魔法少女まどか☆マギカ -女神の決断   作:てにー

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第26話「誇りの果てには ―後編―」

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 翔一「・・・」ギリッ

 

使い魔「「!!」」

 

 翔一「・・・退いてくれ」

 

使い魔「「・・・」」

 

 翔一「退けと・・・言っているだろ!!」

 

使い魔「「・・・」」

 

 翔一「・・・騎士道って奴か? 俺には・・・関係ねぇ!!」 

魔銃を撃ち込む。

 

使い魔「「 」」

 

 

 翔一「今は・・・・・・あの使い魔の想いに答えてやる事・・・それだけだ・・・」

 

『・・・ありがとう』

 

 翔一「っ!!」

・・・あんな笑顔で言われちゃ・・・やるしか・・・ないじゃないか・・・。

 

 

___

__

 

 

===魔女の結界(3階)/階段前===

 

 

 

 

・・・

 

 

 

使い魔Ⅱ「「「 ・・・ 」」」

 

・・・苦戦しそうになった、あの重装備の騎士が、3体現れた。

なるほど、本気で仕留めてくるつもりか。

 

 

 

 翔一「・・・」

魔銃(ブレード)を展開。

 

 翔一「来いよ・・・! 相手してやる・・・っ!」

 

使い魔Ⅱ「「「――!」」」ダッ! 

・・・使い魔が向かってくるのを・・・。

 

 

使い魔Ⅱα「!!」

その場で踏み込み、目の前に迫る。

 

そして剣を振り上げ・・・。

 

使い魔Ⅱα「」

胴体を斜めに切り裂き。

 

使い魔Ⅱβ「―!?」

向かってくる使い魔へ目を傾け、更に一歩踏み込む。

 

使い魔Ⅱβ「!」

剣を振り下げてくるが、それを避け・・・。

 

使い魔Ⅱβ「」

剣を横に振り払い、切り裂く。

 

使い魔Ⅱγ「―!!!」ガシャ

咄嗟の出来事に怯み、盾を構える使い魔だが・・・。

振り払った勢いを殺さず、そのまま剣を自分の頭の上にかかげ・・・。

 

使い魔Ⅱγ「」

勢いを殺さず振り下ろし、使い魔を盾ごと切り裂いた。

 

・・・・・・今、俺は無性に腹が立っていた。

募る怒りの矛先は___インキュベーター。

そうだ。今まで倒してきた魔女達だって・・・

 

元々、一人の『人間』だった。

 

・・・我慢してきた感情が、今こうやって、静かに爆発している。

 

まるで燃え盛る炎のように。しかし、音を立てず、ただひっそりと。

 

『迷いや怒りは剣先を鈍らせる』という言葉を聞くが、今はそんな気配はない。

今あるのは、ある『少女』を救う事。それのみ。

 

 

・・・・・例え自分が無力だと分かっていても。

 

 

============

 

 

 

___

__

_

 

 

 

===魔女の結界(最深部)===

 

使い魔Ⅱa「・・・」

使い魔Ⅱb「・・・」

使い魔Ⅱc「・・・」

使い魔Ⅱd「・・・」

使い魔Ⅱe「・・・」

使い魔Ⅱf「・・・」

 

・・・階段を上がりきった所で、使い魔達が待ち受けていた。

 

奥に分かれ道はない。あるのは広い一本道だけで、ずっと奥に続いている。

これが最後の戦力だと思いたいところだ。

 

 

 

 翔一「・・・!」

魔銃(アサルトライフル)を構え_

 

 

撃ちながら突撃。

使い魔全体に垂れ流すように放ちながら、使い魔一匹に接近。

 

 

使い魔Ⅱc「!!」

盾でタックルしてくるがそれを右に避け、

魔銃(ブレード)を展開、横から使い魔の腹になぎ払い・・・。

 

使い魔Ⅱc「」

真っ二つに切り裂いた所を魔銃(ショットガン)を展開、使い魔一匹に向けて射撃する。

 

使い魔Ⅱf「」

隙だらけだった使い魔に全弾が直撃。

 

使い魔Ⅱa「―!」

直後、俺の後ろを取った使い魔が剣を振りかざしてくるが、

 

 翔一「っ!」カンッ!

足元に転がっている、

最初に切り裂いた使い魔(使い魔Ⅱc)の盾を咄嗟に奪い取り、斬撃を防ぎ_

展開していた魔銃(ショットガン)を、使い魔の装甲に突きつけ、零距離射撃。

 

使い魔Ⅱa「」

使い魔Ⅱb「――!」

大きく踏み込み、俺を覆いかぶさるようにして剣を振り下げてくるが・・・

 

 翔一「・・・くっ」

使い魔b「」

その隙をついて、至近距離で魔銃(ショットガン)を放つ。

 

使い魔Ⅱe「――!」

使い魔Ⅱd「――!」

俺を二手から、挟み撃ちにするように向かってくる2匹の使い魔だが・・・。

 

 翔一「ふんっ!!」

持っていた使い魔の盾を右から来る使い魔に力強く投げた直後に、

左から来る使い魔に、魔銃(ショットガン)を放つ。

 

使い魔Ⅱe「」

使い魔Ⅱd「―!」

 

どうやら投げた盾を剣で吹き飛ばしたらしい使い魔が、俺の一歩手前まで迫る。

・・・が。

 

 翔一「それが仇だってなぁー!!」

もう剣を振り下げている体制で、盾を構えていない使い魔に、

至近距離から魔銃(ショットガン)を浴びせる。

 

 

使い魔Ⅱd「」

 

 

 翔一「・・・ふぅ・・・やった、か・・・」

 

使い魔Ⅱa「」

使い魔Ⅱb「」

使い魔Ⅱc「」

使い魔Ⅱd「」

使い魔Ⅱe「」

使い魔Ⅱf「」

 

・・・床に転がっている、使い魔の亡骸を見て、そう安緒する。

 

 

 

================

 

 

___

__

_

 

 

 

 

 

 

===魔女の結界(最深部)/魔女の間 前===

 

 

「・・・ここか」

目の前に大きな扉。そして、扉の隙間からは禍々しい空気が流れている。

 

・・・この奥に、・・・・。

この奥に、彼女が居る。

 

奥に・・・。・・・絶望の淵に追い立たされた少女が。

 

 

『――だからね?・・・お願い。あの子を救ってやってくれやしないかな――』

 

 

 

 

             『『―オニイチャン....アリ...ガト..―』』

・・・『―ありがとう―』

                 『―お菓子・・・ありがと―』

 

                          

「・・・何、思い出してるんだかなぁ・・・」

 

思い出すのは『彼女達』の一声。

今にも、心に響いている。

 

・・・感謝の一声のはずなのに、思い出すと、自然と涙がこぼれそうになる。

だからこそ許せないのだ。インキュベーターが。

 

確かに彼女達は自ら望み、希望を・・・奇跡を望んだのかも知れない。

『当たり前だったはずの幸せ』を捨ててまで、奇跡を願ったのかも知れない。

 

・・・俺にも分かる。その気持ちが。

『あの時』の俺なら・・・指図ね、『死んだ母さんを生き返らせてくれ』と祈るのだろうから。

 

・・・マミさんが言っていた。

『 翔一が前から悩んでるのはもちろん知っているし・・・ 』

 

 

・・・と。

 

・・・この世界の俺が、具体的にどう悩んでいたかなんて知らない。

が、簡単に考えついてしまうのだ。

 

 

家族を事故で亡くしてしまっているならば。

 

俺なら・・・

 

 

『死んだ家族を蘇らせてくれ』

 

 

そう願うはずだから。

 

 

・・・でも、それが今まで・・・願わずにいた理由は・・・。

 

たぶん、俺はバカだから、マミさんの身を案じていたんだろう。

家族をもし蘇らせたなら、マミさんは今度こそ一人ぼっちになってしまう。

 

でも、もう一度家族の笑顔を見てみたい。

・・・・・・それをずっと決められずに居たんだろう。

 

奇跡は一度きり。

 

・・・それを決められずに、ずっとそうしてきたのだろうか。

 

 

 

 

「・・・偽善者、だなぁ・・・」

結局は決められずに放置しっぱなしで状況が進んでいったんだろう。

 

俺の事だ、容易に想像できる。

 

 

 

「・・・それでも・・・今はちょっと・・・感謝・・・かな」

・・・奇跡を願える事に、感謝した。

 

 

 

・・・こんなバカな俺でもこんなに悩んでしまうのだ。

 

・・・彼女は・・・彼女達は、一体どれほどまでに悩み、苦痛に耐え、

そして絶望してしまったのだろうか。

 

 

・・・だからこそ許せない。

 

人の命や想いを、『エネルギー』として扱う奴らが。

だが、その奴らから、この力を授かったのは、皮肉なんだろう。

 

・・・なら、見返してやれば良い。

 

たった一人の人間を『珍しい』という判断を下したがあまり・・・。

今まで扱ってきた『彼女達』全員よりも珍しいと判断を下したあまり。

 

それ故に・・・な。

 

――立ち止まる事は許されない。

 

あの日、___に、ここに飛ばされたのは、偶然かも知れない。

だが・・・。偶然で・・・『偶然』で救える物があるなら・・・。

それは、凄く嬉しい事だから。こんな俺でも・・・。

 

 

「誰かを__・・・って、臭い台詞はよしておくか・・・」

・・・___と同じようなもんだな、こういう願いは・・・。

全く。高2になってまで何て事を言い出すんだろうか。

 

「対外だな・・・・俺も・・・」

あの頃とあまり、変わっちゃいないって事か・・・。

全く・・・中2病の次は高2病ってか? 笑えない冗談だ。

 

 

 

 

・・・ドアノブに手をかけ・・・

 

魔女の間へと続く扉を、開き、中へ進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

===魔女の結界/魔女の間===

 

 

 

・・・中はてっきり、豪勢な作りかと思われた。

 

だが中は違う。中は凄く、荒れ果てている。

 

まるで、『彼女』の心を写しているかの様に。

・・・王の席だと思われる、朽ちた椅子の前には・・・

 

黒い鎧の騎士が、座らずに、ただ膝をついて、何かを祈るような姿で居た。

 

今までの使い魔は錆びれていた。だが『彼女』は違っていた。

まるで絶望をその鎧に纏っているような、黒い装飾を纏う鎧。

そして、深く、佇んでいる。

 

 

 

魔女「・・・」

まるで屍のような硬直。いや、どちらかと言うと模型だろうか。

俺が一歩前に進むと同時に・・・

 

 

魔女「・・・」

まるでこの時をずっと待ちわびていたかの様に、立ち上がった。

 

翔一「・・・・・・」

魔女「・・・・・・」

 

沈黙が流れる。

 

そして_

 

彼女が右手を開くと・・・。黒い霧が、右手を包む。

その霧は段々と姿を変えていき・・・

 

最初の倉庫で見た、あの美しい剣が現れた。

あの剣は彼女の誇りであり、全てでもあった。

 

そして・・・鞘から剣を抜き、彼女は構えた。

 

「・・・生憎、俺は騎士じゃないからな。・・・死ぬ気で行かせてもらう」

 

確かにだだっ広い空間。だがこんな所で爆発なんて起こしたら、

煙が充満してしまう。・・・自分にとって、それはデメリットが多い。

煙の中で目が利くほどの視力はない。・・・生憎、ここに風が流れる事はない。

煙を吸ってしまえば、せきを起こす可能性だってある。その一瞬に突かれたらおしまいだ。

 

 

 

・・・俺は 魔銃(ビームガン)を構えた。

 

初めて扱う形態。現代では生産不可の代物。

だが、それ故に信頼できるという事もある。

 

一度でも当てれば相手に致命傷までとは行かなくともダメージを与えられるはずだ。

 

魔力消費なんてこの際気にしている場合ではない。

 

ビームライフルやカノンならともかく、小柄なビームガンならばそれなりに

連射能力もあるだろう。ビームマシンガンはすぐに魔力切れになって

魔石のリロードをするはめになる可能性が高いのだ。

 

ハンドガンやアサルトライフルに頼るのも手かも知れない。・・・が、

幾ら魔石の残量や消費を気にしないと言っても、魔石が切れたら、

後は接近戦をするしかない。俺にはそんな技量はないし、相手はこの結界の魔女で、

さらに剣に誇りをかけてきた相手だ。そんな彼女に接近戦を仕掛け、どちらが有利かは、

普通の人ならばすぐに分かるであろう。

 

・・・バズーカやグレネードランチャーは使うと逆に不利だ。

 

「―――」

 

「・・・・・・」

自分の周りを、緊迫した空気が包む。

今からするのは、化け物退治ではない。殺し合いだ。

 

命の危機が伴うのは今更でもあるが、緊張や恐れが同時に自分を包む。

 

・・・それでも、引けない。

 

約束をしたんだ。そして、今俺がここで逃げ出したりしたならば、それは・・・

今、互いに睨みあっている彼女にも、・・・そしてあの使い魔だけじゃなく、

 

今まで俺に対して感謝した『彼女達』をも侮辱する事だ。それは到底出来ない。

本当の事を言えば、俺にこんな命をかけて戦う理由なんて、ないはずなのかも知れない。

 

ある日突然穴に落ちたと思ったら、何時の間にか、別世界にいて。

それで成り行きで戦うはめになったのかも知れない。

 

――確かに俺が戦う事になったのは、偶然や成り行きかも知れない。

 

―――だが・・・『戦う』と決めたのは、他の誰でもない。俺自身。

――――神に出来ない事なら、自分がやると心に刻み込んだ。

 

だから・・・ここで逃げる訳にも行かない。

ここで逃げたら、今までの自分を否定したと同じような物だから。

 

「・・・なぁ。お前がどういう人生を送ってきたかは知らない・・・」

 

「・・・」

 

「だから・・・せめて、名前を教えてくれよ・・・喋れるなら、だけど」

 

「・・・」

・・・喋れないのか。それとも、妥協しているのか。

どちらにしても、俺は知りたかった。目の前の『彼女』の名を。

 

 

「・・・・・・・・・・・・_______」

 

「・・・綺麗な・・・名前・・・だな。俺は・・・翔一。・・・戸原翔一」

 

「・・・」

 

「・・・・・・そうだな。・・・そう・・・だよな」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・ごめんな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は・・・お前を・・・倒すっ!!!」

そう言うと同時に魔銃を構えるが・・・!

 

 

「――」

「なっ!?」

・・・少なくとも10mは距離を空けていたというのに、一瞬で一歩手前まで移動してきた。

 

咄嗟に魔銃(ビームガン)を、魔銃(シールド)へと展開するが・・・。

 

「――!」

「っ!?」

魔銃(シールド)が剣によってはじかれた。何て力だ・・・!がっ・・・しかしっ!!

 

「くっ!」

右手に隠しもっていた、倉庫で見つけて隠しておいたナイフを、首筋へ振り下ろすが・・・、

 

 

「・・・」

今度はこちらのナイフを、左腕の盾で防いだ・・・!?

更に剣が腹に向かってくる・・・!

それを体を右に動かして咄嗟に回避すると同時に、魔銃(シールド)を、魔銃(ナックル)

へと展開し終えたその一瞬に、左手を相手の頭部へと突き出す。

 

それを彼女は首を動かし回避・・・するつもりだったのだろうがっ・・・!

魔銃(ナックル)魔銃(ナイフ)へ展開・・・!

 

「―!!」

ナックルなら避けられただろうが、ナイフは違う。避けた首のほうに刃が展開され、

頭部が、ナイフによって切り___

 

「――ぐっ!!??」

俺の腹に刺そうとし、それを避けられ、空いていた右手を腹に叩きつけられた。

それを見計らい、相手は距離を取る。

 

「・・・はぁ、はぁ・・・くっ・・・!!」

左腰周辺に凄い苦痛が走る。・・・相手は剣だけじゃなく、接近戦そのものが得意のようだ。

 

・・・これはまずい・・・。

今にも右手で腹を押さえたいほどだが、それは出来ない。

幸い、相手と接近しすぎたがために、剣の刃は振り下ろされず、

右腕で攻撃された。 逆に離れていたら、剣で今にも真っ二つになっていただろう。

 

「・・・っ!」

魔銃は自分の想像するものに変形する。それは、性質を写して形を得るだけではない。

その性質を利用し・・・

 

「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

魔銃に治癒能力を念じれば、治癒能力が魔銃に与えられる。

それを利用して、腹に走っている苦痛を一瞬で完治させた。

 

だがこの治癒能力もやはり魔力を使う。

確かに回復する事は出来るが、連発は出来ない・・・。

 

恐らく、魔石の残りは魔銃にはめている魔石とあわせて5つと半分程・・・。

・・・早くけりをつけないと負ける・・・!

 

再び魔銃(ビームガン)を展開。

近接戦闘は圧倒的にこちらが不利。有利な訳がない。

魔銃(ビームガン)にしても、直撃できる相手ではない。

 

ならっ・・・!

 

「――!?」

「あばよー、とっつぁーん!!!」

逃げる。・・・逃げる。

とにかく距離を離す必要がある。

だがあの速さでは、すぐに追い抜かれる事は目に見えている。

それに目の前の敵から逃げられる訳ないのは、分かっている。

 

それに、逃げるつもりなんてさらさらない。

 

「――!」

・・・殺気っ!!

・・・咄嗟に振り向き・・・!

 

「そこだっ!!!」

「―!?」

 

\カチッ...ピィィィン...バーン!!/

 

「・・・外れたっ!?」

・・・あの速度だからこそだ。あの速度なら、一直線にスピードが出て、

咄嗟に回避する動作を行うのは、不可能だろう。そこを見計らって直撃させる。

 

・・・という作戦だったのだが・・・

 

・・・思いもせず、魔銃(ビームガン)が一秒ほどのタイムラグを開けてから

発射されたため、僅かばかりに回避され、直撃させる事が出来なかった。

こんな事ならショットガンにしとくべきだった・・・が、

ショットガンが全発当たっても、致命傷と呼べるほどのダメージは与えられなかっただろう。

 

・・・自分の選択を悔やんだが、直撃でなくとも・・・

 

「――・・・――」

・・・盾で守ったのか、盾の装飾は全部熱で溶かされ、

盾というより、厚い板と呼んだ方が正しいような形状になっている・・・が、

それでも防ぎきれなかったらしく、右足や右腕の鎧の一部が熱で溶けていたり、

熱で溶かされて出来た穴から、中の空洞が剥き出しになっているのが分かる。

 

・・・少なくともダメージは与えられたようだ。

 

「―――」

・・・なんか言いたそうなそうだが・・・騙まし討ちしたのが悪いか・・・?

だが言うなれば、騙まし討ちするぐらいしか手はなかったのも事実だ。

 

「――!」

「速いっ!?」

 

真正面に向かってくるのを、魔銃(ビームガン)のトリガーを引くが・・・

 

「くっ!」

ビームが発射されたが、ラグのせいもあり、それを右にスライド移動されて避けられる。

 

魔銃(ビームガン)魔銃(アサルトライフル)に展開、

そのまま近づけまいと弾幕を張るが、盾で防ぎつつ接近してくるっ・・・!

 

後3mもないという所で。

 

「―!?」

「サーベルッ!!!」

魔銃(ビームサーベル)を展開。

素早く振り下ろすが、それをバックステップされ、距離を開けられるが、

その隙を見放ずに魔銃(ショットガン)を展開、そのまま放つが、盾でうまい具合に防がれる。

 

「・・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

・・・また距離が開く状況になった。

 

ビームサーベルの騙し打ちはもう効かない。・・・が、これで相手も

迂闊に接近する事は出来ないだろう。ショットガンの全弾を防ぎ、

もうボロボロになっている盾じゃ、ビームサーベルの斬撃を防ぐ事はできないはずだ。

 

だがビームサーベルを展開する時間は3秒以内。

それ以上展開し続ければ、幾ら何でも、魔石の残量に響く・・・。

 

こちらに攻め手はあるが、失敗したら不利になる。

 

・・・相手に他の攻め手があるのかも知れない。

それが分からない以上、現状はこちらが不利。

 

確かにダメージは与えているが、こちらは幾ら治癒できても、

まともな一撃を食らえばお陀仏だ。

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・」ガシャン!

彼女は、盾をその場に捨てる。

 

「・・・」

相手はボロボロになった盾を捨て、剣だけで挑む体制を取ってきた。

 

「――」

「っ!!」

盾がないならば、防ぐ事は不可能・・・!

 

「うぉおおおおおお!!!」

魔銃(アサルトライフル)を展開し、乱射する。

 

 

―――だが。

 

 

 

\カンカンカキンキンカンカンカンカキンキンカン!!!/

 

「嘘・・・だろ・・・!?」

目視では視認できないほどの速さで剣を捌き、

魔銃(アサルトライフル)の弾を、全て剣で弾いた彼女。

 

・・・思わず目を疑ったが、その光景は事実を現していた。

相手は常識の通用しない。・・・と、分かっていても、目の前の光景を信じられずに

疑ってしまう。・・・それほど、理不尽な事実であった。

 

「・・・・・」

相手から迫ってはこない。

恐らく、ビームサーベルを警戒してきての行動だろう。

 

・・・盾を捨てた分、機動力が上がっているのは間違いない。

ビームガンが直撃するとは思えない。かと言って、自分の動きを鈍らせるような、

重火器等を展開するのは、死を意味する。

 

「――」

・・・剣を大きく振りかぶる態勢を見せる彼女。・・・そして・・・。

 

「!? 防御壁(ディフェンサー)!!」

嫌な予感がして、すぐに防御壁を展開。そしてすぐさま、防御壁に衝撃が訪れる。

 

「剣から真空刃とかどこのゲームだよっ・・・! チートだろ・・!!」

・・・そう。彼女は剣を振りかざしただけで、高速の真空刃を放ってきた。

咄嗟に防がなければ、今頃俺の体は真っ二つだろう。

 

「――」

「っ!?」

防御壁は地面に隣接している。なので盾みたいに動かせる訳でもない。

真正面からの攻撃を防ぐのみで、後ろや横はがら空き。

そのがら空きの横から、俺を狙い、高速で接近してくる・・・!

 

彼女は移動しながら剣を振りかざし、そこから真空刃を放つ。

それを再度防御壁を展開し直す事で防ぐが、その隙を突かれる。

大きくジャンプされる事によって防御壁を乗り越えられ、俺の真後ろに。

 

脚力強化(ブースト)・・・!」

咄嗟に防御壁をに通常形態に戻し、脚力強化を図る。彼女は剣を突き出してきたが、

それを脚力強化で何とか回避しつつ・・・。

 

「今っ!!」

魔銃(ビームサーベル)を展開、咄嗟に振りかざす・・・。

 

「――」「何っ!?」

ビームサーベルが左腕を切り裂く。・・・が。それは罠で、左腕を犠牲にする事によって

確実にこちらに一撃を入れに来た。

 

「やらせるかっ!!」

魔銃(ビームサーベル)魔銃(シールド)へ展開して防ぐ・・・が、それが甘かった。

 

「――!」

「っ!?」

彼女の腕力は相当な物だ。到底防ぎきれるものではなく、防ごうとしたシールドは

簡単に弾かれ・・・。・・・次の一撃を確実な物に変えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

その次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ぐぁぁぁ!!??」

・・・彼女の剣が、俺の上半身を切り裂く。

 

・・・痛いとも言えない。俺の上半身、激痛が走る。服は刃の前に無力。

 

彼女の剣が。彼女の誇りが、俺の身体を切り裂いた。

 

・・・だが。

 

 

だが、それは俺にもチャンスがあるって事だ・・・!

 

「・・・うぉおおお!!」

身体を駆け巡る激痛に耐え、魔銃(ビームサーベル)展開し直し斜めに振り払う・・・が、

後ろにバックステップされる事で、軽々と避けられてしまった。・・・失敗だ。

 

「っ!?・・・・はぁ・・・はぁ・・・!」

今すぐ治癒を__・・・・しようとしたその先。剣を振りかざされ、真空刃が襲い掛かってくる。

防御壁を展開するにしてもさっきの二の舞、負傷して隙が出来ている相手ならば

あの凄まじい速度で接近し、防御壁の対処をする事など容易いだろう。

・・・咄嗟に(シールド)を展開するが・・・。

 

「ぐっ・・・!?」

盾じゃ真空刃を防ぎきれず、足や足先を、防ぎきれなかった真空刃が細かく切り刻む。

 

・・・・・・着ていた衣服は殆ど意味をなさず。真空刃や斬撃によって切り刻まれ、

足や上半身から、血が溢れてくる。治癒を施そうにも、彼女にそんな隙はない。

 

彼女から接近戦を仕掛けてくる以上、間合いを離す事は叶わない。

 

「――!」

「・・・くっ!」

真正面から直進してくる・・・!

 

「・・・当たってくれ・・・!」

魔銃(ネットガン)を展開、そのままトリガーを引いてネットを射出・・・!

 

「――」

射出されたネットを、軽々しく剣で切り刻もうとするが・・・。

 

「――!?」

・・・それが甘かった。・・・展開したネットは接着剤も足元に及ばないの接着力。

剣で数センチほどネットを切り刻まれたりはしたが、その前にネットの接着力により

剣の勢いが殺されていき、最終的には剣にネットが絡まってしまう。

 

「・・・はぁ、はぁ・・・!」

ネットを撃ちだしてすぐに魔銃形態に戻した俺は、自分の身体に治癒を施す。

例えネットを避けられたりそのまま切り刻まれて直進され続けたとしても、

ネットは囮だった。射出した次の瞬間に展開しなおして治癒を施すための囮だ。

今の内に、右腕の腕輪から魔石を取り出し___!?

 

彼女は剣に絡まったネットを、真空刃を繰り出す事で切り裂く。

しかも放たれたその真空刃は、消滅せず俺の方へ向かってくる。

 

「くそっ、反射(リフレクト)!!」

手を突き出し、真空刃が放なたれた瞬間に反射。・・・そのまま相手に反射し返した。

本当は魔力消費は高くつくので、展開するだけなら魔力消費がない防御壁や盾を展開していた。

・・・相手は盾がなく、時間的には、真空刃が放たれてからまだ数秒もしていない。

彼女の今の体制は、真空刃を放ったがために剣を横に大きく振りかぶっている状態だ。

そんな体制では、防ぐ事も出来な___

 

「―――!」

「っ!?」

・・・咄嗟に、反射されたのを大きく足を踏み込んでジャンプされる事で回避された。

しかもこちらに向けて急降下してくる・・・!?

 

「くっ、落ちろ・・・!」

魔銃(マシンガン)を展開。剣を突き出しながら斜めに急降下してくる彼女を、移動しながら

狙い打つ。・・・が、理不尽な事に彼女に当たるはずなのに、突き出している剣の手前で

弾が弾かれている。・・・真空刃を剣先に集中させた、応用か・・・!

 

「・・・うぉぉぉぉ!!!」

魔銃(マシンガン)では落せないと割り切り、魔銃(パイルバンカー)を展開。

 

展開した直後に、狙いを定めてパイルを射出・・・!!

 

・・・射出したパイルが勢い良く向かっていく・・・が。

 

 

「っ!?」

・・・パイルの先端が彼女の剣の先端とぶつかり合い、ぶつかり合っている部分から、

火花が散らされる。

 

「―――!」

「・・・くそっ!」

普通なら、角度的にも重力的にもとっくに地面に足をつけているはずなのに、

彼女は空中に留まり、自らの剣をパイルとぶつけ合い、未だに火花を散らせ合う。

 

「・・・押し負ける・・・!?」

幾ら魔銃が反動を打ち消してくれるとはいえ、使用者自身の握力や筋力を強化する訳ではない。

魔銃の補助があっても押し負ける程、彼女の力が強いのだ。

 

しかもパイルは5m程伸びている。・・・普通ならあちらが力押ししているので

剣先に入れている力を左右にずらせば、そのままパイルは軌道を外れるだろう。

 

が、それを行わないのは彼女の誇りか、精神なのか。

押し負ける、というのは、ただ単純に俺が力負けして後ろに滑ってしまっているという事だ。

足に力を入れて踏ん張っても少しずつ滑っていく。

 

しかし、俺は騎士でもない。・・・幾ら反感を買おうとも・・・!

 

 

「―!?」

魔銃(パイルバンカー)を魔銃形態に戻す事により、今まで展開していたパイルは消滅、

先端をぶつけ合い剣に力を入れていた彼女はそのまま勢いを殺せずこちらに向かってくる。

 

「・・・終わりだぁぁ!!!」

魔銃(ビームガン)を展開、そしてトリガーを引く・・・。これで止めだ・・・!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\カチッ・・・・・・・・/

 

 

 

 

 

「――――なっ!?」

――しまった、魔力切れっ!?

今さっきリロード出来ずにいたため、ビームサーベルやらマシンガンやらリフレクトや治癒に

魔力を全部使い果たしたしまったらしい。・・・くっ、間に合えっ・・・!!

 

先ほどリロードしようとして出来ずに掴んだままだった魔石を、

魔力を使い果たし消えてしまった魔石が入っていた窪みへとはめこみ・・・!

 

「燃え尽きろっ!!」

ショットガンなどを展開してもマシンガンの様に跳ね返されるだろう。

はめ込んだ瞬間に魔銃(火炎放射器)を展開。そのままトリガーを引き、彼女に向ける。

トリガーを引いて凄まじい程の火炎が放射され_

 

 

 

 

 

「―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――何っ!?」

 

 

 

 

その凄まじい火炎を潜り抜け、俺の目の前まで急降下してきた彼女。・・・そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グサッ。

 

 

 

 

 

「―――・・・・・っ!?」

 

・・・彼女の剣が俺の身体を突き刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・___、___」

 

目の前に居る彼女が、そう呟いた。

 

・・・そして・・・突き刺していた剣を、俺の身体から引き抜く。

 

「―――ぐ・・・ぁ・・・」

 

身体から剣を引き抜かれた衝撃で、俺は彼女の身体に預ける様に倒れこむ。

 

 

 

 

「___、___」

 

またその言葉を繰り返した後・・・。

 

俺をゆっくりと寝かせ・・・。

 

 

「___、___」

 

またそう言った後・・・。

 

 

 

 

また剣を突き刺そうと掲げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――俺、死ぬのか?

 

 

 

 

――いや・・・。まだ死ねないと、そう誓ったはずだろう。

 

 

 

 

―――・・・・・・まだ、死ねないんだ。・・・・・・今・・・。本当なら、兜の内側に隠された

   顔で、悲しそうに泣いているであろう彼女を、救いたいんじゃなかったのか?

 

 

 

 

――いや、救えない。・・・・・・心の何処かでは分かっている。 

  彼女達はもう救えやしない。・・・魔女になってしまった時点で・・・。

  ・・・彼女達がもう一度、心の底から笑う事なんて出来やしない。

  もう一度、後もう一度だけ・・・すら・・・。幸せな時間を過ごす事は出来ないんだ。

 

 

 

・・・救ってくれと頼まれたのに。

 

でも、本当はあの彼女も分かっているはずなのだ。

 

「救う」という意味は、本当の「救う」意味ではなくて・・・。

 

 

魔女という呪いから救い出してくれ、という意味である事を。

 

 

・・・・・・・・・・・分かってたさ。その言葉を聴いた瞬間から。

だけど・・・。だけど・・・。せめて彼女を救いだすまでは・・・押し殺すつもりだった。

 

・・・・俺は無力でしかないという事を。

 

・・・それでも。・・・それでも、今俺を見つめている彼女を、救いたいんだ。

 

それは正義の味方になりたかったから?

 

 

『正義』って何だ?

 

 

『正義』を振りかざせば何もかも救えるのか?

 

 

『正義』を貫き通せば、必ず全員が幸せになるのか?

 

・・・いや、幸せにはならない。

 

それでも貫き通す理由って何だ?

 

 

 

 

 

 

 

――――救える命を救う――――

 

そうじゃなかったか?

 

・・・でも、理不尽じゃないか。

 

今目の前に居る彼女は、確かに生きているはずなんだ。

 

 

・・・なのに、救えないじゃないか。

 

 

何が救える力なんだ。

 

 

この力は誰を救える力なんだ。

 

 

・・・目の前の彼女も救えないで。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・それでも。・・・俺は・・・身体が動いていた。

 

 

・・・何のために身体が動いているのだ?

 

 

『正義』のためか?

 

『皆の幸せ』のためか?

 

・・・違う。その二つのためだと言うのならば、目の前の彼女を救う理由にはならない。

 

 

・・・・・身体が動く理由はなんだ?

 

 

・・・・・・・そうか。‘‘怒り’’か。‘‘憎しみ’’か。

 

・・・何で怒る? 何で憎しむ? 何に怒り、憎しむ?

 

俺が目の前の彼女のために怒り憎しむ理由など、本当はないはずだろう?

 

あるなら、それは偽善でしかない。

 

 

・・・・偽善は悪なのか?

 

 

・・・だが、その偽善で救われる命があるなら、その命はなんだ?

 

 

『悪』か? それとも『偽善で生まれた産物』か?

 

違う。   

 

 

『悪』だとか『偽善』だとか『正義』だとか。

 

それよりももっと大事な物のはずなんだ。

 

 

 

『誰かの幸せのため』

 

 

そのためにある『正義』ではなかったのか?

 

・・・だが正義は一つとは限らない。

 

 

 

 

 

なら・・・・・。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の正義は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――例え偽善と言われても手を伸ばしてみせよう。

 

―――――――それが俺の正義だ。それで誰かが幸せになれるなら、俺が泥を被ってやる。

 

 

 

 

 

 

・・・・・でも、俺には力がない。

 

 

 

 

 

目の前の彼女を救えるほどの力はない。

 

 

 

 

 

 

 

・・・無力だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでもこの身体を動かせている理由は・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‘‘怒り‘‘、‘‘憎しみ’’  だった。

 

 

 

正義とは相対するものであったとしても・・・。

 

 

 

俺の身体を駆け巡るこの‘‘想い’’は・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正義ではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――!?」

 

 

「――・・・・・・・・・・・・死ね・・・ない・・・!!」

 

 

「・・・死ねない・・・・!!!」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

「俺は、死ねないんだ・・・!!!!」

 

 

『――そう。君があの時感じた力は、君自身の感情さ。

         感情を魔力に変え、そして変えた魔力を増幅して放つ――』

 

 

・・・条件は感情の高まりが一定以上に達した時。

 

そして、今魔銃の装着してる魔石の残量が切れた時・・・か。

 

・・・さっき放った火炎で、付けていた魔石の魔力は残量切れか。

 

 

 

なら・・・。

 

 

 

・・・身体中に駆け巡るこの力は、俺の感情か。

 

 

 

・・・怒り。俺は今・・・怒っている。憎しんでいる。

 

一つは、インキュベーターに対して。

 

二つは、こいつを倒す以外に、救って上げられ方法がない事に対して。

 

三つ目は・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・自分が無力である事が、一番許せない。

 

 

 

・・・だけど。

 

 

・・・・・・どれだけ嘆こうと、悲しもうと。

 

 

 

彼女を助けるには、これしかない。

 

 

・・・だから。

 

 

 

「まだ・・・死ぬわけには・・・・!!!」

・・・力が感じられる。

・・・その力は魔石の代替になり、魔銃を通じて俺の身体を癒していく。

 

 

「―――!!!」

・・・無言で立ち上がり、彼女の事を見る。

 

「・・・俺はまだ、死ねないんだ・・・お前のためにも・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・・・ごめんな・・・。俺、お前を救ってあげられない・・・」

その言葉を・・・

 

「・・・」

首を横に振って否定する彼女。

 

「・・・どうして・・・。俺は・・・お前を倒す事でしか・・・」

 

「・・・・・・・」

・・・吸い込まれそうな黒に包まれた兜の内側に・・・。本当はあるはずだった素顔が、

見えるような気がする。・・・澄み切った、紫の瞳が。

 

「・・・ごめんな・・・・・・せめて・・・最後ぐらい、自分の一生を貫きたいよな・・・」

 

「・・・・」

・・・無言ではいるが、背定しているのであろう。

 

「・・・・・・・・・・じゃあ・・・さ・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・俺、お前の事、覚えてて良いか?」

 

「・・・・」

 

「・・・人に忘れられるのって、辛いじゃないか・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・だから・・・・お前のその剣と・・・一緒に・・・絶対に忘れない・・・から・・・!!」

「・・・・!!!」

 

・・・魔銃を展開。

・・・・展開されているのは、他でもない、彼女が持っている『誇り』だ。

が、彼女が持っているのは、絶望を思わせる黒であるが、こちらが持っているのは

希望を思わせる白・・・そして、明るい紫が付けられている。

 

・・・恐らく、彼女が魔女になる前の剣の姿・・・なのだろう。

 

「・・・・・・・」

・・・澄み切ったその瞳が、潤んでいる。

・・・いや、潤んでいるのは俺の方なのだろう。

 

 

「・・・忘れない。・・・だから・・・」

 

 

「・・・_____」

彼女が、頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠く離れた距離には、漆黒の騎士が構えている。

 

 

・・・そして、俺も剣を構えている。

 

 

 

 

 

 

・・・体の内側から、力が感じられる。

 

 

この感触を、知っている。

 

        『―やめろおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!―』

 

そう、目の前でまどかとさやかが使い魔に襲われそうになった時と、同じだ。

 

 

「――――」

彼女は構えている。・・・まるで、こちらが来るのを待っているかの様に。

 

 

なら・・・答えてやるしか、ないじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・そして・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――――――――――――――――――!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

駆け出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一歩、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また一歩。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その足で踏みしめながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・彼女に少しずつ近づきながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・己の無力に後悔をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・こんな方法でしか救えない自分に、絶望しながら・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――彼女の事を、切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・気づいた時には、彼女が目の前に居た。

 

いや、自分から歩みでたのだろうか。

 

 

下半身をなくし、地面に横たわっている。

俺の右手には、彼女の『誇り』が握られていた。

 

 

「・・・ありがとう、ね・・・」

 

・・・後ろから声がし、振り向くと・・・あの使い魔が居た。

・・・この結界の入り口である扉の前に気配を感じていた。・・・それがこの使い魔である事も

確信していた。

 

 

「本当に・・・バカな子、なんだから・・・」

 

今にも倒れそうな足取りで、こちらに一歩ずつ、踏み出してくる。

 

それを制止しようとしたが、彼女の姿を見ると、それは出来なかった。

出来るはずが・・・なかった。

 

 

やがて俺の隣を通りすぎると、使い魔は、彼女の隣に座り込んだ。

 

 

「全く・・・いつもいつも、無茶・・・ばっかして・・・」

そう言いながら、『彼女』を抱きしめる。

 

 

「本当に・・・本当に・・・!」

その目からは、涙が溢れていた。

 

 

そして、俺の手を冷たい何かが触れた。

          ・・・良く見ると、自分が流した涙だった。

 

 

「最後まで無茶ばっかして・・・本当、困ったさんねぇ・・・」

懐かしむような顔をし。そして、涙を流しながら、彼女を抱きしめている。

 

「__、_・・・」

 

「・・・えぇ。あなたのお姉ちゃんよ・・・。ずっとずっと・・・これからも・・・ずっと・・・」

 

「_・・・・・・ご__なさ_」

 

「こんな時に・・・何を謝っているのかしらね・・・この子は・・・」

 

「_めん__い・・・」

 

「ワタシが・・・病弱だったせいで・・・ワタシのせいなのにね・・・。

 本当、どこをどうしたら、あなたの責任になってしまうのか・・・教えてもらいたいわ・・・」

 

「ご____い・・・」

 

「挙句の果てには・・・関係ない子まで巻き込んじゃって・・・全く・・・

                    どうしようも、ない・・・妹ね・・・」

 

「・・・ご__・・・なさ_・・・」

 

「最後の最後まで・・・おバカさんなんだから・・・そんな子には、

        最後の最後まで・・・お姉ちゃんが・・・ついてて・・・あげないと・・・」

 

「__、様・・・・」

 

「・・・・なぁに?」

 

「_生_れ変_る時は・・・また、___の妹でいたい_す・・・・・・素敵な__様_妹に・・・」

 

「・・・分かっているわ・・・。ずっと、一緒、なんだから・・・

 でも、最後ぐらい・・・自分の口から・・・伝えなさい?・・・お姉ちゃんが傍にいるから・・・」

 

「せ_て最後_・・・。・・・お姉_と一_に・・・そし_、一生_貫__た、剣と_緒に・・・」

 

 

          「・・・やっぱり・・・出来ない・・!出来る訳、ないだろう!!!」

 

 

「お願_・・・します・・・」

 

 

                  「・・・・・・ごめん・・・!!! 俺は・・・!!」

 

「・・・何_・・・泣_ているの・・・で_か?」

 

 

「ほら・・・不思議な、子でしょ・・・? 

 あなたのために・・・ワタシ達のために・・・泣いてくれるなんて・・・」

 

 

「・・・_っぱり・・・・可笑_な・・・ヒト・・・」

 

 

「あら・・・あなたが笑う所・・・すっごく・・・すっごく久しぶりに見た・・・

 本当に・・・・何年ぶりかしら・・・全く、心配、だったのよ・・・・?」

 

 

「・・・・・・・・・・・・__様の笑う所も・・・久し_りに・・・見_した・・・」

 

 

「うん・・・そうだね・・・そう、だったね・・・・」

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           「・・・お願い・・・します。私を____」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の誇りを。

 

 

 

彼女達の最後を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自ら・・・右手に持っていた、彼女の『生涯』で、手にかけ・・・幕を、閉ざした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・握られているのは、彼女の(グリーフシード)

 

 

 

 

 

そして、耳に残っているのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―あなたに、慈悲があらんことを―』

 

                   『―どうか、ワタシ達の分まで・・・―』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                『『生きてください』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 『ありがとう・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ダメだ。

 

 

体が動かない。

 

 

生きてくれと言われたのに。

 

体の傷は完治したはずなのに。

 

 

彼女達の分まで、生きてくれと。

 

それなのに、体が動かない。

 

 

もう、心が全て、磨り減ったのかも知れない。

 

彼女達の言葉が、深く、深く。・・・心に突き刺さった。

 

 

・・・空は、灰色だ。暗い、灰色。

 

 

その空は・・・今にも涙が降り出しそうで・・・。

 

 

 

・・・・ポツン。

 

自分の頬を、一滴の雨が伝う。

 

 

 

・・・まるで・・・悲しんでいるようだった。

 

・・・次々と雨が降り出す。

 

 

・・・もう、どうする事も叶わなかった。

 

 

 

望まれたとはいえ、自ら・・・手をかけた。

 

・・・今まで、俺がやってきた事は・・・。

 

こんなにも罪深い事なのだと、今更気づいた。

 

 

何が救おうだよ・・・・俺にだって・・・救えないじゃないか。

 

何が正義だ。・・・俺には力がない・・・。正義を振りかざすだけでは何も変わりはしないのに。

 

でも、倒すしか・・・ない。

 

どんなに嘆こうと、どんなに悲しもうと。

 

 

魔女になってしまった彼女達を、救う力なんてなかった。

 

 

あるのは、終わらせる力だけ。自分の無力さに、涙を流す事しかできなかった。

 

 

誰かを救いたい力がほしいと。そう望んだのに。

 

俺が持っているのは・・・ただ、終わらせるだけだった。

 

 

・・・まるで慰めてくれているように、雨が降り続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・俺は・・・」

 

 

 

誰を、救えたんだろう。

 

 

 

何が救える力なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女達も救えないで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は・・・」

 

 

 

彼女達を、救えない。・・・救えないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・今はただ・・・。

 

 

 

 

地面に倒れこんだまま・・・。

                 

                           

                         雨に打たれながら・・・。

 

 

 

 

                 涙を流しながら・・・。

 

 

 

 

 

 『彼女』を握り締めながら・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  どうにもならないこの感情を抱きながら・・・。

 

 

 

            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              自分の無力を思い知りながら・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ――あとはもう、ゆっくりと暗闇に沈んでいくしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ――――彼女達のことを、思いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 




===魔女===

アーデウェルト

かつて国に使えた騎士の一人。家計は昔から王家に仕えてきた。
本来ならその家計は、生まれた子を国の騎士として預けるのだが、
生まれたのが、体弱い病弱の姉、そしてアーデウェルトで、
一族はこれを気に、子供を騎士に仕えるのをやめようとしていたが、
一族の誇りを失いたくないと、騎士団に入る。

それから5年した後、父親が他界、母は出産時に死亡しており、
姉と二人っきりになってしまう。

それから3年、15になったアーデウェルトだが、他国との戦争が勃発。
騎士隊長として常に身を置いていたが、

戦場において、同年代の敵兵に優しさをかけ、その戦場から逃げるよう促す。

逃げた後の待ち合わせ場で、その敵兵の傷跡を治したり、
看病などもし、そのたびに城から姿を消していたが故、
王に目をつけられ、敵兵を介護していたのがバレてしまう。

その一件のせいで、ずっと誇りであった騎士団を解雇されそうになるが、
常に自分の身を案じてくれていた姉が、王にかけあったおかげで、
城を離れずに済んだ・・・が、

その条件として、恋人とも言える敵兵を処刑するという、彼女には辛い選択が待っていた。
・・・そんな時に、キュゥべぇが現れ、奇跡を起こせるという言葉を聞いて契約してしまう。
魔法少女の代価である奇跡を使い、彼の判決は無罪。
・・・無罪の副作用で彼女自身も騎士団に復帰。


・・・・・・が、他国との戦争は未だに続いており、戦場に狩りだされるのも止むをなく、

国とは遠い地の前線で戦い続ける事となる・・・・が。


結果的に祖国は敗北、ずっと過ごしてきた城ごと燃やされてしまい、
そこで姉と恋人を亡くす。

それに絶望しきった彼女は、最後の他国の城に単身挑み、

姉と恋人の仇を討って間もなく魔女化してしまった。



魔女になってからは自分の思い出の城を住処とし、

ずっと一緒だった姉や、愉快な騎士ととも過ごす。

・・・が、そこに恋人の姿はなかった。



自分の誇りである剣を、倉庫にしまい、自分に挑む者が現れるまでずっと保管していたが、
彼女の元にたどり着く魔法少女はいなかった。


最初の最後の相手である翔一には、自らの誇りをかかげ勇敢に挑み、
強者と認めて剣の能力を解放し、止めを刺そうとしたが自分のために
起き上がる翔一に感服していた。

最後は一騎打ちで破れたのち、姉とともに、翔一に祈りをよせて、グリーフシードになった。


モデルは某大食いサーヴァント。なので似ている部分もあるかも知れないが
彼女の場合は瞳が紫。






アーデウェルトの姉。生まれた時から病弱で、城から出た事は数えるほどしかない。
幼い時から無理をする妹を、怒りながらも大切にしていた。
アーデウェルトの様子(敵兵の看病をしに行っていた)の変化に一番最初に気づいていたが、
本人はそれを誰も伝える事もなく、寧ろ愛する妹を応援していた。
自身の妹が裁かれそうになった時は、王に頭を何度も下げ、
その態度に感服した王であったが、下した決断は妹にとって苦痛なものであった。

キュゥべぇの奇跡を使い、見事騎士団に復帰した妹を、心の底から心配していた。

・・・ちなみに実の妹の恋人をよくよくからかったり、自身の思い人である
騎士団の一員には、本当に病弱なのかと思うほど積極的になる。

使い魔になってからも、魔女である妹の心の寄り所だったが故、
使い魔でも本人とあまり変わらない形で結界に誕生した。

結界に迷い込んだ人間や魔法少女に、良く警告や、あわよくば結界から出してあげていたが、
翔一が部屋にたどり着いた時点では、無理をしすぎていたが故に、
もう部屋から出られる状況ではなかった。

それでも、最後の力を振り絞り、
妹の最後を見届け、妹と一緒にこの世から去っていった。














































===武器説明===

・ビームガン形態  『MP消費-30』=全弾7発
現代科学では生産不可能な武器。それを魔力強化した、トンデモ兵器。
発射には魔銃内の魔力を高圧縮してから撃ち出すため、一秒ほどのラグがある。
ハンドガンなど、同サイズの武器と比べて連射は出来ないが破壊力は抜群。
出力を弱める事で、発射までラグをなくす事ができるが、初めて扱った形態であったが故、
それが機能する事がなかった。

・シールド形態  『MP消費-0』=全弾∞発
アクション、RPG、ファンタジー、SF。幅広い要素で出てくる防御するための武器。
魔力強化を施されているが故、その軽さを思わせない防御能力が持ち合わせている。
ちなみに形状は四角型。背中に背負ったりする事も可能。

・ナックル形態  『MP消費-0』=全弾∞発
アクション、RPG、ファンタジー、SF。幅広い要素で出てくる、装着型の武器。
魔力強化を施されているが故、その軽さを思わせない攻撃能力を持ち合わせている。
ナックルというより、グローブ。ナックル事態が硬いため、防御にも使用可能。
その硬さから、並大抵の物なら軽く握るだけで粉々に出来る。 
決して人に向けてはいけません。

・ビームサーベル形態  『MP消費(一秒)-5』=全42秒
現代科学では生産不可能な武器。それを魔力強化した、トンデモ兵器。
SFや未来世界ではお馴染兵器。あらゆる物を軽く触れただけで、熱で溶かす。
魔力強化を施されているが故に、出力は凄まじい。
だがそれ故に、発生させているビーム刃の展開に魔力を消耗し続け、
最大でも42秒しか展開不可能。ビームガンと同じく、出力を弱める事で
展開時間を増やすことも出来る。

・防御壁(ディフェンサー)形態  『MP消費-0』=全弾∞発
『防御壁』の名前から見ても分かる様に使用者の前方に透明な防御壁を作り出す。
魔力バリアとかそういうのではないので魔力消費はしない。どちらかと言うと頑丈な壁。
ただ、防御壁が地面に刺さってる(?)ために展開した方向以外の攻撃は防げない。
名前の由来は某バ○ディッシュさんのイケメソボイスに引かれて名付けた。後悔はしていない。

・マシンガン形態  『MP消費-2』=全弾120発
MP消費から見ても分かる通りアサルトライフルと基本的に同じ。
だがアサルトライフルよりも連射力が高く、気づかぬ内に弾切れ、という事もしばしば。
だがその連射力はアサルトライフルよりも上回る。相手をマッハで蜂の巣にしてやる事も可能。

・ネットガン形態  『MP消費-20』=全弾12発
文字通り、ネットガン。本当はトリモチランチャーの予定だったが、
トリモチが卑猥に思えてしまうので作者が自重してネットガンに。
対象の捕獲などに使われるが決して人間に使用しない事。多様厳禁。

NEW.
・セイバー形態  『MP消費-??』
彼女の一生と生涯が詰まった剣。魔法少女になってからも騎士の剣を強化して使い続けた、
まさに彼女の誇りである剣。魔女になってからは鎧と共に黒く染まってしまっていたが、
本来は白く、そして美しい剣だった。

力強く振ると真空刃を放出する。放出された真空刃に、大抵のの物は切り刻まれる。
真空刃の応用も可能で、剣自体に真空刃を纏わせ、応用してチェーンソーの様に切り刻む事も
でき、圧縮された真空が高速回転し、相手の剣や槍など削り折る事が可能。
剣先に集中させ、擬似的な防御を行うことも可能。



===特殊能力===

魔銃(通常(腕輪)形態)状態で念じると身体に影響や効力を及ぼす。
設定事態は18話ぐらいの時から出来てたんですが、(~設定~の時点では思いついてません)
「あぁ~でも採用できなさそうだなー」と思ってた所を24話で後書きで書いた通り、
好奇心で書いてる最中、「あっ、単独戦してるんだし採用出来るよね?」と思って
採用しました。
魔力消費量などは使用時の場合によって異なりますのであえて設定せず。

治癒(リカバリー)
文字通りそのまま治癒。治癒する怪我の被害によって魔力消費量が異なる。
どんなに瀕死状態でも完全復活!これさえあればどんなに重症負っても安心!・・な訳がない。
胴体を切られた程度なら完治はするが、腕が吹き飛ばされたりしても再生出来ません。
悪魔で免疫力を凄いぐらいに加速させてる仕組みなので再生は出来ない。
・・・魔銃の設定上、再生ももちろん出来ますがそれは別枠という事で。
一応使用者以外の怪我も治癒可能。

脚力強化(ブースト)
文字通り脚力強化。強化し続ける倍率によって魔力消費量が異なる。
どうやって強化してるのかは全てインキュベーターさんの技術のおかげで何とかなってます
としか言えない。使用後筋肉痛にもならず。インキュベーターさんってすげー!!

反射(リフレクト)
これも文字通り反射。反射し返すものによって魔力消費量が異なる。
本当の事を言うと作者自身「バランス崩壊じゃね・・・?」と思わざるを得ない能力。
・・・が、ビームサーベルと同じく展開し続けるのにも魔力を伴うため多様は出来ない。
しかも反射し返すのにも魔力を使うので魔力量に限界がある魔銃ではピーキーな能力でしかない。




・・・さて、武器紹介が終わった所で。
これで一旦翔一sideはおしまい。 次は23話の後書きで言ってましたが
次は杏子ちゃんの過去編。前篇、中編、後編、に分かれます。(・・・たぶん)

えっ? 「さっさと話進ませろ」?
・・・伏線回収させてください。ここで回収しなかったら絶対に回収しきれないんです。
『精神的にも身体的にもボロボロになった翔一君』は一旦保留。 (ひでぇ)
変わりにまどマギ世界の翔一君(?)が出てきます。

・・・良いじゃない、名前は出てたけど実質24話から登場したんだから杏子ちゃんメインの
話1つや3つあっても、別に良いじゃない!! 杏子ちゃん成分加えさせてもらっても
良いじゃない!! 杏子ちゃん成分期待してる人のためにやっても良いじゃないっ!!

・・・っと、話を進ませないのを、読者の皆様を理由にするのは良くない訳で。
こんな言い訳作者なんですが、これからも楽しんで頂けたら嬉しいです。

・・・っと、終わらせるのは良くないね。言いたい事は分かりますよ。

「魔女と普通に会話してんじゃねぇよwww」
↑でしょう? 分かってるよ、分かってるんだよ、そんなのっ!!
でも何かこう・・・ワルプルさんだって「ギャハハハ!!!」とか言ってたんだから喋れる事も
ないわけだよね? なら、なんかこう、普通に喋れる魔女が居ても良いんじゃない・・・?
作者は別にそれで良いと思うんですが(

「魔女化したわりには普通に意識保ってるようですが」?
(´作`)<・・・あれっ、そんなシーンあったっけ?
     でもそういう魔女もたまには居ても良いんじゃないですか?(逃避)

「特殊能力とか設定の時点ではなかったですよね? 何で追加したんですか?」
(´作`)<ちょっと、質問の意味がわからない、追加しちゃ駄目なのかな?(

「主人公の生命力凄くないですか? 少なくとも中2の生命力じゃないですよね?」
(´作`)<治癒が何とかやってくれました。治癒を褒めてあげてください。

「パイルバンカーを出そうと思ったのは何でですか? あれってロボ系の武装でしょ?」
(´作`)<例えば魔銃が手に入ったとして、あまりに強力な武器以外なら展開できる
     として・・・そういうロマン武器、自分で使いたくないッスか? 作者なら使いたい。
     本当はなくても物語は成り立つんです、でもあったほうがかっこいいじゃん!

「何でシリアスのはずの戦闘シーンなのに、ネタ行動(ダンボール)入れたりするんですか?」
(´作`)<本当はなくても小説は成り立つんです、でもあったほうが(ry

「オリ魔女の設定が中2すぎる。何とかならないんですか」
(´作`)<ツッコミを入れるのが遅かったな・・・言葉は不要か・・・(手遅れ的な意味で)

「昨日(前話)、10日程更新できないって言ってたじゃないですか」
(´作`)<にじファン様の時代でも『2週間更新できない』とか言ってたのにその次の日に
      更新した事が何度もある。あまり作者の『更新できない』という言葉を信用
      しない方が良いですよ、本当に。







・・・っと、次々不満の点があったりするでしょうが、もうそれは感想欄で漏らしてください。
このままだと後書きが長くなりすぎてグダグダになる(常になってますが)ので、
これで切り上げるとします。不満の点はもう感想で漏らしてください。

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