砲雷撃戦(物理)するには提督は必要ですか? ~はい。提督は脳筋仕様の化け物です~ 作:elsnoir
★鎮守府正面海域
side:渚
「ぶっ壊れろおおおオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
右手に握る巨大な主砲、36cm連装砲の砲身で重巡リ級を殴りつける。砲身が顔面にめり込み、みしみしと音を鳴らす。そして顔面が後方へ吹き飛び、爆ぜる。
「次はどいつだ!!」
あたりを見渡し、敵を探す。そして捕捉する。戦艦ル級エリートがこちらを見つめていた。海面を滑り、肉薄する。放たれた砲弾を回避し、両手にある砲を握る手に力を込める。砲弾を回避し続けながら間合いに入った。そして左手に握る20.3cm連装砲で殴りつける。ひるんだところに右手に握る巨大な主砲で顔面を殴りつけ、引き金を引く。轟音と共に爆炎を放つ。確実に一撃を叩きこみ、沈めていく。
作戦の第一フェーズは島までの海域を確保すること。確実に沈めちょっとずつ、制海権を広げていく。
「沈めえええええええええええええ!!!」
雄たけびを上げ、艦載機を放とうとしていたヲ級に急速で接近し、全力で右手を振るう。砲身が頭部の帽子にもぐりこむ。そして渚が引き金を引いたと同時に、巨大な爆発を起こす。砲弾に艦載機が誘爆し、さらに炎上した。
side:矢矧
暴れている渚を横目に見ながら敵を葬り去る。砲弾を、魚雷を放ち、確実に沈める。
「提督、動かないで!」
渚の後ろに軽巡ヘ級が砲身をのぞかせ、こちらを狙っていた。今にも砲弾が放たれそうだった。その狙うヘ級に向けて魚雷を放つ。
「っ!」
魚雷が海を切り裂き、渚の横をすり抜けていく。そのまま魚雷はヘ級に直撃し、爆炎を上げた。動かなくなったヘ級にとどめの一撃を放つ。渚の右手に持つ巨大な主砲が砲弾を放つ。砲弾は体に突き刺さり、爆発する。
「助かった」
「いいのよ。それより、次くるわよ!」
自分の声に応じて渚が前に進む。自分の役目は彼のサポート。自分自身も砲弾、魚雷を放つが仕事の八割ほどは渚のサポートになる。彼が先行し、危険な目に合うかのせいもある。それを防ぐのが自分の仕事となる。
side:渚
「させるかっ!!!」
腰に装備された魚雷を引き抜き、それをブーメランの要領で投げる。敵から放たれた砲弾を投げた魚雷で撃ち落とす。煙が立ち込める。その煙の中に突っ込み、魚雷とは別に装備された明石特製の刀、対艦刀の持ち手を左手で握る。
「受けてみろッ!!」
抜刀。光り輝く銀色がチ級を切り裂く。青黒い液体が噴き出す。追い打ちをかけ、さらに刀を振るう。一度二度三度と何度も切り付け、腹部を蹴り飛ばす。蹴り飛ばすと同時に少し距離を取り、右手の主砲を構える。
「堕ちろ!」
轟音を響かせる。一直線に空を切った砲弾はズタボロになったチ級に直撃し、爆破炎上する。同時に他の場所でも爆破音が響いていた。他の艦娘も十分に戦果を上げていた。
順調に敵艦隊を殲滅してきた。そろそろ第一フェーズの終盤にかかる。いくつかに分かれ他グループの中の蒼龍の索敵機から入電があった。敵は残り一艦。戦艦ル級フラグシップ。状況は中破。事前に榛名、大鳳を筆頭にダメージを与えていた。
「終わりにさせてもらうぞ」
海面を高速で滑りつつ、接近する。両手に持つ巨大な盾のような主砲からは絶えず砲弾が放たれている。それらをかわしながら、右手に持つ主砲でガードしながら確実に進んでいた。
「この拳は……!」
接近し、間合いに入った途端に左手を引き、力を込める。手に握るは20.3cm連装砲。
「俺の分ッ!!そしてェッッ!!」
「-------ッッッ!!!!!!」
振るわれた拳は的確に顔面をとらえる。だがまだ沈めたわけではない。次の一撃を。
「俺の分ッ、ブロオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
右手に握る36cm連装砲による重圧なブローを腹部にお見舞いする。砲身がめり込んだと同時に引き金を引き、零距離での砲弾の一撃を加える。爆音とともにル級の体が宙に浮かび上がる。あと一手。それで沈められる。
「空で後悔しな」
両手に持つ砲を浮かび上がったル級に向け、引き金を引いた。砲弾は一直線に飛び、直撃。そして巨大な爆発を起こした。
「TRR作戦、第一フェーズ終了。次回作戦より、第二フェーズに移行する」
★鎮守府 執務室
「ねぇ提督、あのTRR作戦の「TRR」って何の意味?」
「TransitRouteRecovery」
「なんとも簡単な作戦名ね…」
特に作戦名が浮かばなかったため適当に考えた結果この作戦名となった。戦果は上々。一度の出撃で第一フェーズを終えることができた。次は第二フェーズになる。半島を襲撃し、半島の制海権を獲得する。
「……何も起きなければいいけどな……」
●矢矧の記録
作戦の第一フェーズが終了。次からは第二フェーズに移行となるわ。第二フェーズは半島の制海権を獲得すること。順調に進めばいいけどね…何が起こるかわからないからこそ、この世界は怖いのよ。