魔法少女まどか☆マギカ -女神の決断   作:てにー

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さっそくですが杏子ちゃん登場します。


前話に閑話を挟んでおいたので、興味がある方は前話の閑話もどうぞ。

後、
2012年8月16日、あらすじを追加させていただきました。
こちらもお時間や興味があるなら、チラっと見てくださると助かります。


第24話「杏子いずべりーかわいい」

 

プルルル....プルルル ガチャ

 

 

『何かしら、こんな時間に電話なんて。失礼にも程があるわ』

 

「それ前にも聞いたぞ。・・・まぁ反省はしている。後悔は_」

 

『それで、今回は何の用件でかけてきたの』

 

「・・・  佐倉杏子  についてだ」

 

『・・・彼女ね。・・・彼女がどうかしたの?』

 

「・・・この時期って、何処に行けば会えるかって、分かるか?」

 

『・・・あら。未来予知 (サキヨミ)さんでも分からない事があるの?』

 

「だからそんなんじゃないと言ってるだろ」

 

『・・・報酬は?』

 

「おい!! 何だよ報酬って! 今までそんなのなかったろ!?」

 

『今までは、ね』

 

「うわ、こいつひでぇ。ひでぇ、ひでぇや。まーどかさんに_」

 

『殺すわよ』

 

「・・・冗談です誠に申し訳ございませんでした反省しております」

 

『・・・この時期、ね。・・・彼女は隣町で魔女を狩っているはず』

 

「具体的に、何処に行けば会えるか。・・・分かるか?」

 

『・・・知っているんでしょう?』

 

「・・・ 廃教会、か」

 

『・・・いつも居る訳ではないけど、憩いの場に足を踏み入れる物が居るのなら、

 高い確率で現れるはず。・・・彼女に会って、どうするのかしら』

 

「いや・・・。ちょっと、おバカさんのレクチャーしてもらおうと思って」

 

『・・・美樹さやか、ね』

 

「うわ。バカって単語で判断した。ひどい」

 

『・・・当てはまる人物が1人しか居なかったからよ』

 

「・・・あっ、言われてみれば・・・いや、何でもない」

 

『まぁ、あなたがする事なんだから、きっと事が良い方向に進むのよね』

 

「何で事が良い方向に進むと判断してるんだ」

 

『・・・あなたの行動は、確実に良い方向へと向かわせてくれているもの』

 

「・・・まどかとの約束を?」

 

『・・・ご想像にお任せするわ』

 

「はいはい・・・」

 

『・・・ちなみに』

 

「ん?」

 

『お菓子のポッ●ーを渡すと、喜ぶかもね』

 

「ほうほう・・・。・・・・って食べ物で釣るみたいになってんじゃねぇか!」

 

『少しでも事がうまく運ぶための配慮よ』

 

「全く・・・それじゃあな」

 

『えぇ。佐倉杏子を味方に引き受けてくれるのは、助かるわ。

 ワルプルギスの夜に勝つために、少しでも戦力がほしいから』

 

「・・・お前は何かこう、ソフトに表現するとか、そういう努力をしろ」

 

『そんな表現をした所で、あなたには筒抜けなんでしょう?・・・意味がないわ」

 

「・・・まぁな。それじゃ、切る」

 

 

ブツッ。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・さて。ポッ●ーの他に喜んでくれそうな物は~~~」

 

 

 

 

 

 

 

 

________

_______

_____

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__

 

 

 

今日は休日、学校は休み。

 

 

 

・・・何。ちょっと午前中に杏子ちゃんに会うだけだ。

 

まぁ見滝原は広いし、隣町に行くには電車を使わないといけない。

 

それに見滝原から出た事はないから、ちょっとワクワクする。

まぁまだ見滝原の半分も回ってないけど。

 

・・・・・・・・時計を見る。まだ8時過ぎだ。・・・・朝食作って置かないと。

 

少なくとも、9時半には出るつもりだし。

 

・・・というのも、幾ら携帯という物があり、廃教会までの道のりが、GPS等などで

分かるからと言って、侮る事は出来ない。

 

分かっているのはその土地の建物のマップ・・・即ち、薄っぺらい情報だけ。

 

目で見た訳でもないし、近未来な世界・・・、元の世界とは勝手が違ってくる。

 

駅の場所すら、マップ頼り。というか隣町に行く電車の詳細なども、携帯頼り。

 

そう。幾ら言語が通じ、その国の文字が読めるとしても、

元の世界とは勝手が違うのだ。

 

大体この世界の駅が、『切符』というシステムが働いているかも定かではない。

 

ネットで調べたものの、一応それらしい事は書かれていた。・・・が、

大丈夫かと思っても、やっぱりこういう物は目で見るしかない。

 

何処かの特殊な能力の持ち主な訳でもない。

 

ただ、『魔銃』という物がなければ、そこら辺をぶらつく学生とほぼ同じだ。

・・・この世界で生まれ、幼い頃からこの世界で過ごした訳ではないが。

 

そう。特殊能力なんか一つも持ち合わせていないんだから、

何kmの先にある物なんて把握できないし、未来予知なんかできる訳でもない。

 

何が言いたいのかと言うと、魔銃という物がなければ、俺はただの一般人だ。

 

 

 

 

・・・・あぁ。分かってるよ、さっきから理由をごたごた並べてるのは。

 

 

 

要するに、

 

 

 

 

 

『迷子になるの怖いよ助けて。杏子ちゃんに会えなかったどうしよ・・・(焦り)』

 

これに尽きる。無意識に理由を並べて不安から逃げてしまう。俺の悪い癖です。

 

 

さやかちゃんの恋路。そして、魔法少女になるのを防ぐには、俺じゃ力不足だ。

だから、早い段階で杏子ちゃんを呼んだ方が良い。

 

・・・まぁ、この世界の俺は、杏子ちゃんと知り合いみたいだし、何とかなる・・・はず。

 

だけど、やっぱりマミさんの元を離れたという事は、俺が杏子ちゃんに会うだけでは、

戻ってくれないはず。だから説得するんだ。杏子ちゃんが刃を向けてくるものなら・・・

 

武器を持った強い少女が相手と言うなら、

某管理局の白い魔王式交渉術を使わざる得ない。(武力制圧という名の会話)

 

 

・・知ってるんだ。マミさんの家に、杏子ちゃんとマミさんの写真が飾られてるのは。

 

それに、杏子ちゃんの話をすると、マミさんは悲しそうに目を逸らす。

そしていつも決まって、「私が悪かった。佐倉さんは悪くない」と言いだす。

 

・・・マミさんのためにも、頑張らないと。きっと連れ変えたら大喜びだろう。

杏子ちゃんを連れ戻して、マミさんと杏子ちゃんの仲直りをさせてあげたい。

 

・・・杏子ちゃんに会ったら・・・

 

 

~~~

 

『おーい!杏子ちゃーん!なーにやってんだ~!』

 

『あっ・・・』

 

『イヤッホォオオオウ!! 戸原最高ぉぉっ!!!』

 

~~~

 

 

↑で良いな。うん、いけるはず。

 

 

 

・・やっぱりダメだっ!!・・・まぁ俺なりに頑張ってみるよ。

 

 

___

__

 

 

「・・・よし、これで良いな」

朝食を済ませ、残りはラップをしておく。

隣にマミさんへの書置きを残して、メールも送っておいたし大丈夫だ。

 

・・・というのも、マミさんは、休日の朝は中々起きないからだ。

いつも魔女退治で頑張ったりしてる分、こういう休日の朝などには影響してくるのだろう。

 

何か用事があったりする時は、いつも通り起きてくるのだが、

こういう日は、そっとしといて上げよう。

 

それに、疲れてる人を起こすのは気が引ける。

マミさんはいつも起きてくるが、逆に、起こすのはあまり気が向かないのだ。

 

・・・まぁ、帰るついでにケーキでも買ってくるか。

 

「・・・いってきます」

マミさん家の扉を向きながら、そう呟いた。

 

さて。・・・小さめなバッグよーし、携帯よーし、財布などもよーし・・・。

 

 

「・・・さて、行くか」

・・・駅に向けて、歩き出した。

 

 

____

___

__

 

 

・・・・・・やっぱり見滝原って凄いよな。どこをどうしたら世界がこう進歩するのか。

まぁ、それは言いすぎだろうけどな。

 

・・・歩きで駅に行くには、ちょっと遠いので、バスを経由して駅へ向かう。

 

バスはあんまり変わらない様だけど、こう、細かい物は違ったりする。

 

やっぱり、科学って偉大だなぁ・・・。

 

「ピンポーン。・・・次は、見滝原駅南口方面。見滝原駅南口方面――」

 

・・・よし、ついたな。

 

__

 

 

バスを降りる。・・・うわ。南口とか言ってたけど、結構駅がでかいな。

まぁ・・・問題は、電車に乗れるかどうか、何だけどな。

 

・・・緊 張 し て き た 。

 

 

___

__

 

 

 

===駅===

 

「・・・あった・・・!」

・・・切符販売装置っぽいの発見。これほど切符という存在を嬉しく思った事はない。

 

お金入れて~。・・・タッチ式。はい、タッチ。

行きたいのは隣町・・・180円。まぁこれぐらいなら別に。

 

・・・ポチッ。

 

『ありがとうございました』

・・・買えたっ!買えた!!切符買えたっ!!

 

全部タッチ式だったりしたけど、基本的な物は変わってないから買えた!!

 

・・・もう慣れてるけど、

何もない空中にホログラムが写ってて、しかもそれに触れるのは凄いと思うんだ。

 

実際は金を投入するのと切符が出てくる以外は、ホログラムにタッチするという

動作だけで済む。だから販売装置と言っても、小さな箱ぐらいのサイズの

装置が、壁に埋め込まれているだけ。悪魔で操作はホログラムによって行われている。

 

だから必要な機能は、切符を出す口のと金を入れる口さえあれば良い。

だからこんなコンパクトに収まっているのだろう。

 

全く。幾らこっちの世界の授業や文化に慣れ始めてるからって、

このホログラムのタッチ~とかは、未だに慣れない。

 

便利何だけど・・・そうだな。新技術過ぎてついていけないってだけか。

・・・まぁ、これぐらいは住んでるうちに慣れ始めてるから良いか。

 

 

さて、次は電車に乗る!

 

 

・・・

 

___

__

 

 

===駅/ホーム===

 

プン・・・プシュウゥウウ....

 

「へぇ・・・」

思わず、声を漏らした。

 

電車の見た目はあまり変わってなく、人が電車から出てくるが、席や手すりなどに

これといった変化は見られない・・・が、電車の中にホログラムが表示されてあり、

 

そこに今日の天気、気温、が文字で書かれて取り上げられていた。

なるほど、これで狭い電車の中で新聞広げる必要が、多少なりともなくなった。

 

・・・・。電車の中に入る。

 

「・・・涼しい・・・」

・・・そう。電車内にエアコンがついてある。

 

さすが近未来、どういう案件でエアコンが採用されたのとか、全く知らないが、

電車の中が混雑している時でも、エアコンがあれば少なくとも汗をかかずに済むだろう。

 

そういえば、消エネ~やら地球温暖化とか、これといって、この世界で

そういう単語聞いた事がない。

 

・・・そういった環境問題が発生しなかったのか、

それとも、発生はしたが、技術の進歩でそういう事を気にせずに済むようになったのか。

 

・・・少し興味があるな。

 

・・・えっ?今までネットを何に使ってたんだって?

 

・・・そりゃもちろん、この世界で放送されている深夜アニメ。・・・そして、

俺の世界で放送されるはずの番組などを見ているに決まっている。

 

・・・そう。例えば、某リリカルな魔法少女の劇場版を、こちらは待たずに見る事が出来た。

 

・・・この世界はあまりに進化しすぎたのか、そういうの物を視聴するのに金を払うが、

それは後払いで良いらしい。DVDをレンタルしている店などは寂れ、今では

ピザや出前寿司かの様に届き、ポストに返却・・・。

それか、料金を支払いデータを一時的に観覧できるサービスで有り触れている。

 

あっ。

 

『ネットで頼み、自宅の届き、ポストで返却』・・・。

というフレーズを聞いた事がある。

時間がたち、おそらくだが、それが当たり前になっていたんだろう。

そっちの方が便利でもあるし、ある意味効率的だ。

 

さすが近未来である。

・・・まぁ、そんなこんなで、ネットはこの世界の発達したオンラインゲームやら

アニメ鑑賞をするために使っている。

 

・・・えっ?『主人公がそんな事するなよ』って?

・・・忘れたとは言わせない。

 

 

 

 

 

――第1話冒頭――

 

 

どうも。こんばんはorこんにちは。俺は戸原翔一。

 

 

~(中略)~

 

 

お察しの通りのオタ高校生です。アニメ大好きです(キリッ ←←

 

――――――――

 

と言い放ったのだ。何を今更、という話である。

まぁ、後はマミさんの健康のために毎日、料理の参考になったりするサイトを見たりしてるけど。

 

 

・・・さて、もうすぐ、教会が近い駅に着くな。

 

___

__

 

 

電車から降りて、切符を通し、駅から出た。

・・・あんk・・・杏子ちゃんが居るという隣町に到着。

 

・・・さて。

神様はまぁ、ちょっと前までは信じてなかったけど・・・。

 

お菓子様お菓子様。どうか杏子ちゃんを説得できるようしてください(他力本願)

 

・・・さて、一応教会の位置を調べてから、コンビニに寄るか。

 

 

 

____

__

_

 

「ありがとうございましたー」

 

・・・コンビニでお菓子、そしてもしかしたらお腹が本格的に減っていたら

お菓子だけ出すというのは失礼なので、某『午後の●茶』2本と、

美味そうなカツカレー弁当を2つ買った。

 

・・・えっ?何で2つなんだって?・・・俺も食べるつもりだ。

 

昼食には早いけどな・・・。

 

・・・さて。教会に行くか・・・。

 

 

 

 

 

 

______

___

 

 

 

「あっれ・・・おかしいなぁ・・・ちゃんと練習通りにしようよ・・・」

・・・おかしい!俺はちゃんとマップ通りに進んだはずだっ!

なのに廃教会なんて見えてこないぞっ!!

 

 

「・・・ちょっと君」

「は、はい!!」

・・・後ろから呼ばれたので、慌てて振り返る。

 

「・・・中学生?こんな所に来ちゃいけないぞ」

・・・あれっ。この声どこかで・・・。

 

「あ、すいません・・・」

 

「いや、ね。ここらは朝は大丈夫だが、夜になると良くない奴が一杯集まる。

 もちろん・・・ここらに住んでる奴も居る。・・・怪我しないうちにさっさと帰りな」

 

「あの・・・教会を捜してたんですけど・・・」

 

「・・・教会?ひょっとして、迎い側にある廃教会の事か?」

 

「あっ・・・たぶん、そうかと・・・」

 

「・・・やめときな。あの教会、出るってもっぱらの噂だからよ。

 ・・・なんでも、あの教会の神父さんだか何だか、家族道連れで自決したらしくてな。

 それで、死にたくなかった神父さんの娘さんが、教会を呪ってるだ~とか何だで・・・。

 『そんなのただの噂だ』って言って、教会に行った奴がいるが、マジで出たらしい。

 お前も、指図ね肝試し~とかしに行くつもりだろうが、やめた方が良い」

 

「・・・・・・それでも、行かなきゃならないんです」

・・・そう、声をかけてきた人の目を見ながら言う。

 

「・・・はぁ・・・。全く。俺はちゃんと注意したからな。どーなっても知らないぞ。

 ・・・そこの路地道をまっすぐ行けば、教会が見えるはずだ」

 

「ありがとうございます・・・!」

 

「・・・勘違いするなよ。俺はちゃんと注意した。だからお前さんがどーなっても知らん」

 

「・・・はい!ありがとうございました・・・!」

頭を下げて、すぐ隣にあった暗い路地裏に進んでいく。

 

 

 

 

 

「待たせたな」

 

「おっ。ショウさん、遅いっすよー」

 

 

 

 

 

 

「ここか・・・」

・・・ついにやってきた。・・・廃教会へ。

 

 

 

 

ギシィィィ。

 

正直言って怖いけど、教会の扉を開けると、アニメと同じく中は荒れていた。

 

・・・・・・・・・・うわ、怖・・・・。

 

と、とりあえず少しづつ歩いてみる。

 

・・・・・・・・教会の祭壇の所までついた。・・・・・あんこちゃんの家族が・・・・・・。

やめよう。俺がどうこう言ったって変わる問題じゃない。

 

だから、これから先の未来を変えよう。

 

・・・あー・・・でも怖いんだけど・・・マミさん助けて・・・。

でも声出さなきゃあんこちゃん来なさそうだな。・・・よ、よぉぉし・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「動くな。動いたらどうなっても知らねーぞ」

 

 

 

 

 

 

翔一「!?」ビクッ

 

・・・・真後ろから凄い、何か・・・・・・・間違いない。殺気だ。

・・・というか今の声・・・。まさか・・・!!

 

 

「死にたくなけりゃあ、サイフと手荷物置きな」

 

・・・・間違いない。このあいぽんボイスは・・・!

 

 

 翔一「・・・きょ・・・杏子?」

 

 

 

「!!!・・・しょ、翔一かっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一「・・・そうだ。俺だよ・・・だからちょっと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ・・・ナイフ突きつけるのやめてくださいお願い本当寿命が縮む・・・!(泣)」 

 

さっきから小さいナイフを突きつけられている俺にとって、

もう泣きそうなぐらい怖い状況だ。・・・あぁ、敵兵が見知らぬエージェントに

ホールド・アップされた気持ちが分かる。凄く分かる。

 

 

「あ・・・・すまねぇ・・・」

 

首元からナイフが離れて行く。

やばい、怖いんだけど。どうする、これ後ろ振り向いていいの?

 

 

「・・・まさか、来るとは思わなかった・・・えっと、久しぶりだったし・・・

 ・・・だ、誰だか分からなかったんだ。ごめん」

 

・・・・少し、少しだけ振り向くとそこには、

すまなそうな顔をした、一人の赤い髪の、おさげが長い天使が居たとさ。

 

 

 

 

 

 

 

本当は、久しぶりなんかじゃないのに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一「」フラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?・・・お、おい!大丈夫か!?」

 

翔一「・・・大丈夫です・・・」

 

「本当か?・・・」

 

翔一「本当です、大丈夫・・・大丈夫・・・大丈夫・・・大丈夫だ、問題ない・・・」

 

「・・・?ちょっと見ねぇ内に調子悪くなったか?」

 

翔一「い、いや・・・あn・・・、杏子こそ、本当に・・・久しぶり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏子「・・・ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっばい、初対面。初対面。初対面あんこちゃん!やばい!

可愛い!可愛い!おさげが長いポニーテール可愛い!!

やばいこれはもう____

 

・・・静まれ。それは後ででも出来る。

ここで俺が失敗したら、最悪な場合だと、さやかが契約しかねない。

・・・慎重に。

 

大丈夫だ。・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔一「あぁ・・・その・・・」

杏子「・・・・」

・・・やばい、凄いすまなそうな顔してこっち見てる。何コレ可愛い。

 

翔一「杏子の事が心配だったからさ・・・心配しすぎて、顔見に来ました」

杏子「そんな事する必要ねぇよっ!?・・・だって・・・アタシのせい・・・だったから・・・」

翔一「・・・・・・」

・・・やはりか。・・・マミさんの態度、そして杏子ちゃんの様子を関するに、

昔、何かあったのは間違いなさそうだ。・・・指図ね、少しは見当がついているが。

 

 

杏子「・・・・」

翔一「・・・・」

・・・すまなそうな表情が、一気に暗い顔になってしまった。

・・・えぇい!このまま暗いまま終わってたまるかっ!!

 

翔一「と、とりあえず・・・・こ、これ・・・食べるか?」

右手に持っていた弁当などが入った袋を差し出す。

 

杏子「えっ・・・」

暗そうな顔が、驚いた顔になった。・・・いけるっ!

 

翔一「・・・お前のために買ってきてやったんだけどな」

杏子「で、でもっ_」

翔一「・・・・・・食べ物を食べる_」

杏子「待ったっ!!」

 

杏子「・・・『食べ物を食べる時は、重い話はなし。不味くなるからな』 ・・・だろ?」

 

翔一「・・・あぁ。折角買って来たのに美味しく食べてもらえないのって悲しいしな」

杏子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう、だよな・・・よし、食べるよ・・・」

おぉ!何か急に元気なったー!やったー!

 

杏子「・・・・・・・おお・・・! カツカレーじゃん・・・!」キラキラキラ

心底嬉しそうに目を輝かせる杏子ちゃん。あれ、何コレ・・・。

一家に必ず3台は必要なぐらい可愛いぞ。何コレ。・・・・癒される・・・。

 

 

杏子「・・・じゃ、じゃあ・・・・・。いっただっきまーす!!」

弁当のフタを開け、プラスチックのスプーンを手にとって、手を合わせる杏子ちゃん。

 

翔一「その前に袋の中に入ってるウェットティッシュで手を拭きなさい」

・・・折角の所悪いが、さすがにこれだけは譲れない。買ってきた飯が

手についたばい菌などのせいで風邪を引く原因になったら凄く気分が重くなる。

 

杏子「あっ・・・! ・・・で、でも、腹空い_」

 

翔一「折角買った弁当なのに、口にばい菌が入ったりして、それで風邪とか引いたら

   何だか凄く悲しい気持ちになると思うんだ。俺」

 

杏子「・・・そう、だな。わ、分かったよ。拭けば良いんだろ・・・?」

・・・・食事用のウェットティッシュの袋から、数枚取り出して手を拭くあんこちゃん。

 

 

翔一「・・・天使だ」ボソッ

杏子「ん?何か言ったか?」

翔一「あ・・・別に」

 

__

_

 

 

杏子「それじゃ手も拭いたし!今度こそ、いっただきまーす!」パチッ

『今度こそは』と、手を叩いてから、付属のスプーンでガツガツ食べるあんこちゃん。

・・・・・・・何この可愛い生物。やば、お持ち帰りしたい。一家に5万台必要なレベルで。

 

杏子「・・・うめぇ!!」ガツガツガツガツ

凄い勢いで食べる杏子ちゃん。・・・もう良いや、お持ち帰りするわこれ。

 

翔一「こらこら・・・子供じゃ・・・って子供か」

杏子「こ、子供扱いすんな~!///」ブンブン!

スプーンを上下に振り回す杏子ちゃん。・・・はい決定。お持ち帰り確定でございます。

・・・凄い和む・・・。

 

 

翔一「・・・さてと。俺も_」

杏子「翔一!おかわり~~!!!」

翔一「」

・・・早すぎるだろ常識的に考えて・・・。

 

 

杏子「うめ、うめぇ~~~!!」ガツガツ

・・・凄い幸せそうな顔してるよ。

 

 

杏子「んむっ・・・!」ゴクッゴクッ

 

杏子「ぷはっ~~~~~~!!!」スッキリ

・・・癒されます。今なら自信をもって言える。 

人生の淵に追い込まれた人でもこの姿を見れば元気が出ると。

 

 

杏子「翔一~、カツカレー食べ終わった~」

翔一「じゃあデザートはどうでしょう」

杏子「おぉー!PIN●(アイス)だ~!」

 

翔一「あっ、俺にも一つ_」

杏子「あむっ・・・!」

 

翔一「あっ!?」

 

杏子「うぉぉ~!冷めてぇ~~!!! 甘ぇ~~~!!///」ジタバタ

翔一「・・・聞いちゃいないよ・・・まぁ良いか」

 

___

__

 

 

杏子「うは~~~・・・」

 

 

 

・・・カツカレーも食べ終わって、

その他買ってきた物をすんなりと食べてしまったあんこちゃん。

マジ天使すぎこの気持ちに歯止めは利かない・・・・

 

・・・おっと。

 

杏子「・・・食った食った~~~!!」パン、パン

翔一「女の子が自分の腹を叩くんじゃありません」

杏子「良いじゃないか別にー。・・・ありがとな・・・翔一。久しぶりにこんな食ったよ」

翔一「別に良い。・・・俺がここに来た理由、分かるか?」

杏子「・・・・・・」

翔一「・・・」

・・・マズい、途端に暗い感じになった・・・。これは・・・マズい。

 

杏子「・・・・・・・・アタシを呼び戻しに」

翔一「・・・・・・・・・・・・・・・当たり、かな」

杏子「・・・・・・・でも、アタシは二人と一緒には居られねぇ」

翔一「・・・・・・」

杏子「翔一・・・」

翔一「・・・ん?」

杏子「アタシはもう、2人が思ってるような奴じゃないんだ。・・・悪い事も沢山した。

   ・・・それに、翔一は・・・・アタシの・・・・せいで・・・」

 

・・・下を向きながら、そう告げる杏子ちゃん。・・・だけど。

 

 

 

翔一「・・・そうやって、自分追い込んでたら、きっと、歯止めが利かなくなるぞ」

 

 

 

 

杏子「・・・えっ?」

 

 

 

翔一「どんなに強いメンタルがあったって・・・自分自身を責める劣等感からの前には、

   太刀打ち出来ないと想うぞ? ・・少なくとも、俺はメンタル、弱いからな」

 

 

・・・そのせいで、バカな事もやらかしたんだけどなぁ・・・。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「・・・・ふざけてんじゃねぇって言ってんだよ!!!!!」

 

「・・・!」

 

「おばさんが死んだのは自分のせい・・・!! だから死んで償おうってかっ!!??」

 

「っ!!!」

 

「おばさんは死んだ!! 確かに、お前の目の前で!!」

 

「くっ・・・!」

 

「おばさんはお前の不甲斐なさのせいで死んだ!! お前がちゃんとしっかりしていれば、

 死ななかったかもしれない!! だからおばさんは、お前のせいで死んだみたいな物だ!!」

 

「ああそうだよ!! だってそうじゃないか!! 俺が母さんを殺した様な物だ!!」

 

「自分のせいでおばさんは死んだ!! お前は自分自身が許せない!!

 そしてそれを・・・!!幾らどうやっても償い切れない!! ・・・誰もお前を責めない!!

 だからお前は自分を許せない!! 他に許してもらえる奴が居ない!!おばさんはもう居ない!

 許してもらうべき相手がいないから・・・・許してもらう事ができない!!」

 

「っ!?」

 

「このまま誰にも責められず、自分を許せないままで居るのなら・・・!!

 ・・・このまま、死んでしまえば良い!! むしろお前が死ぬ事で、お前自身を許せるってか!?」

 

「何で・・・分かるんだよ・・・!?」

 

「バカ野郎・・・!小さい時から一緒だっただろうが・・・!! それぐらい分かるんだよ!!!」

 

「くっ・・・!」

 

「でもなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――それってただ逃げてるだけじゃねぇか_____________...........

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「翔一・・・?」

 

 

 

翔一「えっ・・・? あぁ・・・ごめん、話の続きを__」

 

 

 

杏子「っ!?」

 

翔一「・・・どうしたっ!?」

 

杏子「・・・・・・魔女だよ。すぐ近い。・・場所は・・なんだ、危ない連中の溜まり場だ。

   ・・・翔一。良いか? アタシはもうお前が思ってる様な人間じゃない。

   魔女になりそうな使い魔を様子見して、塾してねーなら喰わせれば良い・・・って、何人も見殺しにしてきた。

   もう、アタシは・・・・・・・マミや翔一が思ってる人間じゃない。・・・だから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔一「・・・生きるために仕方なく、だろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏子「・・・えっ?」

 

 

翔一「・・・・・・本当に心の底から、今の生き方を楽しんでいるなら別だけどな」

 

 

杏子「っ!! 楽しんでるわけ・・・ねぇだろ・・・!!! 楽しい事なんか一つもねぇよ・・・!!」

 

 

翔一「・・・・・なら、お前は戦うな。・・・俺が行ってくるから・・・お前はもう、戦うな・・・」

 

杏子「なっ!?・・・おい、待てっ!!翔一!!」

・・・杏子ちゃんの声には答えず、そのまま走り出す。

 

分かっている。杏子ちゃんが『生きる』には、グリーフシードが必要だ。

 

人間というのは、互いに譲れない物がある。

だからこそ、戦争なんてするし、喧嘩もする。

 

だけど、杏子ちゃんとぶつかるのはいけないんだ。

杏子ちゃんは、『生きる』ためにそうするしかない。

俺が彼女の生き方を否定する事は出来ない。

 

彼女の生き方を否定したら、それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『死ね』

 

 

 

と切り捨てて言っているようなものだ。

 

 

 

だから、ぶつかる事はできない。

 

 

 

・・・だからこそ。俺が自分の手で。

 

 

グリーフシードが手に入るなら杏子ちゃんに渡す。

例え手に入らなかったとしても倒す。

 

 

 

・・・これ以上、目の前で誰かが死ぬのは見たくない。

 

 

 

歪んだ感情なんだろう。ただの偽善。

 

結局自己満足。

 

 

・・・それでも良い。自己満足でも、目の前で明日を生きていけるはずの人間が

死ぬのを、防ぐことが出来るなら。

 

 

・・・俺が殺してしまった・・・明日を奪った母さんに、償えるように。

 




次は断話で、主人公の戦う理由について述べた後に、
その次の話で主人公単独での使い魔、魔女戦を前編後編に分けて出します。

ぶっちゃけ今まで何で出さなかったの?ってぐらい
魔銃のバリエーションが増えるんですが、
悪魔で、今まで前線はマミさんやほむらに任せ、後方から援護した
翔一君の本気、という事で、バリエーションが増えます。

そして少しネタバレなんですが、断話にて主人公の戦う~とか
述べたのにも関わらず、その次の魔女戦で主人公の心を
ボドボド│0M0) じゃなかった、ボロボロにさせるというのは、
作者が何を間違ったかどこかのドSなうろぶっちー先生をリスペクトした結果なんです。にじファン様の後書きだと、それっぽい理由付けて言い訳してたんですが、本当の事言うとちょっとした出来心が原因なんです。・・・反省はしている。だが何とか伏せん回収などが出来たので後悔はしていない。

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