魔法少女まどか☆マギカ -女神の決断   作:てにー

22 / 35
喫茶店に集まった、 まどか、さやか、ほむら、マミさん、そして翔一。
作戦会議(?)でうち合わせる事になるが・・・・


第20話「薔薇園の主」

マミ「さて・・・。それじゃ魔法少女体験コース第一弾、張り切っていってみましょうか」

さやか「おぉー!」

 翔一「準備なんてして来てませんだから帰って良いですかお願いします」

・・・避けたい。避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい

避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい

避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい

 

避けたい・・・!!!!!

 

ほむら「今更何を言っているのかしら」

さやか「そうだぞ翔一ー!ここまで来て引き下がるのは男らしくないぞー!!」

 翔一「男らしくなくても良い俺はヘタレですから帰らせてお願い」

避けたい・・・。

 

まどか「戸原君、そう言ってる割には逃げようとしないよね・・・ウェヒ」

 翔一「逃げる気はない。ただ帰って良いですかと言ってるだけだ」

避けたい避けたい避けたい避けたい避けたい。

 マミ「まぁ翔一は口では嫌々言っててもちゃんとやってくれるから・・・」

さやか「おぉー。信頼されてますなー!」

ほむら「信頼されていてもこの様子だとダメな様ね」

 翔一「はいダメなんで帰っていいですか」

 

 マミ「・・・」ジィー

 

 翔一「・・・・・・・・・」

 

 マミ「・・・」ジィー

 

 翔一「・・・分かったよやるからちょっとトイレ行って来て良い?」

 

 マミ「・・・」ジィー

 

 翔一「・・・分かったよ! チクショー! やれば良いんだろ!」

 

 マミ「はい♪」

 

さやか(うわぁ・・・あの翔一があっさり引き下がった・・・)

ほむら「・・・」

 マミ「それじゃ、準備はいい?」

さやか「準備になってるかどうか分からないけど・・・・・持って来ました!

    何もないよりはマシかと思って!」

そう言ってさやかは、眺めの包みから金属バットを取り出す。

 

 マミ「・・・まぁ、そういう覚悟でいてくれるのは助かるわ」

ほむら「・・・ふ」

さやか「あぁー!?今ほむら、鼻で今笑ったなー!?」

ほむら「いえ、何でもないわ。・・・それよりお店の中で大声出さないでちょうだい」

さやか「ムキッー!!」

・・・・。さっきから何で地文が「避けたい」とか書き込まれているのかと言うと・・・

まぁそれはやっぱり置といて、今日学校が終わった後、皆で毎度端麗のイーオンの喫茶店に

行く事になって・・・。    あぁ、避けたい。

 

お願い助けて避けたい。

 

さやか「まどかは何か、持って来た?」

まどか「え?えっと。私は_」

 翔一「ちょっとトイレ行って_」

 

 マミ「」ガシッ

 

 翔一「ひぃ!?」

 

 マミ「・・・ね?」ゴゴゴゴゴ

 

 翔一「・・・ひゃい・・・」ブルブル

 

まどか「えと・・・これ・・・」

 翔一「」

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

 

 

 

 

さやか「うわぁ・・・」

そう。俺は今、目を閉じているが、目を開けたらもの凄い物が広がっているんだろう。

 

まどか「と、とりあえず、衣装だけでも考えておこうと思って」

ほむら「・・・」

さやか「ぷっ・・・・」

 マミ「っ・・・・・」

 

 

 

さやか「あははははははははは!!(笑)」 マミ「あははははははははは(笑)」

 

 

まどか「え?えぇぇ・・・」ショボン

 マミ「うん、意気込みとしては十分ね。・・・十分すぎるわ(笑)」

さやか「こりゃあ参った。あんたには・・・負けるわ(笑)」

ほむら「安心してまどか。私は笑わないわ」

まどか「ほむらちゃん・・・」

ほむら「まぁ・・・その・・・これぐらい・・・考えたくなる・・・わよね」

・・・見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

 

まどか「ひ、ひどいよー!ほむらちゃんまでー!」

さやか「だって・・・これは・・・(笑)」

 マミ「・・・(笑)」

まどか「うぅ・・・」

見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ

 

ほむら「・・・所で、そこで目を瞑っているのはなぜかしら」

 翔一「いや、見たら笑っちゃうだろ? うん、そうだよ、笑っちゃうんだよ」

ほむら「・・・」

 

 マミ「・・・?」さやか「・・・?」

 翔一「うん、笑っちゃうはず。そう、俺は笑ってしまうんだ。そうに違いない」

ほむら「・・・」

 マミ「・・・?」

さやか「・・・?」

 翔一「そうそう。だから俺は見ないんだ」

まどか「えっ・・・? でも・・・まだ戸原君が笑うと決まった訳じゃ・・・」

こいつは俺に何の期待をしているんだっ!!!

 

 マミ「鹿目さんはほら、期待してるみたいよ?・・・ちゃんと見てあげなさい?」

さやか「そうだぞー。まどかのためにも、見てあげないとー」

ほむら「・・・」

 翔一「・・・いや、笑ったら失礼だしさ、うん。だから俺は見ない。

    ほら、まどか、さっさとそれしまってくれ、早くしてくれないか」

 

まどか「えぇ・・・?」←期待の目線

 

 翔一「いや、100%笑っちゃうからさ。ね?早くしまおうよ、お願い早くしまって」

ほむら「・・・・」ゲシッ

 

 翔一「イッタァ!?」

俺の足が何かに踏まれ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ら~ら~ら~。ら~らら~言葉に~出来な~い。

 

 

 

 

 

 

 

目に映った物。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一「_________」

 

 

 

まどっちさんの『黒歴史』ノート、だった。

 

 

 

 

 

 

翔一「―――ドゥブゥハァ!!??」

 

 

【まどかの くろれきし !!!】

 

【きゅうしょにあたった! 

            こうかはばつぐんだ!!】】

 

 

 

 

 

 翔一「」チーン

 

 

まどか「と、戸原君!?」

 マミ「翔一!?」

 

ほむら「・・・」

さやか「・・・あ、あれれ?」

 

 

テレッテー

【説明しよう! 主人公、戸原翔一は、自分の過去が恥ずかしい過去が一杯だったりで、

 自分の過去に繋がるような恥ずかしい物を見ると、恥ずかしさのあまりに精神的

 ダメージを食らってしまうのだ!! 

 それを自分で把握していたために、『見ちゃダメだ』とか、

 目を瞑って回避していたとか、事前に回避しようとしていたのだった!!】

 

 マミ「ちょ・・・いきなりどうしたの!?」

さやか「い、いや・・・私にも訳が分からないっすよ・・・」

まどか「・・・あっ・・・」

さやか「ん?」

まどか「もしかして・・・私の絵が・・・」

 

さやか「・・・あ」 マミ「・・・あ」

 

ほむら「・・・・・・・」

さやか「・・・そうだよねぇ・・・。私達は笑っちゃったけど・・・翔一は笑いを通り越して、

    気絶するほどインパクトが強かったんだねぇ、きっと」

 マミ「・・・それはないと思いたいけど・・・そう、なのかしらね・・・」

まどか「ぅぅ・・・」ウルウル

ほむら「大丈夫よまどか。まどかは悪くない。悪いのは打たれ弱い戸原翔一よ」

まどか「うぅ・・・ほむらちゃん・・・」

 マミ「それよりも・・・どうしましょ」

さやか「一発殴るとか・・・?」

 マミ「それはいけないわよ・・・」

さやか「うーん・・・」

まどか「私の絵ってそんなに下手なのかなぁ・・・」

さやか「いや、うまいけどね・・・ねぇ?」

 マミ「・・・えぇ」

ほむら「絵は美味いわ。凄く上手よ」

まどか「ほ、本当かなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一「・・・まだ・・・まだ・・・まだ終わってなぁあああい!!!」

 

 

 

 

 マミ「!?」 まどか「えっ!?」 さやか「おぉーっ!?」 ほむら「!!」

 翔一「こんな事で・・・気絶する訳が・・・ない!!! 否! 断じて・・・否!!」

さやか「はい、じゃあこのノート見てー」ペラッ

 

 

 翔一「ぐぉおふっ!?」

 

 

 翔一「」チーン

さやか「やっぱダメじゃん!!!」

 

 

____

__

 

 

 

 翔一「という事がありました」

さやか「誰に説明してんのさ」

 翔一「どこかの皆さん」

まどか「?」

俺達はあの後、2日前に来た立ち入り禁止の階に入った。

ぶっちゃけ魔女の居場所は知ってるんだけど、ほむらも居るから、

怪しまれる可能性が高い。それに、2日も経っていたら違う場所に居るかも知れないので

黙ってついて行く事にした。

 

 マミ「これが昨日の魔女が残していった魔力の痕跡。基本的に、魔女探しは足頼みよ」

さやか「意外と地味ですね」

 マミ「まぁね・・・。こうしてソウルジェムが捉える魔女の気配を辿ってゆくわけ」

ほむら「・・・次、行きましょう」

 マミ「えぇ。・・・二人とも、ちょっと歩く事になるかもだけど、構わないかしら」

さやか「バリバリ大丈夫ですよ!!」

まどか「平気です!」

 翔一「・・・・・」

 マミ「・・・行きましょう」

 

___

_

 

==大橋==

 

 

さやか「光、全然変わらないっすね」

 マミ「取り逃がしてから、2日経っちゃったからね。足跡も薄くなってるわ」

まどか「あの時、すぐ追いかけていたら・・・」

 マミ「仕留められたかもしれないけど、あなたたちを放っておいてまで優先すること

    じゃなかったわ。暁美さんや翔一も居たし」

まどか「ごめんなさい・・・」

 マミ「いいのよ」

さやか「うん、やっぱりマミさんは正義の味方だ! それと引き換えほむらは何かこう、

    クールなダークヒーローみたいな感じだよねぇ」

ほむら「余計なお世話よ」

 マミ「・・・正義の味方・・・か。・・・ふふ」

まどか「マミさん?」

 マミ「あ、ごめんなさい。ちょっと昔の事思い出してたの」

さやか「おぉ、マミさんの昔話、聞いてみたいな」

 マミ「そんなに楽しい話じゃないわよ?」

まどか「私も聞いてみたいです・・・」

 マミ「そう。・・・・」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「マミ、あんな怖い物と戦って怖くないの?」

 

「怖いよ・・・。でも、やらなくちゃ・・・」

 

「・・・理由は?」

 

「・・・え?」

 

「ほら、理由だって!怖い物倒してるんだから、なんか理由あるだろ?」

 

「そんなの・・・考えた事、なかったなぁ・・・」

 

「そうなの?俺はてっきり皆のために戦ってると思ったんだけど」

 

「・・・皆の、ため?」

 

「そう! 正義の味方!! 皆のために悪い奴とか倒す、正義の味方!」

 

「・・・正義の・・・・味方・・・」

 

「悪い奴を倒して、この見滝原の守る、正義の味方!カッコイイじゃないか!!」

 

「・・・・・・カッコ・・・イイ・・・///」

 

「そうだよ! 俺、マミの戦ってる所見て、『カッコイイ』って思ったぜ!?」

 

「・・・私・・・カッコ、良かった?」

 

「もちろん!!」

 

「うん・・・///」

 

「マミって必殺技とかないの?」

 

「・・・え?」

 

「ほら!必殺技だよ!必殺技! 正義の味方は一つぐらい必殺技持ってるだろ!?」

 

「・・・うぅーん・・・ある・・・と思う」

 

「おぉーっ!?」

 

「でも、そんな大した物なんかじゃないよ・・・」

 

「良いんだよ! 必殺技は弱くても強くてもカッコ良ければ!」

 

「・・・努力してみる・・・」

 

「あ、試しに必殺技出す時に名前叫んだら?」

 

「えぇ・・・? 恥ずかしい・・・///」

 

「良いんだよ! 恥ずかしくても、カッコいいじゃないか! 

 正義の味方になるなら、それぐらいやらないとさ!!」

 

「私が・・・正義の味方に・・・?」

 

「そう! マミは見滝原を守る、正義の味方!!!」

 

「私が・・・・正義の・・・!!!」

 

 

 

 

「「( マミ) が皆を、見滝原の皆を守る、正義の味方に・・・・なるんだ」」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

さやか「・・・マミさん?」

 マミ「あっ・・・いえ。・・・その事は、また詳しく話すわね?」

さやか「ちぇー」

 マミ「・・・・」ジィー

 翔一「・・・ん?」

 マミ「・・・///」プイッ

さやか「・・・!」ニヤッ

 

___

__ 

 

さやか「ねえ、マミさん。魔女の居そうな場所、せめて目星ぐらいは付けられないの?」

 マミ「魔女の呪いの影響で割と多いのは、交通事故や傷害事件よね」

まどか「えっ・・・」

 マミ「だから、大きな道路や喧嘩が起きそうな歓楽街は、優先的にチェックしないと。

    あとは、自殺に向いてそうな人気のない場所」

さやか「はい」

 マミ「それから、病院とかに取り憑かれると最悪よ」

さやか「!!!」

 マミ「ただでさえ弱っている人たちから生命力が吸い上げられるから、

    目も当てられないことになる。だから定期的に病院も行かないと」

さやか「はい・・・」

まどか「さやかちゃん・・・」

ほむら「・・・巴マミ」

マミ「えぇ。・・・かなり強い魔力の波動だわ、近いかも」

___

_

 

そして・・・あの廃ビルが見えてきた。

 翔一「っ!!!」 

廃ビルの場所が分からなかったので、急かす訳にも行かなかったが、見えてきたら別だ。

一分一秒でも行かないと・・・!

 

 マミ「翔一!!」

ほむら「私が追うわ。まどか達は急がないでいいから」

さやか「ちょ、ほむら!」

 

 

 翔一「・・・ここ、か・・・」

下から屋上を見るが、まだ人影はない。今ならまだ間に合う・・・!

 

 翔一「イザとなったら頼むぞ・・・魔銃・・・!」

目を凝らし、屋上を見続ける。

 

ほむら「・・・何をしようとしているの」

 翔一「っ!・・・」

マズイな・・・。ほむらに感づかれると厄介_

 

 翔一「・・・やっぱりか・・・!!!」

ほむら「っ!!」

そう。屋上に・・・・人影が現れた。

 

 マミ「翔一!!・・・・・っ!!!」

さやか「あ、マミさん、あれ! 人が!!!」

まどか「あれじゃ落ち_・・・きゃっ!?」

人影が落ちてくる・・・!!! このままじゃ・・・!

 翔一「死なせる訳_」

 マミ「下がって!!!」

 

 翔一「・・・!」

ほむら「!」

 

 翔一「マミ、頼む・・・!!!」

 

・・・そう。マミさんは・・・。正義の味方なんだ。俺が出る幕じゃない。

 

 マミ「えぇ!!!」

マミさんが魔法少女になり、リボンで落ちてくる人影を捕らえ・・・

さやか「やった!」

まどか「やった!」

そして、落ちてきた人を、ゆっくりと下ろしていく。

 

まどか「・・・女の人・・・

さやか「どうして・・・」

 マミ「魔女の口づけ・・・・やっぱりね」

まどか「この人は・・・大丈夫なんですか・・・?」

 マミ「大丈夫。気を失っているだけ」

まどか「良かったぁ」

 

oh...美人なOLさんです事_

 

 マミ「・・・」ギロッ

 翔一「ッ!?」

何だこのプレッシャーは・・・!!! 

これは・・・殺気!? なぜだっ・・・なぜ俺に殺気なんか向けられるんだ・・・!?

 

ほむら「あまり時間を取ってる暇もない。その人のためにも、急ぎましょう」

 マミ「えぇ」ジロッ

 

 翔一「!....」

さやか(うわぁ・・・・こりゃ凄いわ・・・)

 マミ「・・・さて、今日こそ逃がさないわよ」

さやか「うぅ、うわぁ~!!」

まどか「すご~い・・・!」

マミ「気休めだけど、これで身を守る程度の役には立つわ」

さやかが持っていたバットが、マジカルなバットになった。さすがマミさんである。

 

 マミ「絶対に私達の傍を離れないでね。翔一も2人の事、頼むわよ」

まどか「はい」

さやか「はい!」

  翔一「やるしかないならやるだけだ、って事ですね、分かりますよ」

魔銃、起動!

 

 翔一「さて、今日は薔薇園のお掃除ですね・・・やるしかないな・・・」

ほむら「・・・」

おうふ。いつの間にかほむほむも変身してた。たまげたなこりゃ。

 

 マミ「それじゃ、準備はいい?」

まどか「はい、大丈夫です!」

さやか「おーう!」

 翔一「・・・やってやるよ、やるしかないし・・・」

ほむら「えぇ、準備は整ってるわ」

 マミ「じゃ、進みましょう!」

 

そうして俺達は奥へと進む・・・。

 

 翔一「・・・・」

その途中、ちゃんと壁に例のあの文字が書かれていたのはさすがに驚いたが。

 

 マミ「ここね・・・!」

そうマミさんが言った後、魔女の結界への入り口が見えた。

 

 マミ「行くわよ!」

マミさんが中に入り、次にほむらが入っていった。

 

さやか「おりゃー!」

と無駄な掛け声を言いつつ入っていくさやかに続き、

 

まどか「・・・えいっ!」

とこれまた無駄な掛け声を言いつつ入っていくまどか。

 

 翔一「全く・・・度胸が良いって言うか何て言うか・・・!」

そう言いながら、魔女の結界へと入っていった。

 

 

 

===魔女の結界内===

 

 マミ「全員来たわね」

 翔一「・・・・・いない・・・?」

まどか「えっと、・・・何が・・・?」

ほむら「・・・・いないわね」

さやか「な、何がさ!」

 マミ「魔女の手下よ。・・・2日前にかなり倒したとはいえ、こうまで静かすぎるのは

    おかしいわね。・・・気配もない・・・」

 翔一「・・・・やられたか・・・」

思わず、頭に手を置く。

 

 翔一「・・・手下が居ない=魔女の下に集まってるって事なんじゃないのか?」

さやか「えぇー!?」

まどか「えっ・・・」

 マミ「そうね・・・翔一の言う通りかも・・・でも、隠れ潜んで私達の事を狙ってる

    かも知れないから、気をつけて」

ほむら「・・・・・・・・隠れ潜んでるという可能性はないみたいよ」

ほむらが見つめているその先には、一匹の使い魔が。

・・・確か、アーデルベルト。役割は警戒、だったっけな。

 

 マミ「・・・使い魔達はどこか別の場所に集まってるけど、警戒は行ってはいる。    

    という事は・・・」

 

ほむら「警戒態勢・・・」  マミ「警戒態勢・・・ね」

 

さやか「つまり、どういう事っすか・・・」

 

 マミ「魔女だって弱ってる時はある。そういう時は、すぐに移動して、

    追撃されないような場所に移動する。そして、自分の態勢が十分に整うまで、

    手下を一つの場所に集めてね。・・・そう、例えば、自分を狙う魔法少女が、

    弱っている自分の所にたどり着く前に、手下と相手にさせるとか・・・」

 

さやか「って事は、つまり・・・・相手は本気で、つまりその、魔女をやっつける前に

    手下全員と相手しなきゃ行けないって事!?」

まどか「えっ・・・」

 マミ「さすがに手下全員とまでは行かないけど・・・でも、使い魔の大群が襲ってくると

    思ってもいい。・・・どうする? 暁美さん。2人を置いて_」

ほむら「いえ。警戒されてる以上、まどか達を置いて行く事はできない。

    もし見つかったら、私達が遠い場所に居る様じゃ、対処できないもの」

 マミ「そうね・・・」

 翔一「とにかく、今はまどか達を置いていくにも連れて行くにも、ここじゃ

    不向きだ。できるだけ安全な場所に移動してから考えよう」

 マミ「・・・! そうね。翔一の言う通りね。・・・行きましょう」

さやか「おー!」

 

___

__

 

 

階段を駆け上がり、広場みたいな場所に出る。

 翔一「伏せろ!」

そう言って皆を促す。

 

 翔一「・・・行ったな」

さやか「ちょ、何で伏せたのさ?」

 マミ「翔一が正しいわ。手下に警戒されてるから、見つかったら他の

    使い魔達がやってくるはずよ」

さやか「なにそれ、怖・・・・」

 

___

__

 

何とか魔女の手下の警戒の目から背いて、裏路地と橋が合わさったような場所を、走リ抜ける。

 

 マミ「どう、怖い? 二人とも」

さやか「な、何て事、ねーって!」

ほむら「強がりは禁物よ」

さやか「あぁーもう!一々ほむらは人が言う事に~~!」

 

___

__

 

 

 QB「頑張って! もうすぐ結界の最深部だ」

 翔一「あぁ、やばいなこりゃあ・・・」

走りながら、そう呟いてしまう。

さやか「何でそんな事言うのさ!」

 翔一「ここら辺に警戒してる使い魔はいなかった! 

    つまり、ここら辺に本隊さんが・・・手下が集まってるって事だろう!」

さやか「っ!!! 何で早く言ってくれないの!!」

 

 翔一「今気づいたんだから仕方ないだ_」

 

ほむら「・・・・!!!」 マミ「下がって!!!」

 

 翔一「おいおいおいおいおい!!!言ってる傍から嘘だろ!?」

 

まどか「うっ!?」 さやか「うわ!?」

そう。向かってきたのだ。かなり遠くからだけど、真正面から・・・。

 

 翔一「使い魔の・・・・大群・・・!」

魔女からしてみれば、使い魔達を放ってこちらの体力を削らせるつもりだろうが・・・

こんな所でマミさんとほむほむの体力と魔力を消費させる訳には!

 

 翔一「下がってろっ!!」

マミさんとほむらの前に出る。

 

 マミ「翔一! 何を_」

 翔一「まかせろ!」

ほむら「っ!」

・・・・・・!

 

 

 翔一「灰は灰に・・・塵は塵に・・・! ってカッコ良い14歳が言ってたぜ!」チャキ

 

ほむら「!?」

 

俺が変形させたのは、火炎放射器だった。ぶっちゃけ重い。

 

 翔一「需要あるのかと思ってたチャージショットを使う事になるとはな!!」

 

・・・チャージ、チャージ・・・!

 

 マミ「ちょ、翔一! 危ないわよそれ!!!」

 翔一「危ないのはどっちも一緒だろう!!!」

 マミ「っ!!!」

 翔一「まだだ・・・まだ・・・!」

というか火炎放射器の先から火球が出来て、段々大きくなってるんだけど。

何これ、不思議。 というか熱い。

それにまだ使い魔達に放つにはまだ距離がある。

 

 マミ「・・・」ゴクリ

ほむら「・・・・」

さやか「・・・!」

まどか「戸原君・・・!」

 

 

 

まだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ・・・

 

 

 

まだだ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使い魔「「「「「「「「「  f``o--------------!!!!!!!!!! 」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

もらった!!!

 

 

これで終わらせるっ!!!

 

 

 

 翔一「モウヤメルンダッ!」

トリガーを引くと、バランスボールより一回り大きい火球が凄いスピードで放たれる。

 

そして使い魔の大群に直撃。火だるまになっている 使い魔( アントニー) 達、

そして空中にいた 使い魔(アーデルベルト) 達も火球が着弾した勢いで

発生した爆発によって火だるまに。

 

さやか「おぉ・・・! たーまや~~~!」

まどか「ちょ、さやかちゃん・・・」

さやか「あっ、ごめん・・・あはは。綺麗だったからさー?」

ほむら「・・・何て愚かなの、美樹さやか」

さやか「ムキッー!」

 マミ「・・・・・・」

 

 翔一「・・・ふぅ。終わった終わった」

放射器を拳銃状態に戻し、振りかえる。

 

 マミ「・・・もう、無茶しないでよ・・・はぁ」

と、ため息をついたマミさん。さすがに無茶しすぎたか。

 翔一「ごめんなさいっと。・・・じゃ、行くか」

燃えていた使い魔達は、もう灰になっており、火もついていない。

 

 

 

その時見た翔一の背中は・・・昔、佐倉さんをを庇ってくれた時の背中と・・・同じだった。

 

 

 

____

___

 

 

ほむら「・・・ここね」

 マミ「えぇ」

さやか「やっとボスか・・・緊張するな・・・」

まどか「うん・・・」

 マミ「安心して。ちゃんと倒すから」

さやか「おー!」

 マミ「翔一、もしもの時は_」

 翔一「もしもなんてないだろ。 ちゃんと無事に帰ってきてくれよ、

    じゃないと今夜のおかずピーマンだけにするぞ、ピーマン地獄にするぞ」

 マミ「うっ、苦いの嫌い・・・」

さやか「おぉ、以外だな~。マミさんピーマン食べられないんだ」

 マミ「ち、違うの!/// ただ、苦いのが嫌いなだけで_」

まどか「私も嫌いだなぁ・・・ピーマン」

 

ほむら「・・・ふっ」

 

 マミ「っ! 今暁美さん、鼻で笑ったでしょう!?///」

ほむら「いえ。別に」

 マミ「~~~~っ!!! こうなったら、意地でも無事に帰るからっ!!!///」

ほむら「・・・行くわよ、巴マミ」

そうほむらが言った瞬間、目の前のドアが唐突に開けだし・・・!

 

さやか「・・・!」

まどか「・・・」

 マミ「行くわよっ!!!」

俺達は自ら魔女の結界、最深部・・・魔女がいる場所へ向かう。

 

そして・・・!

 

 マミ「・・・見て、あれが魔女よ」

・・・GERTRUD (ゲルトルート )

・・・薔薇園の魔女で、性質は不信・・・。

 

・・・・・・・・・性質は『不信』。それを思わせるように、

彼女(ゲルトルート ) は、椅子に座って佇んでいた。

 

・・・そうだ。彼女も・・・・・・・・・・・・・・・

今、まどかに抱かえられているキュゥべぇの、被害者の一人なのだろう。

 

さやか「う・・・グロい」

まどか「あんなのと・・・戦うんですか・・・? マミさんも、ほむらちゃんも、戸原君も・・・」

 マミ「大丈夫。負けるもんですか」

ほむら「えぇ、負けはしないわ・・・ 絶対に・・・!!!」

 マミ「下がってて。・・・翔一は魔石の残量も少ないと思うから、今回は下がって」

 

 翔一「そんな_」

 マミ「その代わり・・・帰ったら、美味しいご飯、作ってね」

 翔一「・・・分かったよ・・・マミもほむらも、無事にな」

ほむら「あなたに心配させるほど、柔じゃないもの」

 翔一「っ。毒舌ですね。・・・じゃ、行って来い! 怪我したら承知しないぞ」

 マミ「はい・・・!」

さやかのマジカルバットを地面に刺し、結界・・・絶対領域を発動してから、

 

ほむらに続いてマミさんも行ってしまう。

 

 

~~~ マミさんside ~~~

 

 

 

 マミ「今日も張り切っていかせてもらうわ・・! 打ち合わせ通りに行くわよ、暁美さん!」

ほむら「えぇ・・・!」

 暁美さんと2手に分かれて、お互い攻撃の準備を咄嗟にし、

 

 

ほむら「今!」

暁美さんがそう合図したと同時に魔女に向けて射撃を開始。

 

 魔女「―!!!」

私達の射撃を飛んで回避すると同時に、座っていた椅子を、私に投げつけてくる。

 

 マミ「!」

魔女が投げつけてきた椅子をマスケットで撃ち砕いてから、

高速で飛んでいる魔女へ攻撃を開始。

 

使い魔「―――!!!!」

暁美さんがこっちがの攻撃が当たるよう、リードしてくれて、

私の射撃の数発が魔女へ攻撃。そして暁美さんもそれを見逃さずに追撃を仕掛ける。

 

ほむら「っ・・!」

 マミ「暁美さんっ!? ・・・!」

足元にいた白くて小さい使い魔が、暁美さんの体の自由を奪っていたけど、

それは私も同じだった。

 

使い魔「――!!!」

どこから出してきたかは分からないけど、大きなハサミが何個もこちらに向かってくる。

・・・だけど・・・

 

 マミ「甘いわよ!!!」

体の自由が奪われていてもマスケットを放つぐらい可能で、

向かってきたハサミを撃ち砕く。

 

 マミ「なっ!?」

急に足が縄みたいな物に掴まれ、掴まれたまま空中に投げ出さ_

 

ほむら「・・・!」

暁美さんが縄を撃ち切ってくれた。 何時の間にか体の自由を取り戻していたらしい。

 

 マミ「・・・今っ!」

自分が空中にいるのを利用して、回避行動に専念してるがあまりに、

こっちに向かってくる魔女に対して、マスケットで狙い撃つ。

 

 魔女「――!!??」

素早くて本体には当たらなかったけど、背中に生えている蝶の様な羽に直撃して、

魔女が勢い良く落ちていく。 どうやら羽がないと飛べないらしい。

 

ほむら「・・・!」

その隙を捉えた暁美さんは、手榴弾を数発投げ、

 

 魔女「!!」

地面にへばっていた魔女に、手榴弾によって起こされた爆発が直撃。

 

ほむら「今よ! 巴マミ!!」

 マミ「えぇ!」

そう、今がチャンス。

 

リボンを解いて作り出したのは大きな大砲、そして・・・

 

 マミ「ティロ・・・・フィナーレ!!」

私の『必殺技』で、とどめを刺す・・・・!!!

 

 

 

 

 

 

さやか「決まったー!!!」

 

 翔一「・・・」

 

まどか「やったー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・安らかに、眠ってくれ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さやか「おぉー!やったー! 倒したー!」

 

まどか「あっ、ほむらちゃーん!」

 

 

___

__

 

 

 マミ「・・・ふぅ。やっぱり戦った後の紅茶は良いわね」

ほむら「・・・」

 マミ「あ、暁美さんも飲む?」

ほむら「いえ。それより、戻りましょうか」

 マミ「えぇ。グリーフシードはどうしましょうか」

ほむら「私はあまり魔力を使ってないから、あなたが使ってちょうだい

 マミ「・・・そう。今度の魔女戦の時まで取っておきましょう」

ほむら「えぇ」

・・・場所が元に戻っていく。

 

___

__

 

さやか「かっ・・・勝ちましたよね?」

まどか「すごい・・・凄いよほむらちゃん!」

ほむら「・・・///」

 マミ「これがグリーフシード。魔女の卵よ」

そう言って、鹿目さんと美樹さんに、グリーフシードを見せる。

さやか「た、卵・・・・!?」

 マミ「運が良ければ、時々魔女が持ち歩いてることがあるの」

 QB「大丈夫、その状態では安全だよ。むしろ役に立つ貴重なものだ」

 マミ「私のソウルジェム、昨夜よりちょっと色が濁ってるでしょう?」

さやか「そう言えば・・・」

 マミ「でも、グリーフシードを使えば、ほら」

グリーフシードをソウルジェムの隣に置いて・・・浄化する。

 

さやか「あ、キレイになった!」

 マミ「ね? ・・・これで消耗した私の魔力も元通り。前に話した魔女退治の見返り

    っていうのが、これ」

まどか「ほむらちゃんは大丈夫なの?」

ほむら「えぇ。私はあんまり消耗してないから。・・・今度使わせてもらうわ」

 マミ「それじゃ、魔女の口づけにかかった人の所まで、戻りましょうか」

まどか「はい!!」

さやか「おぉー!」

 

___

__

 

「ん・・・・あ、あれ・・・ここは・・・・ あれ、私は?・・・やっやだ、私・・・!!

 なんで!? そんな・・どうして、あんな・・・ことを・・・!!」

 マミ「大丈夫。もう大丈夫です。ちょっと、悪い夢を見てただけですよ」

さやか「一件落着、って感じかな」

まどか「うん・・・ほむらちゃんもカッコ良かったよ!」

ほむら「・・・そう///」

マミ「はい。大丈夫ですよ。 これからはあんな事になりませんから」

 

____

___

 

 

魔女の口づけにかかった人に、ここであった事とかは他言無用と言ってから、帰してあげて、

お詫びにお金を押し付けられちゃったけど・・・。

 

まどか「マミさん! 今日カッコ良かったです!」

 マミ「ありがとう」

さやか「ほむらも、中々だったじゃん!」

ほむら「あなたに『中々』と言われるのはムズ痒いわ」

さやか「ムキーッ!!!」

 

まどか「あっ、戸原君は・・・?」

さやか「あれ? さっきまで居たけど?」

 マミ「翔一・・・」

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

「・・・ごめんな。俺にはこれぐらいしかできないや・・・」

急いで買ってきた薔薇を、魔女の結界があった近くに置く。

風が来ても倒れないような場所に、花瓶に薔薇をつけて。

性質は『不信』。・・・彼女が、生前どんな人生を歩んできたかなんて、

俺は全く知らない。・・・だけど、そんな彼女でも、好きな物があった。

・・・俺のやってる事は矛盾だろう。そして、他人から見れば何やってんだと思われるだろう。

それでも、走るのをやめる事ができなかった。

 

だから・・・せめて。せめて、彼女が少しでも報われるように。

こんなの自己満足で、自分の内側から来た感情ではない。

 

それでも、彼女が常に好きな物と過ごせるように、俺は薔薇を添えた。

 

「_____」

 

 

「!・・・気のせいか」

一度振り返ってから、俺は廃ビルを後にした。

 

でも、確かに聞こえたような気がする。

 

 

ありがとう  と

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。