魔法少女まどか☆マギカ -女神の決断   作:てにー

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ついにやってきた3話本編。


この回も長いです。サーセン



第23話「お菓子色に染まれ」

 翔一「・・・さやか、今日も病院、行くのか?」

さやか「うん。そうだけど・・・?」

 翔一「・・・なんでもない」

さやか「・・・あっ。翔一。ありがとね」

 翔一「えっ?」

さやか「最近、恭介が元気になったんだよ。・・・ちょっと、佐藤から、

    恭介にプレゼント贈った次の日ぐらいからさ。それで、気になって

    恭介に聞いてみたら、どうやら翔一も関わってたらしいじゃん?」

 翔一「あぁ・・・まぁ、そうだな・・・」

さやか「ありがと。・・・これは、昨日恭介にも、伝えてくれって言われたからだけど、

    私からの気持ちも、入ってるよ。」

 翔一「はいはい・・・どうせお前らイチャイチャですよ、はい」ボソッ

さやか「・・・?何か言った?」

 翔一「・・・いいや」

さやか「しかもリハビリだって凄い勢いなんだってさっ!!

    辛くても、怖気ずに頑張ってるんだって。昨日なんか、いつもの倍ぐらい

    リハビリしたらしいよ。医者の方から『今日はもうやめろ』って

    言われたらしいね。恭介の口からそう聞いた時はホント、ビックリしたよ」

 翔一「・・・何とか、なるかもな・・・」

 

さやか「うん!何とかなるよっ!!!」

 

____

___

 

 

~放課後~

 

 

 

 「・・・今日も頼む」

「えぇ。分かってるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===病院===

 

 

さやか「はぁ・・・お待たせ・・・」

まどか「あれ・・・?上条君、会えなかったの・・・?」

さやか「何か今日は都合悪いみたいでさ。わざわざ来てやったのに、失礼しちゃうわよね・・・」

まどか「さやかちゃん、それほど上條君の事・・・」

さやか「っ///」

まどか「ウェヒヒ」ニコ

さやか「じゃ、じゃあとっとと帰るわよっ!!///」

まどか「うんっ!」

 

 

 

~~翔一side~~

 

 

「・・・あったっ!!」

・・・ついに現れた。

 

あれから、ほむらと協力して、グリーフシードが、見滝原総合病院の駐車場ら辺に

埋まれているか、念入りに探査してた訳だけど・・・。

 

・・・ついに、現した。

 

プルル...ブチッ。

 

ほむら「・・・」

 翔一「!!・・・なんだ。近くに居たのか」

ほむら「あなたが指示したんじゃない」

 翔一「・・・あぁ」

ほむら「・・・!!」

 翔一「・・・?」

ほむら「孵化するわっ・・・!」

 翔一「はぁ!?」

 

どういう事だ、これは。アニメだと、さやか達に発見されるまで、

何とか孵化せずに居たなのに・・・!!・・・あっ。あれは_

 

さやか「なっ!?ほむらと翔一!?」

まどか「ほむらちゃんっ!?」

ほむら「・・・こうなったら、私達だけでも行くわよ!!」

 翔一「・・・仕方ない。本当は事前に防ぎたかったんだけどなっ!!!」

ほむら「・・・来るっ!!」

ほむらがそう言った瞬間、目の前が真っ白な光に包まれた。

 

 

 

 

 

さやか「なっ・・・!? 消えた・・・!?」

まどか「そんな・・・ほむらちゃん・・・戸原君・・・!」

 QB「大丈夫・・・。どうやら魔女の結界に取り込まれたらしい。

    というより、二人共そのつもりだったのかも知れないけど・・・」

まどか「嘘・・・何でこんなところに・・・ほむらちゃん・・・!」

 QB「・・・結界が出来上がった・・・」

さやか「・・・また、あの迷路が・・・?」

 QB「うん・・・そうなる・・・!」

さやか「あ!まどか、マミさんの携帯、聞いてる!?」

まどか「え・・・? ううん・・・いつも戸原君の電話に・・・」

さやか「っ!!」

 QB「・・・・・・・ダメだ・・・マミとは距離が遠すぎて繋がらない・・・!」

 

さやか「あーもう!私、マミさんを呼んでくるっ!まどかは見張ってて!!」ダッ!

 

まどか「えっ!?・・・うん!」

 QB「でも、マミを見つけて到着するまで時間がかかる・・・。その間に、あの二人が

    無事で居れば良いけど・・・やっぱり、結界の先に進むみたいだ・・・」

まどか「そんな・・・」

 QB「あの二人が待っててくれれば良いけど、翔一の事だから、 

    暁美ほむらと一緒に、無理して魔女を倒すと思う。・・・そういう性格だからね」

まどか「ほむらちゃん達とは繋がらないのっ!?」

 QB「・・・ダメだ。翔一に呼びかけても返答がない。暁美ほむらにしても・・・

    先に行ってしまってる・・・魔力は使ってないみたいだけど、

    卵を刺激をしてる所を見ると・・・ダメだ。これぐらいしか分からない・・・」

まどか「・・・さやかちゃん・・・マミさん・・・。早く・・・!」

 

 

 

 

 

「うっ・・・・・・・やっぱり、か・・・」

眩しくて目を閉じた 瞬間、周りの空気が一変した。

そして、目を開けてみると・・・。

 

 翔一「やっぱり結界の中ですよね分かります」

そう。おぞましい空間である。

 

自分が踏んでいる足場は、まるでドーナッツの様に柔らかく、そして

デコボコしている。壁には、無数の注射器と思われる物が刺され、

その光景が奥へ、奥へと続いている。・・・そして、お菓子を思わせる甘い匂い。

 

ほむら「・・・行きましょう。準備は良いかしら」

 翔一「・・・あぁ」

魔銃を起動。・・・そして、左手に現れたそれを、きっちり掴む。

・・・正直、こんな場合に心配する事なのかと思うが、

このただでさえ白い制服が、お菓子のせいで汚れるんじゃないか。

そして、それをマミさんに怒られるんじゃないかと、ヒヤヒヤする。

 

・・・そう。もしそうなっても別に良い。

何て言ったって、『後で』、『マミさんに』怒られるのだから。

 

ほむら「・・・あまり時間はないわね。巴マミが到着するまでに終わらせないと」

 翔一「・・・と言っても、迷路じゃないか。後ろにも道がある」

・・・アニメを見る限り、ここは相当入り組んでいる様子でもあった。

 

使い魔に見つからないように切り抜ける必要もあるし、どこに魔女が潜んでいるかも

分からない・・・。が、それでも急がなければならない。・・・ヒントはあるが。

 

ほむら「・・・そうね。分かれるのは効率が悪い・・・」

 翔一「それに、使い魔にバレたら凄い面倒になりそうだ」

ほむら「・・・これ、使う・・・?」

 翔一「は・・・?」

ほむらが何処からともかく・・・いや、恐らく四●元ポケットとも言える盾から出したの

だろうが、変な装置を差し出してきた。

 

 

 

 

 

 

ほむら「・・・ステルス迷彩」

 

 

 

 翔一「――!?」

・・・圧巻した。いや、幾ら近未来の世界とは言え、こんな物が実在するとは。

いや、男の一つの夢だけど・・・。うん。某ス●ークよろしく、スニーキングする事になる。

・・・そう。俺が昔、憧れていた物、そのもの。・・・そして、その物の一部が、目の前に。

 

ほむら「・・・軍の最新施設から盗み出した物だけどね。まだまだ開発途中で、

    小型化する際、稼動時間が20分弱になってしまったらしいけど・・・」

 翔一「この世界ぱねぇ・・・」

ほむら「・・・?」

 翔一「・・・いや、それだけあれば十分だ」

ほむら「無限バ●ダナはないけれど」

 翔一「いや、さすがにそれは期待してない。・・・」

ほむら「残念そうな顔してるわよ」

 翔一「いや、・・・まぁ、魔銃((デーア ))も十分チートだし

・・・驚かない」

 

ほむら「・・・そう。使い方は、首にはめてスイッチを押すだけ」

 翔一「・・・嫌な予感がするけど・・・ええい!ままよっ!!!」

 

首にはめるっ!!!

 

そしてっ!!スイッチを・・・あった!これかっ!!

 

 翔一「おっ!?」

おぉ!?・・・おっっ!?

 

 翔一「ステルス迷彩(の装置)から光が逆流するっ・・・! ギャァァァ・・・じゃなかった・・・」

・・・!!・・・体が・・・透明にっ!?

 

 翔一「・・・マジで透明になったよ。ハイパーなジャマーなんですか?

    緑色の粒子ですか?ミラージュなコロイドさんなんですか?」

ほむら「少なくともあなたが口走った物で透明になった訳ではないわ」カチャッ

 

 

 

 翔一「ぶっ!?・・・www」

 

 

 

ほむら「!?///」

 

ほむらさんwww何やってんすかwww

・・・ほむほむがゴーグルを被りました。・・・何ていうか、分かりますよ?

うん。熱を探知~やらするための奴でしょうね、そのゴーグル。でもね・・・

 

・・・・シュールというか似合わないというか・・・・・。まぁ可愛i_

 

 

ほむら「っ!!!///」ゲシッ

 翔一「痛い!足踏むのダメっあ、っやめっ!!!」

ほむら「!!///」ゲシッゲシッ

 翔一「やめろっ!!痛い!!痛いからっ!だが私は謝らないっ!!!」

ほむら「この・・・!///」ゲシッ

 翔一「すいません!やっぱり謝りますっ!痛い!痛いですっ!謝ります!時間ない!!」

ほむら「・・・・・・仕方ないわね・・・これで・・・・最後よっ!///」ブン!!

 

 翔一「nice bort!?」

・・・ほむほむの腹パン・・・キツいです・・・。

 

____

__

 

 

 翔一「・・・行ったな。・・・進むぞ」

・・・ほむら(ゴーグル被って正直可愛らしい)と一緒に、

出来るだけ使い魔の監視を逃れながら、先に進む。

・・・正直俺は今、透明だし、魔銃は制服の内側に入れてるから見えないだろうし、

俺は使い魔なんて別に気にしない。

 

ほむらも時を止めるというチートにも等しい技を使っているので、

正直使い魔を気にせずに進んでいくが、普通にテクテク歩いてたりする使い魔達は

構わないものの、警戒してる使い魔はそうは行かないので、

ほむらに何とかしてもらってから、ドンドン先へと進む。

 

・・・が。何処もかしくも扉か通路。

 

扉を開けたら、また別の通路か。・・・もしくは、部屋になっていて、そこに使い魔が居るか。

 

・・・病院をイメージしているのか、所どころ、そう思わせるように、

病室と思われる部屋で使い魔が寝ていたり、ある場所では、

使い魔が医師と思われる使い魔(帽子被ってたからそう判断したけど)に、

診断されている様子もあった。

 

・・・まぁ、こうやって語れるぐらい、この魔女の結界のに居る訳で。

入ってから、少なくとも20分は経過し・・・。

 

 

\プン/

 

 翔一「あっ」

・・・ステルス迷彩のバッテリーが消えたらしく、プンと言う音ともに、

透明になっていた体が、姿を現す。

 

ほむら「・・・切れたわね。・・・でも、もうすぐ結界の中心部だから、丁度良いわ」

 翔一「あぁ・・・」

そう。この先の扉から、凄い数の気配がする。

首から装置を外して、ほむらに軽く投げ渡して、キャッチしたほむらが

ゴーグルを外し、装置とゴーグルを盾の中に収納と同時に、俺も魔銃を取り出した。

 

ほむら「・・・行くわよ」

ほむらが扉を開け・・・・。

 

・・・扉の向こうには、橋が続いている。

・・・ここは・・・・。そう。アニメ本編なら、まどかが、マミさんに

魔法少女になるという告白をした場所だ。

・・・そして、・・・・・・・

 

 

この橋の下。そして、魔女が群がるその扉の向こうの先。

 

 

その先に魔女と戦って・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マミさんは死んだ。

 

 

 

 翔一「・・・下だ。この橋の下に、魔女が居る空間に繋がる扉があるはず」

ほむら「・・・案内をどうも。未来予知さん」

 翔一「・・・そんなんじゃない・・・・・・」

ほむら「・・・このまま下に下りて、向かってくる使い魔を正々堂々と迎え撃つ?」

 翔一「バカ言え。そんなの無駄な体力の浪費だろ」

ほむら「・・・あなたとは、気が合いそうね」カチャ

 

 翔一「そりゃどうもっ・・・あっ、ほむら、ちょっとそれ、予備ある?」

ほむら「・・・」

 

 

・・・・・・・。

 

 

ほむら「安全地帯から攻撃だなんて・・・卑怯者ね」

 翔一「卑怯者でも結構。・・・ヘタレですからね、俺は・・・!」カチャッ

・・・ほむらはグレネードランチャーを。

そして、俺も、ほむらから渡されたグレネードランチャーを。

・・・というのも、今までマミさんを守るのに必死で、魔石の残りが少ないのと、

実物使って見たかったのとかあるけど・・・。まぁ、どちらかと言うと前者の理由が強い。

 

 

ほむら「橋の上から・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 翔一「下に居る使い魔を・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ほむら 翔一「「狙い撃つ・・・!」」

 

 

まさに外道。

自分は安全区域から敵を狙い撃つだけという、簡単なお仕事。

少なくとも、学生主人公がやって良い沙汰ではないと思う。

 

・・・昔憧れてた『者』にとっては到底許されない様な行為かも知れない。

 

・・・それでも・・・。

 

 

 翔一「この距離なら、敵さんも反撃出来ないなっ・・・!」ドヤァ

マミさんのためなら、この際、外道でも良いか。・・・それに、俺はもう成れないんだ。

 

 翔一「後ほむら、俺の家に盗聴器やらつけるのはやめろ」

ほむら「・・・バレてたのね」

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

~~~マミさんside~~~

 

 

 

 マミ「・・・2人共、進むわよ」

さやか「おぉー!」

まどか「はいっ!」

___

__

 

 

さやか「うげぇ・・・何ていうか、今までのよりもグロいなぁ・・・」

まどか「うん・・・でも・・・何だか、病院みたい・・・」

 マミ「・・・それで、さっきの話は、本当なの?」

まどか「はい・・・。ほむらちゃんと戸原君が・・・」

 QB「・・・でも、この結界の先に、ちゃんと居るみたいだ。僕が案内するよ」

 マミ「えぇ、お願い」

さやか「それにしても、タイミング悪かったなぁ・・・2人とも、マミさんが来るまで、

    待ってれば良かったのに・・・・」

 マミ「・・・仕方ないわ。翔一は、昔からそういう性格なんだもの。

    誰かに苦労が及ばないように・・・ね。無茶ばっかりするんだから・・・」

まどか「戸原君の事、良く知ってるんですね。マミさん」

 マミ「・・・えぇ」

さやか「・・・」ニヤ

まどか「・・・あっ。そういえば、マミさんと戸原君って、お隣さんで・・・・」

 

 マミ「・・・お互い両親を事故をなくしてね。・・・不幸な偶然にも思えたわ。

    何で私達なんだろうって。・・・もう、過ぎた事、なんだけどね・・・」

 

まどか「マミさん・・・」

 マミ「・・・でも。でもね・・・?」

さやか「・・・?」

まどか「・・・?」

 

 マミ「それでも、翔一はね・・・?

    いつも、私の傍に居てくれたの・・・。一人ぼっちなんかじゃ、なかったもの」

 

さやか「・・・マミさんにとって、翔一は大切なんですね」

 マミ「・・・えぇ」

さやか「・・・うん、良いですね。絆で結ばれてるって奴・・・」

 マミ「・・・・・うん・・・///」

まどか「良いですね・・・それ・・・」

さやか「うんうん!・・・それで肝心の翔一だよね。・・・キュゥべぇ。まだ着かない・・・?」

 QB「残念ながらね。走っても10分はかかる。でも急ぐ事はないと思う。

    2人共無事なはず_」

 

\チュドーン・・・・・・/

 

まどか「・・・今のは・・・?」

さやか「爆発の音・・・みたいだけど」

 マミ「・・・急ぎましょう」

 

___

__

 

 

 マミ「っ!」

まどか「ひゃっ!」

さやか「うえぇ・・・!」

 マミ「・・・くっ。こんな所で使い魔の足止めなんか・・・!」

・・・目の前に、10匹は超える使い魔が。・・・待ってて・・・翔一・・・。

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

 

 翔一「・・・片付いたな」

ほむら「・・・えぇ」

・・・下を見上げると、お菓子で出来ていた床が、真っ黒になっている。

・・・幸い、魔女が居る間へと繋がる扉は発見していたので、その近くには

撃たなかった。・・・というか、凄い・・・腕重い。コゲ臭い。

 

 翔一「それじゃ、急ごう」

ほむらに活躍してくれたグレネードランチャーさんを渡して・・・。

 

ほむら「じゃ、ここから降りるわよ」

 

 翔一「えっ。階段あるだろ、あそこに」

ほむら「そんな時間あると思う?」

・・・・。嫌な予感がして、思わず後ずさりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一「い、いや、お、俺は階段で行くぞ!? こ、ここから飛び降りないからなっ!!」

 

 

 

ほむら「・・・」

 翔一「やめろっ!近寄るなっ!いやお願い!この高さは無理!100mはあるよっ!!」

ほむら「じゃあ、私に蹴り落とされたいのかしら」

 翔一「嫌に決まってるだろ!! だから俺は階段を_」

 

ほむら「・・・」ガシッ

・・・ほむらの手が、俺の腕を掴む。

 

 翔一「な、何をするっ!やめっ!!!・・・タイム!!!スタートメニュー、ポーズ!!

    せめてセーブさせろっ!!!この理不尽なイベントの前にセーブさせろっ!!」

 

ほむら「・・・行くわよ」

 翔一「ちょっ、待って!お願い!この距離は無理っ!!お願いですっ!!!」

ほむら「・・・っ!」

 翔一「うぉおおお!!!!!????」

ほむらに、投げ飛ばされた。・・・・あっ。今俺空中に投げられた。

 

 

 

投げられた=空中にいる=このまま落ちる=・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

やばくねっ?

 

 

 

 

 

 翔一「ヘヴンズダアアアアアアアアアアイブ!!!」

 

アイアムインザスカーイ!!! ほむほむに突き落とされてアイアムインザ_

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一「スカー・・・・・イ?」

 

・・・・あれっ。・・・?あれっ・・・・?  ・・・あれっ?

 

ほむら「・・・ぷっ・・・」

 翔一「・・・・おかしいなぁ・・・・?」

・・・ほむらに突き落とされたと思ったら、何時の間にか足が地面に。

 

何が何だか分からない・・・・!!!

 

そう。例えて言うなら、DE○TH N○TEのエ○がK○RAの殺人の手口を見て何が起こったか

全く分からない。というのが良い例えだと思う。うん。

 

ほむら「・・・」スッ

・・・そう言って、ほむらは盾を見せ付ける。・・・・そういう、事か・・・。

 

 翔一「時間停止して俺を運んでくれたと。はいはいワロスワロ・・・・って!!

    俺を運んでくれたのはありがたい!!だけど、突き落とすくだり必要!?

    ねぇ、ほむらさん!? 必要だったのっ!? 突き落とすくだりってっ!!」

 

 

 

 

ほむら「ないわ」

 

 

 翔一「・・・・・このまな板野郎・・・。絶対後で仕返ししてやる・・・」ボソッ

 

 

ほむら「」カチャッ

 

 翔一「さぁー行こうかほむらさん!だからその 拳銃(ベレッタ )しまおうねっ!」

ほむら「分かれば良いのよ」

胸から来るこの怒りを何とか抑えて、魔女の間へ続く扉の前まで来る。

 

ほむら「・・・覚悟は良いわね」

 翔一「覚悟なんかない」

ほむら「それじゃ・・・」

ほむらが、魔女の間へと続く扉を開いた。

 

 

・・・・・・・・ここで、倒す。  倒すんだ。

 

 

~~~~~

 

 

 マミ「・・・これで大丈夫ね」

さやか「さっすがマミさん!余裕っすね!!!」

 マミ「それほどでも」ニコ

まどか「・・・・・・・・」

・・・・やっぱり。やっぱり、カッコ良い。目の前のマミさんを見て、そう思う。

 

願いごと。・・・私なりにいろいろと考えてみた。

 

マミさんと、ほむらちゃんの姿を見て。

 

・・・叶えたい願いごととか、私には難しすぎて、すぐには決められなかったけど・・・。

でも、人助けのためにがんばるマミさんと、ほむらちゃんの姿は、とても素敵で・・・。

こんな私でも、あんな風に誰かの役に立てるとしたら・・・。

 

でも。

 

私が気になってしまうのは、ほむらちゃんの事。

 

昔から得意な学科とか、人に自慢できる才能とか何もない私とは、

本当は、私なんかが、友達になんかなれない。そんな様な子で。

 

それでも、ほむらちゃんは私に優しくしてくれて。

・・・・・・マミさんと、ほむらちゃんと。同じ事が出来るって言われて。

 

きっとこれから先ずっと、誰の役にも立てないまま、迷惑ばかりかけていくかも知れない。

だけど、ほむらちゃんは、そんな私に『そんな事ない』って何時も言ってくれて。

まるで、私の事を、良く知ってるみたいに。そんな風に、私を励ましてくれて。

 

・・・そんな優しいほむらちゃんみたく。そして、マミさんみたく、

誰かの役に立てる。胸を張って生きていける。

 

それが出来る。・・・・私にも。

 

 

でも。・・・・でも。

 

やっぱり、あの事が忘れられない。

 

ほむらちゃんがどんな願い事で契約したのか。

それもまだ知らない。

 

『・・・【大切な人のため】・・・かしら』

そう言うほむらちゃんの目は、何だか、凄く悲しそうで。

 

そして、

 

『絶対に【誰か】のために契約なんてしないでちょうだい。        

        ・・・でないと、後悔するわ。・・・絶対にね』

この言葉を言う時は、より一層悲しそうな目をして。

 

・・・友達の言葉だからだとか、そういうのもあるけど・・・。

そう告げる、悲しそうなほむらちゃんの目は、私の心に、深く刻まれた。

 

だから、どうしても戸惑ってしまう。

こんな事で契約してしまったら、ほむらちゃんは、

 

もっと悲しい目をするんじゃないか。

 

こんな願いで契約したら、もしかしたら、悲しくなって泣いてしまうんじゃないか。

・・・それが怖い。・・・他の皆にとって、どうって事ない事かも知れない。

 

だけど、こんな私に優しくしてくれる、ほむらちゃんの言葉だからこそ、

深く、気になってしまう。

 

・・・戸原君も・・・。

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

<<あっ、戸原君。・・・私・・・その。願い事・・・>>

 

<<・・・お前が皆のために頑張ろうとか思ってるのは知ってる>>

 

<<!!・・・なんで・・・?>>

 

 

 

 

 

――・・・誰かのために頑張っても、・・・報われない奴は居る――

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

そう告げる戸原君は、ほむらちゃんと同じ、悲しそうな顔をした。

 

だから、考えてしまう。

 

今のこの私の願いで、本当に契約して良いのかどうか。

 

 

・・・私って、弱い子だ・・・・。

 

 

____

___

 

 

 マミ「・・・ここね」

さやか「何か、コゲ臭くない・・・?」

まどか「・・・うん」

 マミ「・・・開けるわよ」

___

_

 

 

さやか「うわぁ・・・真っ黒・・・」

 

\バァアアアン!!/

 

まどか「きゃっ!?」

さやか「うわっ!?」

 

 マミ「・・・この先ね!! 行きましょう!」

・・・だから今は。もう少し・・・・・。考えなきゃ。

 

自分が心の底から納得できる、答えを。

 

 

 

~~~~~

 

 

 翔一「・・・っ!」

ほむら「・・・!」

扉を開けて広がったのは、当たり一面中に広がった、巨大なお菓子とケーキ。

フォーク、スプーンが刺さり、その場には、生クリームを思わせる物が、地に錯乱していた。

 

そして特徴的なのは、自分達の背を遥かに超える、無数の巨大な画鋲。

 

空間の中心に、まるでお茶会で使用されるような、巨大なイスとテーブル。

 

・・・そのテーブルの上に、こちらでも視認できる程の、お菓子の箱。

そしてその箱の中身が、暴れている。

 

ほむら「・・・来るっ!」

そうほむらが言い終わった同時に、箱が破れる。

 

そして、一匹の、小柄で可愛らしい魔女が、姿を現した。

お菓子の魔女。名は、 CHARLOTTE(シャルロッテ )

3話でマミさんを、殺した魔女である。

 

 

 翔一「・・・っ!」

息が乱れる。・・・だが、それを何とか整える。

・・・魔銃((スナイパーライフル) )を構え、

ほむらは瞬時に魔女の近くへ移動。

 

ほむらが拳銃で小さな魔女に数弾撃ち込んだ、その時。

 

 

 

トラウマにもなっている、巨大で、蛇の様な胴体をしている、

真っ黒な化け物が、可愛らしい外見の魔女の殻を破り、姿を現した。

 

 

 翔一「ほむらっ!!!」

ほむら「・・・」

 

 魔女「--」ニヤァ

・・・笑顔で大きな口を開け、今にもほむらを飲み込もうとしている化け物。

だが食べる対象はとっくに消え、代わりに爆弾が口の中に入る。

 

 魔女「!?」

口の中で思いっきり爆発した物により、魔女は活動不能になるかと思いきや、

またすぐに、移動したほむらの元へ動き出す。

 

・・・スコープでそれを見た後、瞬時にスコープを別の場所に向ける。

・・・俺が担当しているのは、魔女の『本体』。

 

椅子に佇んでいる、ピンク色で、殻を破られた方ではない、

灰色の人形を思わせる、魔女の本体。

それを潰さなければ、あの禍々しい化け物は永遠に活動し続ける。

 

ほむらに魔力消費を出来るだけさせず、早く潰す。

 

そのために。・・・そのために、狙いをすます。

 

・・・爆発音が耳を飛び交う中、ついに標的を発見した。

焦りは禁物。相手は常識が通じない化け物。外れたらどうなるか、

想像すると寒気がする。

 

・・・呼吸を整え・・・息を止める。・・・・・・・・・・・そこ__

 

 

 

「翔一っ!!!」

 

「っ!?」

 

 

・・・最悪な展開だ。

 

マミさんが、到着してしまった。予想より速い・・・!!

 

 

 翔一「っ!?」

 マミ「状況は!?」

 翔一<<・・・ほむら!! 間に合わなかった! プランBだ!>>

ほむら<<・・・了解・・・!>>

 翔一「・・・ほむらが囮になってる・・・!・・・マミはここから、ほむらの援護射撃を_」

 

 マミ「・・・暁美さんを囮にして戦うなんて、私は出来ない・・・!!」

 

 翔一「何っ!?」

 マミ「そんなの、出来る訳がない・・・!!」

 翔一「文句を言っている場合じゃない! あの魔女はマミとの相性が悪すぎる!!

    遠くから援護するだけでも十分に_」

 マミ「そんな事したら・・・また、『翔一が怪我したあの時』みたいになっちゃう

    かも知れないから・・・!! 私はそんなのイヤ! ・・・暁美さんを囮にするなんて_」

 翔一「だからと言って無茶をするな!! 勇気と無謀は違う!!」

 

 マミ「無謀が無ければ勇気なんて生まれはしないわ!!」

 

 翔一「っ!?」

 

 マミ「時には、無謀だと分かっていてもやらなければいけない時がある。

    それを示したのは翔一、あなたよ!! 今がその時なの!!・・・だから、私は・・・!!」

 

 翔一「そんなの、ただ死にに行くような物だ!! 命があるからこその__!」

 

 マミ「私は、自分の気持ちに嘘はつきたくない!!魔法少女になったあの時から・・・!!

    翔一が怪我したあの日から――!!もう二度と後悔しないようにしたいから・・・!!

    嘘はどこまで行っても嘘にしかならない・・・!なら、自分に素直になりたい―!!」

 

 翔一「そんなの・・・!! そんなのは・・・!!」

――マミさんのこの真っ直ぐな瞳を、俺は真っ直ぐに見れない。

 

 マミ「翔一・・・。どうしたの・・・!?」

 翔一「っ・・・!?」

 マミ「・・・・翔一は・・・翔一は絶対、そんな事・・・、言わないはず・・・!」

――そうだ。・・・あの時の俺なら・・・。こんな事は言わないだろう。

 

 翔一「それは、・・・・・・それは・・・!!!」

 マミ「誰かを幸せにしたいと、誰かの笑顔を守ってあげたいと、私に教えたのは・・・

    私の今があるのは・・・! 翔一、あなたのおかげなの・・・!!」

――マミさんは・・・。

 

 マミ「皆を助けたい。・・・それは、仲間である暁美さんに対してだって、同じ事よ・・・!

    誰かの笑顔のために頑張れる。それってすごく素敵なことじゃない・・・?

    ・・・だから・・・私は、皆の笑顔のために頑張れる。・・・例え毎日危険な目にあっても、

    私は、決して一人ぼっちなんかじゃない。・・・だから・・・!!」

―――本物で、俺はただ自分に酔っていただけの痛い奴で。差は歴然としている。

 

 翔一「・・・そんなの、ただの綺麗事でしかないじゃないか!!!」

 

 マミ「・・・・そうよ、・・・だからこそ現実にしたいの・・・。

    本当は綺麗事が一番いいんだから・・・。それで済むなら、ずっと良いから・・・!!」

 

 翔一「っ!!!」

 マミ「だって、私は_____!!!」

 

__『なぁ翔一、お前、中学での目標、何書いた?』

 

_『むっ・・・? 時雨・・・お前は分からないのか?』

 

__『分からないに決まってるだろ?だからこうやって聞いてるんだ』

 

_『ククク・・・そんなの、決まっているだろう』

 

__『ん・・・?』

 

_『俺は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             『正義の味方になってやるっ!』

             「正義の味方なんだから!!!」

 

 

 

 翔一「・・・・くっ!!!」

・・・間違いない。マミさんの目は・・・。・・・あの時の。・・・ただ純粋に、

ひたすら目指していた時のあの時の俺と、同じ目だった。

 

 

 

ほむら<<何をやっているの!! こっちの準備はもう済んだわ!!>>

 翔一<<っ!?>>

 マミ「・・それが、私だから。・・・私はもう、目の前で誰かが傷つくのは嫌だから・・・!!」

 翔一「なっ!? 待てマミっ!!!」

マミさんが、魔女の元へ向かっていってしまう。

そっちに行ったら・・・!!

 

 翔一<<くそ・・・ほむら!! とにかく魔女をマミから引き離せ!!>>

ほむら<<全く、無茶ばっかり言ってくれるわね・・・>>

 翔一「後で何でもやってやる!! だから頼む・・・・!」

・・・スコープで覗く。・・・いない。

 

いない。

 

――いない。

さっきまで居たはずの人形が居ない。

 

必死に何処だとスコープを覗かし見回すが・・・。

居た・・・___・・・!?

・・・捕らえていたはずの人形が、一瞬で消えた。

消えたのだ。

 

・・・驚いてしまい、数秒ほど唖然としてしまったが、すぐに索敵を再開。

・・・が、爆発音が気になり目を逸らすと、遠めでも、苦戦はしていない物の、

機関銃を手にし、魔女の動きを足止めしながら動き回っているほむらが映る。

そして、マミさんがマスケットで応戦している姿も。

 

 翔一「・・・ちくしょおおおおお!!!」

俺の足では、マミさんを連れ戻す事も出来ない。

だが・・・・!

 

 翔一<<ほむらっ!! ・・・・・・プランDだ!! 俺が相手をする!!>>

ほむら<<なっ・・・!! あなた、そんな事したら!!>

 翔一<<何とかするっ!! だから・・・、だから、マミを・・・頼むっ!!>>

 

マミさんを死なせるぐらいなら、今ここで俺が囮になった方が良い。

 

ほむら<<・・・しまったっ!?>>

 翔一「っ!?」

 

すぐに魔銃を構える。

 

スコープでマミさんの様子を見ると、リボンを使って魔女を拘束。・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リボンを使って、魔女を拘束・・・・。

 

 

 

 

 

そして、マミさんは自身の必殺技を・・・・・・・・。

 

 

________________このままじゃ___!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マミ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」

 

 

 

予想通りだった。

 

魔女は自らの皮を、脱皮する事でリボンによる拘束を逃れ、

 

マミさんに向かっていく。そして、肝心のティロ・フィナーレも回避されてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが。

 

 

 

 

 

ほむらが魔女に取り付けていた爆弾を起動させ、次々に爆発、そして別の箇所に

誘爆。魔女はマミさんにたどり着く前に行動を停止。

 

 

「良くやった、ほむら!!!!」

そして、また脱皮する事によって、行動を再開しようとするが__

 

 

「当たれぇぇぇ!!!」

魔銃((バズーカ))を構え、行動を再開する前に撃ち込む。

 

 

 

・・・・・・・・・直撃。脱皮をする時に隙が出来た事もあって、直撃した。

 

爆風で魔女が見えない。・・・・・・・一瞬、マミさんの方へと目を向けると、

ほむらがマミさんを何とか制して、まどか達の方へと連れ戻している。

今ので分かった通り、マミさんとは相性が悪い。マミさんは下がってもらった方が良い。

 

・・・これで大丈__

 

 

「――――――――グァァァァァァ!!」

 

 

 

「なっ!?」

 

爆風の中から、あの黒い化け物がもの凄い勢いでこちら向かってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まどか「マミさん!!」

 

さやか「マミさん!!無事ですかっ!?」

 

 マミ「・・・ 油断、していたわ・・・。でも、次は仕留める・・・!」

 

ほむら「行かせない。あの魔女はあなたとは相性が悪すぎる」

 

 マミ「・・・助けてくれてありがとう、暁美さん。でも、私は引けない・・・!」

 

ほむら「・・・あなた、死ぬわよ」

 

 マミ「悪いけど、死ねないって約束があるの・・・! 翔一だって_」

 

ほむら「その彼が頼んだ事なの」

 

 マミ「何ですって・・・!?」

 

 

 

「――――――――グァァァァァァ!!」

 

 

ほむら「っ!?」

まどか「あっ!?」

さやか「翔一!!!」

 

 

 

 

 

マミ「――翔一っ!? ・・・やらせない・・・!!」

 

・・・あの魔女の向かう先には・・・・!!

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

『マ・・・ミ・・・?』

 

『佐倉さん・・・!』

 

『翔、一は・・・?』

 

『大丈夫・・・!大丈夫だから・・・!翔一は大丈夫だから・・・!今は自分の怪我を治して!!!』

 

『そっ・・・か・・・もう・・・大丈、夫・・・なん・・・だよ・・・な?』

 

『えぇ・・・!大丈夫だから・・・!お願い・・・!早く・・・!』

 

『なら・・・安心、だな・・・』

 

 

『佐倉さん!!!!・・・・・ねぇ・・・!起きて・・・!!!・・・起きてっ!!!』

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

もう、二度とあんな事を引き起こさないために。

 

・・・化け物が向かっていく場所に、ある光が現れた。その光は、化け物に向かわず、

魔女の空間を翔けて行く。そして、光が向かうその先には・・・。灰色の人形。

 

・・・自分と同じ時間を過ごし、苦楽を共にしてきた彼が、無駄な事をする訳がない。

 

そう確信付けたのは、思い出、記憶。そして胸の想い。

 

それらと、今出来る事で導きだしたのは――。

灰色の人形を、自分の力で拘束する事だった。

 

 

・・・・・・少女が人形を拘束した瞬間その直後。・・・もう勝負は決していた。

 

 

 

 

 

 

 

・・・油断していた。

 

 

―――回避するのは間に合わない。

 

 

 

・・・体が動かない?

 

冗談じゃない。何が体が動かないだ。

 

ふざけるな。体が硬直して、死ぬなんて。

 

確実に化け物は俺へ向かってくる。

 

今、少しずつ。

 

少しずつ。

 

 

死んでたまるか。俺には____

  

 

                        ――俺は、正義の味方ではないけれど。

 

 

 

まだ、やらなきゃいけない事が――――あるんだ。

 

 

 

                     ――もう、マミさんみたいには成れないけれど。

 

 

 

 

今の俺だって、誰かを助けてやるぐらいの力はあるんだ。

 

 

 

 

                         ――無力だった時の自分じゃないから。

 

                       

 

あの時の俺に力が無くても、今ならあるんだから。

 

 

 

 

 

                    

 

                ・・・なら。

                     

 

 

              

 

        俺も正義の味方((マミさん) )みたく、誰かを救えるなら。

          

 

 

 

__『おっ、何かカッコ良いなそれ!! 俺は応援するぜ!!』

 

_『ふははは!! ・・・決めた!! 俺は、少なくともその辺の奴よりは強くなる!!』

 

__『おいおい・・・折角の目標がそれかよ・・・』

 

_『だってさすがにヒーローとかより強くなれるとは思わないだろう?』

 

__『はは、確かにそりゃそうだな・・・でも、相変わらずのヘタレだな、お前は』

 

_『だから、俺はこんな俺を変えるためにも、なってやるんだ!!』

 

 

 

             なら・・・もう一度とは言わない。

 

 

                 それでも・・・。

 

 

 

 

            

 

            また、夢に見る事ぐらい・・・良いよな。

 

 

 

_『俺は________』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ―― 『正義の味方になってやる!!』 ――

                「もう二度と失いたくはない!!」

 

 

 

 

・・・奇跡なのかも知れない。

 

それとも『慈悲』か。   

あれ程俺を殺せと願っても殺してくれなかった神が、今更かけてきた情けなのか。

 

どちらかは分からない。

だが俺は・・・・・咄嗟に身体を動かし・・・。

 

 

 

「―――― 終わりだぁぁぁ!!!」

そう口で告げ、魔銃( (アンチマテリアルライフル))の引き金を引いた。

そして口を開けたままの状態だった化け物に貫通。

魔銃の引き金を引き、弾を発射した瞬間・・・。その刹那。

魔銃((ミサイルランチャー ))を展開、そのまま何の狙いを定めず天井に向かって発射。

 

そして・・・。発射されたミサイルは目標を確認。――そのまま、魔女本体に迎う。

 

だが、黒い大蛇かの様な化け物は、魔銃によって貫通されたからとは言え、こちらに向かう

勢いを殺さずに向かってくる。

 

――この間、僅か数秒。

魔銃の引き金を引き、ミサイルを発射した同時に、魔銃((ショットガン ))を展開。そして・・・。

 

 

「俺は―――――」

 

 

 

 

 

 

「 死ぬわけにはいかないんだ!!!」

引き金を引くと、銃口から無数の弾が発射され、その一発一発が化け物の身体を貫通し・・・・。

俺にたどり着く前に、遠くから爆発音。そして―――。  

 

化け物は消えていった。

 

 

・・・・・・脱皮するとは言え、真正面から貫通弾を食らい、頭から尾まで貫通されれば

脱皮するにしても通常よりも時間がかかる。

 

その隙に逃げ、ほむらに魔女本体を任せるという手もあったが、

咄嗟に放ったミサイルが命中してくれた様だ。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・正直、トイレ行って来て・・・本当に、良かった・・・」

無事に生還した第一声がこれである。

・・・だが、これが心情であった。・・・・トイレ行っていなかったら確実に・・・。

 

 

・・・・・・・結界が解けていく。

 

 

 

 

 

 

 

===病院/駐輪場===

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・すいません、もう無理です。・・・無理です。

・・・もう、良いよね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・し・・・・し・・・・!! 死ぬかと思ったぁあああああああああああああああ!!!!!!」

 

心の叫びを、口に出して言う。

 

事前のイメトレって偉大だと言う事を、改めて認知した。

 

今さっきの状況に遭遇したらどうしようかと、8種類ぐらい行動パターンを考えておいて

良かった。咄嗟にやったら上手く行っちゃったって感じだな・・・。

 

凄く怖かった。というか何かこう、怖いけど身体が『生きたい』って意思だけで

動いたとしか言えない。

 

というか正直言って、内心焦りまくりでミサイルをあの化け物に撃ち込もうと戸惑ったけど

俺自身危ないからどうしようと思って動揺しっぱなしで撃ったら本体に当たってくれた・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・母さん。俺、生きてるよ・・・」

・・・・・・『生きてる』ってこんなにも嬉しい事なんだな・・・。

また、確認する事になるなんてな・・・。

 

さやか「翔一~!!」

・・・あっ。さやかが・・・って、結構遠い場所に飛ばされたもんだ。

入り口は同じなのに結界が解けたら不安定な場所に出るだから、参ったもんだ・・・。

 

さやか「こんな所に居た!! マミさんが・・・!!」

 翔一「!! マミに何かあったのかっ!?」

さやか「と、とにかく、急いで!!」

 翔一「あぁ!!」

 

・・・さやかが凄く慌てている様子なので、急いでマミさんの元へ。

 

 

 

 

____

___

_

 

 

 

 

ほむら「・・・無茶をしすぎたのよ、あなた」

 

 翔一「あぁ。反省してます・・・この状況じゃ、反省せざるを得ない・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 マミ「良かったよぉ・・・!ヒグッ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・結果。

 

 

 

 

マミさんに泣きながら抱きつかれました(2回目)。

・・・これも奇跡何だろうかは分からない。

あの時・・・。

・・・マミさんは自分が間一髪助かった事よりも、真っ先に俺の心配をしたらしい。

相性が悪いのにも関わらず、勇敢に立ち向かおうとたが、ほむらに制されて・・・いる最中に、

あの化け物が俺の方に向かうのを見てしまったがために号泣。

・・・・・・・・・・・なんか、トラウマとか・・・あるのかも知れないな、マミさんは。

この前だって、尋常じゃない震え方だったし。

・・・俺が『大怪我』したって言うのと、何か繋がっているのかも知れない。

 

 翔一「悪かった・・・悪かった・・・」

安心させるために、マミさんの頭を撫でる。

・・・というか、体が自然にやってしまった。少し・・・弟の事を思い出す。

泣き止まなかった時は、こうしてやると、泣き止んだのだ。

 

 マミ「うっ・・・うう・・・」

まどか「・・・良かった・・・2人共無事で・・・」

さやか「うん・・・!」

・・・ぶっちゃけ俺とほむら以外、泣いてます。

さやかは俺をここに連れてきた当たりから泣いてます。

 

ほむら「・・・・」

あ、撤回。何かほむらさんも泣きそうになってる(?)。

これどうするよ? この場に居る女の子全員を、俺が泣かしたみたいになってるじゃん。

何コレ。ストレスマッハ。罪悪感ってレベルじゃない物が俺を襲ってくる。

 

・・・・だが忘れるな。俺はヘタレである。 こんな時、どうすれば良いかなんて、

ズル賢い脳が考えてくれた。

 

 翔一「・・・ここ・・・病院・・・です」

さやか「あっ・・・そ、そうだった!!」

・・・さやかは泣き止んでくれた。

 

まどか「でも・・・良かった・・・良かった・・・!」

まどっちは以前として泣きやむ様子がない。どうすれば良いの。助けて母さん、時雨。

 

ほむら「・・・そうね。ほら。まどか・・・私が一緒に居るから・・・ね」

まどか「うん・・・怖かったよ・・・怖かったよほむらちゃん・・・!!

    マミさんと戸原君が死んじゃうかも知れないって・・・・!!」」

あーあー。余計に泣くぞこりゃあ・・・・。

 

 マミ「良かった・・・良かった・・・!!」

 翔一「俺としては・・・マミが助かった事の方が、嬉しいけどな・・・」

・・・あれっ。何だろこれ。・・・・・・・・・・・・やばい。

 

 

マミさん、今生きてるよ。・・・・・・・・・生きてるんだ。

 

 

 

 

今、俺の胸の中で泣いてるけど・・・・・・・・・・。

 

 

 

ちゃんと、生きてるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

マミさん。

 

 

 

 

 

 

「・・・マミ・・・・・・・・・生きてる・・・・・・・・・・生きてるよな・・・!!」

 

「うん・・・! 翔一もっ・・・!! 無事でっ・・・! 良かったよぉ・・・!!」

 

 

 

 

 

 

・・・・サーセン。

 

 

 

 

 

泣いて、良いですか・・・?

 

 

 

 

「良かった・・・良かった!!やっぱり、マミが生きてるっ・・・!!生き、てるっ・・・・!!」

 

「バカぁ・・・!! もう、ヒグッ・・・!無理・・・しない、でぇ・・・!」

 

「でも・・・マミを・・・守るためには・・・無理しないと・・・・いけなか・・・ったんだよっ・・・!」

 

「だって・・・・!あぁしないと・・・暁美さんがっ・・・ヒグッ・・・だってぇ・・・」

 

「だから・・・俺もさ・・・? ああしな、いと・・・マミが・・・」

 

「でもっ・・・・だからって、無理、ヒグッ・・・しちゃ・・・ダメなの・・・!!

 また、私!! 一人ぼっちになりた、く・・・ない、からぁ・・・!! 佐倉さん、が、

 離れて、翔一まで離れ、たら・・・!! 私、もう・・・、イヤだぁ・・・・!!」

 

「ごめん・・・・ごめんっ・・・!!」

 

「謝る、なら・・・!! 無茶しない、でぇ・・・!!」

 

「あぁ、・・・・ごめん、ごめん・・・ごめんよ・・・!」

 

 

 

「・・・///」「・・・///」「・・・///」

 

 

 

 

「「・・・・あっ」」

 

 

「・・・帰ろうか、ほむらちゃん、さやかちゃん・・・///」

「うん・・・そうだね・・・///」

「・・・それじゃ、お邪魔したわ・・・また明日・・・///」

 

 

 

 

 

「・・・どうしよう。マミ」

 

「・・・もぅっ!///」パァン

「痛っ!! ちょ_」

「バカバカバカッ!///」ポカポカポカ

「マミさん!痛い!痛くないようでイタイ!!!」

「もう・・・知らないっ!!///」

「あっ!ちょっ・・・!マミさん!? マミさぁぁあん!!!」

「もう知らないっ!翔一なんか知らないっ!///」

 

 

「ま、待ってくれぇ!! マミさぁぁぁん!!!」

 

 

「あらやだ・・・彼女、泣かせちゃったわね・・・」ニヤニヤ

「ちょっと君、今すぐ追いかけなさいよっ・・・」ニヤニヤ

 

「あっはい・・・今すぐ追いかけますよ・・・!

 ・・・くそ、何て不幸だっ!何が慈悲だっ!期待した俺がバカだった!!!

  あっ、走らないでくれっ!! ちょ、ま、待ってくれ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         「待ってくれぇぇぇ!!! マミぃいい!!!!」

 

 

 

 

・・・この後、帰った後、マミさんに深夜になるまで説教食らわされたのは、他でもない。

 

・・・だけど、それが・・・。大切な人と過ごせるというのは、何て幸せな事なんだろうと、

『あの日』以来、また再確認する事に、なった。

 

 

 

そう。運命は変わった。

 

 

 

 

マミは。・・・・巴マミは・・・生きている。

 

 

 

 

 

ここからが、「スタート」とも言える。

ヘタレな俺による、ヘタレなりに頑張る、そんな俺が・・・・救う、ハッピーエンドな物語が。

 

 

 

 

_____

____

___

__

_

 

 

「院長。・・・その・・・お伝えにくいんですが・・・」

 

「む・・・何かね・・・?」

 

「中学生ぐらいの男の子が、駐車場の近くに、クッキーやお菓子が入った箱を、置いていたと・・・」

 

「・・・そうか。・・・そのお菓子箱、捨てていないかい?」

 

「はい。ありますよ」

 

「・・・飾っておこうじゃないか。院長室に。・・・そうすればきっと、報われる人も、居るだろうさ」

 

 

 

 




23話でした。

にじファン様で公開させて頂いていた物とは、改稿によって多少味が違う物になったかと。
あちらの物は急ピッチで書いてしまったが故に、色々おかしい点などがあった故、
改稿させてもらいました。



最後ら辺の武器の説明。


・アンチマテリアルライフル MP消費-32=全弾7発

基本的にスナイパーライフルの強化版。
貫通力や破壊力が上がっているが、そのためMP消費も跳ね上がった。
この形態だけでも、近未来の防弾ガラス10枚以上を容易く貫通する程の威力を持つ。

・ミサイルランチャー MP消費-80=全弾3発
基本的に実物と使用用途は変わらず。しかし、発射されたミサイルが自ら目標を視認、
そして目標へと向かっていくので素早い相手には重宝する。魔力強化により
追尾性能などもずば抜いている。

・・・さて。マミさん生存しました。
次は、さやかちゃん達の恋路~杏子ちゃんですね。

・・・ですが、
ここは少し流れを一旦停止(?)して、少しの間、オリジナル展開になります。
というのも、今まで何気なく張られている伏線回収などの理由もありますが。

主人公の戦う理由の確定、それからオリ魔女との対決で、主人公の心をボロボロにする話と
「戸原翔一」という人物が身近に居て、マミさんとコンビを組んでいた杏子ちゃんが
どう過ごしていたかとか、何故マミさんから離れたとか~そういうのも含めて、
数話ほど(?)オリジナル展開に。そこを終了したら、本編4話突入になると思うんですが、

マミさん生存√、そしてほむら協力√を辿っている本小説では、
さやかの心の葛藤とか、上條君と仁美ちゃんとさやかちゃんの恋愛話などが優先され、
本編でのギスギスとした『魔法少女の真実』という話は先送りになるかと思われます。

ですが、先送りにした分。それほど後々展開としての影響力があったりしたり・・・(?)

にじファン様での読者の皆さんでは、

『「皆死ぬしかないじゃない!」の展開になったらどうなるのか』とか、
『一応3話の死亡フラグ回避したけどまだ十分にフラグってあるよね・・・』という感想などを
頂いておりました。

・・・実際、おっしゃる通り、3話でのフラグは回避していても、

ほむらが経験してきた時間軸では、どれもマミさんは死亡したという過酷な現実。
そしてさやかが魔法少女になったら絶対とまでは言わないけど悪い方向に進むという流れ、

最近出番が少なくなってきたインキュベーターさんによる、
「訳が分からないよ(笑) 友達を投げ捨てるなんて(笑)」の外道イベントがあったり・・・。

とにかく、色んな意味でフラグが建ちまくっていますよね。

・・・『ここは作者にまかせてください! 絶対に良い方向に進ませてみせます』キリッ
と言えない作者なのが私。正直言ってどうしようかなと思い悩んでいます。
・・・第1話の前書きで言った通り、過度な期待はしないでくれますと、、
作者的には嬉しいのですが・・・。

・・・・・ここは一つ、この駄文をここまで読んでくれてしかも応援してくれるという
読者様のためにも、頑張らないといけません。

・・・・もう何も・・・こわくない・・・・・・・・・・・・・・・・はず。

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