 

「それは『かきまぜ』ね」

 

「たまごをかき混ぜる!」

 

「良く言えました」ニコッ

 

「・・・って! アタシは子供じゃねぇー!?」

 

「それじゃあこれは・・・?」

 

「『ぎゅうにゅう』だろ!? さすがにそれぐらいは分かる_」

 

「じゃあこれ」

 

「・・・むー・・・・・・?」

 

「・・・・・ヒントは『あ』、よ」

 

「『レンジで‘‘暖める’’』・・・?」

 

「正解。・・・ふふ、家庭科の授業と国語の授業みたいね」

 

「っ!? だからアタシは子供じゃねーっ!///」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・うーん・・・やっぱりスポンジがダメに・・・」

 

「もう一回だっ! 頑張るぞ!!」

 

「・・・えぇ。 もう一回!」

 

 

 

「あっ、クリームが足りないわ・・・」

 

「何っ~!?」

 

「・・・冷蔵庫の中だよ」

 

「・・・えっ?・・・・あっ! 新しい奴だぞ、これ!」

 

「・・・キュゥべぇ・・・もしかして、買って来てくれたの?」

 

「何のことだかさっぱりだよ。大体僕が買ってくる訳ないだろう?」

 

「そんな嘘付かなくても良いのに・・・。・・・でも・・・ありがとう、キュゥべぇ」

 

「ありがとな、キュゥべぇ!」

 

「・・・・・・。それじゃあ、僕は行くよ」

 

 

 

 

「・・・ただいま」

 

「おぉキュゥべぇ! 帰ってきたか! 早速だけどスポンジ食べてみてくれ!」

 

「い、いや・・・遠慮するよ」

 

「良いから食え食え~!!」

 

「っ!?・・・ゲフッ!キュッぷ・・・! つ、詰めないでくれっ・・・!」

 

「あっ、キュゥべぇの口の中に入れた瞬間ポロポロ崩れちまった・・・」

 

「これじゃあスポンジとは言えないわね・・・作り直しましょう!」

 

「おぉ~!」

 

 

 

 

 

「・・・助けてくれ・・・実験台にされる・・・」

 

 

 

 

「・・・さて、今日の夕食は私が作るわ。期待してね!」フンスッ

 

「おぉー!」

 

「佐倉さん、手伝いをお願い」

 

「おぉー! やるぞー!」

 

「今日はカレーで決まりね。・・・・・・大丈夫、カレーなんて簡単よ・・・」

 

「カレ~!カレ~!」

 

 

___

__

_

 

 

「・・・やめてくれ、僕を実験台にするのは!! 僕にはまだやるべき事がっ__!!」

 

「さーさー!食った食ったー!」

 

「む、無理矢理押し付けないでくれ!! 毛が汚れ__ キュっぷ!?・・・・・。

 な・・・・・何とも・・・・」

 

「おぉっ!?」「やったっ!?」 

 

「・・・何とも_!? ・・・・・・甘い・・・甘すぎる・・・これは本当にカレーかと

 疑いを持ってしまう程に。カレーの見た目をしたスイーツではないかと思うほどに・・・

 本当に・・・・・・・・・・甘すぎる、糖分がエントロピーを凌駕しそうだよ。

 しかもカレーと言うかこれじゃスープだ。凄くトロトロしている・・・。」

 

「「えっ?」」

 

「何を入れたらこうなるのか、教えてもらいたいぐらいだ」

 

「・・・えぇーと・・・ハチミツ、だよな。甘いと言えば・・・」

 

「・・・どれぐらい入れたんだい?」

 

「5つ共全部に決まってるだろっ!」ニコッ

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。そ、それは・・・ハチミツの瓶・・・5つ・・・という事で良いのかな」

 

「あったりめぇだろっ!」ニコッ

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「後、コクを出すために牛乳を入れたわよね・・・?」

 

「トロトロしているのと若干白いのはそのためか・・・・ちゃんとレシピ道理にやろうよ・・・」

 

「やっぱりハチミツを全部入れたのはまずかったのかしら・・・私は正解だと思ったんだけど・・・」

 

「いや、きっとハチミツってのがダメなんだ。きっとチョコを一杯入れるんだ!!」

 

「う~ん、後は・・・。あっ、ひょっとしたら両方かも知れないわっ!!」

 

「おぉっ!? それ良いね!!」

 

「・・・翔一にこの現場を見せたら絶句しそうだ。・・・助けてくれ・・・僕は死にたくない・・・

 糖尿病になる・・・味見という理由で実験台にされる・・・。・・・助けてくれ・・・」

 

 

 

____

___

__

 

 

 

「・・・・zzz」

 

「・・・・もう一杯・・・・・・zzz 翔一~・・・おかわり~・・・」

 

―・・・やれやれ。ガス栓も閉めずに・・・・・・・・こんな時期に毛布もかけないで寝て・・・。

 風邪を引いたらケーキ作りも元も子もないだろう・・・・―

 

「おい・・・撫でんなよ・・・くすぐったい・・・zzz」

 

―寝返りが激しいな。・・・仕方ない。尻尾を・・・・・・・―

 

「むにゃ・・・・・・zzz」

 

―・・・・まったく。マミより一つ年下なだけなのに・・・。こんな甘えん坊だとはね。

 ・・・いや。甘えられなかった・・・というのが正解・・・か・・・。 だけど・・・。

 彼女は魔法少女だ・・・。魔法少女である限り、幸せな生活とは正反対の戦いを避けられない―

 

「・・・・・zzz」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・_一・・・」

 

―・・・・・・マミ?―

 

「・・・・・・・_一・・・」

 

―・・・マミ・・・。・・・そう、彼は助かるさ。・・・傷は完治させたんだ。後は彼次第のはずだ・・・

 ・・・それでも目を覚まさないならきっと・・・・―

 

 

 

 

 

「・・・・おやすみ」

 

 

 

 

 

 

それから3日後。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「「で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出来たぁあああああああ!!!」  「出来た・・・・やった・・・・!!!」

 

 

 

「やったー!やったぞーマミー!!」

 

「えぇ!やった・・・!やった・・・!! やったのよ、私たち・・・!」

 

「後は翔一が目を覚ますのを待つだけだな!!」

 

「えぇ!!」

 

「今日はカレーだカレー!」

 

「えぇ!張り切って作っちゃうわ!」フンスッ

 

 

 

「・・・やれやれ。何回僕が失敗作を食べさせられたのかも知らないで・・・いや、何回

 死にかけたのも知らないで・・・呑気な物だよ」

 

 

 

―・・・呑気だけど・・・。それが、一番良いのかも知れない―

 

 

 

 

 

 

 

「きょ、今日も来たぞー 昨日だけだと思うなよ~! 明日も明後日も来てやるからな!!」

 

「ほ~ら、今日は翔一が好きな梨だ~! ほ~ら早く起きないと食べるぞ~良いのか~?

 そんな寝たふり、バレバレだっつーうの! 良いから早く起きろ~!」

 

 

「・・・バレバレだから・・・・・・起きてくれよ・・・起きるの・・・待っててやるから・・・・・・・」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・おい、起きろってんだよ・・・!」

 

「佐倉さん・・・!?」

 

「アタシら諦めねぇぞ。何度だって作り返してやるさ。

 それで起きたら、驚かせて・・・それで、それでっ・・・・!!」

 

「頼むから・・・頼むから・・・・もう一回だけで良いから・・・!」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・神様お願いします。どうか・・・・どうか・・・翔一を救ってください・・・」

 

 

「ごめん・・・謝るから・・・・今までずっと翔一にやってきた事、謝るから・・・」

 

「もう一回・・・もう一回・・・・!」

 

 

 

 

 

「・・・マミ・・・」

 

「・・・」

 

「どうして、目ぇ覚まして、くれねぇんだろうな・・・」

 

「・・・・・」

 

「アタシら、必死に頑張ってるつもり、なんだけどなぁ・・・」

 

「・・・・・・」

 

「魔女退治も頑張って、ケーキ作りも頑張って・・・それでも、まだ足りてねぇのかな・・・」

 

 

「・・・・・・・ケーキ作りは・・・やめ_」

 

 

「バカヤロー・・・そんな事したら・・・『翔一がこれからもずっと目を覚まさないから』

 って言ってるようなもんじゃねーかよ・・・諦めてたまっかよ・・・」

 

「佐倉さん・・・うん、そうね。頑張りましょう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

「・・・よ・・・よぉ~!今日も来たぞ~! イエーイ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・マ、マミは・・・その・・・・・・・が、学校だってさ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「で、でも! 学校終わったら昨日みたくすぐに来てくれるって言ってたからな!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「あ・・・そ、そうそう!昨日帰った後さ、マミと帰ってる途中に・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・途中、に・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・っ・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「な、なぁ・・・? 何度も聞くけどよ・・・ほ、本当は・・・起きてんだろ?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「アタシら驚かすために、本当に眠りこんだ様な真似してる・・・だけ・・・なんだろ・・・?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「そ、そうだよな! そうに決まってる・・・!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「そんで、前みたいにアタシら驚かして、大笑いするつもりだろ?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・そうだよ・・・前みたいに・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「前、みたいに・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「前みたいに、アタシらの事笑わせてくれよ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「変な事言ったりさ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「からかったりして・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「からかったり・・・・・・・・・・・・・・・して・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一番最初の時は・・・さ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「お前の事、ただの変な奴だと・・・思ってたんだ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・思えば、照れ隠しだった・・・。というより、目の前で泣いちまったのが恥ずかしくて・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・『なんだこいつ。会って数日もしない奴に何でこんな優しいんだ?』って・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「『アタシの事をそうやって作り物の笑顔で接して、後で騙すつもりか』とも、思いもした」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・でも・・・すぐにそんなの気にしなくなった・・・。本当に優し・・・かったから」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・そんでさ。3日ぐらい経ったら・・・お前さ、プリンくれたよな・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・あの時は・・・一瞬。ほんの一瞬だけ、プリンに何か入ってるのかとか思っちまったけど・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「マミとお前見てたら、そんなの、全く気にしなくなってて・・・。何時の間にか、アタシまで

 笑っててさ・・・あん時は、本当ビックリした。久しぶりに・・・アタシが笑ったんだから」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「バームクーヘン買ってきたりしてきて・・・。それで3人で食べたりしたよな・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「勉強とか、他の事とか・・・。色々教えてくれたよな・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・クリスマスケーキ・・・美味しかったな・・・。・・・そういえばあの写真、

 マミがリビングに飾ったんだ・・・・・・やめてくれってんだよな・・・恥ずかしいんだから・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・クリスマス、3人で買い物したよな・・・。・・・・ほら、あの時の風船。

 こうやってポケットに入れっぱなしのまんまなんだ。・・・お守りになってるんだ、これ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・お正月は餅食べまくったよな・・・。それでテレビみながらゴロゴロしてて・・・

 マミとアタシがコタツで寝そうになって・・・・・・笑っちまうよ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・スケートも、初めてだったけど楽しかった・・・お前があんまり調子に乗るから

 悔しかったんだけど・・・それでも凄く、楽しかったんだ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「それで・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「それでっ・・・・・・!」ジワッ

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「それでな・・・?」ポロッ....

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ゆ・・・・夕飯はいつも3人で・・・! 3人で・・・! っ・・・! 笑いながら食べてさ・・・?」ボロッ...

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「あ、朝はお前が・・・! 起こしにきてくれて・・・・・・!!」ポロッ、ポロッ...

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ア、アタシは・・・・!!!」ポロッ...ポロッ....

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「そんな毎日が・・・!!!」ポロッ....

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「幸せだったんだ・・・! 本当に・・・幸せ、だった・・・!!! 楽しかった・・・!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「きっと、罰が当たったんだ・・・!!! 罰が、当たったんだよ・・・!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「アタシが居ると・・・回りの奴はどんどん不幸になる・・・なっちまうんだ・・・!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「アタシが‘‘幸せ’’を願ったせいでああなったんだ・・・・!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「アタシは・・・・・・・・・・・・アタシは・・・・・・・・・・・・・!!!」

 

―そんなのは・・・私だって同じだったのよ―

 

「・・・・・・・・・・っ・・・!?」

 

―『俺のせいで父さんも母さんも・・・弟も死んだ。だからマミとは仲良く出来ない。

 マミと仲良くなったら、きっとマミもひどい目に遭うかも知れない。だから、マミとは

 仲良く出来ない。気持ちは凄く嬉しい。だけど、マミとは仲良く出来ない』―

 

 

「・・・・・・そうだよ・・・!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・アタシだけが・・・不幸ぶってるんじゃねぇよ・・・!! そんなの、そんなの・・・!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「翔一も・・・マミも・・・・!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・でも・・・アタシは・・強くねぇ・・・!! ・・・翔一・・・教えてくれよ・・・。

 どうやったらあんなに優しくなれるんだよ!! どうやったらあんなに笑ってられるんだよ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「なぁ・・・・・・・・教えてくれ・・・・・・アタシは・・・・・・・・・どうすれば良い・・・・・!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・教えて、くれ・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・くそ・・・・・・!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「アタシは・・・・・・・・・どうすりゃ良いんだよ・・・翔一・・・!!!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「前見たく・・・・。前みたく・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「前みたく3人で居たい。ただそれだけじゃねぇかよ・・・!!!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「例えそれがずっと続かなくても良い・・・!!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「だから・・・・・・・・・それでも良いから・・・!!!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・っ!!!・・・・・・・く、くそっ・・・・!くそ、くそくそぉおおおお!!!!!!」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・。・・・おい・・・起きろよ・・・」

 

「・・・・・・きっと、きっと・・・目を覚ましてくれるはず・・・。私はそう信じてる・・・」

 

「だって・・・!だってぇ・・・!」

 

「・・・・」

 

「もう・・・一週間経ってるじゃんか・・・!!!!」

 

「・・・・っ」

 

「もう、ケーキも作り直しになるじゃんかか・・・ 翔一の分まで食べちまうぞ・・・起きろよ・・・・・・」

 

「・・・・っ」

 

「後で起きて、『食べたかった』なんて言わせねぇぞ・・・良いのかよ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「起きろよぉ・・・!」

 

 

 

 

 

「・・・・頂きます」

 

「頂きます・・・」

 

「・・・・・・・・・うまいな・・・」

 

「・・・美味しいわ・・・ね・・・」

 

「うまいけど・・・・全然・・・!全然、うまくねぇよ・・・くっ・・・!!」

 

「・・・」

 

「・・・全然、うまくなんか・・・ねぇじゃんか・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「どこで・・・作り方間違えたかな・・・・・・味見した時はあんなにうまかったのにな・・・

 これなら・・・翔一の奴も腰抜かせると思ったぐらいなのにな・・・」

 

「佐倉さん・・・」

 

「今は・・・全然、うまくなんて・・・ねぇや・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・佐倉さん」

 

「・・・なんだよ・・・」

 

「・・・きっと・・・・ここで私たちが諦めたら・・・」

 

「・・・?」

 

「ここで諦めたら、きっとまた・・・失うかも知れないから」

 

「っ!?」

 

「・・・私は、そんなのイヤよ・・・佐倉さんは・・・?」

 

「・・・・・・・そんなの、アタシだってイヤだよ!!!」

 

「・・・なら、私たちはどうすれば良いのか・・・分かっているんじゃない・・・?」

 

「・・・そうだ・・・!」

 

「・・・・・・」

 

「決めた。決めたぞ、マミ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう一度、作る。翔一が目を覚ますまで、絶対。何度も何度も、作ってやる。それでも

 もし目を覚まさないままなら・・・そん時は、一生かけてでも目を覚ます方法を探してやるさ、

 例えどんなに辛い思いになったとしても・・・それでもアタシは・・・きっと・・・助けてやるさ・・・」

 

 

・・・そう。今度は自分の番だから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぷっ・・・」

 

「っ!? お、おい! 何で今笑ったんだよ!こっちは真剣に_」

 

「・・・ごめんなさい。ただ・・・その・・・」

 

「な、なんだよ・・・」

 

「・・・その・・・///」

 

「・・・な、なんだよ・・・急に赤くなって・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だか、プロポーズみたいだったから・・・///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・へっ?」

 

 

 

 

 

「な、何でもないわ、今のは忘れて!///」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ・・・!?///」

 

「・・・///」

 

「・・・ば、ばば、バ、バカ!! そそそ、そういうつもりで言ったんじゃねぇっ!!!///」

 

「えぇ・・・分かってる・・・分かってるけど・・・///」

 

「マ、マミのバカっ!! そんな事言うなよ!! お、おかげで折角の覚悟が台無しだ!!!///」

 

「・・・ごめんなさい・・・でも・・・///」

 

「・・・・っ・・・///」

 

「・・・・・・・・・ふふ・・・」

 

「・・・・・・へへっ・・・」

 

「・・・・・・こうやって笑ってるのも、全部あいつのおかげかも知れねぇな・・・」

 

「・・・えぇ、違いないわ・・・」

 

「・・・だから・・・」

 

「・・・?」

 

「・・・だから、きっと助けてみせるさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 「あいつの事を」

 

 

 

 

 

 




はい後編でした。

途中の

 Credens     justitiam
自分達の正義を、信じて貫きたい。

↑というのは、マミさんのテーマの正式な曲名です。


――真実へ踏み出そう。 例え辛い運命が待っていようとも。――
↑はマミさんのテーマ「Credens justitiam」を和訳した際の冒頭歌詞。

「なんだこれ?」と思われたらいけないので説明する事にしました。




にじファン様からの読者様は分かると思いますが、大分改変入れてます。
それと、ぶっちゃけ言うと後編で終わらすつもりだったのにさらに伸びちゃったZEの巻き。

にじファン様での後編では、この後の事とか書かれてたりしてたんですが、
そちらの方もあまりにもひどい有様なので、とりあえず切りの良い所で終わる事に。

オリジナル展開が後数話続きそうです\(^o^)/
一応、にじファン様での投稿はこの後編、まででした。

・・・つまり、ここからはハーメルン様で書かせて頂くオリジナル展開なんだよ!
ΩΩΩ<な、なんだってーっ!?

ハーメルン様から読んで頂けている読者様はもちろん、
こんな駄文をにじファン様の時から見守ってくれていた読者様の方々には
頭下げても足りないレベルです。

しかももうすぐでお気に入り登録200件になりそうですし、
こんな駄文に最高評価入れてくれている人に対してもお詫びが出来ない始末・・・。

さらに更新スピードも遅れてきているのに読んでくれる方にもお詫びが出来ない・・・。

・・・お詫びをするなら、さっさと書けって事ですよね、皆さん。
そこは暖かい目で見てくれると嬉しいのですが、折角の読者様の応援を無駄にする訳にはいきません。 なので1週間に1回のペースで更新できるにしたいと思います。

皆、ありがとう!!!


・・・・・と、忘れている方も居ると思いますが、
数話前の「誇りの果てには」のあとがきで伏線回収だの言ってましたが、
それの説明はまた後日。ということでお願いします。

本当はここで説明しても良いんだけどちゃんと過去編終わらせてからで・・・。

後、この小説は、劇場版まどマギ3作目が放映されるまでに終わらせるつもりです。

そして、この小説を読み終わった後、皆様が

「あぁ、そういやあの二次小説良かったな」
と時々思い出せる程度ぐらいには心に残る作品にしたいと思っております。

えっ?駄文だから無理? ・・・それでも、応援してくれる人の声援を無碍に
する訳にはいかないんです。

何回も詫びているのですが・・・。 これからも読んでくれるという方は
心から感謝します。

皆様のまどマギライフに平穏があらんことを・・・。

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