【完結】PERSONA3 Re;venger   作:清良 要

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補足説明

 今回の話は八章『第216話 前を向く』の未来人視点の話になるため、序盤の部分を除き会話内容は第216話と同一となっています。


第四百七十六話 過去との出会い

――古美術“眞宵堂”

 

 時の狭間にあった扉、その奥に広がるダンジョンの最奥で見つけた巨大な扉にメティスが触れると、一同は二〇〇九年六月のポロニアンモールへとタイムスリップしていた。

 メティスによれば仲間たちが補給について気にしていた事で、時の狭間に満ちている力が反応して補給出来る場所に繋がったのだろうとの事だが、どうしてそれで過去へ飛ぶことが出来るのかが分からない。

 ここには七歌たち以外の人間も存在し、彼らは記憶の世界の住人ではなく当時の時間軸で生きる本物らしい。

 七歌たちにすれば過去だが、過去に来た七歌たちの行動によって強い影響を与えると未来が変わる可能性もある。

 過去改変が可能と聞いた時には、これが美鶴の祖父である桐条鴻悦の目指した力なのかとも思ったが、過去だろうと補給が出来るのは事実だしありがたい事だ。

 突然こんな事態に巻き込まれたメンバーの精神的な負担を考え、七歌は一定時間好きに回ってリフレッシュしてくるよう全員に伝えた。

 

「え、あの……姉さんはどうして急に泣いているの?」

 

 そうして、その場で解散したメンバーたちはそれぞれ好きにモール内の店を見てまわっていたのだが、メティスとアイギスが栗原の店に入ると思い掛けない人物との再会を果たし、アイギスがその人物に抱きついて泣き始めた事でメティスは困惑していた。

 相手はただの店員。そのはずなのにアイギスは強く抱きついて声をあげて泣いている。

 姉を泣かした存在など普通ならば許せないが、メティスも姉が突然相手に抱きついて泣き始めたのを見ている。

 今も相手の青年は困ったような顔でアイギスの頭を撫でてあやしており、これで相手に文句など言えるはずがない。

 対人コミュニケーションの経験が少ないせいでメティスが何も出来ずにいれば、アイギスが入店した時から扉が開いたままになっていた事で、何かあったのかと様子を見に七歌たちが現われた。

 

「栗原さーん、扉開いたままだけ、ど……」

「な、なぜ君がここに……」

 

 七歌と美鶴は声をあげて泣いているアイギスと、その彼女が抱きついている相手を見て言葉を失う。

 彼女たちの世界では既にこの世にいない青年、普段ならば店主である栗原がいるレジカウンターにこの世界の有里湊がいた。

 ここは過去だ。であれば過去の彼と出会う可能性もあり得ると彼女たちは予想しておくべきだった。

 ただ、他の者たちが学校に行っている平日の昼間に、眞宵堂のバイトを辞めていたはずの彼がいるなど誰が予想出来るだろうか。

 七歌と共にやってきたゆかりがアイギスと同じように彼に駆け寄って涙を流し、七歌も同じように泣き始めれば、仲間たちがいることを知って残りの者たちまで集まってしまう。

 

「な、嘘だろっ……」

「……湊君」

 

 順平やラビリスもそこに湊を見て驚き、真田や荒垣は目を見開いて何も言えずにいる。

 こうまで同じような態度を取られると流石に慣れるのか、溜息を吐いた青年は動揺しているチドリに声をかけた。

 

「チドリ、準備中の札を出して扉を閉めてくれ」

「……え、あ、うん。分かった」

 

 改装して広くなったと言っても、流石に十数人がやって来てさらに他の客まで入れられるような広さはない。

 アイギスたちの突然の来訪も含め、何かしらの事情があるのだろうと察したらしい青年は、ここにはいない店主の許可も得ずに店を閉める決断を下す。

 指示を受けたチドリはバイトの閉店作業と同じように、準備中の札を出して扉を閉めると、外から見えないように入口の薄いカーテンをしめて戻ってきた。

 チドリがそういった作業をしている間に、湊もマフラーから椅子を取り出して配り、人数分の飲み物やお茶菓子をカウンターに置いてゆく。

 作業している彼の姿を見ているうちに泣いていた者も落ち着いたのか、湊がモール内のトイレで顔を洗ってくるように言えば、彼女たちもそれに従い一度店を出て行く。

 後には湊の他に卒業した三年生組とコロマルだけが残される。

 すると、泣いていた者たちが帰ってくるまでに少しでも情報を手に入れようと思ったのか、真田が椅子の一つに座ると湊に話しかけた。

 

「お前、平日の昼間になんでここにいるんだ?」

「俺は元々自由登校を許可されていますから。ちなみに、今日は満月の二日後です」

「急に何を……もしかして、分かるのか?」

 

 急にどうして日付について伝えてきたのか。理由を尋ねようとして、まさか自分たちがどういった存在か分かるのかとの真田の問いに湊は意味ありげに薄い笑みを浮かべるだけで答えない。

 昔から相手は不思議な存在だったが、自分たちの置かれた状況まで理解出来ているなら不思議を通り越して異常だろう。

 自分たちよりも過去の存在であるはずの彼について、真田たちが底の知れ無さに薄ら寒さを感じていれば、顔を洗いに出ていた者たちが戻ってきた。

 湊は紅茶とコーヒーを選ばせると、それぞれのカップに注いでから話をする体勢になる。

 すると、最初に彼に抱きついて泣いてしまったアイギスが気まずそうに彼に謝罪した。

 

「すみません、突然……」

「いや、大丈夫だ」

 

 湊も急に泣かれて困った様子を見せていたが、子どもの相手をする事もあった彼にすればあの程度慣れたものだ。

 そのため、本当に気にしていないようで、大丈夫だと言ってからのんきにコーヒーに口をつけている。

 アイギスたちからすれば彼は過去の存在なのだが、目の前にいる彼は内に秘めた力の強さが影響しているのかやはり存在感が強く、どうしても自分たちが接してきた当人のように思えてしまう。

 けれど、ここで彼に色々と話してしまうと、それが影響して未来が変わってしまうかもしれない。

 未来が変わった場合、今の自分たちはどうなってしまうのか。

 もしも、過去改変によって存在が上書きされるなら、今の自分たちは消えてしまう事になる。

 そんな不安を持っているため、アイギスたちが話を切り出せずにいれば、カップをカウンターの上に置いた湊が口を開いた。

 

「それにしても、未来人の客を相手にするのは初めてだな」

「未来人って、八雲君どこで気付いてたの?」

「お前たちが来た時点で気配には気付いていた。そして、お前たちが本物であることも分かったから、力の大きさでもっと未来から来た本人なのだろうと推測したんだ」

「感知型の能力を持っているにしてもすごい読みですね。姉さん、この人は一体誰ですか? あの寮にはいなかったみたいですけど」

 

 普通ならば未来人など物語の中にしか存在しないとして、その存在を信じる以前の問題として扱われる。

 それを青年は自ら話題として出し、七歌たちがそういった物だと正確に把握していた。

 未来人である事がバレていた事には七歌だけでなく他の者も同様に驚いたが、メティスだけは素直に感心したのかアイギスに湊の事を尋ねる。

 これまでも彼女の前で彼の事を話題にしていたが、写真等を見せてはいなかったため、彼が寮にある回復アイテムを用意してくれた人物だと教える。

 

「この方は百鬼八雲さん。最強のペルソナ使いでわたしたちの大事な仲間。そして、わたしの一番大切な人」

「最強のペルソナ使い? なら、なんで私たちのいた世界のこの人は姉さんのピンチに駆けつけてくれないんですか? 正直に言って鈍っている他の人よりずっと頼りになると思うんですけど」

「それは……」

 

 元の時代での事情を知らないメティスの指摘にアイギスは何も言えなくなる。

 自分たちよりも彼の方が頼りになるなど、そんな事は他の者たちも分かっている。

 だが、それは出来ない。何せあちらの彼はニュクスと共に世界から消えたのだから。

 過去の当人がいる前でそんな事を言える訳もなく、聞かれたアイギスが言葉に詰まっていれば、事情を察したらしい湊が小さく笑って彼女に理由を語ってくれる。

 

「メティス、だったか? 未来の俺が協力しない理由は簡単だ。そっちの俺は既に死んでいる。だから手助けしようにも出来ないんだ」

「……え? な、なんで? だって、え、でも、最強のペルソナ使いって姉さんが言ったのに、そんな人がどうして?」

 

 シレッと未来の自分の死を語る青年に、どうしてその内容をそんな軽い調子で口に出来るのかとメティスが動揺する。

 湊にとっては本当に大した事ではないらしく、動揺するメティスに気にしなくていいと伝えるくらいだ。

 だが、未来の彼に取り残された側である者たちは、未来を予見している青年の態度が納得出来ないようで、メンバーを代表してチドリが少し怒ったように彼に問いかけた。

 

「貴方、この時から既に自分が死ぬことを知ってたの?」

「まぁ確証はないが予感としてな。ああ、先に言っておくがニュクスとの戦い以降の話はしてもいいが、それより前のことは話すな。こことそちらが完全な地続きかどうか分からない以上、下手に未来の情報を俺に与えて分岐させる必要はない」

 

 自分たちよりも過去の人間であるはずの湊が、どういう訳か自分たち以上に時の流れやアイギス側の事情を理解している。

 実際に彼の方が詳しいのは確かだが、何とも不思議な感覚だと思いながら美鶴は率直な疑問を口にした。

 

「自分が近い未来に死ぬことを予見しておきながら、君は随分と冷静にこちら側の状況も考えてくれるんだな」

「完全な地続きか分からないと言ったでしょう。もし、俺がここで首を刎ねて死ねば、ここはそちらから見て別の過去ということになる。時間というのはそれくらいあやふやなものなんですよ」

 

 湊の説明を聞いても時の流れを概念的に理解していない美鶴では彼の視点に立てない。

 しかし、過去を改変することによって未来が変わり、自分たちの存在が上書きされて消えてしまう可能性がないことは分かった。

 美鶴がその事に安堵し、淹れて貰った紅茶のカップに手を伸ばすと、隣にいたゆかりが修学旅行前の湊が美鶴と会話した事に驚いて湊に会話していいのかと質問する。

 

「てか、有里君いま普通に美鶴さんと会話したよね? え、いいの?」

「それはお前たちが勝手に勘違いしてるだけだ。俺は何も分かっていない状態の馬鹿と話す気がないだけで、自分が戦う理由を理解している状態になっていれば美鶴さんとも普通に会話する」

「フフッ、確かに以前の私は自分から見ても酷い状態だった。あんな状態の私に付き纏われていた君にはさぞ不快な思いをさせたことだろう。過去の私に代わって謝罪させてくれ」

 

 元の世界の湊も戦う理由を偽らなくなったタイミングで美鶴を受け入れていた。

 彼は美鶴とゆかりが河川敷で話した事は知らなかったはずなので、こちらの湊も戦う理由を偽っていないと何かしらの理由で察したに違いない。

 そういう事ならば普通に会話出来てもおかしくないのかとゆかりが納得したところで、真田が脱線していた話題を戻すぞと口を挿む。

 

「話を戻そう。有里、俺たちの世界のお前は時限式で開く箱に手紙を入れていたんだ。その内容はただ二つ。一つは“俺を頼れ”、そしてもう一つが“妹を、メティスをよろしく”だ。これらに心当たりは?」

「ないですね。ただ、そっちの俺も今の俺と同じように未来から来た先輩たちに会ったんでしょう。だからこそ、過去の俺を頼るように伝え、さらにここで出会ったメティスを信用して良いと判断したってところですか」

 

 箱から出てきた手紙について尋ねると、六月の時点では湊もメティスの存在を知らないと答えた。

 彼はアイギスの姉妹機について誰よりも詳しいため、そんな彼が知らないとなると、メティスは今後作られる機体か桐条グループ製ではない可能性が出てきた。

 ただ、今後それらを用意する湊がメティスを信用するならば、当面の間は本当に敵対の意思はないと思ってもいいのかもしれない。

 他の者たちがそんな事を考えていれば、話題に出されたメティスはどうして自分が湊の妹扱いなのかと首を傾げる。

 

「私が妹? あ、でも、姉さんの大切な人ってことは、私にとっては兄さんなのかな。兄さん、兄さん、兄さん……うん、素敵な響き。あの、貴方のことを兄さんって呼ばせてもらってもいいですか?」

「……どうぞ」

 

 年下に慕われる事の多い湊はツッコミをいれず、呼び方などどうでもいいとメティスの要望を受け入れる。

 彼を兄と呼ぶ許可を得たメティスは子どもらしい様子で喜んでおり、今までそんな態度一度も見せていなかっただろと相手の反応に順平がツッコミを入れた。

 

「えー、妹ちゃんってばここ来るまで一緒に戦ったオレたちより、会ったばっかの有里に懐くとか薄情じゃね?」

「まぁ、僕たちもまだ仲間として信用してませんからお互い様でしょう。有里さんの手紙がなきゃ同行も遠慮して貰いたかったですし」

「……なるほど、そちらの伊織は俺を呼び捨てなのか。となれば余計に別の過去という見方が強くなるな」

「ああ、六月ならまだオレっちも有里君呼びだったぜ。ちょっとした理由があって途中から呼び方変えただけでさ」

 

 順平が湊を呼び捨てするようになったのは、湊目線で次の七夕に桔梗組で戦って以降だ。

 この程度の情報ならば過去を変える事にはならないはずなので、順平も途中で呼び方を変えただけだと答える。

 そんな風に話していれば、荒垣が話が脱線して進まないと告げながらメティスを指して残る謎について挙げる。

 

「また話が脱線してるぞ。コイツが言ってた過去と繋がった理由とか色々と話すことがあんだろ」

「……それ自体は簡単に予想出来ますよ。時の狭間は集合無意識の空間でしょう。つまり、シャドウやペルソナの持つ時空間に干渉する力を空間自体が持っている。なら、閉じ込められ孤立無援状態になり補給が見込めなくなったことで、全員が食料や治療薬などライフラインの確保を求めたため、その想いが場の力に方向性を持たせて色々と調達出来るここに繋がったんでしょう」

「え、なんで願っただけで繋がるの? てか、どういう理論で組み立てた予想よそれ」

 

 自分たちを未来人と理解していた時も思ったが、この青年の頭の中はどうなっているんだとゆかりが本気で分からないと目を細める。

 対して、兄と呼ぶようになった相手が自分と同じ推測に至ったことに嬉しそうにしながら、メティスは自信満々に改めて世界が繋がった理由と時の狭間について語る。

 

「ほら、私がした説明と一緒じゃないですか。兄さんの言ってることは多分合ってますよ。あそこは心の世界みたいなものだから、全員が願ったことで想いが大きくなり願いにも反応したんだと思います」

「へー、てか湊君よぉそんなん分かるな。当事者のウチらもよく分かっとらんのに」

「俺は元々時を概念的に理解しているからな。お前たちとは感じ方が違うんだ」

 

 もしも彼のように時を概念的に理解していれば、もっと簡単に今回の事態を解決出来るのだろうか。

 そんな事を考えても今から同じような感覚を手に入れる事は出来ないため、彼を羨む気持ちを頭の隅へと追いやりながら、アイギスは今回の騒動について早速彼に助言を求める事にした。

 

「あの、八雲さんはどうして時の空回りが起きたんだと思いますか?」

「……そうだな。タルタロス消滅の揺り返しで時の狭間が出現した事が切っ掛けではあるだろうが、寮だけが切り離されたってことは原因が寮内に存在すると思った方が良い」

 

 少しだけ考えて話し始める湊だが、やはりここまではメティスの予想と共通している。

 タルタロス消滅の揺り返しで時の狭間が出来たのは偶然だったとしても、それがペルソナ使いたちの集まる寮に繋がったのはそうなる原因があったから。

 そして、空間的に繋がっただけでなく、そこが外部から切り離されてしまったのは、恐らくその場所にいる人間に理由があるはずだと彼は続ける。

 

「まぁ、簡単に言えばお前たちが原因ってことだ。時の狭間は近くにいる者の精神の影響を受けるようだし、お前たちが先へ進むことを恐れているか、もしくは過去に囚われているんだろう」

「そんな、だって私はちゃんと前を見てるよ。君がいなくなって哀しかったけど、でも、守ってくれた世界だからそこで強く生きていくんだってっ」

「……それは前しか見てないんだ。起こった事実を受け入れたんじゃない。見るのが嫌で、だから前しか見ないことで目を逸らしている。ほら、お前も過去に囚われているじゃないか」

 

 自分たちが過去に囚われている事が原因だと言われた途端、ゆかりはそんな事はないとどこか必死さを感じさせる瞳を湊に向けながら反論する。

 しかし、ちゃんと前を向いて未来を生きようとしていると語った言葉は、逆に全て湊の説明を肯定する事になってしまっていた。

 指摘されるまでゆかりは本当に気付いていなかったのだろう。彼の容赦のない言葉に強いショックを受け、しかし、お前がそれを言うのかと我慢していたものが溢れ出し声を荒げてしまう。

 

「い、一体誰のせいだと思ってるのよ! あなたが、あなたが何も告げないで一人でニュクスと戦いに行って、それでそのまま……帰ってこなかったんじゃない……」

 

 目の前にいる青年は自分たちから見て過去にいる。そんな彼に未来での出来事について文句を言ったところで意味はない。

 けれど、湊はそれを受けるのが当然とばかりにゆかりの言葉を黙って聞いてくれていた。

 どう考えても理不尽な事を言っていたのはゆかりだというのに、それでも相談に乗ってくれる彼には本当に頭が上がらない。

 我慢出来なくなって再びゆかりが俯いて涙を流し始めれば、美鶴がゆかりを介抱している間に、自分が話を進めねばと七歌が騒動を解決する方法を彼に質問した。

 

「八雲君、原因が私たちにあるならどうすればいいの? そう簡単に過去への未練をなかったことには出来ないと思うんだけど」

「別に未練自体は大した問題じゃない。というか、俺が語ったのは今回の件が起きた原因であって解決策じゃないからな」

 

 彼の言葉に今度は他の者たちも一緒になって首を傾げる。

 普通は原因を探り、それを排除する事で事態を解決するはずだ。

 だが、湊にとっては事件の原因を定めることは解決策を考える事と別の問題だという。

 彼に言わせれば、仕事をしている途中にパソコンが壊れた場合、原因となったデータやパーツを突き止めて復旧や交換をして解決する事も出来るが、別のパソコンを使うという手段を選んでも仕事を進めるという目的は達成出来るという事らしい。

 

「メティス、時の狭間にはあとどれだけ扉がある?」

「えっと、沢山です。兄さん」

「そうか。まぁ、それを全部攻略してくるといい。そうすれば、お前たちの未練が形になって現われる。寮を三月三十一日に繋ぎ止めている楔がな」

 

 全てが繋がっているようにしか思えない今回の事件。だが、過去の人間であるはずの湊には別の絵が見えているらしい。

 未だそれらを理解出来ない七歌たちは、今は彼に示された解決への道を進むしかないと受け入れ、眞宵堂を後にすると補給物資を買ってから綾時が待っている寮へ帰還するのだった。

 

 

 


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