ゼロ魔 オリ主 TSの話[ネタ] と ネギま![習作] 作:仮登録
汚物。腐敗。異臭。
メアリーが付けられた二つ名だ。
メアリーのセクハラによって屋敷のメイドを辞めた貴族たちが、社交界で噂をし広まったのだ。
つまり、自業自得であった。
メアリーは、汚物を扱ったし、腐らせた豆も用いたし、錬金の魔法で作った素材を元に、異臭を放つ物質を作っていた。
メアリー自身としては、歯車という2つ名を名乗っている。
友だち百人できるかな、は失敗である。
トリステイン魔法学園に入学できたので、仲良くしても問題ない一定ラインは超えているのだ。なのに、すでに嫌われている。
メアリーはいじけながら、唇を尖らせた。
授業を聞き流しながら、女性を物色する。
◇始まってすぐ説明回は引くわー◇
古代ギリシアでは「火・土・水・空気」が「正4面体・6・8・20」と置き、後に見つかった正12面体は宇宙を現すと主張した者がいる。そして、この世界は四大元素論に近い理論が、元の世界の理論の上位に成り立っている。
たとえば、土は万物の組成を司る、なんてことが正しいのだ。
<錬金の魔法>がそれをよく表している。地球上にある金は、超新星爆発のときにできた物質なのだが、ハルケギニアでは、<錬金の魔法>を唱えるだけで、不純物を含んだ金が出来上がるのだ。質量保存の法則が魔法では成り立たない。原作では火系統のコルベールが、物質の特徴を掴んだだけで土系統の<錬金の魔法>でガソリンを錬成した描写もある。魔法はなんでもありなのだ。
そして、メアリーは<錬金の魔法>を使える土系統のドットクラスのメイジである。
魔法が使えるのが貴族(メイジ)、使えないのが平民だが、メイジの中には貴族から平民に身をやつし、傭兵などを生業にしている者もいる。奴隷制度は存在しないので、最下層が平民なのだ。メイジといえど無条件で魔法が使えるわけではなく、杖を振って呪文を唱える必要がある。
魔法は「火」「水」「風」「土」の四系統がある。伝説の系統として「虚無」があるが、使えるものは誰もいないと言われている。。メイジの力の強さは、各系統の属性をいくつ足せるかではかることができる。ひとつしか使えないのが「ドット」、ふたつ組み合わせることができるのが「ライン」、三つ足せるのが「トライアングル」、四つ足せるのが「スクエア」。学院の生徒レベルだと、ドットが普通でラインは上出来。トライアングルになると先生やエリートコース。スクエアはもう英雄クラスである。
メアリーは<錬金の魔法>だけを鍛えている。
魔法を使えるようになってから、毎日だ。研究対象の物質を錬金した後、メアリーの訓練は始まる。
メアリー 6歳 冬
己の煩悩と魔法の才能を感じ、悩みに悩み抜いた結果
彼がたどり着いた結果(さき)は
イタズラだった
自分自身を奮い立たせる女性への限りない思い
自分なりに少しでも感じようと思い立ったのが
一日一回 錬金を使った性的なイタズラ!!
気を整え 拝み 祈り 構えて 触る
一連の動作をこなすのに当初は5~6時間
お仕置きが終わるまでに初日は18時間以上を費やした
触り終えれば倒れるまでお仕置きをされる
起きてはまた触るを繰り返す日々
2年が過ぎた頃 異変に気付く
お仕置きを終えても 日が暮れていない
齢10を越えて 完全に羽化する
お仕置きからの回復 1時間を切る!!
かわりに 妄想の時間が増えた
社交界に出た時 メアリーの噂は
身分を置き去りにした
「さて…ヤるかい?」
「是非、帰ってただきたい……!!」
変態が誕生した
「いいよ、触らしてくれたらな」
つい最近のことである
◇
メアリーは自分が男だと自覚し、体が女だと納得している。
ゼロの使い魔の世界に生きていることも、理解している。
前世は高校生だった。社会に出たことがない子どもである。
高校生の学力と<錬金の魔法>と権力を持っているので、化学や科学の実験を楽しんでいた。
高温や圧力が必要な場合は、魔法で代用できたというから、ご都合主義である。
魔法学院に来ても、それは変わらなかった。
怪しげな掘っ立て小屋を、コルベールの研究室横に作り、異臭を振りまいていた。
そして、メアリーは気づく。
俺、ボッチになってる、と。
朝、一人で起きて、朝食を食べに行く。
誰も話しかけてくれず、メアリーが顔を向けると目を逸らされる。
授業では、隣に座ってくれるものがいないので、できる限り立っておき、席が埋まってから座るようになった。
授業が終わっても話すことができず、上級生の体を観察するために、見晴らしの良い所を探す。
ひと通りニヤニヤした後、コルベール研究室横の小屋に行き、様々な実験をする。そして、眠くなったら寝るという生活だ。
何とかしなければ!
メアリーは心から反省する。
紳士になると心に誓い、今から行動に移すことにした。
今、友だちが多いのはルイズであった。
いつも周りに誰かがいるのだ。
ルイズの魅力に賞賛を送りながら、ルイズの隣の席を狙う。
今、ルイズと知りあえば、友だちが増えるはずだ!と考えた故の行動である。
ルイズが何処に座っても良いように、教室の真ん中で佇む。
周りが見てくるが、誰もメアリーに話しかけない。
ルイズが後ろの方の壁際の席に座った。
すぐに隣の席に向かう。が、ルイズの友が座ろうとしている。
「<念力>」
ぶぅ~、と音が響いた。
静まり返る教室。
動いたのは、メアリーのみ。
走る!
ルイズの隣へ!
席に座ろうとした奴は、すでに飛び退いている。
「はぁ、はぁ。と、なり、いい?」
「ひっ、……い、いいわよ」
ルイズの許可が出て、ゆっくりと席につく。ブーブークッションを回収し、一息つく。
久しぶりに他人と話せたことにメアリーは嬉しくなる。
深呼吸を一つ。
「(屁がなったところに、メアリーが飛び込んできたぞ)」
「(すごい速さだったな)」
「(汚物のメアリーって、本当だったんだ)」
「(味わうように深呼吸するとか、本当に貴族なのか?)」
くそっ、やられた!
メアリーは頭を抱えた。
「うゎぁ、なんなのよ」
メアリーは言い訳を考える。
今、おならを求めてルイズの隣に座ったように思われている。
違う、違うのだ!友だちが欲しかっただけなのだ。友だちが一番いるルイズの在り方が欲しいのだ!
心の中で叫ぶが、意味が無いことをメアリーは知っている。
声に出さなければならない。
「違う。……違う!」
メアリーは声を上げ、注目を集める。
再び静まり返る教室。
「私が欲しいのは、おならや屁の臭いではない!欲しいのは、ルイズだ!」
「えっ、私!」
「そう!ルイズの」
「皆さん、席についてください!授業を始めますよ!」
コルベールが一言で生徒を動かす。
授業が始まるも、生徒が囁く声は止まらない。
「(そういえば聞いたことある。メアリーって、女性の体にイタズラするのが好きで、メイドに手を出してたって)」
「(おいおい、まだ変態要素があったのかよ)」
「(何人ものメイドが辞めたらしいわ)」
「(次の獲物はヴァリエールなのか)」
勘違いが広がっていくのを、メアリーは止められなかった。
授業が終わるまで待つか?
いや、今すぐのほうが良い。噂話は放っておくと、どんな話になるか分からない。
我慢ならなかった。これ以上、自分の嗜好を勘違いされたくなかった。
メアリーは立ち上がる。
コルベールがそれに気づき、「どうしたのか」と尋ねるが無視する。
「私はヴァリエールのお子様体型なんかに欲情はしない!私が手を出すのは、胸が少しでも膨らんだ淑女だけだ!こんな胸がゼロのルイズに、欲情するわけないだろう!」
「へ、へぇえ、あんた。なかなか言うじゃないの」
ルイズが分かってくれてメアリーは嬉しく思う。久々に話が出来たこともあって、もっと話しかける。
「分かってくれたのか。ありがとう。私が隣りに座ったのは、胸が私より無いのに、その友だちの多さを学びたかっただけなんだ。そこを誤解しないで欲しいんだ」
「わ、分かったわ」
ここまで話し合いができるのなら、友だちだろう。
メアリーは女子同士の友だちなら名前呼びする法則を思い出す。
「ヴァリエールさん。分かってくれてありがとう。ルイズって呼んでいいかな。ああ、もちろん、ゼロのルイズなんて私は絶対言わないから」
「死ね!」
ルイズが杖を振るった。
メアリーが覚えていたのは、そこまでだった。
日を跨いで作ったら、文章の整合性が取れなくなった。
気になったら言ってください。