【完結】PERSONA3 Re;venger   作:清良 要

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第十五章 -Aim-
第四百五十五話 三年生に向けて


2月10日(水)

放課後――月光館学園

 

 本日最後の授業が終わると、生徒たちは一息吐いて帰る準備を始める。

 この後は担任の鳥海がやってきて連絡事項をいくつか伝えてくるのみだ。

 それが終われば部活動に向かう者やバイト先へ向かう者、ただ友達遊びに街へ繰り出す者もいるが、各々の目的のために教室を出て行くことは変わらない。

 故に、少しでも素早く出て行けるようにと全員が帰る準備をしていれば、一冊のファイルを手に持った鳥海が教室に入ってきた。

 

「はーい。じゃあ、帰る前にちゃちゃっと連絡事項伝えていくわよー。皆も知っている通り、三年生は今週いっぱいで自由登校になります。つまり、実質来週からは皆が最高学年になるんだからね。そういった意識をしっかりと持って今月末の学年末テストにも取り組むように。以上、号令!」

 

 鳥海の言葉に合わせてクラス委員が起立と号令を掛ける。全員が立ち上がって礼をすると、鳥海が最初に教室を出て行って生徒たちも解散となる。

 既に帰る準備を済ませていた七歌が立ち上がると、ほとんど同じタイミングで立ち上がった順平が声を掛けてきた。

 

「あ、七歌っち。そういえば、うちの寮って三年生の先輩に送別会とかってすんの?」

「んー? まぁ、別にしてもいいけど。私たちも本寮に引っ越す準備があるから、あんまり凝った感じのは出来ないかなぁ」

 

 七歌たちが今現在暮らしている巌戸台分寮は、卒業する三年生も含めて寮生の減少に伴って閉鎖が決まっている。

 別に建物を壊したりはしないようだが、継続して寮生活をする分寮の生徒が引っ越しても本寮には十分部屋の空きがある。

 であれば、分寮は改装して別の用途に使えるようにしようというのが学校側の意見らしい。

 本日は部活が休みの七歌が鞄を持って移動を始めると、同じ寮で暮らしているゆかりも会話に参加してついてくる。

 

「七歌って桐条先輩と仲良かったよね? 真田先輩と荒垣先輩には私から連絡しておくから、ダメな日があれば聞いておいて」

「了解。けど、引っ越し面倒くさいなぁ。オマケに本寮だと相部屋でしょ? ゆかりのイビキと歯軋りで寝不足になったらどうしよう」

「耳栓でもつけて寝れば?」

 

 二年生の時にこちらへ転校してきた七歌は、同じ分寮生でクラスメイトのゆかりと仲良くなった事もあり、本寮に引っ越した時は相部屋になろうと約束している。

 分寮で暮らしていた二年生の女子は四人いたが、継続して寮生活を続けるのは七歌とゆかりだけ。

 そういった事もあり、二人が相部屋になる事は学校側も了承して正式に決定しているのだが、七歌がそれを踏まえた無礼な物言いをすれば、既に慣れているゆかりは冷たくそれを聞き流した。

 一緒に歩いていた順平は、そんなゆかりの順応性を強いなと密かに感じつつ、脱線しかけた話を戻すため会話に復帰する。

 

「あーっとそうだ。送別会の参加メンバーどうする? 真田先輩って妹さんいたよな? それ経由でゆかりっちの入ってる文化部のメンバーとも顔見知りらしいし。なんなら呼んでも良いと思うんだけど?」

「あー、確かにね。部活の皆も先輩たちの送別会って言えば来ると思うから、後で声かけて参加出来るか確認しとく」

「ゆかりの部活って風花とアイギスのお姉さんのラビリスさんもいるんだっけ?」

「そうそう。もう一人E組の吉野チドリって子を加えた五人の部活」

 

 七歌に訊かれてゆかりは頷いて返す。

 ゆかりが三年生である真田と荒垣に連絡しておくと言ったのは、彼女が所属する総合芸術部に真田の妹である美紀が所属する関係で知り合いになっていたからだ。

 ゆかりを除く四人のメンバーは全員隣のE組で、部活担任までE組と知った時にはゆかりも切れかけたが、その怒りも既に遠い過去のものだ。

 途中で入寮してきた風花とは中等部からの知り合いで、途中で転校してきたアイギスは高校からの付き合いのラビリスと異母姉妹という事ですぐに打ち解ける事が出来た。

 そんな二人も来年度からは実家通いと姉と同居になるらしいので、寮生でなくなる彼女たちの送別会も兼ねると思えば、総合芸術部のメンバーたちを呼ぶのもありだと思える。

 チドリだけは実家の場所もあって来るのが少し大変かもしれないが、彼女はラビリスや美紀の家に泊る事もあるので、もしも面倒ならそういった対策を取るに違いない。

 仮に順平が邪な想いを持って女子を参加させるように言っていたとしても、送別会には妹の守護者として中等部からその階級で君臨し続けた高校ボクシングチャンプがいる。

 彼と常識人な荒垣が揃っていれば、無礼講だと順平がハッチャケても止めてくれるに違いない。

 また、送別会で食べる料理の準備を考えると、中々の料理の腕を持っている部活メンバーの参加はありがたい。

 ゆかりも人並みの実力はあり、七歌は一風変わった料理の仕方だが実力は高いものの、二人だけで料理の準備をしては恐らく手が足りない。

 どこかでパーティー用オードブルを注文するにしても、全てをそれで済ませるわけにはいかないため、やはり調理係としての人手は欲しいのだ。

 それを踏まえると開催時期にも気を遣う必要があるだろうと、ゆかりはいつ頃開催するか二人に意見を聞く。

 

「送別会っていつ頃にやるのが一番良いかな? あんまり急だと皆の予定もあると思うんだけど」

「私的にはテスト明けが良いかなぁ。美鶴さんたちの意見もあるから、もしかすると卒業式が終わってからになる可能性もあるけど」

 

 もしも二月中に行なうとすれば、今から準備を始めてテスト前というタイミングになる。

 流石にテスト勉強の時間を削って準備をするのは避けたいので、七歌はテスト明けや卒業式が終わって落ち着いてからが良いのではと意見を出した。

 ゆかりもそれもそうかと頷き、とりあえずは三月に入ってからという方向で意見がまとまると、生徒玄関に到着して上靴から私靴に履き替えながら順平が呟く。

 

「しっかし、それが終わったらマジで二年生も終わりって感じだよな。一年生の時は高校生活に慣れるのもあって色々記憶に残ってるけど、二年生はあっという間って感じでなんも覚えてないわ」

「それは流石に言い過ぎでしょ。七歌が転校してきたり、アイギスが転校してきたり、綾時君が転校してきたり色々あったじゃない」

「逆に言うとそれくらいしかないだろ? 職業体験学習とか修学旅行とかもあったけど、マジでとくに印象に残ってないんだよなぁ」

 

 転校生が三人も来るのはある意味で貴重なイベントだ。

 その三人ともが同じ分寮生で仲良くなれたことは勿論良かったと断言出来る。

 けれど、順平はそういった友人が増えた事を除くと、二年生になってからの一年はあっという間過ぎてほとんど記憶に残っていないように感じていた。

 修学旅行では京都の観光名所を友人らと回ったし、職業体験学習では競争率の高いEP社に当選して超有名企業の地味な裏側や最新設備を見せて貰う事が出来た。

 来年の三月に貰えるであろう自分たちの卒業アルバムには、二年生の思い出としてそれらの写真が載るのは間違いないと思う。

 だが、頭では理解していても順平はどこか気が抜けた様子で続ける。

 

「二年生がこんなあっという間だと、来年の進路決めもホントにすぐに来そうだよな」

「私とゆかりは大学進学だけど、順平ってどうするか決めてるの?」

「オレっち? んー、正直に言うと悩んでるんだよな。別に何かしたい事があるわけでもねーし」

 

 七歌とゆかりは志望校は別々だが大学進学希望である事は決まっている。

 学年トップの成績である七歌は、美鶴の進学先である帝都大学に行くかもっとレベルの高い海外へ留学するか選ぶ事が出来る。

 ゆかりはそこまで選択肢が多いわけではないものの、特別成績が悪いわけでもない事から、都内の大学の中からいくつか候補を絞り始めていた。

 そんな二人と比べると順平は進学か就職か悩んでいる段階なので、意見を求められても七歌たちも相談に乗りづらく、まずはそこをハッキリさせるべきだと七歌が告げる。

 

「とりあえず、どっちにしたいか決めなよ。何となくでも大学に行きたいとか、やる事がないならお金を稼いでた方がマシだって就職にするとかさ」

「一応な。どっちかっつーと進学もいいかなって思ってんだよ。なんか知らねえけど、うちの寮生って進学費用補助が出るって話だろ?」

 

 順平もどうしてそんな制度があるのかは知らないが、今現在巌戸台分寮を利用している生徒は進学費の補助が出ることになっている。

 それが大学だろうが専門学校だろうが関係なく、入学金とその後の授業料も含めて全額負担してくれるというのだから、やりたい事が決まっていない順平でもどうせなら大学に進んでおくかという気にはなる。

 もっとも、就職を選べば桐条グループの持つコネクションの範囲内という条件はあるものの、ある程度は希望の職種に就ける支援もあるという。

 つまり、進学と就職のどちらを選ぶ事になったとしても、巌戸台分寮の寮生たちはかなり有利な状況と言える。

 多くの生徒たちがいる本寮の方ではそういった支援はないそうなので、もしかすると人数に少ない分寮で不便な想いをしているだろうという配慮で特典があるのかもしれない。

 

「自分らでメシの用意するのは面倒だったけどさ。一年我慢するだけですげー得した感あるよな」

 

 元々は本寮にいた順平にすれば、本寮と分寮の違いなど自分で食事の準備をする事くらいだ。

 それだって休日の日や食堂の利用時間を過ぎれば自分で用意していたので、本格的に料理を作っていた訳ではない順平にすれば大した変化ではなかった。

 本当にたったそれだけで数百万も補助して貰ってもいいのかと不安になるくらいで、同じように感じているらしいゆかりも苦笑気味に同意だと頷く。

 

「まぁ、一人暮らしの練習だと思えば苦でもなかったしね。それだけで私らだけ補助が出るのは本寮生にちょっと申し訳ないかな」

「そう思うならゆかりたちも大学で成績優秀者でも狙えば良いんじゃない? どこの学校でも成績優秀者は学費免除があるから補助も少なく済むよ」

 

 申し訳ないと思うなら出して貰う額が少なく済むようにすればいい。

 七歌の言葉はある意味で正しいのだが、簡単に目指せるなら苦労しないとゆかりたちは溜息を吐く。

 進学すると決めているゆかりも、出来ればしようかと考えている順平も、勉強が得意という訳ではないのだ。

 中学時代に比べれば順平の成績は伸びているが、それは一種の高校デビューとしてテスト勉強してみたら何故だか上手くいったからだ。

 以降も同じようなスタイルでテスト勉強だけはしており、今も学年で真ん中くらいの成績をキープ出来ている。

 周りからは何か特別な勉強方法でもしたんじゃないかと驚かれたほどの成績アップは、本人にしてみれば今の状態をキープする事は出来てもそれ以上は難しいと分かっている。

 故に、七歌の言うような大学での成績優秀者を目指したりはしないが、それでも順平なりに真剣に考えて補助制度を利用するなら出来るだけ真剣に進学先を選ぶつもりだと二人に話す。

 

「でもま……いつもなら素直にラッキーで済ませられたはずなんだけど。なんか、この進学費の補助とかに関しては真面目に考えなきゃなって思うんだよな。何がしたいか全然分かってねぇけど、学年末テストの結果で選べそうな大学について先生にでも聞いてみっかな」

「私もそろそろ予備校とか通い始めるから、順平も自主勉だけじゃ厳しいって思うなら予備校のパンフとか集めといた方がいいよ」

 

 高校生活に慣れた事であっという間に過ぎた二年生としての一年。

 それがもうすぐ終わるため、順平もゆかりも高校を卒業した後の事を考えて少しずつ動き始めた。

 三年生になってからでは遅い。進学先によっては秋頃には試験があるのだ。

 三年生の間ずっとピリピリとした雰囲気で過すつもりはないが、三年生の送別会を終えたら七かたちも本格的に受験生として過すようになる。

 それをはっきりとは言葉に出さないものの、その事を理解している三人はせめて二年生最後の思い出は精一杯楽しみたいと願い。協力してくれる友人らにも連絡を入れて寮へと帰っていった。

 

 

夜――ポロニアンモール

 

 古美術眞宵堂の閉店時間はモール内の他の店に比べて早い。

 扱っている商品が若者ウケするものでなく、古美術品や骨董品を眺めるのが趣味だと言う者がいてもそれなりに高額な事もあって、一日の来店客数を考えれば他の店と同じ時間まで店を開けておくメリットが薄いのだ。

 もっとも、一時間程度早めに閉めるだけなので、他の店より早めに閉めることに対してクレームが来たことはない。

 レジや顧客情報の載った書類を入れた引き出しにしっかり鍵を掛けると、店主の栗原は学生アルバイトであるチドリと共に店を出る。

 二人で店から出ると店の扉にもしっかりと施錠し、扉が開かないことを確認して二人は歩き始める。

 

「そういえば、あんたの学校はそろそろ定期テストの時期だろう? その間はバイトに入らなくて良いからちゃんと勉強するんだよ。バイトにかまけて成績が下がったなんて事になったら、こっちが桜さんに怒られちまうからね」

「……最初からテスト期間は入るつもりないから」

 

 どことなく怠惰でやる気がないように見えるチドリだが、彼女は後で楽をするため手を抜くべきではないところではきっちりするタイプだ。

 栗原も長い付き合いでそういった事は分かっているものの、バイトの雇い主としては一応は言っておかねばならない。

 本人は面倒臭そうに分かっていると返してきたので、この様子なら本当に心配する必要はないだろうと安心して頷いた。

 会話が一区切りつくとチドリは携帯を操作しながら黙って栗原の隣を歩き続ける。

 彼女が携帯を見ていても隣にいる栗原がちゃんと見ているため人にぶつかったりはしない。

 ただ、普段よりも画面に集中している様子なので、何か連絡でも来たのだろうかと思っていれば、携帯から視線を上げたチドリが口を開いた。

 

「……なんかテスト明けくらいに三年生の送別会するんだって」

「三年生って……ああ、部活仲間のお兄さんとかのかい?」

「そう。ゆかりとかラビリスの妹とかが暮らしてる寮が三月で閉鎖するから、美紀の兄たち三年生の送別会も兼ねて寮の打ち上げするみたい」

 

 チドリが所属している総合芸術部は全員が二年生なので、来年になってもメンバーは変わらないまま活動出来る。

 だが、部長を務める美紀の兄である真田やその友人の荒垣が卒業してしまうため、巌戸台分寮の閉鎖前に打ち上げも兼ねた送別会を開催するらしい。

 参加するのは分寮生とチドリたち部活メンバーだけで、学生が身内で行なう程度の規模のパーティーをする予定だという。

 開催時期がテスト明けならばチドリも今のところ参加出来そうだが、テスト期間中にバイトに出ないこともあって、チドリは栗原にそちらに参加する日は出られないと報告した。

 栗原としては別にバイトを雇わずとも店はやっていけるため、そこまで気にしなくて良いと笑って返す。

 

「三月は別に忙しくないから気にしなくて良いよ。しかし、もうそういう時期なんだね。三年生が卒業したら、あんたも本格的に受験勉強始めないといけないね」

「学力は足りてる。一応、小さなコンクールで賞も取ったから、推薦の要項は満たしてるってクマモンが言ってた」

 

 チドリは元々絵を描くのが趣味だったため、大学もそういった芸術方面に進もうと思っている。

 彼女が志望する大学の推薦にはコンクールでの受賞実績が必要だが、中等部でも高等部でも部活で出したコンクールで賞を取っているため、成績優秀者が優先して得られる学内の推薦枠をチドリは貰える予定だ。

 無論、推薦者に向けて大学から出される課題によっては安心出来ないが、推薦入試に落ちてもチドリの学力なら合格圏内に入っている。

 このまま成績を維持していればほとんど問題ないこともあり、栗原の心配は杞憂だとチドリはやる気のない表情で答えた。

 

「そいつは良かった。けど、本当に店の方はどうにでもなるからね。ちゃんと自分の勉強を優先させるんだよ」

「……分かってる。じゃあ、電車の時間があるから」

「ああ。気をつけて帰りな。お疲れ様」

 

 チドリの暮らす家は田舎にあるため、都心から外れる電車を一本逃すとだいぶ待つことになってしまう。

 それを嫌ったチドリは時計を確認すると、栗原に別れを告げて駅に向かって小走りで駆けていった。

 離れて行く少女の後ろ姿を優しい表情で見送った栗原は、相手の姿が見えなくなると静かに歩き出す。

 少女もあと一年で高校を卒業すると思うと感慨深いものがある。

 彼女がバイトしているのはあくまで社会勉強のためであり、保護者の桜からは少女が組員たちからお年玉や誕生日のお祝いで新社会人の年収以上に貰っている事も聞いている。

 面倒臭がりなはずなのに、わざわざ社会勉強のためにバイトするところは変わっていると感じるが、長い付き合いもあって彼女なりに意味があるのだろうと栗原も理解していた。

 もし芸術大学に進学すれば、課題製作などで時間を取られて彼女もバイトに来られなくなるだろう。

 なら、その前にバイトの方でも卒業のお祝いでもして、何か大学生活で使えるものでも贈ろうかと栗原は計画を練り始める。

 実際に贈るのは少女が卒業するようなタイミングなので、あと一年もの猶予があるのだが、それでも栗原は楽しそうに贈るものをあーでもないこーでもないと考え続けた。

 イベントやサプライズは計画段階が一番楽しいとよく言われるが、今の栗原の様子はそれが事実だと証明するに十分な説得力があった。

 硬いアスファルトの歩き、カツカツとヒールの音をさせながらポロニアンモールから離れる。

 明るい街灯に照らされた道を進み、同じように帰路についた人々と時折すれ違いながら、ふと空を見上げた女性は足を止めて月を見た。

 

「……あんたもそこから見てるのかい?」

 

 何気なく呟いた栗原の声は吹いた風にのって消えてゆく。

 呟いた本人もそれ以上は何も言わず、再び歩き出すと真っ直ぐ自宅を目指して帰って行った。

 

 


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